複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

しりとりシリーズ
日時: 2016/04/04 21:09
名前: 彩都 (ID: 4mrTcNGz)

暇なので書きました。                   




                               












































































































































































































































































































NEXT 『愛』です、どうぞ。

 『愛』

 『愛』、それは、傷付ける愛、痛みのある愛、壊す愛、無い物を愛す愛、正体不明に愛する愛、只の愛、無機質を愛す愛、言葉を愛す愛、見た目を愛す愛、体の一部分を愛す愛、ete……………。
 いやはや、この世には色んな愛があるのだ。
 だから、数え切れない愛、人類の数だけ愛がある訳だ。
 だから何だ、と言う訳もなく、物語は進む。

「むぅ〜、めんどくさいなぁ………もう、知らんし……」
 少年は項垂れていた。
 ただただ、暇、の一文字。
「『女子の愛』何て課題、意味分からんし……」 
 少年は、手元の紙を見る、その紙には大々的な大きさの字、『愛』が書かれていた。
 ただ、どうしようもなく、意味不明な先生の課題、もう授業受けたくないのだが………。
 俄然、やる気は起きない。
 意味も無く、『やる気スイッチ』を探すが、そもそも無い。
 意味が無いと分かりながらも、『愛』という字を見つめ、思う。
 うん?そういや、漢字には禾編やうかんむりやら、何やらあるよな?『愛』にもあるよなぁ?それを分解して、課題として出そう、うん何か面白いな、それは。
 ハハハ、と一人で虚しく笑いながら、紙とペンを用意、『愛』と書く。
「空中分解して………ノ、ツ、心、久、………ん?何か足らんなぁ………?」
 あぁ……?んん?………あっ、かんむりだ、かんむりが無いのだ。
 「だぁあああああ!!!!やっちった!………」
 ただ、考える、少しだが、冷静になる、だったら、ツ、ではなくリ、にすれば良い、真ん中を、ウ、の上に指せばいいのだ、俺って天才!?。
 いや、そんな訳は無い、と読者がツッコんだのだろう………ツッコまなくてもいいのだが。
 俄然やる気はないまま、考える、うーん……どうしたら………?
 ラララン、ララン、と鼻歌を歌いながら、ノ、リ、ウ、心、久、を考えるが、何も出ない。
 いや、何かに一つでも思い付かなければ………学校卒業出来ねぇ!!
 笑顔で教師の顔面を殴る、と言う妄想をする、虚しくなるだけだ………。
 だからと言って、投げ出すのもつまらない。
 一応、考えれる分だけを考えよう、………おっ!良いの思い付いた!ウノリちゃんと心久(こころひさし)君の物語にすれば良いではないか!!!
 カァー!!やっぱり俺天才!!この二人が合体して、『愛』となった!!何か感動物じゃね!!??
 寝る間も惜しんで書いてやる!そう思いながら、紙に書く。
 草臥れない様に紙芝居の様にした。

 太陽が出る、時間はもう朝だ、少年は寝落ちしてしまった。
「太陽……?あっ!?もうこんな時間か!急がないと………」
 トトッと体制がぐらつくも、建て直し、紙芝居が入った袋を手に、玄関を出た、戸締りをして、学校に行く為に出入り口に、走り出した。

