複雑・ファジー小説
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- しりとりシリーズ
- 日時: 2016/04/04 21:09
- 名前: 彩都 (ID: 4mrTcNGz)
暇なので書きました。
NEXT 『愛』です、どうぞ。
『愛』
『愛』、それは、傷付ける愛、痛みのある愛、壊す愛、無い物を愛す愛、正体不明に愛する愛、只の愛、無機質を愛す愛、言葉を愛す愛、見た目を愛す愛、体の一部分を愛す愛、ete……………。
いやはや、この世には色んな愛があるのだ。
だから、数え切れない愛、人類の数だけ愛がある訳だ。
だから何だ、と言う訳もなく、物語は進む。
「むぅ〜、めんどくさいなぁ………もう、知らんし……」
少年は項垂れていた。
ただただ、暇、の一文字。
「『女子の愛』何て課題、意味分からんし……」
少年は、手元の紙を見る、その紙には大々的な大きさの字、『愛』が書かれていた。
ただ、どうしようもなく、意味不明な先生の課題、もう授業受けたくないのだが………。
俄然、やる気は起きない。
意味も無く、『やる気スイッチ』を探すが、そもそも無い。
意味が無いと分かりながらも、『愛』という字を見つめ、思う。
うん?そういや、漢字には禾編やうかんむりやら、何やらあるよな?『愛』にもあるよなぁ?それを分解して、課題として出そう、うん何か面白いな、それは。
ハハハ、と一人で虚しく笑いながら、紙とペンを用意、『愛』と書く。
「空中分解して………ノ、ツ、心、久、………ん?何か足らんなぁ………?」
あぁ……?んん?………あっ、かんむりだ、かんむりが無いのだ。
「だぁあああああ!!!!やっちった!………」
ただ、考える、少しだが、冷静になる、だったら、ツ、ではなくリ、にすれば良い、真ん中を、ウ、の上に指せばいいのだ、俺って天才!?。
いや、そんな訳は無い、と読者がツッコんだのだろう………ツッコまなくてもいいのだが。
俄然やる気はないまま、考える、うーん……どうしたら………?
ラララン、ララン、と鼻歌を歌いながら、ノ、リ、ウ、心、久、を考えるが、何も出ない。
いや、何かに一つでも思い付かなければ………学校卒業出来ねぇ!!
笑顔で教師の顔面を殴る、と言う妄想をする、虚しくなるだけだ………。
だからと言って、投げ出すのもつまらない。
一応、考えれる分だけを考えよう、………おっ!良いの思い付いた!ウノリちゃんと心久(こころひさし)君の物語にすれば良いではないか!!!
カァー!!やっぱり俺天才!!この二人が合体して、『愛』となった!!何か感動物じゃね!!??
寝る間も惜しんで書いてやる!そう思いながら、紙に書く。
草臥れない様に紙芝居の様にした。
太陽が出る、時間はもう朝だ、少年は寝落ちしてしまった。
「太陽……?あっ!?もうこんな時間か!急がないと………」
トトッと体制がぐらつくも、建て直し、紙芝居が入った袋を手に、玄関を出た、戸締りをして、学校に行く為に出入り口に、走り出した。
太陽がてらてらと少年を苛める、少年はそんな事をお構い無しに出入り口付近の、自分の自転車に乗る、籠には紙芝居一式。
少年は走る、学校近くの道路へ、自転車で。
でかい御神木を見る事が出来る神社を通る、マイナスイオンが出ている様で涼しい……あれ?マイナスイオンは涼しかったけ?今はそんな事を考えている場合ではない、早く目的地に着かないと……。
とか、思いつつ……やっと道路に出る。
ルルルルン、ルルン、ルルルルルン、ルルン、頭の中で、回転するメロディ。
色々と音楽を聴く内に頭の中で、何時の間にか、音楽が流れてしまっている状態になってしまったのだ。
だから何だ?、と少年は聞き返す、音楽が好きなんだから、良いんだ、と言葉を紡ぐ。
愚弄するならすればいい、自分は放って置くだけなのだから。
爛々と輝く太陽が憎いな………そう思いながら、自転車は進む。
ムラムラとアスファルトから熱を感じる、早く行かなければ………。
馬力を上げたい所だが,そこ迄の力は無い、すると、学校の木が見える。
縷々と続く道に入り、近道をした。
垂れる汗なんて関係無しに、学校の敷地内に入る、駐輪場に自転車を置き、鍵を掛けて、教室に向かった。
タッタッタッタ……駆ける足音を関係無しに進み、教室に入った。
たらり、と汗が顎から落ちる、何とか間に合った様だ。
だぁ………疲れた………。
大量の汗を拭いながら、自分の席に座る。
累積した欠課のマイナスの点数はこの紙芝居で巻き返す。
スーハー、スーハー、と深呼吸をする、落ち着け、俺………。
歴史を感じる教室、この学校は築八十年とか何とか………。
考えても無駄だだだだだだ!?
