複雑・ファジー小説
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- 魔法少女戦記
- 日時: 2014/08/10 06:19
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
明るく笑える魔法少女小説の開幕です
ありがたいお客様、いつもありがとうございます!お世話になってます!
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- Re: 魔法少女戦記(キコリさん、大歓迎!) ( No.61 )
- 日時: 2014/08/05 20:35
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「やめて!」
わたしは封じ込められているガラス瓶の中から思いっきり叫ぶ。
けれど、わたしの声はあの道化師には届かない。
どんなに力を込めてガラスの壁を叩いてもひび割れさえ起きず、声を出しても届かない。
今できることは、この残虐な光景を見ていることだけ。
彼は右手で西園寺くんの髪を引っ張り彼の顔を引き寄せると、その唇を塞いだ。
「ん…っ!」
彼にとってもわたしにとっても地獄のような十数秒が過ぎ、彼は彼の唇から唇を離した。
「ウフフフ、あなたのファーストキス、奪ってしまいました♪」
彼は舌舐めずりしながら、笑みを浮かべる。
西園寺くんの顔は真っ青になり、指先が小刻みに震えている。
「警察に通報しますっ…!」
彼は鞄から素早くケータイを取り出し、警察にかけようとしたその刹
那、
「ざ〜んねん。そうはいきませんよ!」
彼が目に見えないほどのスピードで接近し、ケータイを奪うと片手でグシャッと握り潰してしまった。。
「これであなたは警察を呼べない」
ポン、と彼は西園寺くんの右肩に手を置く。
「道行く人も、だ〜れもあなたの存在に気付いていない」
言われてみて気が付いたけど、たくさん人は彼らの傍を通り過ぎているのに誰も気に掛ける様子がない。
彼はそれに怯え、逃げ出そうと振り向き走り始めるが、まるでランニングマシーンのように前に進まない。
「あなたは逃げることさえできない」
彼は彼の服を掴んで引き戻すと、恐怖のあまり、涙を浮かべる彼の耳元まで顔を近づけ、口を開いた。
「つまり…あなたに残された答えはただひとつ…永遠の絶望だけです…!アーッハハハハハハ!」
☆
僕は彼の繰り出す精神攻撃と格闘に圧倒されていた。
彼の周辺に漂う底知れない悪のオーラが、僕に恐怖を与える。
彼の邪悪な笑みや精神攻撃の前に、僕はついに倒れ伏してしまった。
恐怖と絶望、そしてハニーさんを救い出すことができない無力さに涙が溢れる。
「あなたに嬉しいお知らせがあります」
不意に、彼がそんなことを口にしたので僕は思わず聞き耳を立てる。
彼はニヤニヤと嫌らしい笑みで続けた。
「実はですねぇ、ハニーさんはあなたのことがだ〜いすきなんですよ!」
え…っ?
僕が驚きのあまり泣きはらした目を見開いていると、彼はもう1度同じことを口にした。
「ハニーさんは、あなたのことが、だ〜いすきなんです!」
「それ、本当なの?」
僕は彼にではなく、瓶に閉じ込められている彼女に訊ねる。
彼女は何も言わず、瞳に涙をあふれさせながら、コクリと頷いた。
彼女の返事に僕が今まで抱えてきたものの正体がやっとわかった。
それは…
「ハニーさん、実は僕も君のことが好きなんだ!」
恋心だった。
僕は知らず知らずのうちに、彼女が好きになっていたんだ。
すると、それを聞いた彼はまたしても高笑いを始めた。
「何がおかしんですか!」
憤慨して訊ねると、彼は、
「どんな感情も時と共に消える。恋愛もそうです。それに恋愛はしょせんエロスなのです。あなたが彼女を好きになった理由は根本をたどればそういうお下品な理由なのです!」
「…確かにそれも少しはあるのかもしれないけど、全部そうじゃない!」
僕は立ちあがり、猛然と彼の顔面にパンチを放った。
- Re: 魔法少女戦記(愛欄さん、大歓迎!) ( No.62 )
- 日時: 2014/08/06 20:33
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「それで、負けちゃったのかねぇ?」
本拠地へ帰るなり、わたしを見た彼は訊ねました。
「そうなのですよ、パペットマン!まさか、このわたしが敗北するようなことがあるとは…!人質であるマジカルハニーも奪回されまてしまいましたし…」