 太陽がてらてらと少年を苛める、少年はそんな事をお構い無しに出入り口付近の、自分の自転車に乗る、籠には紙芝居一式。
 少年は走る、学校近くの道路へ、自転車で。
 でかい御神木を見る事が出来る神社を通る、マイナスイオンが出ている様で涼しい……あれ?マイナスイオンは涼しかったけ?今はそんな事を考えている場合ではない、早く目的地に着かないと……。
 とか、思いつつ……やっと道路に出る。
 ルルルルン、ルルン、ルルルルルン、ルルン、頭の中で、回転するメロディ。
 色々と音楽を聴く内に頭の中で、何時の間にか、音楽が流れてしまっている状態になってしまったのだ。
 だから何だ?、と少年は聞き返す、音楽が好きなんだから、良いんだ、と言葉を紡ぐ。
 愚弄するならすればいい、自分は放って置くだけなのだから。
 爛々と輝く太陽が憎いな………そう思いながら、自転車は進む。
 ムラムラとアスファルトから熱を感じる、早く行かなければ………。
 馬力を上げたい所だが,そこ迄の力は無い、すると、学校の木が見える。
 縷々と続く道に入り、近道をした。
 垂れる汗なんて関係無しに、学校の敷地内に入る、駐輪場に自転車を置き、鍵を掛けて、教室に向かった。
 タッタッタッタ……駆ける足音を関係無しに進み、教室に入った。
 たらり、と汗が顎から落ちる、何とか間に合った様だ。
 だぁ………疲れた………。
 大量の汗を拭いながら、自分の席に座る。
 累積した欠課のマイナスの点数はこの紙芝居で巻き返す。
 スーハー、スーハー、と深呼吸をする、落ち着け、俺………。
 歴史を感じる教室、この学校は築八十年とか何とか………。
 考えても無駄だだだだだだ!?
 誰かが、俺の頭をグリグリした。
「ただただ、お前の頭を攻撃する、コレが俺の攻撃の仕方、お前はどうだろう?」
 後ろから声がする、チャラ男の知り合いだった、コイツも俺と同じ授業の人間だ。
「だよッ!?……何だお前か……」
「辛いねぇ……まさかまた徹夜かよ?徹夜は止めとけって何度も言ってるんに……」
 苦虫を噛み砕いた様な顔で溜息を吐く、コレでも頼れる親友だ。
「だーかーらー、人の話は聞けっちゅうに………おい、聞いてんのか!?」
「カアカアうるせー!」
「せぇーのはお前だ!カアカア煩くないっての!」
「のヤロー!?」
「濾過したいわ!お前の性格!」
 ククク………プププ………アハハ………周りの生徒が笑い出す、俺とコイツはまるで、笑えるコンビ、と思われているようだ。
 だけれど、コイツとはコンビではない、只の知り合いだからだ……。
「だぁーもう、会話は終わりだ、終わり!」
 理解するのが飽きたのか、自分の席に座る、俺も疲れたので、座った。
 タン、タン、タン、と教師の靴の音がする、俺はドキドキした。
 タン、と止まり、教室の戸を開けられた。
 ただ、驚く、この授業の教師じゃない……?すると五、六人がゾロゾロと入り、その後にこの授業の先生が入ってきた。
「ただ、先生一人が聞くのも面白くないんで、他の先生を呼んで、一緒に聞く事にしました」
 単純にその台詞に対し、『ハアァァァ!?』や『厭だあぁぁぁあ!』とかの阿鼻叫喚が教室内に響く。
「クク………まぁまぁ皆さん落ち着いて………」
 低年齢に見える、四十代の先生が落ち着かせる、この先生は生徒から、人気なので、皆が黙った。
「ただし、条件があります………二人以上、皆さんの話で先生に手を上げさせた者が点数に関係なく、単位を上げましょう、そして、手を上げた先生が、一人以下の場合、単位は無しです」
 す……凄い面倒だな………生徒全員が思った。
