複雑・ファジー小説

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スピリッツ (VS七星!! 動き出す野望編) 第47話更新!
日時: 2011/10/26 20:25
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)

はじめまして!!

更新が遅くなるかもしれませんが・・
温かい目で見守ってくれるとありがたいです。

では、よろしくお願いします。



   コメントを下さった読者様リスト!!

王翔様   きなこ様   水瀬 うらら様  コーダ様    ちぇりお様   ステッドラー様
長月様   いちご牛乳様





エピローグ


人の中に必ず宿る力・・・

「スピリッツ」

その不思議な力は、時に人を助け、
また・・大半は武力として使われる。

この力により、平和だった世の中は一変した。
争いが絶えず・・武力による支配を行う国家、「レジスタンス」。

この国家の出現により、
世界の終りが近づいているとさえ思われた・・・


・・だがこの国家に立ち向かい、世界を変えようとする少数団体。

そして、この世界の平和をのぞむ少年の・・


平和のための物語。


  
   登場人物


  団体名、「ナイツオブピース」  
  本部、飛行船「エアロバード」


アキト・・主人公。性格は基本無口で無愛想。
     髪の色は赤色、160cm、年は16歳の男の子。
     武器は主に剣を収める鞘(さや)と特定の時に愛用の剣「オメガ」を使う。
     特殊能力は「身体能力の向上」
     エアロバードの船員。

レイ・・狙撃手。性格はのんきで面倒見がいい。
    髪は黄色、175cm、年は20歳の青年。
    武器は二丁のレーザー銃「ダブルショット」
    特殊能力は「視力の向上」 
    レベル2状態の能力は「時空移動」
    エアロバードの船員。

ホープ・・超人。性格は優しいが割といたずら好き。
     髪は黒、170cm、年は18歳の青年。
     武器は素手と相手のものまねした能力。
     特殊能力は「ものまね」
     エアロバードの船員。

リフィル・・偵察者。性格は積極的で明るいが、怒ると怖い。
      アキトに好意を抱く。
      髪は青色、160cm、年は16歳の女の子。
      武器はないが、風の力で戦う。
      特殊能力は「風」
      エアロバード船員。

セリア・・髪は黒の長め、165cm、年は23歳のお姉さん。
     性格は謎。
     特殊体質で、ある一定の範囲のスピリッツの力を探知することができる。
     エアロバードの指揮官。

     
フェリス・・髪はピンクの長め、160cm、年は15歳の女の子。
      性格は無口で恥ずかしがり屋。
      エアロバードの操縦士。

ジーク・・髪は茶色、180cm、年は29歳のおじさん。
     性格は明るくて、しっかりしている。
     エアロバードの操縦士。


アイカ・・レイの恋人らしい。

イブ・・サンライズタウンで出会った女の子。
    剣の腕は一流だが、ドジっ子


  団体名、「レジスタンス」
  本部、「光の宮殿」


ジーオス・・七星の一人。強敵。

グリード・・七星の一人。数少ない上級ランクの超人。
      アキトと深い因縁がある。

ハデス・・七星の一人。レイと深く因縁がある。

カムイ・・七星の一人。いつも全身を鎧で身を包んでいる。
     飛行船、「キングジョージ」を保持している。
     サムライ隊のリーダーでもある。
     愛する人、「リイナ」を救うために戦っている。
     特殊能力は「分身」

スリス・・金山基地のリーダー。
     顔を汚されることをひどく嫌う。
     特殊能力は「雲」。姿を自在に消せる。

グロア・・ポルン町の管理者。
     ポルン町に恨みを持つ。
     武器は右手の大きなカニのはさみ。

ジョット・・元レジスタンスの兵士。
      殺すのが生きがいだと言う最低な人間。
      特殊能力は「創造」。なんでも思った物を作り出すことができる。

ツツジ・・・能力を使い好き勝手に暴れていた能力者。
      自分の能力に絶対的な自信を持っている。
      特殊能力は「土」。地面などの土を自由に操って戦う。



