複雑・ファジー小説

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しりとりシリーズ
日時: 2016/04/04 21:09
名前: 彩都 (ID: 4mrTcNGz)

暇なので書きました。                   




                               












































































































































































































































































































NEXT 『愛』です、どうぞ。

 『愛』

 『愛』、それは、傷付ける愛、痛みのある愛、壊す愛、無い物を愛す愛、正体不明に愛する愛、只の愛、無機質を愛す愛、言葉を愛す愛、見た目を愛す愛、体の一部分を愛す愛、ete……………。
 いやはや、この世には色んな愛があるのだ。
 だから、数え切れない愛、人類の数だけ愛がある訳だ。
 だから何だ、と言う訳もなく、物語は進む。

「むぅ〜、めんどくさいなぁ………もう、知らんし……」
 少年は項垂れていた。
 ただただ、暇、の一文字。
「『女子の愛』何て課題、意味分からんし……」 
 少年は、手元の紙を見る、その紙には大々的な大きさの字、『愛』が書かれていた。
 ただ、どうしようもなく、意味不明な先生の課題、もう授業受けたくないのだが………。
 俄然、やる気は起きない。
 意味も無く、『やる気スイッチ』を探すが、そもそも無い。
 意味が無いと分かりながらも、『愛』という字を見つめ、思う。
 うん?そういや、漢字には禾編やうかんむりやら、何やらあるよな?『愛』にもあるよなぁ?それを分解して、課題として出そう、うん何か面白いな、それは。
 ハハハ、と一人で虚しく笑いながら、紙とペンを用意、『愛』と書く。
「空中分解して………ノ、ツ、心、久、………ん?何か足らんなぁ………?」
 あぁ……?んん?………あっ、かんむりだ、かんむりが無いのだ。
 「だぁあああああ!!!!やっちった!………」
 ただ、考える、少しだが、冷静になる、だったら、ツ、ではなくリ、にすれば良い、真ん中を、ウ、の上に指せばいいのだ、俺って天才!?。
 いや、そんな訳は無い、と読者がツッコんだのだろう………ツッコまなくてもいいのだが。
 俄然やる気はないまま、考える、うーん……どうしたら………?
 ラララン、ララン、と鼻歌を歌いながら、ノ、リ、ウ、心、久、を考えるが、何も出ない。
 いや、何かに一つでも思い付かなければ………学校卒業出来ねぇ!!
 笑顔で教師の顔面を殴る、と言う妄想をする、虚しくなるだけだ………。
 だからと言って、投げ出すのもつまらない。
 一応、考えれる分だけを考えよう、………おっ!良いの思い付いた!ウノリちゃんと心久(こころひさし)君の物語にすれば良いではないか!!!
 カァー!!やっぱり俺天才!!この二人が合体して、『愛』となった!!何か感動物じゃね!!??
 寝る間も惜しんで書いてやる!そう思いながら、紙に書く。
 草臥れない様に紙芝居の様にした。

 太陽が出る、時間はもう朝だ、少年は寝落ちしてしまった。
「太陽……?あっ!?もうこんな時間か!急がないと………」
 トトッと体制がぐらつくも、建て直し、紙芝居が入った袋を手に、玄関を出た、戸締りをして、学校に行く為に出入り口に、走り出した。