「ただただ、人がいるので、出席番号順に行くか………01、どうぞ」
 ゾロロ、と暗い雰囲気を出しながら、立ち上がる、女子だった、女子の場合、男子とは逆、『男子の愛』だった。
 立ち上がって、自分の名前を名乗ったのだ、そして噛み噛みになりながらも喋ったのだ。 
「だ…『男子の愛』は……」
 ハラハラしながら彼女は言う。
 後ろに気を使いながら、自分の紙に書いた事を復唱する。
 ルンルンと後ろの女子はまだか、まだか、と待つ。
「………つまり、男性は純情な人も入れば、野性的な男性も居ると言う訳です、終わり………です………」
「………………素晴らしい!!!男性の純情も居れば、性に性愛に性欲に従順な男性も居るという話ですね!!では、先生、挙手をどうぞ!!」
 ゾロロロロ、と満場一致だ、彼女は喜んだ。
「だ……大丈夫だったですか……」
 完全に01番の挙手から、拍手に変わるが、次の女子がいきなり立つ。
「つ−か、先生もう言っていいか!?『男子の』……」
 ノリを弁えない02番の女子。
「し……仕方ない……02番、どぞ……」
 ゾロゾロと周りが慌しくなった。
「たぁぁぁ………煩い煩い!!言うぞ……『男子の愛』って言うのは……」
 歯向かったら、喧嘩になる!!それを理解した皆は、静かに聴いた。
「………対等!男と男のタイマンのルールはそんだけだ!勝つか負けるか……そして、男気に惚れて、舎弟に成る!!これが私の『男子の愛』です……」
「……素晴らしい!恋愛という概念を越えましたね……では、挙手をどうぞ……」
 存外熱い話なのに、誰も手は上げない。
「居残り、つまり、単位は上げれませんでした……」
「たぁぁぁ………無理だったかぁ………」
 あーあ………と項垂れる彼女。
 状況はどうでもいいと見える03番のフードの少年が言う。
「う……あの……もう……言って……良いスか……?」
「可能だ、言って下さい」
 威圧無く接する先生に頷いて、話す。
「……全てにおいて……女子とは……変態である……AVが存在する限り……」
 リアルにコイツ何言ってんだ!?そう、皆は思った。
 只、単純に意味が分からない、何が言いたいのだろう?
「後ろからするのも気持ち………」
「ちょっ!もっもういいです………挙手をどうぞ……」
 ゾロゾロと騒ぎ出す。
 全ての生徒は俯き、先生達も挙手しない………。
「いやぁ、残念でした……単位は無しです………」
 すぅぅ、と、先生の語尾も弱まった。
 ただ、俺はもうすぐだった。
 単純に04が立ち上がった。
「たっ大変です……すみません、抜けていいですか?」
 彼女は焦っている様だ、先生が話を聞く。
「詳しくは知らないんですが、母方の祖母が危篤状態と……」
「とても大変ですね……ですが、抜けるとなると、この単位を捨てる、という事ですよ?」
 よもや……こんなヤバい状況なのに……単位を取るか、家族を取るか、という決断をさせる気か………?。
 完全に鬼だ……生徒はそう思う。
 うぅっ……彼女は悩んでいた………。
「単位は………」
 ハラハラした………こんなにハラハラした事は無かった。
「単位は……………捨てます………!!」
 すると彼女は後ろの教室のドアから走り去った。
 タッタッタッタッタッ………………音が聞こえなくなった所で先生は言った。
「たまにこんな事が起きます、さて正しいのはどちらですか?答は簡単です、『家族』を取りなさい、『家族』が一番です、何故なら、『家族』は私達を育てました、それに感謝しなければなりません、結局最後は『家族』を選択するのですから………」
 爛々としていた教室の熱は段々下がってきた。