  団体名、「ヒューマン」


プロト・・レジスタンスと組んだヒューマンが作った最悪の殺人兵器。
     武器はさまざま。



  団体名、「ゲイボルグ」


ベルゼブル・・・ゲイボルグをまとめ上げるリーダー。性格は、めんどくさがりで戦闘大好き人間。
        髪は白銀でクセ毛。身長は170cm。年は19歳。
        能力は「空想」。。持続時間は基本は3分、長くて5分。
        オーラの色は黒で、普通とは違う特殊な色を放つ。

マリ・・・新人だが、ベルゼブルの側近として仕事ををしている。性格は明るく、勇敢。
     髪は長めの黒のストレートで、眼鏡をかけている。身長は167cm。年は18歳。
     身体能力は悪く、ドジだが、わりと頭は良いらしい。



    物語 

  第一章、(戦争鎮圧編)


第1話 >>1    第11話 >>14    第21話 >>36
第2話 >>2    第12話 >>21    第22話 >>37
第3話 >>4    第13話 >>24    第23話 >>38
第4話 >>6    第14話 >>25    第24話 >>39
第5話 >>7    第15話 >>26    第25話 >>40
第6話 >>8    第16話 >>29    第26話 >>41
第7話 >>9    第17話 >>30    第27話 >>42
第8話 >>10   第18話 >>31    第28話 >>43
第9話 >>11   第19話 >>32    第29話 >>44
第10話 >>12  第20話 >>33    第30話 >>45


  第二章、(VS七星!! 動き出す野望編)

     あらすじ・・・>>46


第31話 >>47   第41話 >>73
第32話 >>48   第42話 >>76
第33話 >>50   第43話 >>79
第34話 >>53   第44話 >>80
第35話 >>54   第45話 >>81
第36話 >>55   第46話 >>82
第37話 >>65   第47話 >>83
第38話 >>69
第39話 >>70
第40話 >>71



    番外編

パート1(300参照記念)・・・>>59


第一回人気投票の結果・・・>>73

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第15話更新! ( No.29 )
日時: 2011/07/26 10:32
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  第16話  「孤独に生きた少年 過去編(アキト編) 後編」


少年は泣きわめいた。
誰もいない静寂の雰囲気の中で・・ただひたすらと。

少年が頭を抱え、唸っている所に、

「おほっ!! 派手にやったなぁ。」
後ろから知ってる声が聞こえた。
この声を知ってる。

俺を鍛えた・・あのおじさんだ。

少年はすぐさま振り向き、
「きさまぁぁーーー!! 俺に・・・何をしたぁぁーー!!」
こぶしをブルブルと震わせて少年は言う。

「怒んなよ〜。運がよかったんだぜ? てめえは。」
おじさんはヘラヘラとしながら言う。

「いいか? お前が飲んだのは・・・禁薬、ノーテラスっていう薬だ」
実物を見せて言った。
・・・確かに俺があの時飲んだカプセルだ。

「こいつを飲むとうまくいけば・・スピリッツをさらに引き出すことができる。・・つまり、強くなれる。」
おじさんはニヤリと不気味な表情をして、
「しかし・・・大概は飲んだ奴は・・死ぬ。」

少年は背筋がゾクッとした。
ブルブルと震わせていたこぶしがピタッと止まる。

「だがお前は生きてる。だけど、お前は失敗だ。意味が分かるか?」
「なにが言いたいんだ!?」
少年は声を荒くして言う。

「お前は可能性がある。強くなれるための。死ななかったのはその意味だ。ちなみに・・飲んだ時に現れる高ぶる感情、これをコントロールしたとき、強くなれる。つまり成功だ。」
おじさんは殺気立っている少年を見てスラスラ答える。

「そんなことはどうでもいい!! 俺は・・・俺は・・。」
少年は剣を強く握りしめ、

「あんたを・・・・殺したい・・!!」
強く言い放つ。

「・・やれやれ。これだからガキンチョは・・面白いなぁ・・。」
おじさんは手を前に出し、手を招くようにして挑発する。

「俺の名はグリード。」
グリードはにやりと笑い、
「お前の大嫌いな・・レジスタンスの幹部・・七星の一人だ!!」
グリードは高らかに笑う。
人を見下すように・・大笑いする。