 太陽がてらてらと少年を苛める、少年はそんな事をお構い無しに出入り口付近の、自分の自転車に乗る、籠には紙芝居一式。
 少年は走る、学校近くの道路へ、自転車で。
 でかい御神木を見る事が出来る神社を通る、マイナスイオンが出ている様で涼しい……あれ?マイナスイオンは涼しかったけ?今はそんな事を考えている場合ではない、早く目的地に着かないと……。
 とか、思いつつ……やっと道路に出る。
 ルルルルン、ルルン、ルルルルルン、ルルン、頭の中で、回転するメロディ。
 色々と音楽を聴く内に頭の中で、何時の間にか、音楽が流れてしまっている状態になってしまったのだ。
 だから何だ?、と少年は聞き返す、音楽が好きなんだから、良いんだ、と言葉を紡ぐ。
 愚弄するならすればいい、自分は放って置くだけなのだから。
 爛々と輝く太陽が憎いな………そう思いながら、自転車は進む。
 ムラムラとアスファルトから熱を感じる、早く行かなければ………。
 馬力を上げたい所だが,そこ迄の力は無い、すると、学校の木が見える。
 縷々と続く道に入り、近道をした。
 垂れる汗なんて関係無しに、学校の敷地内に入る、駐輪場に自転車を置き、鍵を掛けて、教室に向かった。
 タッタッタッタ……駆ける足音を関係無しに進み、教室に入った。
 たらり、と汗が顎から落ちる、何とか間に合った様だ。
 だぁ………疲れた………。
 大量の汗を拭いながら、自分の席に座る。
 累積した欠課のマイナスの点数はこの紙芝居で巻き返す。
 スーハー、スーハー、と深呼吸をする、落ち着け、俺………。
 歴史を感じる教室、この学校は築八十年とか何とか………。
 考えても無駄だだだだだだ!?
 誰かが、俺の頭をグリグリした。
「ただただ、お前の頭を攻撃する、コレが俺の攻撃の仕方、お前はどうだろう?」
 後ろから声がする、チャラ男の知り合いだった、コイツも俺と同じ授業の人間だ。
「だよッ!?……何だお前か……」
「辛いねぇ……まさかまた徹夜かよ?徹夜は止めとけって何度も言ってるんに……」
 苦虫を噛み砕いた様な顔で溜息を吐く、コレでも頼れる親友だ。
「だーかーらー、人の話は聞けっちゅうに………おい、聞いてんのか!?」
「カアカアうるせー!」
「せぇーのはお前だ!カアカア煩くないっての!」
「のヤロー!?」
「濾過したいわ!お前の性格!」
 ククク………プププ………アハハ………周りの生徒が笑い出す、俺とコイツはまるで、笑えるコンビ、と思われているようだ。
 だけれど、コイツとはコンビではない、只の知り合いだからだ……。
「だぁーもう、会話は終わりだ、終わり!」
 理解するのが飽きたのか、自分の席に座る、俺も疲れたので、座った。
 タン、タン、タン、と教師の靴の音がする、俺はドキドキした。
 タン、と止まり、教室の戸を開けられた。
 ただ、驚く、この授業の教師じゃない……?すると五、六人がゾロゾロと入り、その後にこの授業の先生が入ってきた。
「ただ、先生一人が聞くのも面白くないんで、他の先生を呼んで、一緒に聞く事にしました」
 単純にその台詞に対し、『ハアァァァ!?』や『厭だあぁぁぁあ!』とかの阿鼻叫喚が教室内に響く。
「クク………まぁまぁ皆さん落ち着いて………」
 低年齢に見える、四十代の先生が落ち着かせる、この先生は生徒から、人気なので、皆が黙った。
「ただし、条件があります………二人以上、皆さんの話で先生に手を上げさせた者が点数に関係なく、単位を上げましょう、そして、手を上げた先生が、一人以下の場合、単位は無しです」
 す……凄い面倒だな………生徒全員が思った。
「ただただ、人がいるので、出席番号順に行くか………01、どうぞ」
 ゾロロ、と暗い雰囲気を出しながら、立ち上がる、女子だった、女子の場合、男子とは逆、『男子の愛』だった。
 立ち上がって、自分の名前を名乗ったのだ、そして噛み噛みになりながらも喋ったのだ。 
「だ…『男子の愛』は……」
 ハラハラしながら彼女は言う。
 後ろに気を使いながら、自分の紙に書いた事を復唱する。
 ルンルンと後ろの女子はまだか、まだか、と待つ。
「………つまり、男性は純情な人も入れば、野性的な男性も居ると言う訳です、終わり………です………」
「………………素晴らしい!!!男性の純情も居れば、性に性愛に性欲に従順な男性も居るという話ですね!!では、先生、挙手をどうぞ!!」
 ゾロロロロ、と満場一致だ、彼女は喜んだ。
「だ……大丈夫だったですか……」
 完全に01番の挙手から、拍手に変わるが、次の女子がいきなり立つ。
「つ−か、先生もう言っていいか!?『男子の』……」
 ノリを弁えない02番の女子。
「し……仕方ない……02番、どぞ……」
 ゾロゾロと周りが慌しくなった。
「たぁぁぁ………煩い煩い!!言うぞ……『男子の愛』って言うのは……」
 歯向かったら、喧嘩になる!!それを理解した皆は、静かに聴いた。
「………対等!男と男のタイマンのルールはそんだけだ!勝つか負けるか……そして、男気に惚れて、舎弟に成る!!これが私の『男子の愛』です……」
「……素晴らしい!恋愛という概念を越えましたね……では、挙手をどうぞ……」
 存外熱い話なのに、誰も手は上げない。
「居残り、つまり、単位は上げれませんでした……」
「たぁぁぁ………無理だったかぁ………」
 あーあ………と項垂れる彼女。
 状況はどうでもいいと見える03番のフードの少年が言う。
「う……あの……もう……言って……良いスか……?」
「可能だ、言って下さい」
 威圧無く接する先生に頷いて、話す。
「……全てにおいて……女子とは……変態である……AVが存在する限り……」
 リアルにコイツ何言ってんだ!?そう、皆は思った。
 只、単純に意味が分からない、何が言いたいのだろう?
「後ろからするのも気持ち………」
「ちょっ!もっもういいです………挙手をどうぞ……」
 ゾロゾロと騒ぎ出す。
 全ての生徒は俯き、先生達も挙手しない………。
「いやぁ、残念でした……単位は無しです………」
 すぅぅ、と、先生の語尾も弱まった。
 ただ、俺はもうすぐだった。
 単純に04が立ち上がった。
「たっ大変です……すみません、抜けていいですか?」
 彼女は焦っている様だ、先生が話を聞く。
「詳しくは知らないんですが、母方の祖母が危篤状態と……」
「とても大変ですね……ですが、抜けるとなると、この単位を捨てる、という事ですよ?」
 よもや……こんなヤバい状況なのに……単位を取るか、家族を取るか、という決断をさせる気か………?。
 完全に鬼だ……生徒はそう思う。
 うぅっ……彼女は悩んでいた………。
「単位は………」
 ハラハラした………こんなにハラハラした事は無かった。
「単位は……………捨てます………!!」
 すると彼女は後ろの教室のドアから走り去った。
 タッタッタッタッタッ………………音が聞こえなくなった所で先生は言った。
「たまにこんな事が起きます、さて正しいのはどちらですか?答は簡単です、『家族』を取りなさい、『家族』が一番です、何故なら、『家族』は私達を育てました、それに感謝しなければなりません、結局最後は『家族』を選択するのですから………」
 爛々としていた教室の熱は段々下がってきた。

