複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- スピリッツ (VS七星!! 動き出す野望編) 第47話更新!
- 日時: 2011/10/26 20:25
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
はじめまして!!
更新が遅くなるかもしれませんが・・
温かい目で見守ってくれるとありがたいです。
では、よろしくお願いします。
コメントを下さった読者様リスト!!
王翔様 きなこ様 水瀬 うらら様 コーダ様 ちぇりお様 ステッドラー様
長月様 いちご牛乳様
エピローグ
人の中に必ず宿る力・・・
「スピリッツ」
その不思議な力は、時に人を助け、
また・・大半は武力として使われる。
この力により、平和だった世の中は一変した。
争いが絶えず・・武力による支配を行う国家、「レジスタンス」。
この国家の出現により、
世界の終りが近づいているとさえ思われた・・・
・・だがこの国家に立ち向かい、世界を変えようとする少数団体。
そして、この世界の平和をのぞむ少年の・・
平和のための物語。
登場人物
団体名、「ナイツオブピース」
本部、飛行船「エアロバード」
アキト・・主人公。性格は基本無口で無愛想。
髪の色は赤色、160cm、年は16歳の男の子。
武器は主に剣を収める鞘(さや)と特定の時に愛用の剣「オメガ」を使う。
特殊能力は「身体能力の向上」
エアロバードの船員。
レイ・・狙撃手。性格はのんきで面倒見がいい。
髪は黄色、175cm、年は20歳の青年。
武器は二丁のレーザー銃「ダブルショット」
特殊能力は「視力の向上」
レベル2状態の能力は「時空移動」
エアロバードの船員。
ホープ・・超人。性格は優しいが割といたずら好き。
髪は黒、170cm、年は18歳の青年。
武器は素手と相手のものまねした能力。
特殊能力は「ものまね」
エアロバードの船員。
リフィル・・偵察者。性格は積極的で明るいが、怒ると怖い。
アキトに好意を抱く。
髪は青色、160cm、年は16歳の女の子。
武器はないが、風の力で戦う。
特殊能力は「風」
エアロバード船員。
セリア・・髪は黒の長め、165cm、年は23歳のお姉さん。
性格は謎。
特殊体質で、ある一定の範囲のスピリッツの力を探知することができる。
エアロバードの指揮官。
フェリス・・髪はピンクの長め、160cm、年は15歳の女の子。
性格は無口で恥ずかしがり屋。
エアロバードの操縦士。
ジーク・・髪は茶色、180cm、年は29歳のおじさん。
性格は明るくて、しっかりしている。
エアロバードの操縦士。
アイカ・・レイの恋人らしい。
イブ・・サンライズタウンで出会った女の子。
剣の腕は一流だが、ドジっ子
団体名、「レジスタンス」
本部、「光の宮殿」
ジーオス・・七星の一人。強敵。
グリード・・七星の一人。数少ない上級ランクの超人。
アキトと深い因縁がある。
ハデス・・七星の一人。レイと深く因縁がある。
カムイ・・七星の一人。いつも全身を鎧で身を包んでいる。
飛行船、「キングジョージ」を保持している。
サムライ隊のリーダーでもある。
愛する人、「リイナ」を救うために戦っている。
特殊能力は「分身」
スリス・・金山基地のリーダー。
顔を汚されることをひどく嫌う。
特殊能力は「雲」。姿を自在に消せる。
グロア・・ポルン町の管理者。
ポルン町に恨みを持つ。
武器は右手の大きなカニのはさみ。
ジョット・・元レジスタンスの兵士。
殺すのが生きがいだと言う最低な人間。
特殊能力は「創造」。なんでも思った物を作り出すことができる。
ツツジ・・・能力を使い好き勝手に暴れていた能力者。
自分の能力に絶対的な自信を持っている。
特殊能力は「土」。地面などの土を自由に操って戦う。