それを聞いて・・少年の憎悪の感情が・・・爆発した。

「グリィィーーーードォォーーーーー!!!」
少年は一気に接近し、剣で斬りつける。

「おせぇぇなぁ!! ガキンチョ!!!」
グリードはあっさりかわし、少年の腹に強烈な膝蹴りをくらわす。
「がぁぁはっ・・!!」

膝蹴りで少し浮いた少年の体を・・・
「おとなしく・・・寝てなガキンチョ!!!」
今度はサマーソルトで大きく蹴り上げる。
「ぐああぁぁっ・・!!」
少年は大きく宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられた。

「く・・・そぉ・・・」
少年は必死に立ち上がろうとする。
が・・体が動かない。
たった二発攻撃をくらっただけで・・
体は全く動かなくなってしまった。

「無駄だ。俺様の力の強さは他の奴らとは桁違いに違う。」
グリードは少年の近くに近づいて行った。
「お前・・超人って聞いたことあるか?」
「・・な・に・・?」
少年は意味が分からないといった表情で見る。

「超人は、生まれた瞬間から他とは桁違いの身体能力を持つ者のことだ。俺様も超人だ。数少ないうちのな・・。」
グリードは話を続けた。

「超人にもランクがある。上級、中級、下級ってな。俺様はその中でもっとも強い上級ランクの超人だ。この世界に三人ほどしかいない内の一人・・。」
グリードは吐き捨てるように言う・・

「つまり・・お前とは体のつくりが違う。その証拠にお前はスピリッツ能力を使い、身体能力が上がっているが・・・それを使っても力の差は天と地の差。俺様がスピリッツ能力を使わなくても勝てる。」

グリードはそう言うと背中を見せ、
「・・俺様が憎いなら殺してみろよ。ガキンチョ君。」
グリードは高らかに大笑いしながら姿を消した。


おれは・・・弱い・・。
あいつが憎い・・。
・・・俺が・・・壊してやる!!
レジスタンスも・・あいつも!!

俺が・・平和を作ってやる!!!!

「グリィィィーーードォォォォーーーーー!!!!!!!!」
姿を消した憎きあいつの名前を・・
憎悪を込めて力いっぱい叫んだ。


この後、少年は世界を回りレジスタントを鎮圧していく。
そして・・彼らと出会う。


この事件によって・・・
少年は人を斬りつけ、殺すことにトラウマを覚え、

また・・
以前の彼は明るく、感情豊かな少年だったが、

そのショックによって一部の記憶と、感情が消滅した。

これは、彼にとって何よりも思い出したくない過去の事実であり・・
・・彼にとっては失うものが多かった。


その事件を誰にも経験させたくないゆえに・・
彼は平和を求め、戦い続ける・・。

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第16話更新! ( No.30 )
日時: 2011/07/26 18:24
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第17話  「それぞれの事情 パート2」


ミッションがなかったある日常のこと・・・
アキトはふと疑問に思った。

(この船・・・どうやって動いているんだ・・?)



「・・・てことで事で聞きに来た。」
「・・いきなりね。」
いきなり司令室に来て、思わぬ行動をするアキトにセリアは驚いた。


「・・シャカーイケンガクウー!! ・・ってものをしに来た。」


・・・・・・・・・・・。


それを聞いたセリア、フェリス、ジークは・・固まった。

「・・・あの・・なんて!?」
「シャカーイケンガクウー!!  ・・・だ。」
セリアはもう一度聞き直すが・・・分からない。

「・・・フェリス。解読して。」
「・・多分・・社会見学をしに来たらしいです・・。」
フェリスが言うと、「なるほど・・。」と苦笑いする。

「アキト・・・それはどこで学んだの?」
「・・ここに来る途中にホープにならった。」
セリアは聞くと、アキトはいつもの調子で話す。

「・・ホープ・・か。」
「・・・ほんとにいたずら好きね。」
セリアの言動にジークはうんうんと頷く。

「・・・なにかあったか?」
「・・アキト。あなたは騙されたの。正式な言い方は社会見学よ。」
「・・そうか。」
アキトは「了解した。」と言った。

「・・まあいいわ。で、どうやって動いてるかだったよね?」
セリアは話を戻す。

「この船は・・魔法石の力で動いてるの。魔法石のこと覚えてる?」
「ああ・・。」
「ちなみに忘れてたなら、第9話を見てね。」
「・・どういう意味だ?」
「気にしないで。独り言よ。」
セリアの言葉の意味は分からなかったが、アキトは流した。