Re: しりとりシリーズ ( No.33 )
日時: 2016/03/06 22:32
名前: 彩都 (ID: rE1CEdls)  

 『放火魔』

 俺は放火魔だ……色々な家に新聞紙等を丸めた物に、石油等を掛け(サラダ油等、普通の市販用油でも良いが、基本は石油が好ましい)、それをライター等で、燃やし、家のトイレの近くに投げる……まぁ、家のトイレ程、バレにくい場所は無い……そして、投げて、普通に歩く……無闇に走ったりしないものだ……走ったら走ったで、バレやすいからだ。
 だからと言って、走らない訳にはいかない……つまり、ジョギングする格好で放火魔になれば良いのだ……それなら、走っても、『ジョギングですが?』と言えば、バレない。
 いやだから、と言って、新聞紙、油等を持っていてはいけない……そういう物は放火した後、すぐさまポイ捨てだ、そうでもしないとバレてしまうからだ、そして、こんな解説をしている間に、いい家を見つけた……コレは豪華そうだ……まぁ、俺にとっては普通に燃やせそうな家だが……俺は、物陰に隠れて、油を浸した新聞にライターでも燃やす……因みにライターはタバコを吸える様に置いといてもいい……但し、タバコ、そして、吸殻を入れた袋を持っていなければならないが……まぁ、そこはどうでもいいとして……キラキラと燃えている新聞紙を持って、家の塀を登る……うーん……良い所は……無いなぁ……もう少し移動しよう……そして、移動して良い場所を見つけた……木だ……これを燃やせば良いだろう……そう思いながら、燃えている新聞紙を木に投げる……すると、一気に燃えた……しめしめ……いい気味だぜ……そう思いながら、俺はその場を離れた……

 ただ、その家は誰も居なくて、全焼したらしい……と、新聞で読んでほくそ笑む……こんなに楽しい事は無いなぁ……そう思いながら、他の場所を探そうと、散歩をした……まぁ、この街は何処でも燃やせそうだ……そう思いながら、闊歩する……誰も俺を見ないからいいが……そう思って、路地裏等へ向かう……ここは一気に燃やせそうだ……江戸の大火事並みになりそうだな……そう思いながら、火を用意する……そして、油を浸した新聞紙を燃やす……そして、その燃えた新聞紙を家の戸を開けて、投げ込んだ……そして、家が一気に燃えた……

 大量に燃えて、本当に『江戸の大火事再来かっ!?』等と言う記事が書かれたりもした……まぁ、俺には関係無い話だが……いや、最も関係ある話なんだがな……そう思いながら、コーヒーを啜る……まぁ、放火の快感は覚えても、コーヒーの美味さは何にも言えないなぁ……そう感じながら、トーストを食べた……

 単純に今日は外へ出ようとしたが、何だか知らないが、台風が来ていて、寒い……でも、今日はコーヒーが切れたので、買いに行かなければならない……面倒臭いが、行かなければならない……面倒臭い面倒臭い……そう、心の中で呟きながら、スーパーへ向かった……そして、徳用コーヒー(1kg、500円)を買って、家に帰った……そして、家でまた、コーヒーを飲んだ……今日位は放火を置いていても良いんじゃないかな……?そう思いながら、コーヒーを啜った……

 太陽が照っているから、今日は放火しない、態々暑い時に放火しなくてもいいよね?俺はそう思う、ていうか、こんな暑い時には放火するバカなんて居るのだろうか……すると、目の前に新聞紙を持って、ライターを点けている昭和風の泥棒の格好をした人間がこちらを見ていた……あれは……放火魔!?いやいや!こんな暑い中ですんなよ!全く……俺が放火犯に直に教えたいぜ……放火の極意を……って教えたら、俺が逆に逮捕されるわ!……どうしようか……捕まえるか……でも、捕まえた所で、何か賞貰って、それで俺が放火犯として逮捕されたら、何か恥ずかしいじゃん!ダメじゃん!いやー!何これ!これが矛盾!?これが矛盾か!いやぁ……対応出来ねぇ……すると、その男は逃げた……いや!追いかけないと!そう思いながら、俺は追いかけた……だが、放火犯はデブで鈍間(のろま)だった為、何とか、捕まえる事が出来た……だけど……何で放火なんてしたんだろう……俺はそれを聞いた……すると、その男は言った……放火をするのが、楽しいと……因みに俺は物が燃える姿が綺麗だから、放火をしているだけで、別に逮捕されても良いけど……まだ、放火している家が見たいんだよなぁ……あれに勝てる炎は無いと思う……って話は逸れたが、俺は怒った、そして、叱ったりもした……そして、何とか更生する様になって、警察に自首したらしい……

