複雑・ファジー小説

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俺だけゾンビにならないんだが
日時: 2013/08/20 22:05
名前: 沈井夜明 ◆ZaPThvelKA (ID: 7NLSkyti)

ゾンビ物です。

残酷な表現が苦手な方はお気をつけください。
荒らしや誹謗中傷などはちょっと止めてください。
誤字脱字を見つけましたら、教えていただけるとありがたいです。

不定期更新、急に更新止まるかも。

中編くらいを想像しています。

目次

第一話「俺だけゾンビにならいんだが」>>1>>3>>5>>6
第二話「血肉内蔵脳漿の中を進め」>>8>>10>>13>>14>>15
第三話「こびりつく悲鳴」>>16>>18>>21>>25>>27>>30>>32>>35>>36
第四話「ゾンビよりも疲れる対人関係」>>37

Re: 俺だけゾンビにならないんだが ( No.53 )
日時: 2013/09/22 00:16
名前: 沈井夜明 ◆ZaPThvelKA (ID: 7NLSkyti)
参照: 書き溜め中

全ての食料や飲み物トヨさん達、食事係の人が持って行った。医療品も必要な時の為にホームセンターにあった他の医療品の所で保管する様だ。ローションやオ○ホは誰も触れなかった。ちょっと死にたくなった。
 包丁などの武器も一部を除いて殆ど持って行かれた。残ったのは金属バットと包丁二本だ。ホームセンターとはいえ、いつ何が起きるか分からないため、皆武器の所持は許可されているらしい。ただし、何を持っているかは常に全員が把握していなければならない。それから武器は出来るだけ他の人から見えない所に所持しておいてくれ、とも言われた。武器が目に見える所にあったら、ただでさえ良い雰囲気とはいえないホームセンターの中が、更に剣呑になってしまうからな。

 荷物の整理が終わった後、取り敢えず自由にしていて良いと言われた。何か用事があったら呼ばれるらしい。
 基本的にそこまでやる事が無いからな。店内を点検したり、ゾンビの様子を監視したりと、一応やる事はあるそうだが、そこまで時間は掛からない。数日置きに掃除したりするらしいが、今日はしなくていいようだ。
 
 ということで、取り敢えずホームセンターの中をブラブラとする事にした。
 一階を降りてブラブラしていると、ダンベルやバーベルが置かれている所で誰かが筋トレをしていた。近付いて確認してみると、二人の男が筋トレしていた。
 一人は浅野さん。ベンチに横たわり、バーベルを持ち上げている。恐らくベンチプレスというトレーニングだろう。確か胸筋を鍛える為のトレーニングだったと思う。バスケ部の連中が学校のトレーニングルームでやっているのを見掛けたことがある。荒い息を吐きながら、かなり重そうなバーベルを持ち上げている。凄いな。
 もう一人は、昨日トラックから降りた時に棒でゾンビを殴っていた奴だ。名前は大山孝正。二十二歳らしい。高卒でどこかの会社に就職したと、昨日の自己紹介でムスッとしながら言っていた。あまりいい感じではない。浅野さんと言い争っていた様な気がするが、一緒に筋トレしてるのか。
 大山はダンベルを二つ、片手ずつに持って持ち上げたり下ろしたりしている。確かダンベルカールだったかな。力こぶの部分を鍛える筋トレだった様な気がする。

「やぁ、瀬戸川君。君も筋トレしに来たのかい?」

 浅野さんはいつの間にかバーベルを下ろし、ベンチから身体を起こしていた。浅野さんの言葉に大山はダンベルを下ろし、こちらを見てきた。
 筋トレしに来たわけではない、と断ろうとして、浅野さんが「ちょうどいい。今大山君とどっちが重量を持ち上げられるか、っていうのを競い合うっていう話をしていたんだ。君も参加するといい」なんて言ってきて、断りにくくなった。

「瀬戸川君、昨日チェックの時に見たが、結構良い身体をしてたんだ」
「ああ、確かにそこそこしたっすね」

 二人して俺の身体を見ながらそんな事を言ってくる。つうか、大山、昨日は浅野さんにタメ口利いてたのに、敬語使ってるな。昨日は興奮してたから口調が荒くなったとかそういうのだろうか。
 ということで、流されてしまい、筋トレ大会に参加する事になってしまった。


「凄いね……」
「すげぇ……」

 ダンベルを両手に持ち、ゆっくりと上下させる。その様子を見て、浅野さんと大山は目を見開いている。
 ダンベルの重量を上げていきながら、ダンベルカールをやっていく。大山は最高十五キロ、浅野さんは二十キロだった。俺はというと、今の所二十五キロを難なく持ち上げている。まだまだ行けそうな気がする。が、浅野さん達のリアクションが怖いので、適当に誤魔化して逃げた。