「スリスが持っていた魔法石の中には雷の力が宿っていた。間違いない?」
「・・ああ。」
アキトは答える。

「この船の動力源となっている魔法石の中には、空を飛べる力が入ってるの。ちなみにこの船にもう一つ魔法石があって、もう一つはバリアーをはる力が入ってるの。」
セリアはスラスラと答える。

「・・なるほど。ありがとう・・。謎が解けてよかった。」
「どういたしまして。」
アキトは司令室を静かに出て行った。

「本当に・・・用事はそれだけだったんだね。」
「・・・変わった奴だ。」
フェリスとジークは小さくつぶやいた。


おまけ・・・・


「アキト〜♪」
リフィルは司令室から帰ってきたアキトに声をかける。

「・・・どうしたリフィル。」
「アキトいろんな人に聞きに回ってるんでしょう?」
リフィルがそう聞くとアキトは「ああ・・。」と頷く。

「私に聞きたいことは無いの? 何でも答えるよ♪」
リフィルは笑顔で言う。
アキトは少し無言になり・・・

「・・・リフィルは・・・。」
「・・リフィルは・・?」
アキトが何か言おうとしているのをわくわくしながら待つ。


「・・・今は・・・特に・・ない。」
「えええぇぇーー!! そんなぁ〜!!」

アキトは「すまない」と小さくつぶやき・・。
「・・・また考えておく。」
そう言って、部屋に戻っていった。

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第17話更新! ( No.31 )
日時: 2011/07/27 11:02
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第18話  「戦火の町 前編」


今、エアロバードは地上のある町から離れた所に着陸していた。
存在がばれることがあってはならないので、森の中に着陸している。

「ジーク、フェリス。調子はどう?」
セリアは愛用しているペットボトルに入った水を飲んで言う。
「魔法石にも問題なし。大丈夫です。」
「システム的にも大丈夫です。
ジークとフェリスは言う。

「あとは・・・買い物待ちね。」


ーーポルン町ーー

ここは「ポルン町」と呼ばれる町だ。
レジスタントの支配下ではあるが、のどかな町だ。

「よし♪ こんなもんかなぁアキト?」
たくさんの食料を持ってリフィルは言う。
「・・ああ。・・・重いな。」
アキトはリフィルの持つ量の三倍ぐらいの食料を持っていう。
「さすがアキト♪ 力持ち!!」
「・・早く持っていこう。」
リフィルの言葉を軽く流し、アキトは早歩きで歩いていく。

「おーい。お二人さん。」
その光景を見たレイは手を振りながら近づいてくる。
「・・レイか。」
「おう。アキト・・すげえ量もってんな・・。」
レイはアキトの持っている大量の食料を見て苦笑いする。
「ホープは?」
気になったリフィルは尋ねる。
「ああ。ホープはなんかこの町の様子が気になったみたいで・・」
「・・・様子?」
アキトは首をかしげる。

「なんかおかしいんだと。・・確かに今日はやけにレジスタンスが多かった。・・・なんかあるかもな。」
「それをホープは調査中ってことね。」
「そういうことだ。」
リフィルの鋭い察知に、レイは親指を立ててポーズを決める。

「・・気になるな。」
「俺らもいってみるか?」
レイはアキトに言う。

「・・・行こう。リフィル。荷物を船まで持って行ってくれ。セリアにも伝えてくれ。」
「私一人で!?」
アキトの言葉にリフィルは驚く。
だが、アキトは見透かしたように、
「・・・風の力を使えば楽なんだろう? これくらいは。」
と言うと、リフィルはくすっと笑って、
「・・お見通しだね。アキトは。」
リフィルはえへへと言って笑う。