 今更ながら俺は何をしているんだろう……?ていうか、何放火犯が放火犯に説教してんだか……そう思いながら、俺は暑い外を歩いた……すると、雪が降った……こんな真夏に雪かぁ……季節も壊れているなぁ……と思いながら、俺は、家に帰って、新聞紙とライター、油を持って外へ出る……こんなに寒くなるなら、家を燃やして、キャンプファイヤーだ……そう思いながら、俺は外に出た……さて、今日はどの家を燃やそうか……?

 NEXT 『真っ暗闇』

Re: しりとりシリーズ ( No.34 )
日時: 2016/03/12 11:35
名前: 彩都 (ID: 6..SoyUU)  

 『真っ暗闇』

 ……はて、此処は何処だろうか……?僕は、目覚めた瞬間、真っ暗闇の中に居た……真っ暗闇の中、寒い部屋の中で布団に包まれていた自分は、真っ暗闇の恐ろしさに少し怖がりながら、布団から出る……布団を畳んで、周りを確認……真っ暗闇以外ないな……はて……僕は何か悪い事をしただろうか?僕の実家の田舎では、『悪い事をすれば、真っ暗闇の場所で反省しなければならない』という、話というより、古来に伝わる昔話と言う物か。
 完全に半信半疑で信じていたが、まさか、自分が、それを経験するとは……まぁ、それは置いといて……自分が悪い事をしたのならば、その『悪い事』を探さないといけない……そう思いながら、少し歩く……何か、少し歩いた方が、アイディアって浮かばない?僕は思い付くと思うんだよ、きっと、ね……そして、数分歩いた……真っ暗闇は端を知らない様で……歩いても歩いても、周りは晴れないし、布団から、逆に離れていくだけだった……僕は急いで、布団の所へ走って、戻った。
 ただ単純に何かしたっけ?そう思いながら、右手の親指と人差し指で拳銃の様なマークを作って、顎に当てる……これって、良く人が考えるスタイルだよなぁ……自分でもしてらぁ……と自虐的に罵りながら、考える……本当に自分が何をしたのだろう……そう考えながら、寝転がる……本当に何をしたのか分からない……そう思いながら、立ち上がって、考える……ていうか、この空間ってトイレとか、食事が出来るスペースとかあるのかな……?もしも無かったら、大変だぞ……小便、大便垂れ流しで死ぬかもしれないしな……そう考えると、何とおぞましいんだ、この空間は……急いで、この謎を解かないとな……
 何だかんだで、数時間が経った……気がする……そぅんな感じがする……ただ、それだけだ。
 大丈夫……自分は簡単にこの空間から出れるって……そんな甘い言葉を投げかけながら、自分を奮い立たせる……だが、それももう限界な様で──因みにトイレと食事については大丈夫な様だ……お腹も減らないし、尿意、便意も無い……だから、トイレと食事は大丈夫、と認識したのである──そして、矛盾点を思ってしまった、それは、『もしも、この真っ暗闇に来た理由、そして、謝ったとして、その内容が間違ってるなら、出れない』……と言う事だ、こういう状況になったら、もっと出れない、という事になるだろう……それはそれで大変じゃね……?そう思いながら、考える……一体何をして、悪い事と認定されたのだろう……?それさえ、思い出すか、教えてくれさえ、すれば、謝る事なんて簡単なのに……そう思いながら、真上を見た……何も無い、虚空が自分を呼び覚ます……もっと考えろよ……と……
 突然、『あっ、これは無理だ、諦めよう』……という考えが過ぎった……でも、過ぎらせて、放って置くのも仕方無い……なので、また、布団の中に入って、寝る事にした……どうせ、寝たら、思い出すかも知れないし……そう思いながら、就寝した……

 単純に言おう……寝ても、この空間からは逃れる事は出来ない、と……寝惚け眼で、目を擦りながら、周りを確認する……何も変化無しっと……マジでかよ……何も変化が無いってどういう事だよ……?もう、開放されても良いんじゃ御座いません?神様よぅ?と神に喧嘩を売る様にメンチを切って、睨むが、一応、虚空を睨んでいるので、自分が惨めに感じて止めた……ていうか、本当に自分が何をしたか、分からないんだけど……?誰も知らないの?ねぇ!ねぇってばぁ!?……そう、叫んでも、誰も返答してはくれなかった……神でも、返答してくれたら、嬉しかったが……まぁ、誰か返答したら、それはそれで怖いが……だって、自分以外に誰かが居るって事だよ?何か怖くない?怖くない……あっそ……どうせ、ただの独り言ですよーだ……まぁ、自分でむくれても仕方無いが……良い加減を思い出さないと……そう思いながら、ゆっくり、自分の過去を思い出す……
 数時間前……友達と、ビールを飲んで、ネトゲで、動画撮ってもらって(知り合いが動画投稿者だから、参加させてもらっている)……そして、投稿者の彼女を弄ったりして、その日は寝て……そして、自宅に帰って、投稿者の動画を見て、取捨選択等をして、今日は仕事が無いから、家で、また寝て……
 ……ていうか、寝てばっかだな……まぁ、それ程、自分の仕事が忙しい訳で、寝る間も削っているのかな?そう思いながら、起きて、この真っ暗闇の空間に居た、と……そして、この空間に居る理由は……分からない、と……あぁーもう!何が何だか分かんねぇよ!何!?知り合いの彼女を弄ったから、こんな所に居んの自分!?そう思いながら、叫ぶ、『知り合いの彼女弄った事謝りますから、ここから出して下さい!申し訳有りませんでした!』と言った、すると、いきなりの感覚に驚く……何だか、体が吸い込まれ……!?