「いい身体だと思っていたが……凄いなぁ」
「凄過ぎるだろ……」

 後ろから二人の呆けた声が聞こえてきたが、無視して去ることにした。
 どうやら俺の筋力は噛まれる前よりも凄まじく上昇しているらしい。筋トレなんかした事なかったが、二十五キロっていうのがかなり重いのは分かる。それをここまで余裕で上げられるなんてなぁ……。自分の身体が怖い。



 
 

 
 





Re: 俺だけゾンビにならないんだが ( No.54 )
日時: 2013/09/30 23:30
名前: 沈井夜明 ◆ZaPThvelKA (ID: 7NLSkyti)
参照: 書き溜め中


 ホームセンターの中を彷徨く。
 浅井さんや大山にも会ってちょうど良いし、顔と名前を一致させる為に他の人もフルネームで紹介していこうか。
 昨日、カゴを持ってトラックから降りてきた二人がマッサージチェアに腰掛けて何やら談笑していた。二人は仲が良いようだ。
 眼鏡を掛けており、身長が低い方が伊藤卓郎。
 身長が高く、ガリガリに痩せている方が若井聡一。
 どちらも二十代後半だ。
 この二人は日中何をする訳でもなく、一日中何かについて語り合っていると、トヨさんから聞いた。自分から積極的に働こうとはしないが、仕事を任されればしっかりこなすタイプの様だ。
 二人は俺の視線に気付くと、会話を止めて小さく頭を下げてきた。俺も頭を下げて、その場から立ち去る。特に話すことも無いしな。

 一階から二階に上がると、キッチンの前にある椅子でトヨさん達女性陣がお茶を飲んで話し合っていた。人数は四人だ。雨伊ともう一人以外、全員の女性が集まっている。
 四人とも紹介していこう。
 まずは色々と世話を焼いてくれたトヨさん。本名は戸島豊海。四十代だ。ゾンビが発生するまでは家庭を持っていたらしいが……恐らくは。家族を失ったというのに、皆を元気付けようとする彼女は凄いなあと思う。
 次はマッシュルームの様な髪型をした四十目前のおばちゃん、絹井真知子さん。トヨさんと一緒に料理などをしてくれている人だ。この人が屋上でラディッシュなどの栽培をしているらしい。大声で笑って手を宙でブンブン振っている。ゴシップ好きの近所のおばちゃん的な人だな。
 次はどこかの企業で派遣社員として働いていたという、二十代後半の足立友香さん。派遣切りにあって呆然と歩いていた所で、ゾンビが発生したらしい。死ぬよりは職を失ったほうが良かったね、と昨日笑っていた。ショートヘアーのサバサバとした人だ。
 最後は会話に混ざりながら控えめに笑っている小沢まりかさん。まだ未成年らしく、高卒で働いていたようだ。あの中では一番若い。ポニーテールの黒髪がよく似合っている。あのケバい茶髪に見習わせてやりたいね。
 
 談笑している四人の側を通って行くと、通路の先にある置物の陰から、男の人が覗いているのが見えた。俺と視線が合うと、慌てて顔を引っ込めた。何をしているのだろうか。
 彼は神田翔大。三十代後半の男性だ。小柄でどこか脂ぎっており、髪が所々薄い。出っ歯で鼠のような印象を受ける。仕事を余り手伝わないらしく、皆からの評判はあまり良くない。絹井さんが『あの人何か生臭いのよねぇ』と手をブンブン振りながら言っていた。まあ…何というか、外見通りの様な人だ。何か問題を起こさなければいいのだが。出来れば関わりたくない。
 
 二階を探索していると、椅子に座って話をしている男女を見つけた。
 尾形良太さんと尾形凛子さんだ。苗字から分かるように、二人は夫婦だ。二人共四十代前半。
 二人で買い物に出かけている時にゾンビが発生し、逃げてきたらしい。子供はいないようだ。
 仲が良いのは良いことだが、日中から四十の夫婦がイチャイチャしているのはどうだろうか。絵面的には正直あまりよろしいとは言えない。

 昨日自己紹介された時は名前を覚えられるか不安だったが、案外覚えているもんだな。
 自分の記憶力に満足した俺は、やることも無いので自分のベッドに戻ることにした。

Re: 俺だけゾンビにならないんだが ( No.55 )
日時: 2014/01/02 16:17
名前: あお (ID: d1Bequrp)

更新まだかなぁ…(´;ω;`)

Re: 俺だけゾンビにならないんだが ( No.56 )
日時: 2014/01/15 02:07
名前: カラス (ID: Ey8gPGD7)

やっと、追いついた、凄くリアルに表現されていて良かったと思います、実は最近自分も小説を書き始めたので、とても勉強になります。
続き楽しみにしてます、頑張って下さい。

Re: 俺だけゾンビにならないんだが ( No.57 )
日時: 2014/01/16 20:25
名前: テーワ ◆CpJvzokFd. (ID: hQv1ULP5)

・・・・。

ビックリしました。
すごいリアルですね。
更新頑張ってください。


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