「・・なぜ俺に持たせて一緒に帰ろうとしたのかは全然分からなかったがな。」
「ええぇぇ!? ・・・むしろそっちに気付いてほしかったな・・。」
リフィルはもじもじしながら言う。
「・・・すまない。頼んだぞ・・。」
アキトはそう言うと町の中を駆けていった。
レイも「頼んだぜちびっこちゃん!!」っといって追いあけていった。


「・・・アキトともっと一緒にいたかったな・・。」
リフィルは肩をガクッとおとし、風の力ですべての食料を持って飛んで行った。


アキトとレイが町の中心部に行くと、レジスタンス兵が大勢いた。
何が起こるのか分からないと心配そうに見つめる多くの民衆の中には、ホープの姿もあった。

「ホープ。これはいったい・・。」
レイが近くに行って小声で話す。
「・・わからない。今から演説が始まるらしいよ。」
ホープもそう答えると、一人の兵士が、

「聞けええぇぇ!! この町、ポルン町の長、グロア様の演説だ。」
兵士がそういうと、一人の大男が民衆の前に姿を現した。
身長は2メートル以上ありそうだ。
その男の右手は、なんとカニのはさみみたいな大きな手をしていた。
どうやら、義手のようだ。

「がははぁぁ!! この町はもう終わりだ。」
グロアと呼ばれる大男は笑いながら言う。

「この町は、レジスタンスの権限により爆破する!!」
この言葉に民衆は一気に固まる。
「この町に爆弾を仕掛けた。爆発は30分後。それまでに逃げろよ。」
グロアは、「がはは!!」と高らかに笑う。

民衆の声が一気に悲鳴に変わった。
町は混乱し、パニックになる。

「聞いたか!? なんてこった!!」
レイは頭を抱え言う。
「どうするの!? セリアさんとは今は・・。」
今通信機は、船とつながっていないため、連絡が取れない。
「・・・行くぞ。」
「どこにだよ!?」
アキトの言葉にレイは尋ねる。

「・・まず、あのグロアという奴に聞こう。どこに仕掛けたか・・。」
「無理だよ。絶対に吐かないと思うよ。」
「・・・いずれにせよ・・俺はあいつを許せない・・。」
アキトはこぶしを強く握り言う。
「気持ちはわかるが・・・。」
レイはアキトを抑えるように言う。
「俺は・・・あいつを倒す!!」
アキトはグロアが向かった方向へ走って行った。

「・・・やれやれ。ホープ。頼みがある。」
「・・まさかレイ!?」
ホープの言葉にレイはうなづいて、
「そのまさかだ。俺はアキトと行く。」

レイの言葉にホープは耳を疑った。
「・・・本気で言ってるの?」
ホープの問いかけにコクッと頷く。
「ホープは人命救助をまかせる。ころあいが来たら・・逃げろ。」
「レイ・・・必ず無茶はいけないよ。」
「分かってる。あいつのためにも・・・死んでたまるかよ。」

レイはアキトを追いかけていった。

「レイ・・・アキトを頼んだよ。」
ホープはそっとつぶやく。

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第18話更新! ( No.32 )
日時: 2011/07/28 11:43
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第19話  「戦火の町 後半」


「いい気味だ!! がはははぁぁ!!」
そういって笑うグロアに、
「グロアァァーーー!!!」
アキトは大声で叫ぶ。

「誰だ、小僧?」
「そんなことはどうでもいい!! どこに仕掛けた!?」
息を荒くして言うアキトの言葉にグロアは鼻で笑う。
「誰が教えるか、ばか者が!!」
「・・・くっ!!」
予想どうりの言葉にアキトは言葉が詰まる。

「・・ならどうしてこんなことをした?」
「・・・復讐だ!! この町は腐ってる!!」
アキトの問いに、グロアは強く言い放つ。

「俺は幼い時に右手を無くした。それを見た住人は・・俺を除け者扱いにしやがった!! ・・だから決めたのだ。俺がえらくなったら・・」
グロアは一瞬言葉を溜めて、

「この町をぶっ壊してやるってなぁーー!!!」
大声で言った。
「・・ふざけるな!!」
アキトは強く反発する。
「俺は・・・お前らレジスタンスにすべてを奪われた・・。お前らのやってることは・・この世界を破壊しているだけだ!!」