誰かが、俺の頭をグリグリした。
「ただただ、お前の頭を攻撃する、コレが俺の攻撃の仕方、お前はどうだろう?」
後ろから声がする、チャラ男の知り合いだった、コイツも俺と同じ授業の人間だ。
「だよッ!?……何だお前か……」
「辛いねぇ……まさかまた徹夜かよ?徹夜は止めとけって何度も言ってるんに……」
苦虫を噛み砕いた様な顔で溜息を吐く、コレでも頼れる親友だ。
「だーかーらー、人の話は聞けっちゅうに………おい、聞いてんのか!?」
「カアカアうるせー!」
「せぇーのはお前だ!カアカア煩くないっての!」
「のヤロー!?」
「濾過したいわ!お前の性格!」
ククク………プププ………アハハ………周りの生徒が笑い出す、俺とコイツはまるで、笑えるコンビ、と思われているようだ。
だけれど、コイツとはコンビではない、只の知り合いだからだ……。
「だぁーもう、会話は終わりだ、終わり!」
理解するのが飽きたのか、自分の席に座る、俺も疲れたので、座った。
タン、タン、タン、と教師の靴の音がする、俺はドキドキした。
タン、と止まり、教室の戸を開けられた。
ただ、驚く、この授業の教師じゃない……?すると五、六人がゾロゾロと入り、その後にこの授業の先生が入ってきた。
「ただ、先生一人が聞くのも面白くないんで、他の先生を呼んで、一緒に聞く事にしました」
単純にその台詞に対し、『ハアァァァ!?』や『厭だあぁぁぁあ!』とかの阿鼻叫喚が教室内に響く。
「クク………まぁまぁ皆さん落ち着いて………」
低年齢に見える、四十代の先生が落ち着かせる、この先生は生徒から、人気なので、皆が黙った。
「ただし、条件があります………二人以上、皆さんの話で先生に手を上げさせた者が点数に関係なく、単位を上げましょう、そして、手を上げた先生が、一人以下の場合、単位は無しです」
す……凄い面倒だな………生徒全員が思った。
「ただただ、人がいるので、出席番号順に行くか………01、どうぞ」
ゾロロ、と暗い雰囲気を出しながら、立ち上がる、女子だった、女子の場合、男子とは逆、『男子の愛』だった。
立ち上がって、自分の名前を名乗ったのだ、そして噛み噛みになりながらも喋ったのだ。
「だ…『男子の愛』は……」
ハラハラしながら彼女は言う。
後ろに気を使いながら、自分の紙に書いた事を復唱する。
ルンルンと後ろの女子はまだか、まだか、と待つ。
「………つまり、男性は純情な人も入れば、野性的な男性も居ると言う訳です、終わり………です………」
「………………素晴らしい!!!男性の純情も居れば、性に性愛に性欲に従順な男性も居るという話ですね!!では、先生、挙手をどうぞ!!」
ゾロロロロ、と満場一致だ、彼女は喜んだ。
「だ……大丈夫だったですか……」
完全に01番の挙手から、拍手に変わるが、次の女子がいきなり立つ。
「つ−か、先生もう言っていいか!?『男子の』……」
ノリを弁えない02番の女子。
「し……仕方ない……02番、どぞ……」
ゾロゾロと周りが慌しくなった。
「たぁぁぁ………煩い煩い!!言うぞ……『男子の愛』って言うのは……」
歯向かったら、喧嘩になる!!それを理解した皆は、静かに聴いた。
「………対等!男と男のタイマンのルールはそんだけだ!勝つか負けるか……そして、男気に惚れて、舎弟に成る!!これが私の『男子の愛』です……」
「……素晴らしい!恋愛という概念を越えましたね……では、挙手をどうぞ……」
存外熱い話なのに、誰も手は上げない。
「居残り、つまり、単位は上げれませんでした……」
「たぁぁぁ………無理だったかぁ………」
あーあ………と項垂れる彼女。
状況はどうでもいいと見える03番のフードの少年が言う。
「う……あの……もう……言って……良いスか……?」
「可能だ、言って下さい」
威圧無く接する先生に頷いて、話す。
「……全てにおいて……女子とは……変態である……AVが存在する限り……」
リアルにコイツ何言ってんだ!?そう、皆は思った。
只、単純に意味が分からない、何が言いたいのだろう?