Re: しりとりシリーズ ( No.8 )
日時: 2015/12/13 18:55
名前: 彩都 (ID: KRYGERxe)  

 『書』

 僕はしがない大学生……文学部の一部員である、僕は、小説を投稿したりして、小説家になる事を夢見ていた。
 ただ、小説家を目指して現在努力中の身である、僕は今、新作を投稿しようとしている所だが……
 俄然、やる気を出した……だが、……今はスランプ中なのである……投稿の締め切りは明日……半分書いたが、その先が書けないのだ。
「大丈夫かなぁ……これは大変だ……どうしよう……?」
 うーん、と悩む……僕はどうやって、スランプから脱却するか……未だに抜けない……
「いや、気分転換でもするか……」
 革靴を履き、外に出る、空気は美味い、大学は詰まって書いてしまう為、体が固まってしまう。
 うーん……と、体を伸ばし、気分転換、空を見る、神様にとっては、ちっぽけな事だろうが、僕には一大事なのだ……僕はこの小説で、優秀賞、もしくは何かしらの賞を取らなければならない、取れないと、僕はこの大学を強制退学、勿論、親の決めた事だが、僕は、三次選考迄は残るが、最終選考迄は、行かない……それが何年も起きた……僕は、未だに頑張っても、取れない事にもう、諦めていた……でも、努力は大事だから、毎日一万文字を書く様、心掛けている、だが、ここ一週間は百文字も書けていない……本当に困っている所だ……でも……書かない事には脱出で出来ない……でも、脱出する方法が僕には思い付かなかった、困った困った……とか思っていると、二年先輩の女性が来た、一応、色々な事や、執筆活動を手伝ってくれたりしている先輩だ。
「大丈夫かい?後輩よ?何か困ってるんかい?何でも言ってみ?どんなもんでも来い!但し、性的な事は駄目だぞ!」
 存外頼りなさそうな台詞だったが、僕にとっては藁にも縋る思いだったので、言ってみた……。
「……ただ単に、スランプになったって事か……なーに!少しは歩こうぜ?私は今、暇なんだ……駄弁る相手になってくれよ……さぁ、行こう!!」
 ……うぅっ……この先輩は頼りになるが、少し、暴走するから、あまり、会いたくない……会うのは、部活中が嬉しかったが……でも、確かに駄弁ってみて、スランプが治るって訳じゃないけど……この先輩の言う通り、駄弁ってみるか……暇だし……

 商店街に迄、僕らは足を運んだ、そこで、肉屋で、熱々コロッケを買ったりして、食べた……火傷しました……少し、下がヒリヒリしている……でも、美味しかった……何で、肉屋のコロッケはあんなに美味いんだろう……?結構な疑問であるが、今は考えていても、スランプ脱却の切っ掛けにはならない……そして、歩いている内に少し山を上った、まるで丘の様な山だった……そして、少し、ピクニックが出来そうな場所の、木で出来た椅子に先輩は座る、そしてニヤニヤする、何だろう……?
「うふふ……どうだ?綺麗だろう?ここは私のお気に入りの場所なんだ……肉体的にも精神的にも……ここの景色を見てたら、なーんか、ちっぽけに感じてきてさ……だから、後輩の君に見せたくて……どう?綺麗でしょう?」
 うーん……と渋々見る……ブワッ!!風が僕を迎え入れる、たった小さな広場だが、この町を思いっ切り、見る事が出来る、こんなに綺麗なのは初めてだ……オマケに、夕日が出ているので、とても綺麗に見える……これは……とても凄い……これは良い景色、教えてくれて、嬉しいです……そう思って先輩を見る、とても、色っぽく見えて、可愛いと思った、視線が先輩にバレる、僕は慌てて、顔を隠す、でも、もうバレているので、意味は無い、でも可愛かった、僕は先輩に惚れたらしい……マジかよ……?
「よ、よ、よ?あっれぇ〜?君ぃ〜?何で、私の顔を見て、自分の顔を赤くしてるの……?まさか、惚れたの?」
 ノー!!!そこ迄バレました!?もう駄目じゃん……そして、先輩は近付いてくる……顔が近い、数センチで、肌と肌が当たりそうだ……段々顔が赤くなる、いや、顔が赤くなるでしょ!?すると、先輩も顔を赤くした、何でだ?
「だっだって……私も君の事が……」
 ガンガンと、頭の中が、警報を鳴らす、……まさか、先輩は前から僕の事を……?それはそれは……両思い……?
「いっ……言うわ……君の事が好き!だから付き合って!」
 ……て……言った!言っちゃったよ!……僕も言わないと……
「とっとりあえず、僕で良いのなら……」
「ラッキー、じゃあ、今日から、カップルだね……嬉しい!」
 いきなり、先輩は僕の腕を抱きしめる、いたたたたたた!!!強いです!抱き締める力が強いです先輩!!
「いいじゃんいいじゃん!カップルなんだし!……どうよ……この景色見て、スランプは脱却出来たか?」
 完全にポケーとしていた、えーと……どうなんでしょう……?まだ分からない……僕はお手軽なサイズのパソコンに書いていたので、何時でも持ち歩き出来る様、持っていた、それを起動、そして、文を見る……何だこれ……書きたい物が見える……何だこんな感覚……書きたい……僕は本能のまま、書きまくる、先輩は独り言『やっぱり、私の惚れた後輩だわ』……とか言っていたが、僕はあまり、聞いていなかった、そして、残り少し迄書いた所で、僕は呼ばれる、今良い所なのに……
「にゃー、やっぱ、書くの早いねー……でも、周り見てみな?もう暗いよ、帰ろう?」
 うわっ!?もうこんな時間……パソコンもバッテリー少なくなっている……もう切り上げよう……、そう思いながら、帰宅した、その後も、寝る間を惜しんで書いた、景色を見ただけで、此処迄変わる物なのか……?まぁ、いいや……書き切れるし……そう思いながら、書き切った、とても楽しく書けた。

