複雑・ファジー小説
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- D' Racula【参照777突破】
- 日時： 2013/03/28 00:34
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: Ot.qag7u）
- 参照： http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
三月兎様からの贈り物。感謝
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Arice様からの贈り物。感謝
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はいはい、しゃもじです。
現在別のお話もやっているのですが、こちらは長編ではなく数話終了で終わろうかなと考えています。しかも突拍子もなく思いついたお話なので更新は亀のごとく遅いです、例に漏れず。
そんなお話なので主人公以外はまっっったく考えていないという始末ですので、キャラクターを数人ほど募集したいと思います。（現在停止中）
ちなみにタイトルの読み方は『ドラキュラ』ではなく『ドラクルア』です。どうでもいいですね、ええ。
舞台設定
異世界（雰囲気は17〜18世紀の欧州）で暗躍する吸血鬼のお話。微グロ。主人公は吸血鬼の一人です。
種族
人間：最も数が多い知的種族。有限の命のため恐怖や欲望に支配されやすい。基本的に吸血鬼の餌だが、知恵と数で対抗する。
吸血鬼：太陽光と銀製品による攻撃という致命的弱点をもつ反面不老不死であり、人間の及びつかない能力を持った種族。気に入った人間を同法にするという手段で数を増やすが、エリスは完全なイレギュラー。
傲慢だが貴族的趣味を好む傾向にあり、吸血鬼であることをみだりに明かさない慎重な性格。
魔人：吸血鬼以上の能力を持つ種族。太陽光下でも活動できるが、能力が強力であるほど制約があり、また生殖能力が低く人間と交配できるため数を減らしている。
能力ゆえに傲慢かつ粗暴で他種族を支配下に置きたがる傾向。そのため気位を重んじる吸血鬼とは深刻な対立関係にある。
参考がてらに主人公を
名前：エルジェーベト（エリス）
年齢：300歳ほど。外見は20代前半
性別：女（人間だった頃。認識上も一応女だが男にも姿を変えられる）
容姿：黒髪に濃い緑の瞳。髪は後ろの方を団子にして結い上げ金の髪飾りで飾っている。服装はまちまちだが、社交界に招かれる際などは赤と黒を基調にしたドレスで現れる。色白の美人。
性格：気品と気高さを持つ正統的な吸血鬼、だが傲慢かつ狡猾で食料である人間を操って楽しむなど吸血鬼の常道から外れることもしている。気に入った人間に関しては仲間にすることはせず、長く血を吸い楽しむために「好み」の血の味でなくなるまで操る変わり種。
種族：吸血鬼
能力：術に掛けて人間や使い魔を操る。大抵の人間は難なく操ることができ、簡単なことであれば魔人をも封じることができる。
武器：催眠術と骨肉を容易く砕く怪力
過去：そのうちおいおい
備考：基本的に仲間を増やさず単独行動。血も気に入った人間しか吸わず好き嫌い（若く成熟しかけの人間の血が最も好みで男女問わない）が激しい。人間の食事も楽しめるがやはり「血の気がある物」が好みらしく偏食家でもある。
気に入った人間は殺さない一方で気にくわない人間を殺すことに関してはまるで戸惑も良心の呵責も無く、小娘と侮辱した侯爵を異教徒の手によるものと見せかけて惨殺するなど吸血鬼としての残虐さを秘めている。
サンボイ：
「初めまして、ルゴシュ家のフェレンツ伯爵が娘エルジェーベトと言います。以後お見知りおきを」
「ほぉ、人間にしてはなかなか鍛えられているじゃあないか」
「私をしこたま喰らえば満足するケダモノと一緒にしてくれるなよ？こう見えても美食家なのだからな」
「そう、私は貴様らの言う化け物だ。どうする人間？ お生憎様だが私は貴様を喰おうとも、玩具として愛でてやろうとも思ってはいないぞ？」