「後ろからするのも気持ち………」
「ちょっ!もっもういいです………挙手をどうぞ……」
ゾロゾロと騒ぎ出す。
全ての生徒は俯き、先生達も挙手しない………。
「いやぁ、残念でした……単位は無しです………」
すぅぅ、と、先生の語尾も弱まった。
ただ、俺はもうすぐだった。
単純に04が立ち上がった。
「たっ大変です……すみません、抜けていいですか?」
彼女は焦っている様だ、先生が話を聞く。
「詳しくは知らないんですが、母方の祖母が危篤状態と……」
「とても大変ですね……ですが、抜けるとなると、この単位を捨てる、という事ですよ?」
よもや……こんなヤバい状況なのに……単位を取るか、家族を取るか、という決断をさせる気か………?。
完全に鬼だ……生徒はそう思う。
うぅっ……彼女は悩んでいた………。
「単位は………」
ハラハラした………こんなにハラハラした事は無かった。
「単位は……………捨てます………!!」
すると彼女は後ろの教室のドアから走り去った。
タッタッタッタッタッ………………音が聞こえなくなった所で先生は言った。
「たまにこんな事が起きます、さて正しいのはどちらですか?答は簡単です、『家族』を取りなさい、『家族』が一番です、何故なら、『家族』は私達を育てました、それに感謝しなければなりません、結局最後は『家族』を選択するのですから………」
爛々としていた教室の熱は段々下がってきた。
- Re: しりとりシリーズ ( No.43 )
- 日時: 2016/04/10 22:10
- 名前: 彩都 (ID: nEqByxTs)
『了する』
はいはい、了解かい……全く──姉さんはせっかちで心配性だなぁ……そう思いながら、弟の僕は支度する、スーツにネクタイをして、僕は外に出る、夕焼けが綺麗な空、僕は少し溜息を吐いて、頭を触る──一人暮らしの僕に姉の姉さんは電話をかけてきた。
単純にいたずら電話かと思ったが、違う様だ、何と、姉が末期の癌なのだった──流石に嘘かと思ったが、証拠写真を送られてきてからはそれが真実だと肌で感じた、そして、僕は、姉の最期を見に行く為に家を出たのだ。
「大丈夫ですか、先輩……?」
「いや、大丈夫でしょ、あの姉だからね──」
「ねぇーねぇーおにいたんは何処へ行くのー?」
「のんちゃん……今から、僕の姉に会いに行くんだよ、少しは仕事を休ませて貰う、だからこのお姉さんの言う事を聞きなさい」
「いえいえ……お姉さんだなんて……」
「ていうか、君達の方が、僕より年上なだけだけどね……と言う事で行くよ……」
「ようやく……行くんですね……」
「ねぇねぇ、何時帰ってくるのー?」
「……のんちゃん、それは分からない……」
今から、早く行かないと、飛行機に間に合わないや、そう思いながら、早く外に出た──このお姉さんと娘ののんちゃん、僕の仕事場の後輩でありながら、子持ちの母である、三十路を越えたお姉さんだけど……のんちゃんは今年で小学一年生の女の子だ、僕の事をおにいたんと呼ぶ、少し驚く言い方だが、今はもう慣れてしまった。
単純に免疫が付いただけだが……そう思いながら、僕は何とか、飛行機に間に合って、飛行機で自分の出身県に向かった──
単純にお尻が痛い、何でこんなに遠い県なのだろう……そう思いながら、小さな病院へ向かった。
他県の病院は知らないが、階段の踊り場にベンチがあるのは、この病院だけではないだろうか?多分、そうだと思う。
うーん、やっぱり、自分の県の空気が一番だな、そう思いながら、僕は姉の病室へ向かった──
「ただいま」
「まぁ、遅い帰りだこと……何処の幼馴染みと夜を過ごしたんだい?」
「いっいや!幼馴染みと会ってないよ!」
「余計に怪しいぞ?我が弟」
とりあえず、会っていた事はバレた、でも、夜は……過ごしたけど……でも、幼馴染みとの一線を越えただけで!大人な関係になっただけで!そう、弁解しようと思ったが、逆に墓穴を掘りそうなので、止めた、そして姉は言う。
「……うーん……まぁ、私の寿命は持って後数日だ、だから、少しは楽しむぞ、弟ォォ!」
「おい病人」
「んー?いいんじゃなーい?どうせ、死ぬ迄何やってもいいって診断書貰ったし、外出もOKって貰ったし……とことん、遊ばせてはくれないか?」
「……完全に用意周到……」
うーん……この姉に勝てる用意周到さな人っているのだろうか?いや、いなさそうだ……そう思いながら、車椅子に姉を乗せて、外に出た……僕の家は山の方にあり、結構人が居る山なのだ、まぁ、外に出ても、何もしない人が多いのだが……
頑張っているのは、僕位かもしれない──すると、昨日一緒に寝た──大人の関係になった幼馴染みと出会ってしまった……
「た……体調はどうです?」
凄く考えて、幼馴染みは言った、すると、不適切な発言をする姉。
「寝込んで数日したら、死ぬよ?もって数日の命」
「ちょっ!?姉さん!?いきなりそれは……」
ハッとした、幼馴染みは下を向いたまま涙目になる──大丈夫だから!何時もの姉さんの嘘だから!そう言って、幼馴染みを落ち着かせる、そして、幼馴染みと別れる、そして、僕は姉さんに言った。
