複雑・ファジー小説
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- 時雨の刀【完結しました!】
- 日時: 2012/04/16 16:33
- 名前: Sky ◆M7x9jXIufw (ID: 5fqeGTW2)
嗚呼、此処は何処だろう?
“私”という名の存在は【自分の意志】を持たない、持てない。
“私”という名の存在は貴方に【命令】されなきゃ動けない。
「おい、お前お茶を汲め」
「分かりました、御主人様」
「おい、お前服を脱げ」
「分かりました、御主人様」
“御主人様”が言った通りに体を動かす“私”という名の存在
感情を持たない。
けれどーーーー。
「おいっ!大丈夫か!」
現れた男の人達に手を引かれ、“私”という名の存在は“時雨”という名の存在に移り変わって行った。
私は見つけたーーーー“存在する”という事を。
時雨の刀
- Re: 時雨の刀 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/19 14:39
- 名前: ぬこ ◆xEZFdUOczc (ID: DVd8EX6H)
ども!
Sky様ですよね?(HN見ろ
URLで飛べなかったので見れなかったらどうしようと今日一日勉強に集中出来ませんでした(勉強しろ
トリップ変えました!
時雨……時雨って名前良いですよね!(
最初の更新からもう惹きこまれました!
頑張ってくださいね!
- Re: 時雨の刀 ( No.2 )
- 日時: 2011/10/20 18:11
- 名前: アニホとミシン (ID: WPbx8B95)
Sky様の小説やっと見つけました(キリッ
“ご主人様”ってなんだか良い響きですよね←変態
私も近々、主従関係ものの話を書こうかと目論んでいますww
時雨ちゃん(すでにちゃん付け)がどのような子で、どんな風になっていくのか非常に楽しみです。
更新頑張って下さいね!
- Re: 時雨の刀 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/20 20:58
- 名前: Sky ◆M7x9jXIufw (ID: a1.gBlqJ)
>>ぬこ様
こんにちわ。
はい、Skyです。
見てくれるのは嬉しいですけど、勉強も大事ですよー!
「時雨」という響きが好きなんですよね…。
その名の通りに「時の雨」みたいな感じで。
更新のろのろと頑張ります。
>>アニホとミシン様
アニホとミシン様…!!
見つけてくれて有り難うございます!
女の子の「ご主人様」呼び好きなんですよねーー!←こちらも変態。
時雨が「ご主人様」に忠誠的なのは実際序盤だけなので(笑)
時雨がどんな風に話に入っていくか楽しみにしていて下さいね!
更新頑張ります。
アニホとミシン様も頑張って下さい!
- Re: 時雨の刀 第一部 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/22 10:17
- 名前: Sky ◆M7x9jXIufw (ID: a1.gBlqJ)
【第一部】 名を無くした少女と新選組
『一話』 美しき少女は外国の娘
時は江戸時代ーーペリーの黒舟が来て日本の鎖国が終わり、日本でも外国人がちらほらと見え始め時の流れが変わろうとしていた時代であった。
幕府近くにある『新選組屯所』と書かれた看板。
志士や町の治安を守るのが新選組という浪士部隊であったーーーー。
その屯所中で新選組局長である近藤勇は、険しい顔で隊士達を集めてこれから行う事についての説明をしようとしていた。
体が若干ゴツゴツしてあり、顔も決して良い方とは言えないが隊士達に厚い信頼を持つ二十代後半の近藤は隊士である副長“土方歳三”一番組組長“沖田総司”二番組組長“永倉新八”三番組組長“斎藤一”四番組組長“松原忠司”八番組組長“藤堂平助”十番組組長“原田左之助”が顔を見合わせていた。
「おしっ!それれ…それでは、今回君たちに行ってもらう任務を説明する、今回はある場所に集まる志士達を生け捕りにするか殺して貰うという簡単な任務だが、奴らは“女”を監禁しているらしい売る為や自分達で使う為にな、その彼女達も速やかに救出するのも今回の任務の目的だ、彼女達を命を無駄にしないように任務をやれ、人質の女は一人も殺さないように善処しろ」
「…近藤さん…何故…そこまで…“女”にこだわる…?」
近藤が説明した直後、松原が顔を上げて近藤へ問う。
少し焦った顔をした近藤に幼い様なくりっとした目で見つめる松原は薄々気が付いてはいたのだが次の沖田の言葉で確定となった。
「さては…近藤さん、女好きなのを俺達が知らないと思います?」
「女子に寄ってもらいたい一心なんじゃないの?」
痛い所を沖田が突いた。
- Re: 時雨の刀 第一部 ( No.5 )
- 日時: 2011/10/22 15:30
- 名前: Sky ◆M7x9jXIufw (ID: a1.gBlqJ)
と同時に軽く近藤は「ぅ」と呟く。
それを見てさらに怪しい笑みを浮かべる沖田ーー。
沖田の髪の毛に日の光が当たりうっすらと茶色くなっている、それと同時に彼の口角が上がった。
「へーじゃあ否定し「そこまでにしとけ総司」
すかさずに沖田の言葉を遮るように土方が言葉を被せてきた。
それを聞いた沖田はつまらなそうな顔をした後、「うるさいなぁ土方サンは」と膝の上に頬杖を着いた。
そして土方は、近藤に告げる。
「説明はこれだけか?近藤さん」
近藤は歯切れを悪くしつつも「これだけだ」と土方に告げた。
「出発は今夜の八時頃だ!それまでに準備をしとくように!」
土方が声を張り上げて組長達に告げると全員とても大きな返事を返して解散した。
しかし斎藤は自分の部屋近くの廊下で懐から一つの髪留めを取り出して
「都…」
と呟いていた。
一方、別の場所にてーーーー。
少女は鎖に繋がれていた。
細く艶やかな指に、食事を摂らせてもらっていないのか頬は酷く痩せこけ体も細く骨が浮き出ていた。
蒼く丸い瞳にはガラスの様に目で集めた光を反射しているだけであり、少女の一部である銀髪のストレートの髪の毛が伸び切って少女の体よりも長くなっていた。
生きている様な気がしないこの少女。
見た目は十〜二三くらいだろうか、喉元からは何も発さない。寝もしない。
それは彼女が『御主人様』という存在に縛られているのだからーーーー。