複雑・ファジー小説
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- この世界で
- 日時: 2011/09/12 00:00
- 名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
初めまして。「きなこうどん」という者です。
小説をネット上で書くのは初めてのことなので、多少矛盾があるかもしれないです。でも、多くの方に読んでいただけると幸いです。
よろしくお願いします。
この物語は、ある家族の物語です。
この世界のどこかに、こんな家族が存在しているのではないでしょうか。
どうぞ、最後までお楽しみください。
- Re: この世界で ( No.29 )
- 日時: 2011/09/25 22:37
- 名前: ファルシナ ◆OjcrLFo6Is (ID: 9cTKwbSo)
読みました。
気になりますね・・・。
更新がんばって下さい!
- Re: この世界で ( No.30 )
- 日時: 2011/09/27 23:35
- 名前: ありさ (ID: c1MPgv6i)
『あさっての空と海——。』のありさです!
コメントありがとうございました∀
すぐに名前検索して見にきちゃいましたww
いやぁ-なんだか切ないけどほのぼのしてて温かいお話ですね〓
みかちゃんの気持が……切ないですね((
これからも、おっかけして読みます!!←
- Re: この世界で ( No.31 )
- 日時: 2011/09/29 23:43
- 名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
でも、結局、ぼくは何もできないままでいた。
その感覚は……そう、高校生時代に似ている。何か出来るはずなのに、何もしたくない、という矛盾と歯がゆさの中で、もぞもぞしている、という状態。
みかが隠していることを、ぼくは知っている。
誰にも言えないことをぼくは抱えて、どうか、と願うばかり。
今日も、明日も、明後日も。
みかに笑ってほしい、はずなのに。ぼくは何も出来ないのだ。
ぼくだって、泣いているみかを思えば泣けてくる。
——子供が出来ないことはみかのせいじゃないんだよ。
優しいから、産まれなかったたった一つのいのちを大切に出来る。何年たっても、泣くことが出来る。
みかの目から出た、涙はある意味美しい、と僕は感じ始めていた。
- Re: この世界で ( No.32 )
- 日時: 2011/09/30 00:09
- 名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
ぼくはぼんやりとした毎日の中で、何かを考えていた。
——もう一度、海に行こうか。
思えば、海はぼくらの原点であったような気がするのだ。
「海に行こうか」
ぼくは唐突にみかにそう伝えていた。みかは内職の地図の色塗りをしていた。A4の紙に印刷された地図に、カラフルな色が塗られている。几帳面に線に沿って美しく。
「え? どうしたの?」
みかは笑いながら、声はけげんそうな表情を浮かべていた。
「行こうよ、行こう」
本当に唐突だったのだ。今日は金曜日で、ぼくが要求したのは明日だったからだ。特に理由はない。ただ、早く、行きたかった。
ぼくは海に行く理由をあやふやにして、なんとかみかを納得させたかった。みかは話すのが、それほど得意でもないぼくの裏側の気持ちをくみ取ってくれたのか、最後には了承してくれた。
「ゆうた、明日、海だからね」
一人でミニカーと遊ぶゆうたとみかはゆっくりと話し始めた。
「あした、うみ?」
ゆうたは復唱した。その姿にみかは笑った。
「そう、パパの車でね」
「やったー!」
片手にミニカーを持ってゆうたははしゃぐ。
——ふと、ぼくは思った。
ぼくの母も、ぼくのことをこんなにも愛しい、と感じてくれたことはあっただろうか。
寂しかった。ぼくはまだ、過去を振りきれていない、と再認識する羽目になった。
振り切ろうとしても、振り切れない。
——ああ、そうか。
みかも同じ気持ちなんだ。
そして、ゆうたも同じことを背負う。
人なみんな何かしら、抱えているのかもしれない。
人はみんな悲しくて、寂しい生き物かもしれない。
次の日、ぼくはまた家族で海に来ていた。今度は昼食を海でとれるよに、遅く家を出た。
「わあ、やっぱり、気持ちいい」
「すごーい! うみ、すごい!」
ゆうたとみかは交互に何かを言った。そして、例のように、海に近付いていく。ぼくは、また、遠くで見ていることにした。
この前と同じ光景が、見える——。
哀しいことも嫌なことも、すべてひっくるめた笑顔が見える。
ぼくたちは、はたから見たら、どこにでもある普通の家族に見えるのだろうな、と心の中で思った。でも、ぼくたちもあそこにいる夫婦のことをまさか、再婚夫婦などとはめったに思わないこととほとんど同じことなのかもしれない。
世界はわからないものだ。
大振りにハンドルを回す杉田さんでも、去年、一人息子を亡くして泣いてしまった。
定期券を渡しただけの出会いが結婚にまで発展した夫婦がいる。
ミニカーで遊ぶ我が子は実は養子だ。
苦手な母から手紙が送られてくる。
そして——。
昨日まで生きていたみかが、突然、死んでしまうこともあるのだ。
2000年 秋——。
- Re: この世界で ( No.33 )
- 日時: 2011/09/30 16:08
- 名前: 春野花 (ID: 7BFkVMAM)
えっ!?えぇえ!!?みかちゃん!!死んじゃうのぉぉぉ〜!?
泣きますよ、真面目に・・・。うぁぁぁんっっ!!そんな、そんなぁ・・・。
ゆうたくん、たけしくん、大丈夫でしょうか・・・?