「単純な嘘なら、ともかく、リアルな話をしないでよ!」
「良かったじゃないか、少し邪魔な姉が消えるんだから、あの子とイチャイチャラブラブしなよ、私の部屋で」
「デリカシーが無い姉だな」
「何とでも言え」
「えぇ……」
エンドレスに話が続きそうだったので、僕は、話を強制的に切った、そして、姉が行きたかった、デザート屋さんに向かった、そして、パフェを食べた。
『大量!クリーム大量カスタードマックス!てんこ盛りパフェ(税込1980円)』を頼んだ、僕は『珈琲ゼリー』を頼んだ。
「大体、姉さんの頼んだのはでかい、僕は食べれないよ?」
「良かった、私が全て食べるからな」
「何と言う大食漢……」
「んー?大体の乙女は食べれるでしょ?いけるって」
「ていうか、乙女怖い」
「いや、怖くないだろ……落ち着け……」
ケーキに貪る姉は一気に食べまくる、そして、一時間で食べ終わる……何それ怖い……
今から、自宅で寝よう、そう思いながら、姉に説明、姉は仕方無く、了承する、そして、僕達は自宅に向かった。
大量に食べたのに、まだ食べるか……そう思いながら、姉の晩御飯の食べる量に驚く僕……そして、僕は自室へ向かって寝た……姉さんは自宅で死にたいらしい……それを止める権利は姉にしかない……
今更、姉が好きだなんて思っちゃ居ないけど、逆に姉が嫌いな訳でもない、より良い関係を結んでいる様な関係みたいな感じだった、だから、死んで欲しくは無かったと思う、でも、病気だから仕方無い、そう思いながら、僕は寝た──そして、目覚める、すると、姉は隣にいて──冷たくなっていた……急いで、姉の遺体を救急車に運んだが、もう、遅かった……姉は死んだ。
大丈夫では無い顔になってしまった僕は叫んでしまった、家で……そして、僕は黒服に身を纏った、僕はいやいや、姉の葬儀に出る事になった……
太陽が照っている、僕は少し体力が減ってきていた……今から始まるのは、姉が消えた初めての夏……僕はどういう出会いの季節になるか、まだ分からなかった……
NEXT 『ルール、シルブプレ』
- Re: しりとりシリーズ ( No.44 )
- 日時: 2016/04/17 16:29
- 名前: 彩都 (ID: 8.g3rq.8)
『ルール、シルブプレ』
おいおいおいおい……いきなり始めるなよ……俺はルールが分からないんだから──えっ?横になって寝れば良い?それだけで良いのか?最近のゲームって進んでるなぁ……
あっと言う間に異世界に到着、俺は新米ゲーマーとして、ドラゴンや、怪獣等を倒す仕事に就く、というゲームだが、いまいちルールという物が分からない、頭の中で考えて、戦うという、少し難しい事をしなければならないのだ、まぁ、その前に操作になれないといけないんだが……
頑張って、スライム状の生物、『スラムイ』を倒した俺、因みに俺は剣士として、戦っていく所存だ、そんな事を考えながら、周りの敵を見遣る、俺に襲い掛かりそうなモンスターが俺に近付いている、精々レベル100の勇者である人と戦うよりレベル3以下の俺と戦った方が良いだろう、さぁて……足よ、頑張って持ってくれよ?そう、俺は、走って逃げた、そうでもしないと死ぬからだ、そして、何で逃げないと死ぬのかって話なんだが──なるべくリアルに対して痛みやダメージを体験させたいという意思で、『ゲーム内で死んだら、現実でも死にます』って言われたら、誰もが焦るよな?だけれど、嘘だった事が判明、死ぬ少し手前迄のダメージを受ける事らしい、でも、俺は死んでその痛みやダメージを受けたくないから、逃げて逃げて、逃げまくるけどな!
な……何とか、撒いたかな?結構走って、体力が切れてしまった……だが俺は今、宿屋に来ているので安心だ、すぐ回復出来る……だが、すぐ回復しても面倒なので、ゆっくり、後で回復しようと思った。
ただ、疲れたなぁ、宿屋のベッドの上で、そう思いながら、不貞寝する、まぁ、寝るのは悪い事じゃないし……そう思いながら、寝る──そして、起きる、まぁ、結構寝れてスッキリした、まぁ、今目指すは、王都『グリフォニア』という場所だ、そこで女戦士や盗賊等を買って、パーティーメンバーにしないといけない、そうでないとこのゲームのストーリー上のラスボスが倒せないからだ、ラスボスと倒すと、レアアアイテムが貰えるので、このゲームのプレーヤーは切磋琢磨すると言う訳だ、まぁ、俺は戦いに出ずに、のんびりカジノとかで遊ぶけどな。
中々良いキャラが出てこない……ゲーム上、キャラはガチャで決まるのだ、よくある話、『課金しても良いキャラが出ねぇ!』とかもあった、でも、俺にはそれは関係無い、そう思いながら、無心になって引いてみる、すると、超絶レアの女騎士が現れた、その姿を見て、プレイヤーは驚いていた……何なんだ、このキャラが良いのか……?オジサンにはさっぱり分からんよ……
余計にゲームをややこしく感じた俺だった……