ではでは、お楽しみ下さいませ。
- Re: 【扉絵募集】D' Racula【参照300突破】 ( No.34 )
- 日時： 2013/03/07 14:25
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: oivBxJIz）
- 参照： http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
>三月兎様
エリス嬢は人間とは近い存在でありながら決して分かり合えない存在として書いていきたいなーと思ってます。でなきゃ面白くないっ！（←
どうぞどうぞ、お描きくださいませ！ 描いたらエリス嬢の餌になる権利を差し上げますよ〜。
- Re: 【扉絵募集】D' Racula【参照300突破】 ( No.35 )
- 日時： 2013/03/08 22:56
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: Ot.qag7u）
- 参照： http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
「お父様、お帰りなさい。今日はね……」
「エリス、今日はもう遅い。子供は寝なさい」
「……はい」
「お母様、昨日はディアナが馬から落ちてね……」
「そう、大変だったわね。私は今夜から陛下のお招きで留守にするから、いい子にしていなさい」
「……はい。お気を付けて」
「お兄様、家庭教師のヨージェフが教鞭で手を叩くの」
「そうか、それで？」
「…………」
「エリス、用があるなら言う事を考えてからにしろ。兄様も忙しいの、わかっているだろ？」
「……うん」
「お嬢様は幸せですよ。明日どころか、一生生活の心配などさせない立派なご両親がいるのですから」
「うん。でもね、……」
「何が不満なんです？ 私からすれば理想のご家庭ですよ？」
「…………」
「エリス、お前の婚約相手が決まったぞ。グロシチ伯の御子息だ」
「え……？」
「お前に両家の将来がかかっているのだ、頼んだぞ」
「お父様……！」
いつもだ。誰も話を聞いてくれない。生まれてから話をまともに聞いてくれた人間なんていない。父も、母も、兄たちも、乳母も、家庭教師も、神父様も。
私の知らないところで私の人生が決められている。私の意思などお構いなしに。そんなの嫌だ。
あのね
私の話を聞いて
聞いてください
勝手に決めないで 嫌だ
誰か聞いて 助けて
私の話を聞いてください お願い
聞け 聞け 聞け 聞け 聞け
私の話を聞け
私の言うことを聞け！！
両眼を開けても視界は暗かった。しかし、自分の目から液体が流れ落ちておることは頬を伝う感触で理解できる。それは人間が出すような塩分の強い透明なものであることでもなく、紅のものであることもエリスは理解していた。人差し指でその液体が流れた筋をなぞると、やけにべたついていた。
「……くだらん」
夢など何時ぶりに見たろうか。人間であることを拒絶して以来ではなかったか。夢ごときは有限の命が逃れられぬ死に対する気休めに、うだつの上がらない人生を癒すために見るものだと考えていた。それを今日自分が見たのだ。
「誰かいるか？」
「はい、、こちらに」
エリスが誰もいない部屋に呼びつけるとすぐに女性の声がした。すると部屋に明かりが灯り、影と光を生み出す。令嬢の頬を伝っていた赤い水は、既に枯れていた。
「湯浴みをしたい。準備にどれほどかかる？」
「湯が温まるまで15分ほどになるかと」
「それでは遅い。10分で支度せよ」
「はい、急がせます」
侍女が退出しようと、一礼して背を向ける。緑のまなこの持ち主は思い出したように再び彼女を呼び止めた。
「あの者は、銃使いはどうした？」
「テオ・ヴィオデなら昼に目覚め、先程城を後にしました」
去るのか。いや、違う
「去る前にエルジェーベト様をお探しでした。無論お休みであるため断りはしましたが」
「そうか」