団体名、「ヒューマン」
プロト・・レジスタンスと組んだヒューマンが作った最悪の殺人兵器。
武器はさまざま。
団体名、「ゲイボルグ」
ベルゼブル・・・ゲイボルグをまとめ上げるリーダー。性格は、めんどくさがりで戦闘大好き人間。
髪は白銀でクセ毛。身長は170cm。年は19歳。
能力は「空想」。。持続時間は基本は3分、長くて5分。
オーラの色は黒で、普通とは違う特殊な色を放つ。
マリ・・・新人だが、ベルゼブルの側近として仕事ををしている。性格は明るく、勇敢。
髪は長めの黒のストレートで、眼鏡をかけている。身長は167cm。年は18歳。
身体能力は悪く、ドジだが、わりと頭は良いらしい。
物語
第一章、(戦争鎮圧編)
第1話 >>1 第11話 >>14 第21話 >>36
第2話 >>2 第12話 >>21 第22話 >>37
第3話 >>4 第13話 >>24 第23話 >>38
第4話 >>6 第14話 >>25 第24話 >>39
第5話 >>7 第15話 >>26 第25話 >>40
第6話 >>8 第16話 >>29 第26話 >>41
第7話 >>9 第17話 >>30 第27話 >>42
第8話 >>10 第18話 >>31 第28話 >>43
第9話 >>11 第19話 >>32 第29話 >>44
第10話 >>12 第20話 >>33 第30話 >>45
第二章、(VS七星!! 動き出す野望編)
あらすじ・・・>>46
第31話 >>47 第41話 >>73
第32話 >>48 第42話 >>76
第33話 >>50 第43話 >>79
第34話 >>53 第44話 >>80
第35話 >>54 第45話 >>81
第36話 >>55 第46話 >>82
第37話 >>65 第47話 >>83
第38話 >>69
第39話 >>70
第40話 >>71
番外編
パート1(300参照記念)・・・>>59
第一回人気投票の結果・・・>>73
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! ( No.69 )
- 日時: 2011/09/09 22:48
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第38話 「断罪」
ここは、ゴスペルシティ。
ついさっき、ここではレジスタンスに対しての民衆の反乱が起こっていた。
ここの町の人口はかなり多く、管理をしていたレジスタンス兵やプロトでは鎮圧ができずにいた。
いや、むしろレジスタンスのほうが不利な状況になっていて、民衆は勝ちを確信していた。
だが・・・・・一人の男がレジスタンス勢力に加勢した。
彼はレジスタンスの幹部「七星」の一人であり、
また、「サムライ隊」と呼ばれる独自に作ったチームのリーダーでもあった。
その「サムライ隊」を戦場に投入し、自分自身も戦った。
実力は圧倒的。
すぐに形勢逆転した。
民衆はいつしか逃げることに専念していた。
「はあっ・・・・はあっ・・!!」
民衆一人である男は、必死に逃げていた。
「どこに・・・・行くつもりなのだ?」
「・・・!!!」
逃げる男の前に立ちふさがる一人の男。
全身鎧で身を包む不気味な男。
彼こそが「七星」の一人で、「サムライ隊」のリーダー。
彼の手には一本の剣。
「ま・・・待ってくれっ!! 俺たちが悪か・・・。」
「反乱者は・・・・・断罪する!!!!!!!」
ーーエアロバード内ーー
「大変です!!!」
司令室にいるジークは、セリアに向かって叫ぶ。
「どうしたの!?」
セリアは驚いたように尋ねる。
「近くでレジスタンスが町を鎮圧しています!!」
「・・・!!」
ジークの報告にセリアは驚く。
「・・・・戦闘準備よ!!!」