 レターボックスの中に何か、投函される音で、目覚める自分……起き上がって、周りを確認……何時もの自分の部屋……そして時間は、まだ、数時間しか経っていなかった……まさかの夢オチですか、これ……?そう思うと、笑いが込み上げて来た……何だよ……何なんだよ!何か損した気分だ……そう思いながら、起きた証の牛乳を飲みに向かった……これで、自分は助かったのだ……そう思いながら、体を動かした……

 NEXT 『皆、無』

Re: しりとりシリーズ ( No.35 )
日時: 2016/03/13 11:17
名前: 彩都 (ID: yLoR1.nb)  

 『皆、無』

 ……此処は何処だ……僕は目覚めると、真っ暗闇の世界に居た……すると、何処かから、声が聞こえる……『……だ……っちだ……こっちだ……少年よ……』と聞こえる……僕は声のする方へ歩いていく……だけれども、全然届かない……すると、痺れを切らしたか、分からないが、相手の声が近付いていく……そして、僕の目の前に神々しい胡坐をかいた女の人──おまけに巨乳で、金髪……そして、スタイルも良いが、胡坐の所為で品が無い様に見える……こんな思った事は言えないなぁ……とか思っていた──すると、突然神々しい女性が言った……
「……魂消(たまげ)た言い方だ……おまけに巨乳で、金髪……そして、スタイルも良いが、胡坐の所為で品が無い様に見える……こんな思った事は言えないなぁ……ってめぇ……私になんて言い草だ……本当ならば、お前を殺してる所だったが……お前が死ねば、世界は終わる……まぁ、お前をこの世界に呼んだ理由はただ一つなんだ……」
 大丈夫かなぁ……この人……と、思いながら、話を聞いた。
「大量殺人鬼として、地獄に逝かせたいぜ……まぁ、私は、神様、お前らで言う、ゼウスでいいわ……そして、最近、私は人間になりつつある……それは何故だと思う?」
「うーん……?それは知りません、だから教えて下さい」
「いやいやいやいや……何で、そこだけ素直なんだよ……まぁ、良いけどさ……因みに此処は天国に近い場所……という認識で良い、そして、お前は死んだ」
「……大丈夫じゃない!僕が死んだ!?何で!?生き返らせて下さいよ!僕はまだ生きたいです!だから死者蘇生して!」
「……ていうか、死者蘇生はさせるから、私の願いを叶えろって話なんだが……まぁ、良い……貴様に言う、現世、つまり、お前が生きている世界で、私の評判を良くしろ!そして、ある程度溜まったら、お前を完全に復活させる!猶予は100日間!その間に私の評判を良くしろ!いいな!?」
「なっ……!?何だってぇぇぇぇぇ!!!!!?????自分がアンタの評判を上げるぅぅぅ!?どうやって!?」
「適当で良いんだよ、『ゼウスって優しいよね』、とかさ……まぁ、頑張れ」
「劣等感でしか生きていない僕にそれは酷な気がするなぁ……」
 諦めながらそう言うと、下に引き込まれる感覚が……僕はその感覚に抗えなかった……そして、僕は布団の中で目覚める……此処は……病院か……そう思いながら、立ち上がる……腹部に激痛が走る……何でか、と思ったが、答えは簡単だった、腹部に包帯が巻かれていた……そして、左斜め上から右斜め下に迄、謎の膨らみ──多分ガーゼだろう──があった……多分、僕はここの部分を切られて、気絶か、失神か知らないけど、出血多量で救急車に乗って、治療を受けた後、此処の病室で死んだんだろう……だけど、ゼウス様……かな?その人が……いや、その神が、僕の寿命を100日間延ばして、僕に頼み事をした……そして、その頼み事が『ゼウス様の評判を上げる』事……ていうか、神の評判が下がる事で人間に近付くのか……ふむふむ……と思っていると、すぐ、耳の隣から声が聞こえた。
「単純に飲み込みがはえぇじゃねぇか……感心だ」
 誰っ!?と思ったら、宙に浮いているゼウス様だった……上半身ビキニの下半身デニムの、ゼウス様が居た……えっ……?どうして……?
「ていうか、単純だ、お前を監視する為だよ……もしも、ある事無い事言ったら、すぐ消去してやる、分かったか?」
「完全に逃げれないですねぇ……そして、もう一つ目的がありますねぇ……」
「えぇー……私の依頼より大事な事?それって何だ?」
「だから、僕が此処に居る理由です……僕は誰に攻撃されて、死んだんでしょう……?それを探さないと……」
 と、言った瞬間、ゼウス様は笑って、僕に向かって言った。
「ただの怪我だったか……もう少し和らげておけば良かった……」
「……た……逮捕されなかったのか……そして……僕を殺したのって……まさかね……ゼウス様……?」
「丸丸〜♪正解だ」
「……誰かと思えば、貴様か!僕はアンタの手の平の上で転がされてただけか!?」
「完全にそうだなぁ……正解だ」
 大丈夫か、この人!?僕を殺した挙句……自分の用事を押し付けやがって……僕は、もうダメかもしれない……