アキトはゆっくりと鞘を手に取る。
「来い、グロア。俺がお前らを・・・破壊する!!」
「でしゃばるな小僧がぁーー!!」
「スピリッツ・・解放!!!」

アキトはスピリッツを解放し接近する。
「死ねえええぇぇ!!!」
グロアはカニのはさみの形の大きな右手をアキトめがけて振り下ろす。
アキトはそれを鞘で受け止める。
「ぐうっ・・・!!」
予想以上の重い一撃に言葉を漏らす。

「はあああぁぁーー!!」
グロアは右手で横に薙ぎ払う。
アキトはそれを上によけ、グロアの頭に一発ぶちかます。
「ぐっ!! 軽いわぁぁーー!!」
グロアは一瞬よろけたが、すぐに態勢を立て直す。

「くっ・・・。」
アキトは考えていた。
時間がない。
鞘だけではこいつを倒すのは難しいだろう・・と。

アキトは剣を持っている。
だが・・一つの過去が引っ掛かり、剣を使えない。
どうすれば・・・
俺は・・俺は・・・。

「何をぼおっとしてやがるぅぅーー!!」
アキトははっと我に返り、グロアの攻撃を間一髪でかわす。
「ち・・・よけたか。」
「はあっ・・・はあっ・・・。」
精神的に追い込まれ、自然に息が切れる。
俺は・・・どうすればいい・・・。

「剣を抜けぇぇーーー!! アキトォーーー!!」
アキトの後ろから大きな声がした。
声の主は・・レイだった。
「レイ・・・。」
「今は人の死を考えるな!! 生きることを考えろ!!!」
「生きる・・こと・・・?」
アキトは聞くと、レイは微笑んで頷く。

「死んじまったら・・世界は作れねえ。生きるためには戦うしかない。なら今は・・そんな考え全部捨てて、がむしゃらに戦えアキト!!」
「レイ・・・。」
「人の死よりも・・・今は未来のために戦え。」
レイはにこっと笑顔で言った。
アキトは折りたたまれた剣を取り出す。

「そうだ・・・俺は・・生きて平和を作る!!!!」
「うるせえなぁ!!! 小僧がああぁーーー!!!」
グロアが攻撃を、鞘で左に受け流し・・・

「でえええぇぇーーーいぃぃ!!!!!」
剣で腹を切り裂いた。
「ぐぎゃあああぁぁーーー!!!」
グロアは倒れこんだ。

「・・・はあっ・・はあっ・・。」
アキトは真っ赤に濡れた剣を見て、言う。
「また・・俺はお前を必要とするかもしれない・・オメガ・・。」
血で汚れた二つ折りの剣、「オメガ」につぶやく。

「すまない・・・また・・よろしく頼む。」
アキトは愛用の剣「オメガ」をたたんで言った。


その後、結局町の爆発は止められなかった。
セリアさんの判断で、爆弾処理は断念し民衆を遠くに運ぶことを優先。

結局町は爆発し、跡形もなく吹き飛んだ。
たった一人、復讐に取りつかれた男と共に、町は消えた・・・。


「・・すまなかった。レイ・・。」
エアロバード内に無事戻ったアキトとレイ。
「気にするな。お前はよくやったよ。」
レイはポンポンと肩をたたく。
「今日は早く寝な。疲れてるだろうからな。」
レイは「おやすみ。」と言い、立ち去った。


レイの言うとおりだ・・。
俺は・・戦うために生きなきゃいけない。
そのために・・・たとえ血で汚れようとも・・。

でもやはり・・・簡単に振り切れる過去でもない。
レイの言った通り・・生きる時のために戦うときは、使う。

それ以外は・・やはりどうしても俺には人を殺せない。


その時までは・・眠っててくれ・・・オメガ。

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第19話更新! ( No.33 )
日時: 2011/07/29 01:03
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第20話  「炎の女剣士!! 前編。」


