複雑・ファジー小説
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- 魔法少女戦記
- 日時: 2014/08/10 06:19
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
明るく笑える魔法少女小説の開幕です
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- Re: 魔法少女戦記 ( No.11 )
- 日時: 2015/08/25 11:22
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
俺は3日間の充電を終えて目を覚ました。
ほかの3人は寝ている。
さて、これからいよいよ俺の作戦の開始だ。
ウルフマンを手こずらせたという彼女たちの実力がどれほどのものか楽しみだ。
俺が3日間、睡眠をとりつつ夢の中で導きだした答えはただひとつ。
敵に挑戦状をたたきつけ、圧倒的な力で粉砕する。ただ、それだけ。
シンプルな作戦だ。
俺は3人が目を覚ましたときに困惑しないために、置手紙を残し、自慢の武器であるハンマーを手に取り、本拠地をあとにした。
「マジカルガールズ。俺の圧倒的パワーで、お前たちからマイナスエネルギーを調達する!」
☆
この日は土曜日。
私たちは4人でショッピングに出かけた。
ゆきちゃんは明るい色のコーデを着て、まいかちゃんは白のシャツに黒のジーンズという動きやすい恰好、あいなちゃんはお嬢様然とした白いヒラヒラの服に身を包んでいる。
みんんな、個性が出ていていいなあ…
そんなことを思いながら、私はのんびり3人にならんで大きいデパートを見て回ることにした。
私たちが住んでいる街の中では最も大きい上に、最近できたばかりのデパートということもあって人がたくさん来店しており、お店はかなり混雑していたけど、その中でも私たちははぐれずにお店の中を見て楽しむことができた。
3時になり、おやつの時間になったので、ドーナツ屋さんでドーナツを食べることにした。
4人座れるテーブル席に座って楽しくおしゃべりをしていると、窓の外から見える景色に何か異様なものが見えた。
なんだか銀色の鎧をつけたものすごい大きな男の人が、オリンピックなどでおなじみのハンマー投げで使われるハンマーを振り回して街を破壊しているように見えるんだけど…
すると、ゆきちゃんが突然立ち上がって言った。
「あれはこの前見た4人組のひとりよ!間違いない!」
ええ!?
「みんな、あの怪人を止めにいくわよ。準備はいい?」
ええ〜っ、私、まだドーナツ食べ終わっていないのにぃ。
「何かに包んで持ち帰ったらどうですか?そのほうがおうちに帰っても食べられますし」
そっか。その手があったね。
私はあいなちゃんのアイディアをうけ、そばにあったティッシュで食べかけのドーナツをくるんで、みんなと一緒に怪人をやっつけにいくことにした。
- Re: 魔法少女戦記 ( No.12 )
- 日時: 2014/08/01 07:08
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「グォフォフォフォフォ!待ちくたびれたぞ、マジカルガールズ!」
奴らはついに俺の前に現れた。
3時間ぶっ続けで暴れまくったかいがあったもんだぜ。
「俺は4大幹部のひとり、スチールマン!お前たちから大量のマイナスエネルギーを奪いに来た!」
すると、オレンジ色の髪の奴が口を開いた。
「やれるもんならやってごらんなさい!」
「いいだろう。俺のパワーを見せてやる!」
奴らは魔法少女に変身し、名乗りをあげて全員集合のポーズを決めた後、俺に攻撃を開始した。
オレンジの髪の魔法少女が俺に拳を放ってくる。
「これでも食らいなさい!」
ゴワ〜ン!