やはり自分が考えていた通りの人間だった。吸血鬼に身内を殺された人間が、吸血鬼の外れ者である自分を放っておく訳が無い。おそらく再び来る時が来るだろう。しばらく退屈せずに済むことを知ると、この日初めてエリスの口が、瞳が吸血鬼のものとなった。
- Re: 【扉絵募集】D' Racula【参照300突破】 ( No.36 )
- 日時： 2013/03/08 23:30
- 名前： 三月兎 （ID: DMJX5uWW）
エリス嬢……(T_T)
人間の時の彼女は、なんだか縛られているようですね。今の状況はその反動なのでしょうか。
目が覚めた時の描写にとても惹かれます。
いつもとは違う文章の並べ方も、エリス嬢の心をうつしてますね(；д；)
あ、絵のことなんですが、エリス嬢意外にもキャラさんかこうと思うんです。2、3人。
まだ書かれていない他の方のオリキャラ様も書いていいですか？私の勝手なイメージになってしまいますが。
もし誰かリクエストがあればどうぞ！
あと、エリス嬢の身長とアップの髪型がどこまでの長さか詳しく知りたいです。迷惑おかけしてすみません(´・_・`)
更新頑張ってください！
応援してます(〃艸〃)漫画化して欲しいくらいです笑
- Re: 【扉絵募集】D' Racula【参照300突破】 ( No.37 )
- 日時： 2013/03/09 10:25
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: Ot.qag7u）
- 参照： http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
>三月兎様
エリスが吸血鬼になった過程で能力として魔眼を手に入れたのも自分の話を聞いてくれない人間に「話を聞いてもらうように」というのが始まりであったり。
イラストにつきましてはどなたを描くかは完全にお任せしたいと思います。で、エリス嬢なのですが身長は162cmくらいです。髪型はうみねこのベアトリーチェを参考に（後ろの部分は普通のお団子ですが）して頂ければいいと思います。
漫画家についてはpixivにでも宣伝して挿絵募集をしみてくださいまし（笑
で、応募キャラの採用結果なのですが現在出ているおふたりと、ミリアーナさんを最終的に採用させていただくことにしました！
落ちてしまった皆様、申し訳ないです;;
また次回作でも数人募ろうと思いますので、またのご機会を生かして下さりませ〜〜！
- Re: 【扉絵募集】D' Racula【参照300突破】 ( No.38 )
- 日時： 2013/03/10 21:24
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: Ot.qag7u）
- 参照： http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
血を吸う鬼を外見で見分ける術はない。エリスの体がそれを証明している。肌は白いが深窓の令嬢であると考えれば珍しいほどではない。歯は他人より少々糸切り歯が鋭い以外は人間と変わらず、伝説にいう「血を吸う時瞳が赤くなる」ことはない。彼女のその瞳は常に深い緑だ。したがって彼らは夜しか活動できない点を除き容易に人間社会に溶け込める。
「少しくすぐったいぞ」
「はい」
加えてこの女は人間であった時貴族として生を受けたため、貴族としてのふるまいを熟知している。その洗練された所作が人間たちに不信感を抱かせず獲物を得る手段であり、吸血鬼はこれを好んで身につけるのだがエリスは他の吸血鬼よりもこれに関して長けていた。ゆえに3世紀という長い間生きてこれたのだ。
湯船に浸かっているエリスはというと、侍女の手によって体を清められていた。貴人は入浴時に自分で体を洗うことをせず、召使に行わせる。
生涯の殆どを貴族の令嬢として過ごしてきているエリスにとってもそれは自然なことであり、特に警戒する素振りを見せずマッサージと肌に染み渡る湯に身をゆだねているようだった。時折息が漏れる甘い声すら出している。
「今宵は誰が来る予定であったか？」