 ただ、書き終わって、それを投稿した……何とか間に合って、第一次選考を突破、第二次、第三次も突破、残りは最終選考だ、遂に来たかとドキドキしている……このステージは並々ならぬ、熟練者が居る、こんな駄文者の僕が立てるのは珍しい……そして、受賞発表の日、僕は急いで、本を買う、此処に受賞者が載っている……ドキドキ……先輩も見守っていた……そして僕は言う……
「うぅっ……先輩行きますよ……今年の受賞者は……大学二年……『夕日のあの空』作者……の僕です……」
「素晴らしい!」
 いきなり、抱き締められる、遂に僕は受賞した……遂にやったんだ……そして、僕は言う、先輩に……とある告白をした……
「大切な告白をします先輩……僕と結婚してくれ!」
 霊感がある部員の女子が言う、『成功確率高し……』と。
 とりあえず、先輩は……
「は……はい……」
 言った……先輩が言った……おまけに部室で告白したので、部活メンバーはヒューヒューとか言ってる、やっぱ、二人っきりが良かったかな……
 泣いていた、何もかも、嬉し泣きだった、こうして、僕は賞を受賞した……

Re: しりとりシリーズ ( No.9 )
日時: 2015/12/13 18:56
名前: 彩都 (ID: KRYGERxe)  

 ただ、何年が経っただろう……僕は年を取った……僕が書いた物はとても売れる、そんな小説家になった……そして、僕はノンフィクションを書く事にした、妻が聞いた、『何にするの?』と、僕は答えた。
「単純だ、先輩……貴女に見せてもらった夕日の日の事と、賞を受賞、そして結婚迄を書くんだ……タイトル?それは……」
 ハハハ、と笑いながら、言った、これで良いだろうか……自問自答をした……答は……良いんだよ、これは僕と先輩の記録だから……自問自答終了……そうか……今はこれで良いのか……自問自答はそこ迄言って、終了した。
「タイトルは、『書』だ……ストレートに考えたよ」

 NEXT 『菊』

Re: しりとりシリーズ ( No.10 )
日時: 2015/12/19 18:34
名前: 彩都 (ID: rE1CEdls)  