季節は春と夏の間。
アキトがこのチームに入ったときは5月くらいで、今は6月。
ポルン町の騒動から、数日後・・。

この日のミッションは・・「サンライズタウン」の偵察調査。
セリアはこのミッションにホープを選出し、向かわせた。


ーー「サンライズタウン」ーー


ホープは片手にリンゴを持ち、食べながら偵察をしていた。
「うん。リンゴはやっぱりうまいなぁ。」
ホープは率直な感想を漏らす。
「でも・・・暑いや・・。」
今日の気温は最近の気温よりはすごく暑い。
その気温に思わず言葉を漏らす。

この町は珍しい街だ。
数少ないレジスタンスに反抗する町。
レジスタンスの支配下にはあるようだが、服従はしていないようだ。

「・・なんかイキイキしてるなあ。この町。」
ホープはリンゴをシャリシャリ食べながら言う。
いろいろ回っていると、なにやら民衆が騒がしくなってきた。

どうやら何かが行われているらしい。
「なんだろう・・喧嘩かな?」
ホープは騒がしい声の方向に向かった。

見ると、広場の周りには人が大勢集まり、騒いでいる。
その中心を見ると、なんと男と女が木刀で戦っている。
だが様子を見ると、明らかに喧嘩ではない。
むしろ・・・何かの遊びのようにも見える。
だが顔つきは二人とも真剣だった。

「ぐわぁぁーー!!」
男は倒れこみ、「まいった。」と言う。
それを聞いた女は、そっと手を差し伸べる。
「大丈夫ですか? ごめんなさい。私が勝ってしまいました・・。」
「・・あいかわず嬢ちゃんは強いし、優しいなぁ。」
その行動を見て、人々はパチパチと拍手をする。

「いい腕してるなあ・・あの子。」
ホープが感想を述べていると、

「さあ!! 次はだれがこの最強のお嬢ちゃんに挑戦する?」
この対決の審判らしき人が声を張って言う。
「いえ・・私は全然強くなんて・・はうっ!!」
ブンブンと手を振りながら後ずさりをしていた少女はいきなり何もないところでずっこけた。

「・・あらら。」
民衆が大笑いする中、ホープは近づいてそっと手を差し伸べる。
「けがはない?」
少女は顔をトマトのように赤くして、
「あ・・ありがとう・・。ごめんなさい・・。」
小さくつぶやく。

「おっと!! 新たな挑戦者だあーー!!」
「・・へ!?」
審判がホープを指さして、高らかに叫ぶ。
それに対してテンションが上がる民衆。
それに対して呆然とする二人。
「ちょっと・・・僕は・・ただ」
「今更逃げるのかいボーイ? 男なら真っ向勝負だろう!?」
審判の言葉に、民衆のテンションはさらに上がる。
ホープは周りの民衆に圧倒された。

「・・・仕方ない。ここまで上がったら・・引き下がれないよね。」
ホープの言葉に民衆は歓声を上げる。
「でも・・あの・・その・・。」
テンパって何も言えない少女にホープは笑いかけて言った。
「・・いきなりだけどよろしくね。えっと・・名前は・・。」
「い・・イブです。えっと・・あなたは?」
「僕はホープ。君の実力・・楽しみ。」
ホープはにこっと笑う。

「えっ・・・ご・・ごめんなさい。」
「えっ!? あ・・なんで謝るの!?」
「ご・・ごめんなさい!! 私・・弱いから・・。」
イブは弱弱しく言う。
「そんなことないよ。男の人に勝ったぐらいだし。」
「えっ・・えええー!! ご・・ごめんなさい。」
「・・・あれ!? なんで謝るの??」
「・・・ごめんなさい。」
「・・なんか・・ごめん。」
「いや・・・私が・・。」
「いや・・俺が・・。」

「・・・・・・あの〜。初めてもよろしいですか?」
いつの間にかごめんなさい対決になってる二人に審判は声をかける。
二人は我に帰り、二人そろって、審判に「ごめんなさい。」と言う。

そして二人は渡された木刀を手に取って構える。

「お互いにいい試合をしようね。」
「はい!!」
「では・・・はじめ!!!」

鐘の音が鳴った瞬間、二人は同時に接近した。


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