単純にレベル上げというのは、所謂『作業ゲー』である、レベルを上げる事を作業としか思わない輩もいる、何だか、そう感じてしまうのだ、自分はレベル上げと言う作業ゲーをしているのでは無いか?と……とか考えても、レベルが上がった時の幸福は何とも言いがたい物で、何度も何度モンスターを倒して、自分はレベルアップしていく……
苦労して上げたレベルも運営が『このゲーム、もう止めまーす』何て言ってみたらどうだろう?自分の今迄の努力が報われない気がしていた、だけれど俺がプレイしているこのゲームはまだまだ発展途上のゲームだった、だから、まだまだ改良点があった、と俺は思った、まだまだ改良点があるから、ゆっくり改良していけばいいと思った、そう思いながら、俺はゲームを止めた、俺にはまだまだ難しいゲームだったからだ、一応はセーブをしておいたが、果たして、このゲームをまたするかは分からない……最悪もうしないかもしれない、それ程年を取った、俺には難しいゲームだと思った……
「単純に中年以降のゲームでは無いね、基本、高校生から成人、精々25歳迄の男性を取り囲む様にして創ったゲームだからね、無理は無いよ」
「余計にそのセリフが心にグサグサ突き刺さるんだが!?」
「頑張って、若者に慣れて下さいよ」
「余計な一言だっていうんだよ、俺は若者には慣れたくねぇなぁ……」
「あぁ、そうですか……でも、少しはこのゲーム、楽しめましたか?」
「完全にまぁ、少しだけな、最初の少しだけな!」
「中々ボロが出ませんね……ちょっと苛つきます」
「すまん……お前の期待通りの答えが出来なくて……」
「ていうか、今回のゲーム、結構難しくないか?」
「完全に脳を使いますからねぇ……それはいえますね」
「ねぇ、ていうかさ、テストプレイヤーも大変なんだぞ……何で俺ばっか……」
「完全にテストプレイヤーじゃないですか、貴方はそのプログラムを作った張本人ですから……」
楽に言うけどなぁ……そう、俺はこのゲームの開発者の一人だ、まぁ、開発者数人でこのゲームをしていた──そしてこのゲームをして、俺は思う、もう少しルールが必要だと……
とりあえず、ルールをもう少し詳しく説明、それを他の開発者に話すと『俺も難しかった』『少し意味不明な所もあったからな』と帰ってきた、これが改善点だ、そう思いながら、俺達はよりよいゲームへと改善していく……
苦しくても、お客様が楽しければ良いじゃない、そう思いながら、俺達は作る……最高のゲームへと……
NEXT 『レトロ』
- Re: しりとりシリーズ ( No.45 )
- 日時: 2016/04/17 18:17
- 名前: 彩都 (ID: zh8UTKy1)
『レトロ』
少し年季が入ったお店、『十六夜満月堂』、そんな、名前が古ぼけた店には、魑魅魍魎の類や、悪鬼羅刹も通うお店だった、そんなお店を経営している、店主の青年は──年齢は二十代前半だが、何年も見た目が変わらない、そして、服装も変わらない──名を百乃目(もものめ)と言った。
ただ、そんな見た目の変わらぬ青年の秘密を探ろうとして、何時の間にか、『十六夜満月堂』の休憩所で寝転がっている、それは何故だか分からないが、とある人は言った、『あれは、完全に尻尾が生えていた……まるで九尾の様じゃった……』、或いは、『いや、俺は記憶は少し覚えている……百乃目の正体は雪女だ!』、他にも……『百乃目さんは人間だよ?それも分からないのかい?』等等、百乃目については、色々な話が展開される、その話に対し、百乃目は、『そんな訳無いじゃないですか、何でそんな怪物扱いされるんですか?私はただの店主ですよ』とだけ言って、何時も仕事にかかる……そして、彼は色々な事に手を出して、時間が無い。
急いでいて、何をしているのか、見に行ってみると、保育園に向かっていた、そして、小さな子にお菓子を配っていた、そして、帰って行った……子にも大人にもとても優しい百乃目は、今日もせっせと働いている──
そんな記事を読んだ、百乃目は言った。
「大変だったなぁ、この取材、何でこういう──『ごしっぷ』て言うんですか?──仕事が多いんだか……」
「完全に色物屋として、見られてるからじゃろ?」
「ロリババァの癖に何でこういう話は得意なんだ……?」
「だーかーらー!猫又でもロリババァではないのじゃ!多分、1000年は生きてるだけで!」
「でも、1000年経てばババァでも良いでしょう!?何でババァに拘るんですか!?」
「完全に見てみろ!?人間界では儂は9歳の肉体じゃぞ!?世の男共に聞いてみろ!?お前みたいな年齢の人間達に聞いてみろ!」
「ロリババァの話なんて誰が聞くか!?」
「完全に『お兄ちゃん?(うるうる目の猫撫で声)』って言ったら、世の男共の心は鷲掴みじゃ!どうじゃぁ!?」
「あの、言いたかは無いけど、着物から、女の股間露出させるのも、恥ずかしいとは思わないのもババァじゃないか?」
「完全に見せながら、人間界歩いたら、男共は儂を襲うかな?」
「中々にイライラさせてくれる──良いから働いてくれません?着物着て、ちゃんと働いて下さい」
「厭じゃ、何で儂がそんな事──」