それを聞いたフェリスは、船全体に警報を鳴らす。
「・・・ってことで、今から町のレジスタンスを鎮圧するわ。」
作戦会議室に集まった4人に説明するセリア。
「よっしゃあ!! やってやんぜ。」
レイは手をパチンとならし、気合を入れる。
「ただ・・・・気を付けて。どうやら、いつものレジスタンスとは少し違うみたいよ。」
「・・・・なぜ分かるんだ?」
セリアの不安そうな言葉に疑問を持つアキト。
「・・・どうやら普通の兵士じゃないみたい。」
セリアに変わって、近くにいたフェリスが答える。
「どういうことなのフェリス?」
首をかしげながら尋ねるリフィル。
「敵の武器のほとんどが刀や剣なの。それに服装もいつものレジスタンスのやつじゃなくて、まるでサムライみたいなの・・・。」
「・・・サムライねぇ。かっこいい気もするけどね。」
ホープは少し笑って言う。
「とりあえず油断は抜きよ!! 早速行くわよ!!」
「了解!!!!」
ーーゴスペルシティーー
「ぎゃあああぁぁーーーー!!!!」
すでにほとんどの民衆が鎮圧されていた。
斬られて悲鳴をあげている人もいれば、もうすでに悲鳴すらあげられない人もいる。
そこに・・・・彼らが参戦する。
「でえええぇぇぇーーーいぃ!!!!!!!!」
入口にいた見張りのサムライをアキトは蹴散らし、町の中に入る。
「残ってる人の救助が先だ。ホープは右。アキトは中央。俺とリフィルは左を担当する。行くぞ!!!!」
「了解!!!!」
レイが指示をだし、指示どうりに散らばる四人。
「くっ・・・・生き残りはいるのか?」
一人になったホープは周りを見渡し、つぶやく。
「貴様・・・・ナイツオブピースだな!?」
前を見てみると、4・5人のサムライが剣を構えていた。
「・・・やっと人気になってきたねぇ。なんか嬉しいよ。」
「覚悟しろぉ!!!!!!」
「そちらこそね!!!!」
レイとリフィルも辺りを見渡して、一般人を探す。
「くそ・・・・いねぇな!!」
「みんな逃げたのかなぁ?」
「だといいがな。」
レイは深刻そうな顔をして、辺りを見渡す。
「・・・ひでぇな。」
辺りを見ると、ピクリとも動かない人がいっぱいいる。
見ていて良い心地はしなかった。
「・・・・!?」
リフィルは何かに気付いた。
それは人の気配。
「レイ・・・・いるよ。」
「・・・・分かってるよ。」
レイはすうっと大きく息を吸い込み、
「コソコソ隠れてないで出てこいサムライ野郎!!!!!」
そう叫ぶと一気に辺りから10人ぐらいサムライが現れた。
「ばれていたか。行くぞ!!! やれぇ!!!!」
「おおおおぉぉーーー!!!!!」
掛け声とともに、サムライたちは一気に接近してくる。
「やるぞ!!! リフィル!!!」
「了解♪」
アキトは一人中央に向かっていた。
「助けてくれぇーーーー!!!!!」
「・・・!! 人の声・・・。」
アキトは声のする方向に行く。
たどり着くとそこには、しりもちをつき後ずさりする男と、剣を持った全身鎧の男。
「貴様は・・・・・断罪する!!!!!!」
「うわあああぁぁぁーーーーー!!!!」
「やめろぉ!!!」
男に向かって振り下ろす剣を、アキトは瞬時に鞘で受け止めて防ぐ。
「むっ・・!!! 何やつ!!!」
「逃げろ!!!」
それを聞いて、男は一目散に逃げ出す。
「でえええぇーーい!!!!」
アキトは力いっぱい男の剣をはじき、距離をとる。
「ぬ・・・・やりよるなお主。名はなんという?」
「・・・・アキトだ。」
「われの名はカムイ。七星の一人なり。」
「なっ・・・!?」
アキトは驚きを隠せなかった。
七星の一人ということはかなりの実力者。
セリアから「戦うな」とも言われている。
だが、だからとはいって引くわけにはいかなかった。
「・・・・俺が・・・・倒す!!!!」
どうせ戦う運命。
なら、今戦ったって変わらない。
・・・やってやる!!