奴の拳が当たったとたん、まるで教会の鐘のような音が鳴り響く。
「グオフォフォフォフォ…」
「こいつ、なんて装甲なの!?」
「だったら私が!」
今度は土の魔法少女が蹴りを繰り出すが、俺の前では無意味。
簡単にはじかれてしまう。
「グフォフォフォフォフォ…今度は俺の番だな」
拳を固め、奴らに殴り掛かると、素早い身のこなしで避けられた。
地面にクレーターのような穴が開く。どうやら、このチッキューという星は地面が柔らかいらしい。この程度の攻撃で簡単に穴が開くとは…
「エコロジーアロー!」
緑の髪の魔法少女が虚空から矢を作り、それを発射してくるが、全部弾き返す。
「俺のハンマーを食らえ!」
俺は得意のハンマーを振り回し奴らを蹴散らす。
すると奴らは次々に吹き飛び、建物の壁に激突し、倒れてしまった。
すると俺の水筒にマイナスエネルギーが集まる。しかもかなり濃い色のマイナスエネルギーだ。
これでウルフマンから渡された水筒のメモリが10から20へ上がった。
「話にならんな。では、帰るとするか」
俺は奴らの弱さに不満をブツブツ言い帰ろうとした、そのときだった。
「待ちなさい!まだ…まだ、私が残っているんだから!」
その声に振り替えると、半泣きの表情で生まれたての小鹿のように足をぶるぶる震わせながら立っている、黄色い髪の魔法少女がそこにはいた。
「グフォフォフォフォフォフォフォ!こいつは傑作だ。お前みたいなチビの弱虫で泣き虫な奴がこの俺と一戦交えようというのか?」
「私は…負けなない…あなたに勝つ…!勝負よ、スチールマン!」
「グフォフォフォフォフォ!」
- Re: 魔法少女戦記 ( No.13 )
- 日時: 2015/08/25 11:25
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「グフォフォフォフォフォフォ!」
スチールマンと名乗る敵の攻撃に、ゆきちゃん、まいかちゃん、あいなちゃんの3人が倒されてしまった。
残ったのは、私ひとり…どうしよう…
「話にならんな」
敵は彼女たちを一瞥して、帰ろうとした。
「待ちなさい!まだ…まだ…私が残っているんだから!」
気が付いたら、自分でも驚くほどの大きな声で敵を呼び止めていた。
敵がこちらを振り返る。
その姿に、恐怖を覚え、自然と自分の足が小刻みにぶるぶる震えだし、涙で敵の顔がよく見えなくなるのがわかる。
でも…ここで私が逃げたら…
倒れ伏して動けなくなっているみんなを見ると、体の奥底から勇気が溢れてくるのを感じる。
しっかりと立ち、敵を見つめる。
「私は…負けなない…あなたに勝つ…!勝負よ、スチールマン!」
「グフォフォフォ…いい度胸だ。だが、後悔してもしらんぞ」
ニヤリと邪悪な笑みを浮かべる敵に、私は毅然とした態度で言い放った。
「後悔なんかしない!さあ、勝負よ!」
「そこまで言うのならば仕方がない。行くぞ!」
スチールマンはまるでサイのように猛スピードで私に突進してくる。
「きゃあ!」
その威力に吹き飛ばされるものの、壁を蹴ってUターンして、敵にドロップキックを浴びせる。
「…なかなかやるようだな、雷の魔法少女。だが、コイツはどうかな?」
敵がハンマーを振り回してきた。けれど、私は逃げない。正面から受け止めて見せる!
「何ッ!…コイツ、俺のハンマーを受けとめた…!?」
「はあああああっ!」
渾身の力で押し返し、敵を吹き飛ばすが、敵は素早く体勢を立て直し、立ち上がる。
「はあああああっ」
「うおおおおおおっ」
拳と拳のぶつかり合い、少年漫画さながらの激しいラッシュがお互いに続く。
拳を振り上げる一瞬の隙を突いた、私のパンチが敵の顔面に当たり、彼はのけ反った。
「サンダァァーレイィーン!!」
大量の雷を敵の頭上に降り注がせると、スチールマンは少しダメージを負い、
「今回は油断した。次会う時は覚悟するがいい、雷の魔法少女!グフォフォフォフォフォフォ…」
☆
「はあ…はあ…はあ…あの雷の魔法少女、外見に似合わず、侮れん…」
俺は本拠地に帰るなり、片膝をついた。
その様子を見た他の3人は、
「まあ、お前にしちゃ、上出来だ。ゆっくり休んでな」
ウルフマンは布団を用意し、俺を寝かせ、サンドウィッチは胃に優しい食事を俺に振る舞い、パペットマンは俺がよく眠れるようにと、本の読み聞かせをしてくれた。
みんな、なんていい仲間なんだ…
俺は心の中で奴らに感謝しながら充電に入った。
- Re: 魔法少女戦記 ( No.14 )
- 日時: 2014/08/01 07:12
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「次はいよいよ僕の番だねぇ」
僕はポツリとつぶやく。
ウルフマンとスチールマンを退ける実力を持つ相手。
と言うことは、久々の強敵到来に違いない。僕は今だ拝見していない、敵の実力に胸を躍らせた。
彼女たちは、僕をどれだけ楽しませてくれるのか、本当にワクワクする。
「それじゃあ、早速作戦開始といこうかねぇ」
夕焼けでオレンジ色に染まる空を眺めながら、僕は微笑んだ。
☆
あー、疲れた。
私は家に帰るなり、自分の部屋のベッドでゴロンと横になった。
魔法少女になってからというもの、来る日も来る日も怪人たちの激闘で、お昼寝があまりできていない。
これは怠け者で面倒くさがりの私にとっては、大変重要な死活問題だ。
けれど、今日はラッキーなことに一度も怪人が現れていない。
多分あっちも疲れているんだなあなんて思いながら、私はゆっくりとまぶたを閉じた。
☆
「はっ!夢か……」
あまりの悪夢にうなされて、私はパッチリと目が覚めた。
もちろん、目覚めは最悪だ。
全身冷や汗びっしょりなことに気が付くと、余計悪夢を見たことにいら立ちを覚えた。
「まったく、なんであんな夢を見なきゃないらないのさ!」
イライラのあまり、つい大きな声で文句が出てしまった。
それにしても、今見た悪夢は妙にリアルな夢だったけど、まさか正夢になるなんて言わないよね…?