「兎に角、貴女は私の名前を使って、借金して酒飲んだ挙句ぅ?丁半で金を賭けて、全てスって酒代を私の名前でツケにしやがって……」
「ていうか、二件目の居酒屋の話も!?」
「『も』って!?知らないと思ったんですか!?二件目の店主が知らせに来てくれましたよ!」
「よいではないか、よいでは」
「はぁ!?何で良いのですか!?アンタの所為で家計は火の車、それが払い終わる迄このお店で働いて下さいね!」
「ねぇ、その金を自分の性欲の為に使わないかい?」
いきなり、百乃目に近付いて、首を舐める、そして、男性の陰部を触った。
「ただ、そう言う事は人間相手にして下さい、私は貴女を汚したくない、っていうか、お前は仕事しろ!」
碌に仕事しないで!そう言いながら、猫又のロリババァの首根っこを掴んで店の外へ放り投げる──彼女の名は、猫又の琥音虎(こねこ)、彼女は、猫又の中の猫又──猫神様と呼ばれる──だった、所謂猫の神様に近い存在だった、そんな彼女も、古い付き合いである百乃目には、少し頭が上がらない。
いや、上がる事は上がるのだが、百乃目には、実力が違うので上がらなかった、だが、彼女は知っている、百乃目の正体を──言いたくても言えないのだ、言ってしまうと、百乃目が大変な目に遭うからだ──だが、どうせ言う気はあっても、それを『バラす』気は無いので良いのだが……
頑張って、借金返すかぁ……そう思いながら、箒を持った瞬間、金を借りたヤクザが百乃目の襟首を掴む、ヤバッ、借りる時、名前を百乃目にしていた……
ただ、そう思った瞬間、百乃目は殴られる、そして、百乃目は少しキレた。
「単純に痛いですねぇ……おっと、一番右の方、お婆さんが苦しんでますねぇ、心臓を押さえてるようですが……」
「がっ頑張れよっ母ちゃん!今行くからな!」
「なっ……!?何でコイツの母親の事が……!?」
「頑張ってお母さんを助けてあげてね……、では、貴方は、息子がいじめられてますねぇ、こんなに大きいのは、ガキ大将ですか?」
「かっ必ず助けるぞぉぉ公(いさお)ぉぉぉ!!」
「「親父ぃぃ!?」」
いきなり、ヤクザのボスは逃げ出した、そして、ボスを追って、ヤクザは帰っていった、そして、襟首を直しながら、百乃目は言った。
「大変ですねぇ……くれぐれも借金は作らない様にして下さいねぇ?」
「えっ、あっはい」
萎縮しながら、琥音虎は言った、そう、百乃目は、『相手の心の声、家族さえも見抜いてしまう』妖怪『百目』の一族なのだ、なので、『敵に回したら大変』という意味で、彼女はバラさないのだ、そして、その日の夜、寝室……
「疲れたのじゃ……もう寝よう……」
「うん?何で寝るんです?性欲の為に使いますよ?」
「よいではないか、儂は眠いんじゃよ!」
「よくないです、お昼にあれだけの事をして追いながら……」
楽そうに琥音琥を見る、そして、『百目』の力を使って、心の内を見透かす。
すると、『優しくして欲しい』と出てきた。
「単純に可愛いですね、貴女は」
ハハハ、と笑いながら、着物を脱がす。
「少し待て!何で昼はそんな積極的では無いんじゃぁ!?」
「アハハ、簡単ですよ、『お昼にする事では無い』ですからね♪もしかして、見られる方が良いんですか?」
「か……完全に鬼畜じゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
明らかにコイツは悪魔だな……そう思いながら、琥音虎は抵抗する事を諦めた……
ただ、百乃目には、まだすべき事があった、だが、そのすべき事が終わるのは、まだ、誰にも分からなかった……
NEXT 『露和』
- Re: しりとりシリーズ ( No.46 )
- 日時: 2016/04/23 18:46
- 名前: 彩都 (ID: hAr.TppX)
『露和』
俺は日本人だ、だが、妻は露西亜人なのである、なので、日本語を話せない──まぁ、少しは話せるんだけど、カタコト──なので、俺は何時も露和辞書を持ち歩いている、俺は重い辞書を運びながら、妻の買い物について行った。
「大量にあるスーパーですねぇ……ワァ!何でавокадо(アヴァカード)がこんなに!?」
……日本語で少しは聞き取れそうだな、そして、俺はもう一度、頭の中でアヴァカードと言う発音を繰り替えす、アヴァカード、アヴァカード……そして、妻の見ている物を見て、分かる、あぁ、アボカドか……成程、そう言う発音になるのか、そう思いながら、調味料コーナーへ向かった、そして、妻は驚愕する。
「 ルンルン気分ですね……ってДа ты что(ダーティシトー)!何でこれがー!красный перец(クラースヌイ・ペーリツ)が!?」
ガーン、今日は二つかぁー、そう思いながら、その発音を聞いて、辞書で調べる、『Да ты что(ダーティシトー)』は驚愕等で使われる言葉らしい、『красный перец(クラースヌイ・ペーリツ)』は唐辛子と言う意味、ボルシチ等に入れたりする、妻のボルシチは世界一だと思えるのは、自分だけだろうか?