「逃がした男の分・・・・償ってもらう!!!」
「おおおおおぉぉぉーーーーー!!!!!!!!」
七星という強敵に向かって、アキトは立ち向かっていく。
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! 第38話更新!! ( No.70 )
- 日時: 2011/09/10 13:04
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第39話 「サムライ」
「さて、始めるよ!!!」
ホープはコキコキと手を鳴らして言う。
サムライたちはホープを囲みながら、ジリジリと距離を詰める。
「スピリッツ解放。」
ホープから白いオーラが放出される。
「でりゃあぁぁーーーー!!!」
一人のサムライが斬りかかる。
それをホープは「ものまね」で作り出した剣、「オメガ」で受け止める。
「悪いけど、僕は剣以外も使うからね。」
「うりゃあああぁぁーーー!!!」
他のサムライも一気に斬りかかる。
その瞬間、ホープの姿が霧のように消える。
「なっ!!」
「消えた!?」
サムライたちは周りを見渡して騒ぐ。
さっきまで目の前にいたはずなのに・・・と。
「ぐわあっっ!!!!」
「!?」
サムライの一人が悲鳴をあげ倒れる。
見ると、いつの間にかホープがそいつの後ろに回り込み、オメガで斬りつけていた。
「い・・・いつの間に!?」
「驚いた? 霧の能力さ。」
そう、ホープがコピーしたのは「霧」の能力。
姿を自在に消せる能力である。
「ちっ・・・・くそぉーー!!!」
サムライたちは怒りをあらわにし、襲いかかる。
それを見て、ホープはまた姿をくらます。
「くっ・・・どこに?」
「ここだよ!!」
声がした方向を見るサムライたち。
そこには、剣ではなく銃(ダブルショット)を持ったホープ。
「くらえっ!!!!」
ホープはダブルショットを連射する。
「ぐわああぁぁーーー!!!!」
避けられず、悲鳴をあげるサムライたち。
4人いたサムライたちを一気に鎮圧した。
「分かってやりなよ。君たちが殺した人たちも同じ気持ちだったんだから。」
ホープはため息をつき、まだ生き残っている人を探し始めた。
レイとリフィルも、敵と遭遇していた。
「囲まれたか・・・・。」
敵は約10人。
「覚悟ぉぉーーーーー!!!!!!」
「リフィル!!!」
「りょ〜かい♪ スピリッツ解放♪」
リフィルから白いオーラが放出される。そして・・・・
「ウインドトルネード!!!!」
レイとリフィルを中心に半径3メートルの大きな竜巻が現れる。
「う・・・・なんだこれは!?」
突然の大きな竜巻に驚くサムライ達。
敵は竜巻の内側にいるのだが、あまりの竜巻の強さに近づくこともできない。
「さ、レイ♪ 適当に撃っちゃっていいよ♪」
竜巻の中心でリフィルがレイに言う。
「撃つ・・・・つったってお前の竜巻が強すぎてあんまり敵が見えねえんだが・・・?」
「その点は大丈夫♪」
リフィルは親指を立てて言う。
「私がレイの撃ったレーザーを風でコントロールして、あいつらに当てるから♪」
「そんなことできんのかよ!?」
「試しにやってみたら?」
リフィルがそう言うと、レイは「それもそうだな。」と同意する。
「いくぜ・・・そら!!」
レイは竜巻に向かってレーザーを撃つ。
そのレーザーは風に任せるように竜巻の周りを高速回転する。
「それっ!!」
リフィルは風を操り、レーザーを竜巻の外にいるサムライたちに向かって放つ。
そのスピードはいつものレーザーのスピードではなかった。
「ぐわっ!!!!」
サムライの一人がそのレーザーに直撃した。
そしてあまりの威力に吹き飛ぶ。
威力も、いつもの何倍もの威力。
「・・・・・。」
「ねっ♪」
あまりの威力に驚くレイ。
と同時に、なぜか笑いがこみ上げた。
「すげぇ!! リフィルすげぇぜ。」
「でしょ?♪」
「すげぇ合体技だぜ。そうだ!! 名前を付けよう!!」
レイが「ううーん・・・」と頭を抱え悩む。
「ねえレイ、流星群なんてどう?」