青タイルが敷き詰められている天井を細められた目で見上げながら、後ろで待機している侍女長に尋ねた。
「はい、20:30、つまり今より2時間後にエステルハージィ家のマリィ様が訪れる予定です」
「ああ、そうであったな。失礼のないように頼むぞ？」
要するに「食事」だった。そう、数日前に目星をつけた男爵家の娘。その娘こそが最近気に入った中では「お気に入り」であり、楽しもうと考えていた物だったが、予想外の出来事で別のお気に入りを手に入れたため完全に記憶の隅に追いやられていた。
湯に浸かっていた体が起き上がり、湯船に肢体から湯が音を立ててこぼれ落ちていった。露わになった身体は火照ったようで、少々赤みを帯びていた。またいで湯船から出ると4本の手が妙齢の女体を包み、水滴を拭き取った。
ルゴシュ家の次女は夜にのみ人前に姿を現す。その噂が本当であることをマリィは知った。招かれたのは月が顔を出し、野犬が吠える時刻。しかし客間で出されているものは晩餐ではなく黄色い光沢を放つ茶と小麦を練り焼かれた菓子。間違いなく招いた主人が「夜型」であることを示していた。
「ようこそ、マリィ嬢」
座っている客とちょうど対面する方向から部屋の主は出てきた。湯浴みで清められた白い肌と髪には艶があり、たっぷりと睡眠をとった顔は穏やかだった。一方で瞳はというと、足りない何かを欲していると訴えているようにも見える。
席を客が立って挨拶を行う。男爵家と伯爵家はひとつ階級が違うが、その一つが重く厚い。故にマナーをしっかりとしなくてはならなかった。
「エルジェーベト嬢、この度はお招きいただき」
「ええ、本当によく来てくれて」
挨拶を遮るように黒髪の女がねぎらいの言葉をかける。ふと面食らったマリィが下げた頭を上げると、目の前には伯爵嬢がいた（動きにくい丈の長いスカートを穿いているというのに）。顔は笑みをたたえ、瞳はじっと視線が合った茶の瞳を見ていた。その深い緑の瞳は瞳を越え、より深い部分へ視線を変えたように感じた。すると客の胸が高まり、まともに視線を合わせることができなくなった。そんな彼女を、エリスは優しく抱く。
マリィの首筋に、同性の歯が突き立った。皮膚は張力の限界を超えた力で押し込まれ、破け歯はより深くの肉へ、血管へ食い込んでいく。血が渾々と湧き出ると、エリスはそれを吸った。血が溢れぬようしっかりと唇で口付けし吸い上げてゆく。
「あぅ……！」
血を吸われた女はというと、鋭い痛みに体をこわばらせたが直に体から緊張が失われていき、快感を感じ始めていた。ついで膝の力が抜け、柔らかな長椅子へ倒れ込んでいく。 倒れ込んでなおも抱擁と吸血による快楽は続き、未通女が得られるはずのない感覚に知らず知らずのうちに足首をピンと伸ばし、与え続けられる感覚をただただ享受していった。
血を吸っていた口が離れた。口からは唾液と混ざった血が糸を引いている。
「レディの部屋に断りもせず入ってくるとは、褒められたものではないな」
食事を邪魔されたレディの顔は不満げだった。しかし大して驚いてはいないようで、まだ意識がある餌を魔眼で眠らせる余裕すらあった。
「そお？ わたしもレディだからいいと思ったんだけどなァ」
ふと、後ろに立っていた侵入者の気配が消えた同時にエリスの左頬が、柔らかく暖かな感触を捉えた。さらさらとした髪の触り心地も感じる。ふと視線を左にやると、金髪のボブカットの少女が甘えるように自分の頬を部屋の主の頬に擦り付け、後ろから腕を首に回していることがわかった。
「えへへ、エルちゃん久しぶりぃ」
鼻でため息をする。またか、とでも言いたげに。
「久しいな、ミリアーナ。10、いや20年ぶりか？」
部屋の主が体を反転させ、二人の体が向き合った。まだ首に絡んだ腕は離れない。
「そうだねっ」
「それで、魔人がここに何の用だ？ ここで油を売っている暇が貴様らにあるとは思えんがな」
魔人、ミリアーナの口角が上がった。その答えを待っていたと言わんばかりに。
「『お気に入り』、またできたのかな？」
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