 『菊』

 私の名前は『菊』、絡繰で御座います。
 全ては、今のご主人様が与えてくれました……家……衣類……何もかも……
 もう……何もかも……ザァザァと、雨が降っている、『菊』は、墓標の前で悲しんだ。
 「だっ旦那様ぁ……何で!何で!……」
 木偶の坊の様に立っていた『菊』は、膝を曲げて、泣いた、絡繰に涙など、出せないのに……
 ニコニコと、笑う男性が『菊』の前に現れる、『菊』は不思議がる、何と、『菊』の次の主人だという。
「うむ……君が絡繰家政婦の『菊』かい?」
「い……今は、ただの絡繰です……」
 すぐさま言う、素早く言うのも、家政婦の掟の一つだった。
「ただ、今から私の家政婦になるがね、さぁ、今から私の家に来なさい、そして、服を着替えないと……」
 と、新しいご主人様は言い、私はその人の家に行きました、前のご主人様と同じ位の豪邸でした。
 ただ、前の服装より……今の服装がちょっと……前の服装は、足先迄、丈が有ったのですが……靴下が、下着と太股の間位にあり、丈も気を付けなければ、下着が見えてしまいします……何とか、丈を伸ばして、見えない様にしてますが……階段など、上ると……その……見えたり……そして、見える下着がまさかの『白』だけなんです!!
 凄く意味が分かりませんが……支給品なので、反論は出来ません……仕方なく着用するですよ……何か気苦労が耐えません……どうしてでしょう……?
 うーん……絡繰である、膝や腕の駆動領域が隠せてるのは良いのですが……若いから、性欲に飢えてるんでしょうか……?
 関係無いですけど、私が着替えてる間に、たまたま、入ってきて、私の下着姿や、裸を見たり……まぁ、見たからには制裁をしたくなりますが、私は絡繰、これ以上変な事をして、絡繰の世界を崩壊させてはいけません……なので、我慢我慢なのです……
「駿河ー、皆呼んで来てー、出掛けるからー」
「ラジャー、駿河、皆の者を呼びまする……まずは戦場ヶ原、貴方です」
 駿河は、絡繰の戦場ヶ原を捕まえる、戦場ヶ原は反抗する、次に、絡繰の千石を捕まえる、千石も反抗する、そして、『菊』は、ご主人様の隣に居た。
「ただいま、駿河帰還いたしました、あら、『菊』さん、居たんですか、ご主人様から、話は聞いていますか?」
「かなり、話は聞いていますが……良いんですか?絡繰が海と言う場所に行って?」
 テントを運びながら、『菊』は言う。
 後ろからご主人様の声がする、ご主人様も何か運んでいる様だった。
「ただ単に、皆を置き去りには、出来ないからね……さぁ、車に乗って、急がないと……」
 とりあえず、一人と、四体の絡繰は車に乗り、海に向かった。

「たっ……高ーい!!」
 いきなり、『菊』は叫んだ、それもその筈、今迄に見た事が無い位の金額だったからだ。
「大丈夫ですか?我が屋敷はこれ位普通なので、気を失わない様に……」
 ニコニコせず、本当に無表情の駿河が言う、『菊』ははっはい!と頷く、早く慣れないと……
 とか思いながら、ご主人様は先に進み、旅館に金を払う、ここは海が見渡せる旅館だった。
「たっけーな!地面が遠く見えるぜ!!だろっ!?戦場ヶ原!?」
 爛々と輝く太陽を背に、千石が戦場ヶ原に言う、戦場ヶ原は言い返す。
「凄い凄い……てか、煩い……」
 厭々ながら、言う戦場ヶ原……それに対して、ご主人様が言う。
「うーん……仕方無いよ……千石は人間型の絡繰なんだから……記憶が繰り返せないからなぁ……」
「あの……記憶が繰り返せないってどういう意味です……?」
 すかさず、『菊』は駿河に聞く。
「詳しく説明すると、そもそも、千石は人間です、昔、事故により、半身以上が失いました……何とか、絡繰化して、生きていますが……やはり、いじめがありまして……数年前に今のご主人様が拾いました……」
 淡々と言う、駿河に感動出来ない『菊』、すると、ご主人様は水着を用意した。
 ただ、『菊』の水着は、全身タイツだった、『菊』は仕方なく頷く。
「苦しいかもしれないけど……ゴメンね……君は防水対応ではないから、こんな可愛くない物になったけど……着るかい?……」
 厭々言う、ご主人様に、少し、感動した……此処迄、私の事を気遣ってくれるなんて……私は勘違いしていました……