「おおっ!! いいねぇ。それで決まりだ!!」
リフィルとレイはお互いに喜ぶ。
何気にリフィルもノリノリだ。
「じゃあさ、こんなのどうだ!? リフィル、耳かせ。」
「えっ!?」
リフィルは言われたとおりに耳を貸す。
レイはコソコソと内容を話す。
レイが一通り話すと、リフィルは・・・
「いいじゃん!! なんかかっこいい♪」
「だろぉ!? いいか、言うぞ?」
「うん!!」
レイとリフィルはお互いに納得し・・・・
「じゃあ俺から言うぞ? リフィル!!!」
「うん♪」
二人は息を吸い込み、
「降り注げ!! 夜空にかける流星!!」
「光り輝き、敵を貫け!!!」
「「 流星群!!!! 」」
そう言い、レイは辺り一体にレーザーを連射する。
複数のレーザーをリフィルが操り・・・・
「そりゃああぁぁーーー!!!!!」
竜巻の外にいるサムライたちに向かって放つ。
「ぐわああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」
なすすべなく、サムライたちは次々と倒れる。
そして気付けば、敵は沈黙。
「やったなリフィル。完璧だったぜセリフ。」
「うん♪ かっこよかったね。」
レイとリフィルはお互いにハイタッチをし、また捜索を始めた。
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! 第39話更新!! ( No.71 )
- 日時: 2011/09/10 23:22
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第40話 「鎧の男。」
「はあああぁぁぁーーーーーー!!!!!」
アキトは右手に鞘を握り、突撃する。
鎧の男はその場でゆっくりと一本の剣を構え・・・・
「むうぅん!!!!」
アキトの攻撃を真正面から受け止める。
その瞬間、ぶつかり合い起こった強い風圧があたりに広がる。
だが、そこでアキトは疑問に思う。
(一歩も・・・動かない!?)
そう、アキトは思いっきり突撃した。
だがカムイは、一歩も動かずアキトの攻撃を防いだ。
つまりこれは彼の力を表すには十分だった。
(・・・しかもスピリッツを・・・・解放していない。)
アキトはもちろん解放している。
だがカムイは違う。
アキトはギリッと歯を強く食いしばり、
「でええええぇぇーーい!!!!」
鞘を力強く振い、連続で斬りつける。
休む暇を与えないほどの攻撃。
だがそれを華麗に、そして正確に防御するカムイ。
「ぬうぅぅーーん!!!」
カムイは隙を突き、アキトの腹部に向かって斬りつける。
アキトはそれを防御するが、カムイは力いっぱい振り切り、アキトの持っていた鞘を吹き飛ばす。
「・・・・くっ!!!」
鞘は遠くまで飛ばされてしまった。
アキトは仕方なくいったん距離を置く。
そして、オメガに手をかける。
「そうだ。鞘ではなく・・・・お主の持つ剣でかかってこい!!」
「・・・・・おおおぉぉーーー!!!!」
アキトはオメガを抜き、突撃する。
「お主!! ワンパターンすぎるぞぉ!!!」
カムイは真正面からバカ正直に向かってくるアキトに言い放つ。
向かってきたアキトに向かって横に斬りつける。
「・・・・甘い!!!」
「!?」
アキトはジャンプしてカムイの頭上を飛び越え、カムイの横切りをかわす。
飛び越えた後、地面に着地すると同時に持ち前の運動能力で、瞬時に切り替えしてカムイの後ろから斬りかかる。
「でええぇぇーーーい!!!」
アキトはオメガを大きく振り上げる。
「見事なり!! ・・・だが!!」
カムイも瞬時に体の向きを変え、攻撃に備え防御する。
だが、その瞬間にカムイは気付く。
「ぬっ・・・・フェイントかっ!?」
気付くのが一瞬遅かった。
アキトは大きく振り上げ、縦に斬りつけると見せかけて・・・・
カムイの左横にステップで踏み込んでいた。
「はああああぁぁぁーーーー!!!!!!」
アキトはカムイの懐に横に斬りつける。
勝負は・・・・決まったように見えた。
キイィーーーーン!!!!