 一日目 退院&情報収集

「う〜ん……どうやって行動するか……?」
 完全に腹部の傷をゼウス様に治してもらって、退院する事が出来た……ま、情報収集といえば、図書館かな……?そう思いながら、僕は自転車で街の図書館へ行った……

「……大量過ぎる……何で、こんなに聖書や神様関連の本があるんだ……?」
 ダるい……ダルい……そう思いながら、一冊でも、多くの情報を手に入れる為に読んでいく……そして、数時間で、一冊を読みきった……さて、こんなに情報は少ないが、良い情報は入った……だけど、悪い情報が多々……さて、どうするか……時間は少ない……すると、スーツ姿の男性が、僕に向かって、仕込み刀で攻撃してきた、僕は、後ろからゼウス様に引っ張ってもらい、何とか助かる……あれは誰だ……?
「誰って……ベルゼブブ……別名『蠅の王』……まさか、私の計画を邪魔する為に……!」
「ニコニコしてしまいますよ……貴方みたいな少年が、流布だなぁんて……それを止めさせて頂きます……」
 素早い、刀捌きで、僕の体は……!?……ん……?此処は……?病院……何で僕はまた寝ているんだ……?すると、神様が言った……
「単純だ……五日使用する代わりに、時間を巻き戻す……『その時は無い(タイムパラドックス)』を使わせて貰った……つまり、この力は未来を有る程度分かる……だから、退院しても、その図書館は使えない……残ってるのは、九十四日……」
「畜生……記憶はあっても、時間が無くなっていく……この能力はあまり使えないな……それなら急ごう!早くゼウスの評判を上げる為に!」
 ニッ、と笑いながら、僕は病室から出る……僕は何とか、九十五日後も、生きる事は出来るだろうか……?それは誰にも……いや、ゼウス様以外知らないだろう……

 NEXT 『村雨』

Re: しりとりシリーズ ( No.36 )
日時: 2016/03/19 12:54
名前: 彩都 (ID: oUAIGTv4)  

 『村雨』

 『村雨』……それは、江戸時代に刀匠『江戸ノ宮國光我雷宝刀(えどのみやくにみつがらいほうとう)』……通称『江戸ノ國光』により製作された刀……その切れ味は、全くもって、落ちず……逆に切れ味が増すという……奇妙奇天烈な刀であった……そんな刀は有名を超えて、海外に迄及んだ……何時からか……黒船来航のペリーでさえ、その刀を欲しがったと言う……その当時、『村雨』は江戸幕府……徳川家康が所有して、代々家宝として、受け継がれていた……だが、そんな刀も、何れは盗まれて……江戸幕府十四代将軍徳川家茂の時代……そんな時に家茂の所有していた『村雨』が盗まれた……それに対して、家茂は大変儚んだと言う……だが、そんな刀……何故、盗まれたのだろうか?
 簡単に言えば、『凄いから』だろう……だが、そんな簡単に盗まれるだろうか?江戸城はとても強固なのだ……そんな簡単に盗める物ではないのだ……だったら、簡単な話……江戸城の中の人物が盗ったに違いない、そして、盗った人物もある程度は分かる……それは忍者だ……まぁ、名前も言わなくても良い……そんな忍者が取ったで良いのだから……そして、その刀は忍者の人間に受け継がれていき……2016年!その刀は、とある一人の少年に受け継がれる……