今のわたしは、西園寺くんにフルボッコにされたあざやたんこぶだらけで、自分でも鏡を見るのがつらいぐらいに顔が変わっていました。
「たいへんだったねぇ」
パペットマンは可愛い声でわたしを慰めると、いい子いい子してくれました。
彼は本当に生粋の癒し系、わたしたちのアイドルなのです。
彼の愛くるしい顔を見ているだけでさきほど受けた傷がみるみる癒されていきます。
さすがはパペットマンの力は素晴らしいです。
傷が回復したわたしは、他の2人も集めて作戦会議をすることにしました。
「今までははわたし個人で作戦を立てていましたが、これからはそうもいきません。みなさんで力を合わせて、残り20のマイナスエネルギーを集めましょう!」
「なあ…思うんだけどさ」
ウルフマンが口を開きます。
「なんですか?」
「この星、破壊するの惜しくね?」
「言われてみれば…この星は資源が豊富ですし、単に破壊するのはあまり芸があるとは言えませんね…」
わたしは彼の提案にしばし腕組をして考えます。
「他のおふたりはどうでしょうか?彼と同意見ですか?」
「…俺も壊すのは惜しいと思った…チッキュー人を支配して帝国を作ったら、大帝様も喜ぶと思う…」
「僕もそう思うねぇ。壊すのはあまりにもったいないねぇ。可愛い動物も多いしねぇ」
「ふむう…」
わたしは彼らの意見を聞いて大帝様の許可を得るべく、電話をかけました。
最初は断られるかと予想していましたが、意外にもすんなりOKサインが出ました。
その返事を聞くや否や、わたしはマイナスエネルギーを貯め込む水筒をダストシュートの中に放り込みました。
ダストシュートの中はぼうぼう燃える焼却炉ですから、きれいさっぱりなくなります。
新しいチッキュー侵略ということの始まりを象徴するかのように、水筒は一瞬で燃えて消えてしまいました。
「では、みなさん。これよりチッキュー侵略計画を始めましょう。まずは、引退した我らが大将さんを復帰させましょう!」
「えっ?マジか。あの人、水星から呼んでくるのか!?」
「…もし復帰させることができたら俺、最高に嬉しい…」
「僕も、大将さんにまた会いたいねぇ」
わたしはみんなの返事を聞いて当然の反応だと思いました。
彼は我々全員の羨望の的なのですから。
「でしょう、会いたいでしょう!大将さん、もといキャプテン=パイレーツさんに!
その役目は、このわたしにお任せください。彼を復帰させてもらえるように説得しましょう!」
- Re: 魔法少女戦記(愛欄さん、大歓迎!) ( No.63 )
- 日時: 2014/08/06 21:19
- 名前: みらら (ID: ???)
西園寺クンつよーい
恋愛たまりません!
- Re: 魔法少女戦記(愛欄さん、大歓迎!) ( No.64 )
- 日時: 2014/08/07 15:30
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
みららさんへ
コメントありがとうございます!本当はもっと戦闘シーン書きたかったのですが、割愛してしまいました!これからも盛り上がるかもしれないので応援よろしくお願いします!
- Re: 魔法少女戦記 ( No.65 )
- 日時: 2014/08/07 17:52
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
朝、目を覚ましたわたしは、窓を開けて外の景色を見た瞬間、目が飛び出しそうになっていた。
「なんなのアレは!?」
昨日まで何もなかった景色の中に大きな像が立っていた。
黒いハーフコートを着て右手はフック、黒の海賊帽子から覗く赤い瞳。
それ以外は帽子の陰に隠れてよく顔は見えないけど、全長は間違いなく20メートル以上ある。
この像を眺めていると、あまりの大きさに首が痛くなりそうだ。
それにしても一体誰が立てたんだろう?
そんなことを思いながら、わたしがパパとママと一緒に外に出てみると、その像の瞳がピカッと光った。
「吾輩はキャプテン=パイレーツ。この街にいるのであろう、マジカルガールズとやらに告ぐ」
うそぉ!像がしゃべった!しかも、話の内容からしてなんか嫌な予感がする…
「吾輩は暴走大帝軍を長年退いていたが、部下である4大幹部の熱烈な願いを受け入れ、復帰することにした!吾輩が復帰したからには、君たちも相当な覚悟を持ってこの星を守り抜くがいい。では、いずれまた会おう…」
海賊の像…いえ、巨大宇宙人はその言葉を残して消えてしまった。
キャプテン=パイレーツ…とんでもない敵が現れた…
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