鳴り響く金属音。
ギリギリッとなる剣と剣のぶつかる音。
「!!!!」
アキトの攻撃は・・・・防がれた。
「・・・・我にまさか二本抜かせるとはな。見事なり。」
カムイの手には・・・・もう一本の剣。
どうやら瞬時にもう一本の剣を抜き、アキトの剣を防いだようだ。
「・・・・くッ!!!」
アキトはバックステップし、距離を置く。
はっきり言って、予想外だった。
驚きを隠せない。
「我の二刀流の威力・・・・とくと味わえぇ!!!」
カムイはアキトに向かって猛突進する。
そしてさっきとは立場が逆になり、今度はカムイが攻める。
二刀の剣の攻撃の嵐がアキトを襲う。
さっきよりもはるかに強く、速い攻撃。
アキトは防御するので精いっぱいだった。
「くッ・・・らぁぁーー!!!」
アキトは隙をついて、下から切り上げるように斬る。
だがそれはカムイにあっさりかわされ・・・・
「ぬんッ!!!」
カムイはアキトの右肩から斜めに思いっきり斬る。
「・・・ッ!!! ぐうううぅぅッ!!!!!!!」
アキトは軽く悲鳴をあげる。
激痛が走り、その場にひざまずく。
「・・・とどめなり。断罪ッ!!!!!!」
カムイは勢いよく剣をアキトに振り落とす。
アキトも目を閉じて、死を覚悟した・・・。
「カムイ様!!!!!!」
その声に動きがピタッと止まる。
アキトとの距離が数センチのところで剣の動きが止まる。
どうやら声の正体は、部下のサムライだった。
「・・・・何事なり!?」
「民衆、鎮圧しました。そして・・・・。」
部下のサムライは片膝をついて言う。
「違う場所で、さらなる反乱者が出ました。」
「!!」
それを聞いたカムイはゆっくりと剣をしまい、
「・・・では帰還する!! そして今度はそちらを鎮圧する!!!」
「はッ!!」
部下のサムライは走って去っていき、カムイもアキトを置いてゆっくりと立ち去ろうとする。
「・・・待て!! ・・・・・とどめは・・ささないのかッ!?」
はあっ、はあっ、と息を切らしながらアキトは聞く。
「我の任務にお前たちの始末はまだない。生きるがよい。アキト。」
「待てッ・・・・行くな!!」
そういい残し、立ち去るカムイ。
取り残されるアキト。
今の彼の心にあるのは、敗北感と・・・・
「・・・・くそっ!!! また繰り返される・・・・・・。」
さらなる犠牲者になる人を救えない自分のおろかさ・・・。
だが、あきらめるわけにもいかなかった。
ふと上を見上げると、飛び立つ飛行船。
「・・・?」
もしかして・・・・とアキトは思う。
(あれが・・・・奴の。・・・・なら!!!)
やはり・・・・今しかない!!
今あいつを止めなきゃ・・・・さらに被害が出る!!
「・・・俺が・・・・とめる!!!」
アキトは鞘とオメガを回収し、血を流しながらも一刻も早くみんなと合流するために急ぐ。
もう犠牲者は・・・・増やさない!!!
待ってろ・・・・カムイ!!!!
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! 第40話更新!! ( No.72 )
- 日時: 2011/09/11 22:51
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
こんにちは!!
ベクトルです。
現在進行中の人気投票についての途中経過です。
アキト 4票
リフィル 2票
セリア 1票
・・・ですかね!?
投票してくださった心優しい読者様に深く感謝を申し上げます。
ありがとうございます!!
今も人気投票は実行中でございます!!
今後もご参加の方を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いします!!