「高い所からーーージャーーーーンプッ!!!」
「ッ!?……私も……」
 もう、皆が見ている……そう、『菊』が思いながら、崖から、飛び降りる、千石と、戦場ヶ原、それを見るご主人様と絡繰二体。
「いやー、今日は来て良かったなー……あっ、そういや、最近、手に入れた物が有るんだ……『カメラ』って言って、絵みたいな物を取れるんだって!皆で撮ろうよ!!なっ!?」
「つまらないぜー、なぁー戦場ヶ原ー?だろう?」
 うーむ……と悩む、戦場ヶ原、ご主人様の案をゴリ押しして、皆で写真を撮る事に……

「ニコニコして!ハイ、笑おう!!」
「うー、私は難しいのですが……」
 我慢出来ない笑顔に、顔がプルプル震える、駿河、でも、何とか、写真は撮れた様だった……

 ただ……時が経つのは早い様で……
「でっでも、私は……」
「ハハッ……もしも自分が死んだら、その写真を見て、今迄を思い出してよ……僕も先は長くないんだし……ゴホッゴホッ!!血が……」

 頑張った……医者が言う……私が存在している間に二人もご主人様が死んだ……
 弾丸に打ち抜かれたかのように『菊』は動かなくなった……

 単純に動かなくなった、絡繰は廃棄される事になっている、手には、海で撮った写真が有る……意識が途切れる……あぁ……私は死ぬんだな……そう思いながら、写真を見た……
私は思う……ご主人様……私は役に立ちましたか……?

 NEXT 『食う気?』

Re: しりとりシリーズ ( No.11 )
日時: 2015/12/20 16:25
名前: 彩都 (ID: KXQB7i/G)  