「完全に日本のスーパーは品揃えが良いですねぇ……」
「えっ?そうかな?」
中々、妻の意見には賛同しがたい、矢張り、何時もあるから、感覚が麻痺しているのかな?そう思いながら、買い物終了、そして、車に乗って、自宅に向かった。
「ただいまですー」
すぐに帰ってくるや否や、ベッドに寝転がる妻、昔から、疲れが溜まりやすい体質らしい、それに対して、俺にはあまり知らないけど、多分、俺も溜まりやすい体質だから、気持ちは分かる、そして、今日は俺が料理番だった、俺が作るのは、おにぎりに、カレーだ。
大丈夫、案外美味いんだって、これが、おにぎりを焼きながら、カレーの具材を切って、鍋の中に入れる、そしてお湯を入れて、ルーを入れる、水から作る物だが、面倒くさがり屋なので、お湯でいい、完成なんて興味無い、美味く出来たら良いのだから、そう思いながら、完成を急ぐ──そして完成する、焼きおにぎりは電子レンジで温めて、、食卓に置く、すると、妻が起きた。
「大量ですねぇー!」
「えっ?カレー皿とおにぎり二つの何処が大量なんだい?」
「いや、大量ですよ、私が食べる量よりぃ……」
「いや、小食過ぎるわ!」
訳が分からない──まぁ、まだ新婚だから仕方無いけど──早く相手の事を分かって、気遣えたら良いなと思う、それが夫や妻の、相方の為になれば幸いだ。
だが、今日は、疲れたかもしれない、明日は簡単にボルシチでも良いか、そう思いながら、ご飯を食べた──辛口を買ってしまい、自分は絶叫した……妻は美味しく頂いた、露西亜人すげぇ!と思った瞬間だった──
ただ、妻は特殊かもしれない──日本の夏に弱い、と言う事、外国人は日本の夏に弱いと言うのは良く聞くが、露西亜人は分からない──まぁ、日本の夏と外国人の夏は違うからなぁ……まぁ、大まかに言えば、日本の夏はジメジメとした湿気のある夏、それに対して外国はサラッとした湿気のあまり無い夏らしい、一回俺も外国に行って見たい者だ、逆に妻の国の方から、父親や母親に会った、日本好きの夫婦だったので、結婚が許された感じだった。
ただまぁ、これからもゆっくり時を過ごす身としては、少し夏が不安なのであるのだが──
頑張って、夏の対策をしないとな……
何とか時は進んで、一週間、何と、妻が妊娠したのだ、露西亜の方の父母に連絡をしないとな……そう思いながら、妻に国際電話を貸した、そして、ロシア語で会話する、自分にはさっぱり分からない言葉も飛び交う。
うーん、俺も早くロシア語を覚えないと……そう思いながら、妻は電話を切った。
「大変です!すっごく喜んでました!嬉しいですぅ!」
「うーん、そうだけど、俺は分からないな、早くロシア語を覚えたいよ……」
「余計なお世話かもしれませんが、何で母国語を覚えたいんです?」
「凄く羨ましいからだよ、何時迄も君に通訳を頼む訳には行かないからね、俺の言葉で、俺の声で話したいんだよ、君のお父さん、お母さんに……」
「にゃー!何て優しい夫なんですか!これは冬将軍も吃驚ねー!」
「ねぇ、時々中国人が日本語を喋る様に聞こえるのはどうしてだろう?」
「うーん、日本語を習った先生が中国人だったからかなぁ?」
「あぁ……そう言う事かぁ……」
あぁ、中国人の先生なら仕方無い、そう思いながら、電話を受け取る、そして、俺は座った。
ただまぁ、俺達の子かぁ……どんなんだろうね? 金髪か、黒髪か、目は日本人か、露西亜人か……想像が膨らんでしまう。
「うーん、男の子なら、どんな名前にしましょうか?」
「完全にロシアネームはダメだろ?『ユーキ』とか?」
「完全にロシアネームで考えていました……日本ネームは『タロウ』とか?『イチロウ』?」
「うーん、生まれてから考えよう、流産したら、元も子もないからねぇ」
「えぇ、分かりましたぁ……」
あぁ、妻がウキウキしている、何て可愛いんだろう?そう思いながら、我が子が生まれるのを待った……俺等の子はどんな子だろう?そう思いながら、俺は、寝る事にした……そして、どんな名前になるか……それはまだまだ分からない……
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- Re: しりとりシリーズ ( No.47 )
- 日時: 2016/04/24 21:30
- 名前: 彩都 (ID: 3i70snR8)
『輪を』
輪になりましょう、それを聞いたのは、何時だったかな──
中々に面白い戯言だ、そう思いながら、相手の出方を伺う、必死に命を乞いているが、そんなのは俺は知ったこっちゃ無い、俺は冒頭に出た言葉を思い出す──その言葉を聞いたのは、幼少期の事だった、俺は孤児で、シスターマリアに引き取られた孤児院の人間だった。
ただ、その孤児院は騒がしくて、賑やかで楽しかった、だが、事件は起きた、その孤児院が火事になった、火事の原因は、シスターマリアを憎む街の住人の暴挙だった、そして、数時間もしない内に、孤児院は燃え尽きた、必死にシスターマリアは神に謝っていた、俺はただ、それを見ている事しか出来なかった──