「さあ、それはどうかねぇ?僕にもわからないねぇ。明日のお楽しみだねぇ」
突然、どこからか高い子どもの声がした。
謎の声は外から聞こえるようにも、中から聞こえるような気がする。
「誰ッ?誰なの?」
私はその声に条件反射で訊ねた。
「それはヒミツだねぇ。全ては明日のお楽しみだねぇ…」
声はだんだん小さくなり、やがて聞こえなくなった。
誰の声なんだろう?
そんなことを悶々と考えていると、おなかがなった。
下に降りてみると、ちょうど夕ごはんができていた。
とりあえず、今はさっきの声のことは忘れて夕ご飯を食べることにしよう。
あたしはそう楽観的に考え、父さんと母さんと一緒にご飯を食べ始めた。
でも、やっぱり気になる。一体誰の声だったの?
- Re: 魔法少女戦記 ( No.15 )
- 日時: 2014/08/01 07:13
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
翌日の給食時間に、みんなに変化が起きた。
この日あたしは体調が悪くて牛乳しか飲んでいなかったのだが、みんなは今日の給食はいつもの100倍美味しいとか言って、先生も含め、目をキラキラ輝かせながら凄い勢いで頬張っている。
すると、給食を食べたみんながみるみる大きくなっていくのだ。
いや、正確にはこの場合、肥えたと表現するほうが正しいだろう。
あたし、ゆき、あいな、ハニーの4人以外は、まるでボールに手足がくっついたと言った風にまるまるに太っている。
この光景は、昨日見た悪夢と同じ…!
ということは、犯人は昨日の声の子!
「正解だねぇ」
声と共に黒板からスーッとまるで幽霊のように、男の子が通過して現れた。
彼は綺麗で柔らかそうなシルバーブロンドの髪、リンゴのように頬が赤く肌の色は透き通るほど白く、耳がまるでエルフのように大きく少し尖っており、少し垂れた大きな緑色の瞳に長い睫、華奢な体躯を白いコック服、ウサギとリスの可愛らしいミトンをはめて、黒の半ズボン姿で可愛らしい笑みを浮かべて立っていた。
「僕は4大幹部のひとり、パペットマンだねぇ。よろしく、だねぇ。ところで、君たちはどうしてみんながこうなっちゃったか知りたい?だねぇ」
うん。めっちゃ知りたい。
「それは僕の作った料理を食べたからだねぇ。僕が作った料理を食べると—」
ハイハイ、太るんでしょ。
「最後には破裂してしまうんだねぇ」
な、なんですとー!
「止める方法はないのですか?」
あいなが冷静に訊ねる。
「あるねぇ。僕が手を叩けば元に戻るねぇ」
パン、パン、パン。パペットマンは3回手を鳴らした。
するとみんなが元に戻っていく。
これは、明らかに敵の痛恨のミスだ。
だが、知らぬが仏。
すると彼はキョトンとした後、舌を出して頭をかいた。
「あっ、僕としたことが、ミスをしてしまったねぇ」
そして彼は可愛い笑顔を浮かべた後、その愛らしい顔から想像できない言葉を口にした。
「4人まとめて、絶望させてあげようねぇ。変身してほしいねぇ」
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