 縷々とした道を駆け、少年は笑う……少年の身なりは、紫の和服だった……まるで、昔の忍者の様だった……背中には、短剣が一本背負っていた……
「只今参上したで御座る!父上殿!」
「……のう……お前……昔は『御座る』なんて付けていないから、止めなさい……」
「厭です!『御座る』って付けると、外人さんに喜ばれるんですからっ!」
 ツンと、少年は父の話を折った……はぁ〜〜と、溜息混じりに諦める……少年の名、『不生(いかさず)』は、父、『不消(きえず)』に呼ばれていた……ここは、『不(あらわせず)の里』……不生達忍者の里である……そんな里には、一つ、いや、一つでは語り尽くせない程の伝説があった……その伝説の一つ、『村雨』の事だった……
「大変面倒な事だが……我が家の家訓として言っておく……不生!貴殿に『村雨』を受け継ぐ資格を与えよう!そして、貴殿は『村雨』を手に入れた瞬間に、この家での男と認めよう!」
「……う……うずうずしてきたで御座る……遂にその刀を……!自分が……!」
 ガッツポーズをする不生……だが、不消は言った。
「ただ……試験があるんだ……私が『『村雨』を隠す』から、お前はその刀を見つける……見つけた暁に『村雨』は受け継ぐ事が出来る……分かったかぁ!?」
「あい!完了で御座いまする!!……その前に父上……もう、喋り方を元に戻しては頂けないでしょうか……?」
「完全に硬かった?やっぱ、こういう言い方めんど……まぁ、今風に言えば、俺が刀を隠すから、お前がその刀を見つけたら、この家では、大人にしてやるって感じかな……?まっ、ガンバ」
「バリバリ!と、体に電流が走りました!頑張ります!」
「すまんが、お前も元に戻せ」
「折角楽しんだのに……親父!俺は、この試験!クリアしてやる!分かったか!?」
 完全に羽目を外し過ぎな二人だった……
「大変だけど頑張れよ、お前は俺の息子だからな……出来なかったら、今日から、破門な?そして、今日の夕方六時が、タイムリミットな?分かったか?」
「完全に分かったぜ!今からでも良いぜ!」
「絶対に完璧に出来ろよ?」
 余暇を楽しみながら、不消は、煙草を吸った……

 太陽が照っている……コケッコッコー!と鶏の鳴き声がした……鶏が鳴いた頃……試験は開始だった……すると、不生の目の前に少し胸が出始めた女の子が立っていた……彼女の名前は『不萌(もえず)』……『不の里』のくの一一族だった……そんな彼女は不生の二歳年上だった……
「大変ねぇ……アンタも……」
「不萌よりかは、まだマシだ……アンタのは……房中術の秘伝だったっけ?違うかった?」
「太陽が暑いわねぇ……うん、そうだよ……その『力』があれば、アンタもイチコロねぇ?」
「えっ?そういうモンなのか……?だったら、何れかけてくれよ?その、房中術をさ?」
「……最高だけどね……でも、アンタにはかけたくない……だって恥ずかしいもん……」
「ん?房中術って恥ずかしいのか?何で?戦いの型を書いているんだろ?だったら、恥ずかしくないじゃん?」
「……ん……?話が矛盾……成程ね、アンタは房中術を知らない訳か……まぁ、良いわ……ちゃんと、刀……見つけなさいよ」
 よっと、そう言いながら、3mもある塀を登って消えた……今の俺にそんな物は要らないから良いけど……そう思いながら、刀を探す……そして、もう、夕方になってしまった……残り10分……どうやったら、見つかるんだ……?
「大丈夫だ、ちゃんと、目の前を見るんだ……お前が、信じたモノの目の前にある……分かったか?」
 完全に分からない……どういう意味なんだ……父の言葉を、そう思いながら、膝をつく……そして、頭を抱える……ダメだ……見つからない……そう思った瞬間、信じたモノの意味が分かった……それは……自分の周りの人だ……自分の周りの人を信じないでどうする?そう思いながら、周りは真っ暗の中に居た……そして、右手には、一本の剣が……背中の剣とは違う……また別の……何時の間にか、その剣を引き抜いていた……そして、その剣で暗闇を切っていた……すると、周りは開けていく……そして、家の中の自室に居た……そして、右手には、抜いた刀が……左手には、鞘が……この刀は……?すると、父が現れて言った……
「たく……開けやがったな……それが、『村雨』だ……」
 ……大丈夫……これが『村雨』……そう思った瞬間叫んだ……まぁ、大声を上げたので、怒られたが……そして、その剣を手に入れたので、男として、認められた……そして、不生は色々な事件に巻き込まれるのだが……今はその話はしなくても良い……

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Re: しりとりシリーズ ( No.37 )
日時: 2016/03/20 16:55
名前: 彩都 (ID: j9SZVVec)  

 『メモ』

 俺はメモ好きだ……まぁ、大まかに言えば、自分が忘れない様にメモをするだけだが……俺は、探偵の様な事を生業としている……そのような仕事柄、何時でも覚えられる様に何時でもメモをしてる訳だが……おっと、来客が来た様だ……今日はどんな難題が飛び出してくるやら……それは俺は分からない……

「いっ!居ますか!?」
「完璧に居ますよ……お客さん……どうされたんですか……?」
 完全に焦っている……これは急ぎだな……そう思いながら、お客さんを見た……
「たっ!助けて下さい!妻が……っ!妻が死んだんです!」
 ……凄い面倒そうな事を持ち込みやがって……少し溜息を吐きながら、俺は言った。
「大変ですねぇ……で、何が言いたいんですか?」
「かっ!必ず解いて下さい……この部屋の密室に……!」
 ニコニコしていた俺の顔が、変更される……これは……絶対面倒だな……だが、ここで、冷や汗を出す迄なら、大丈夫……うん、大丈夫だ……
「大丈夫ですよ……貴方が殺した訳では無いんでしょう?」
「うっ!……そうですけど……少し落ち着いてきました……依頼内容を言って良いですか?」
 完全に混乱していたのか……まぁ、妻を殺されているからな……大きな溜息をして、俺は聞いた。
「単純な話なんですよね……『妻が密室で殺されていた』……そして、私が犯人と言われています……だから!この密室を解いて、自分が犯人ではないと証明して頂きたい!値段は弾みます!」
「素晴らしい!そんなトリック……初めて聞いた!そんな謎……私が解くのですか!?うやぁ……嬉しいなぁ……」
 アホ、誰が嬉しいか……何で、俺の事務所には、こんな『面倒事』が来るんだ……?この前なんか、妖怪娘の指輪探しだったり……マジで、俺を何に勘違いしてんだ、妖怪共は……
「はい、では、この密室……私が何でも、解きましょう……この『俺』が……☆」