「単純な作業だったな、ナンバー」
「バーカ、コレはこれで大変なんだぞ……」
「存外笑いながら、拷問していたじゃねぇか?」
「完全に作り笑いだけどな」
中々、拷問も大変である、因みに今の俺の仕事は殺し屋である、完全にシスターマリアの反対の事をしているが……そう思うと、失笑してしまう、その失笑している事を相方に見付かり、不思議がられたが……だが、不思議がられても良い、俺は人を殺して、金を稼いでいるから──もう人間の屑だから……
「ラッキーだ、次に殺す相手が分かったぜ、次はコイツだ、ナンバー」
「ばーさん一人殺すだけか──」
完全に驚いた、今度の殺す相手は、『シスターマリア』だった、それも依頼書のタイトルが、『新興宗教 マリアの会 教祖 マリア・ルーラス』と──
「とーにーかーくー!アンタは死んで欲しいんだよ、俺らのボスが直々に受けた依頼を俺等二人でやる事になったんだ、つまりボスは俺等二人を信頼している、だからボスに俺等は応えるんだよ、とにかく死んでもらうぜ?」
全然面識の無い俺の相方が説明する、シスターマリアを誘拐して、拷問部屋に連れて行ったのだ、こんなババァの体を誘拐する事なんて簡単だ、そう思いながら、俺は仮面を着用したまま、シスターマリアを睨む、何で仮面を着けているかと言うと、シスターマリアには、俺の顔が分かっている、何年経っても、俺の顔は変わらないらしい……
今更まぁ、声を変える事は出来ないので、相方が喋る事にしてもらっている、生憎俺が殺し屋をしている事はシスターマリアにも秘密だ、それを相方に話すと、『何だ、このババァと知り合いなのか、仕方ねぇ──俺がお前の代わりに言ってやるよ、色々と』と言って、一応は信頼出来る相方なので、頼る事にした。
「大変ですね、貴方も……」
「もう、俺も年だからな、早く拷問を終わらせて、ご隠居したい、だから、早くアンタを殺して、殺し屋、拷問を止めたいぜ」
絶対に嘘を言っている、俺の相方は丸坊主の26歳だ、声も渋めの声なので、相当お年寄りに見られやすいのだ、まぁ、ガキが好きな相方だが、ガキにも怖がられる見た目なので、少し悲しいと言っていたが、俺は逆に好かれやすい、何でかは知らないがな……
「中々にしぶといババァだな……」
「中々飽きない拷問者ですね……」
ねぇ、何バトル漫画みたいな事してんの?鞭での攻撃に耐えるシスターマリア──それに対して、何度も相方が叩いては、耐えるシスターマリア──完全にシスターマリアの圧勝じゃねぇか、そう思いながら、俺は立ち上がって、相方から、鞭を譲り受ける。
「縷々とした道を歩いてきた俺には分かる、シスターマリア、アンタは凄い人だよ──」
「良かった……アンタは生きていたんだね……私は嬉しいよ──まさか、殺し屋になっていたとは……うわさは本当だったのね──」
「……ねぇ、シスターマリア、何で、新興宗教なんか……」
「完全に私の負けさ、最後に孤児院の子全員の未来の姿を見れて最高だよ──私はアンタを探していたからね──」
「ねぇ、それってどういう事!?シスターマリア!?孤児院の子全員って──」
ていうか、どういう事なんだ?孤児院全員の未来って?
「ていうか、何を言っているんだ、シスターマリアは?俺以外にも生きてるだろ、マッシュやミュラインとか──」
「完全に死んだよ、今の私の様に──拷問、自殺、他殺、事故、病気──アンタ以外は全て死んだよ、マッシュやミュラインは事故で死んだよ……」
「良かったな……じゃねぇよ、ババァ!?ナンバーの知り合いは俺らのボスの家族みたいなもんだ、何で……何で殺されたんだよ!?教えてくれ!」
冷酷な相方が久し振りにキレていた、こうなると、誰にも止められない、俺でもだ──
「大丈夫です、相手は分かっています、だから、新興宗教の名を借りて、武装集団を作っていたんです……そして、孤児院の仲間達を殺した組織を潰そうとしていたんです──」
「素晴らしい計画だったのに……まさか、アンタを殺そうとしたのは、その組織かも知れねぇな……」
「中々手強い相手ですので、手伝ってはくれませんか?」
「完全に手厚くサポートしてやる、だから、このババァを助けようぜ、ナンバー?」
「バーカ……何で俺が……」
頑張ろうとする相方に俺は少し心の中で笑う、どうやって、シスターマリアの倒そうとしていた組織に拷問をするか……俺は顔に出してしまい、驚かれる、そこ迄驚く顔をしていたのか?俺はそもそも知らないが、人の顔とは、奇妙な物だ、そう思いながら、自分のボスにも仇なす事を考えた、自分のボスが、相手と繋がってるかもしれないからだった、こうして、小さな俺達の戦いが始まるのだった……
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