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! 第40話更新!! ( No.73 )
- 日時: 2011/09/12 19:58
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第41話 「追跡」
カムイ率いる「サムライ隊」がゴスペルシティの反乱者を鎮圧した後・・・・
彼らは新たに反乱が起こった町を鎮圧するために急いでそこに向かっていた。
一方、アキトたちはいったん仲間みんなで合流し、エアロバードに戻った。
アキトはカムイとの戦闘により相当の深手を負っていた。
もちろん、誰もが心配した。
まずは傷の手当てを優先するように言った。
だが彼らの次の目的を知っているアキトは、戻ってから第一声にこう叫んだ。
『今町から飛び立った飛行船を・・・・追ってくれ!!!』と。
とりあえずアキトの応急処置を済ませ、いったん作戦会議室に集まる一向。
「・・・・で、アキト。さっき言ったことの真意を聞かせて。」
セリアは真剣な表情でアキトに問いかける。
「・・・奴らは次の町に行って、さらに被害を拡大させるつもりだ。」
アキトは落ち着いて答える。
しかし受けた傷はかなり深く、体調は良くなさそうだ。
応急処置と言っても包帯でぐるぐる巻きにしているだけなのだ。
「つまり、追っかけて止めないとさらに犠牲が出るってことだな?」
「・・・・ああ。」
レイの質問にアキトは首を縦に振って答える。
「でも相手は七星の一人よ? 現にアキトはやられてる。勝てる保証もないし、無謀よ。」
セリアは冷静に判断して言う。
「気持ちはわかるわ。でも今回は手を引きましょう?」
「・・・・駄目だ。」
セリアは手を引くように言うが、アキトはそれを受け入れない。
「どうして!? なぜそこまでして今にこだわるの? 一度待ってからでも・・・。」
「俺は・・・!!!」
セリアの言葉を遮るように、アキトは言う。
「今やらなきゃ・・・・俺は後悔する!!」
「・・!!!」
アキトのまっすぐな気持ちをきき、セリアは言葉を失う。
アキトがここまではっきり言うことは今までなかった。
「アイツは・・・・何か特別な感じがしたんだ。今までの奴らとは違って、何か大切なもののために戦っていた気がする。だけど、アイツは多分レジスタンスに利用されてるんだ・・・。」
「・・・・。」
アキトの言葉にその場にいる全員が黙って聞いた。
「人殺しも・・・本当はしたくないように見えた。だから俺にもトドメをささなかった。それがなんなのか・・・俺は知りたい。」
「・・・その予感が当たってる保証は?」
ホープは真剣な表情でアキトに聞く。
「ない。だが、俺は自分の直感を信じる。あいつの苦しみを・・・・俺が救ってみせる!!!」
アキトは強く言い放つ。
それを聞いてホープはクスッと笑う。
「・・・・乗ったよアキト。僕も行くよ。」
「ホープ・・・・すまないな。」
ホープはニコッと笑いかける。
「私も行く♪ アキトの傷が心配だからサポートする♪」
「・・・俺もだ。弟分の面倒は俺が見ないとな。」
「リフィル・・・・レイ。・・・すまない。」
リフィルもニコッと笑い、レイも親指を立てて笑う。
その光景を見て、セリアはため息をつく。
「・・・はあっ。なんとなく分かってたけど、みんな怖いもの知らずね。」
「セリアさん・・・。事前に飛行船を追跡してて・・・・よかったですね?」
「・・・・ええ。」
フェリスが聞くと、セリアはうっすらと笑顔を浮かべて答える。
そう、セリアはすでに飛行船の追跡をしていたのだ。
エアロバードは実は意外と小型の飛行船で、スピードはトップクラスなのだ。
カムイとサムライ隊の乗る飛行船、「キングジョージ」は大型の飛行船でスピードはエアロバードに比べると遅い。
セリアの計算通り、すぐに突入できるぐらいの距離には来ていたのだ。
「アキトが言っても聞かないと思って、すでに追跡しといたわ。すぐにでも突入可能よ!!」
セリアは大声で言い放つ。
「・・・すまないなセリア。」
「いいアキト? これはさっきも言ったけど無謀な作戦よ。最悪の場合は全滅もありうるわ。」
セリアはアキトに強く言う。
「仮にそいつを救えなかったら、あなたはそいつと戦わなきゃいけない。分かるわね?」
「ああ・・!!」
アキトは強く返事をする。
「いい? かならず生きて帰ってきなさい。あなたは確かに一回負けた。だけど、今度は一人じゃない。仲間がいる。」
「・・・!!」
そうだ。俺には仲間がいる。
もしも戦うことになったとしても・・・・
今度は・・・・俺一人じゃない!!!
「私があなたに渡すミッションは・・・・生きて帰ってくることよアキト!!!!」
「・・・了解!!!!!」
アキトは強く心に誓う。
俺は・・・・生きて帰ってみせる!!
そして、無駄な犠牲は出させない!!!
カムイ・・・・俺がお前を救う!!!!
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17