「頑張って解いて下さいね……」
 ねぇ……それは無いんでしょう……?何故なら、この屋敷が広いからだった……トイレは地平線の奥にあるんですか?そんな位、遠い家だった……そして、妻が死んだのは、客間……鍵は掛かっており、内側しか掛けられない……さて、これをメモしておかなければ……部屋の構造も考えておかなければ……窓は開いた様子も無く、外に出たって訳では無いようだな……ふむ……部屋の入口のすぐ右の端には、箒等を入れるロッカー……成程なぁ……綺麗だな……まぁ、俺はそんな事しないけどな。
 悩んでるなぁ……と、俺でも感じる密室に少し謎があった……隣の部屋はどうなっているんだ……?そんな謎が、俺の全身を駆け巡って、何時の間にか、俺は部屋を出て、右隣の部屋に入っていた……此処は……客間では無い……メイドの更衣室だった……そして、入口のすぐ左隣には、ロッカーがあった……入り口に何時でも掃除出来る様にか……ふむ……良い部屋ではないだろうか……?すると、ガチャリと、後ろから、音が鳴る、俺は急いで、バレない様に、左のロッカーに入った……バレたら、変態扱いされて、屋敷から、密室を解かなくても良い!って言われそうだからだ……
 大丈夫だった……相手は気付いてない様で、助かった……そして、俺は、ロッカーの奥に凭れて、考える……誰が犯人かを……その時、メイドが脱ぎ始めた……そういや、此処は更衣室だった……って生着替え!?そう思うと、顔が赤くなって、両手で周りを隠す……そして、ロッカーの中で暴れた……すると、突然、俺の体が宙に浮いた……まるで、後ろから、何かが開いた様な感じが俺の背中に走る……そして、俺は、何故か、隣の客間に居た……えっ……?これはどういう……すると、俺の脳に大きな稲妻が走った……まさか……そう言う事か……謎は解けた、後は犯人探しか……

「完全に分かったのかね!?妻殺しが!?」
「頑張りましたね……まずは、トリック確認から……」
 楽に移動して、殺害の再演をする……まず、トリックはこうだ、妻は誰か──Aにするか──Aが妻を殺した……そして、鍵を施錠、次に、窓の鍵を閉めて……まぁ、締めなくても良いんだけど……その次……『ロッカーの隠し扉で隣の部屋に移動』した……という事だ……
「だから……犯人は、このロッカーの隠し扉を知ってる人なんですよね……誰か知っていますか?」
 ……必ずと言って良い程、誰も手を上げないよね……そして、俺は、最後の切札を使った……
「ただ単に言いますね……犯人はメイドの何れか、そして、指紋さえ、分かれば良いんですよ?分かってます?今は指紋が大体なんです……だから……さっさと、犯人は出ろ……警察はもう呼んでいるからな……時間の問題だぜ?」
 絶対に誰も挙手しないかと、思ったが、一人のメイドだけ、挙手をした……俺の前生着替えをした女性──巨乳の女性だった──が言った……
「大変でした……私が、『私の夫を胸で誘惑してるんでしょ?』って妻様に言われ続けていまして……私はしてない、と何時も言ってました……ですが、妻様を殺した日、鋸を用意して、私の胸を斬ろうとして……正当防衛したのですが……それで死んでしまって……申し訳ありません!旦那様ぁ!」
 あんあん、と泣きながら、メイドは旦那様に抱き締められて、この事件は終わった……そして、この事件は、『自殺扱い』で、事が済んだ……金持ちすげぇなって思った……まぁ、自殺に見えるし……まぁ、良いかと思って、俺は金をたんまり貰って、事務所に向かった……

 単純な依頼も謎解きトリックの様な事件も受け付けてるひっそりとした事務所……それが、『蘭(あららぎ)万屋』……そこには、自分の力で、謎を、依頼を解く『異常人』が居た……そんな事務所に一人の幼女の様な背丈の少女が居た……少女は、『蘭万屋』の地図の紙を持って、事務所の前に立っていた……そして、少女は言う……
「うぅ……恥ずかしいけど……すいませーん!蘭さん、居ませんかー!?」
 カツカツと、靴の音を鳴らしながら、少女の後ろの男は言った……
「……たぁー……遂に幼女に頼られる迄俺の事務所も落ちたか……んで、お嬢ちゃん……依頼は難題?」

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