 『食う気』

 俺はとある、県の街中の奥、ひっそりとした山奥に居た、俺は、山登りが趣味で、山道を歩いていると、何時の間にか周りは暗く……そして、俺は道に迷ってしまった……うわぁーマジかー、金あんまり持ってないしなぁ……電波も入らない……マジ俺山で死亡!?それは厭だなぁ……そう思っていると、村っぽい物が見えた、おっ、何とか助かったかもしれない……そう思いながら、俺は村へ向かった……うわぁ……何て簡素な村なんだ……木、林、森、藁の屋根の家……藁には石が乗っている……まるで、戦国時代に来たかのようだった……俺は少しでも、目に焼けつけておこうと、写真を撮った、俺は何時も景色を忘れないが為に何時もカメラを持っている、こんな景色あんな景色……縦横無尽な景色の世界に溺れてしまいそうになるが……でも、今迄見た景色の中で、この景色は郡を抜いているだろう……いやぁ……良い景色だ……もうここに住もうかと思う位だ……とか思っていると、どっかの家から、お婆さんが現れる、ラッキー!この人の家に一時的に住めば良いじゃん!そう思いながら、お婆さんに近付く、お婆さーん!そう言うと、振り向いた、すると聞き取れない言葉を発していた、『んだっべ、どったべ?』みたいな感じ……聞き取れないので、『有難う御座います』と言って、逃げた、いや……方言強いな!?そう思いながら、周りをまた歩いた……腹が減ってきた……どうしよう……食べ物は、カロリーメイトしか持ってきてない……マジ困ったわー、どうしよう……?そう思うと、また家が見つかった、今度こそは標準語の人が出てきて欲しい……俺は家の玄関をノックする、コンコン……ハァーイ……おっ!若い女性の声がした、よし……標準語かどうか……『どっだべ?』……道を探しているんですが……街は何処ですか……?俺は思った……この子も方言強い……心の中で、溜息を吐きながら、道を聞いた、すると、夜だから、泊まっていってはどうだと、聞こえた、何とか聞き取れたな……この人の親切心に甘える事にした、そして、一つの部屋に泊まる事になった、そして、『食う気?』と言われ、『食う気、食う気』と、言い返す、すると、ご飯を持ってきた、成程……少しは言葉を理解していた……『食う気』って、食うか?って意味だったのか……少しは方言を習わないとな……そう思いながら、晩御飯を食べた、そして寝た、ん〜……今日は良く眠れそうだ……そう思いながら布団に包まった……そして、日が上がる……俺は早めに起き、布団を畳む……もう、若い女性は起きて、朝ご飯を作っていた、俺は、また、ご飯を食べる、うん!やっぱり御米が美味い、御米が美味い理由を聞くと、此処で作った米だと言う……それは凄い!俺はこの村に惚れ込んだ、女性は早くに夫を亡くしたらしい……だから、俺を夫にしたいらしい……まぁ、俺も嫁がこの人なら良いなと思った、そして、俺はこの女性と結婚する事に……でもここから俺は大変な事になっていく事に……結婚する為に何とか、街に降りて、婚姻届に字を書いて、結婚した……そして、結婚式を行った、村全体で結婚式を行う事に……そして、村の特産物とかとても美味しかった……というか、此処の村の食べ物って何でこんなに美味いんだろう……?水が清らかで、米も魚も美味しいらしい……確かに水が綺麗だったら、食べ物も美味しいのか……成程と思った、それから数日は結婚式の宴を行った……元気な村だ……そう思いながら、妻の家に住む事に……因みに俺の家は解約した、荷物とかを妻の家に持ってきて、家電とかを持ってきたら、妻は喜ん、まぁ、それは良かった、どうせ捨てるなら、壊れる迄使えば良いのだから、そして、俺は住民票をこの村に移動させて、この村に永住する事にした、そして、月に一度は、他の街を巡る旅を続けた、そして、村の祭にも参加したりした、そして俺は色々な方言を習った、『えがった』は良かった、『どっだべ』、『んだっべ』は、どうしたんですか、どうしたんだと言う意味だった、他にも『なだー』は、成程、『そがった』は、そうか、と言う意味だった、少しずつ俺はこの方言を慣れようと思い、頑張った、そして、有る程度は、村の人達と喋れる様になった、まぁ、一ヶ月も頑張ったら、有る程度喋れる事を知った俺だった、だったら英語も、ヨーロッパ系の言葉も覚えられるかもしれないと思った、まぁ、外国は行く気が無いんだけど……俺は、農業をする様になった、案外腰に負担が来たが、まだ若かったので、何とか、我慢した、そして、取れた野菜は美味かった、やっぱ、自分が育てた野菜は美味いなぁ、まぁ、貰い物の野菜も美味いけどな!そう思いながら、もう三ヶ月が経った……未だに分からない此処の方言があった……『食う気』……読みは『くうけ』って読むんだけど……食べるって意味と、最初は取っていたが、どうやら違うらしい……だったら何だよ……?そう思いながら、三ヶ月経った今も悩んでいる……そして妻に聞いてみた、『なぁ、『食う気』ってどういう意味?』と言う、妻は言う、『だから、『食う気』って言うのは『食うか?』と『食わない』って意味よ』……いや!意味わかんねぇよ!!俺はそう思いながら、床に膝を着いた……まぁ、そんなんどうでも良いがな、俺は結局この村に住むのだからな……まぁ、これが俺がこの村に住む話だった……まぁ、どうせつまらんが、また出会えたら、他の話をするからさ……バイバイ。

 NEXT 『K子』

Re: しりとりシリーズ ( No.12 )
日時: 2015/12/26 16:56
名前: 彩都 (ID: 3w9Tjbf7)  

 『K子』

 俺は一目惚れをした……黒髪のOLの清楚な姿に……俺は急いで、そのOLに話しかけるべく、追いかける、ぎこちない歩き方で、追いかけた、そして何とかそのOLに追いついた、俺はそのOLにお茶に誘った、すると『良いですよ』と返ってきたので、近くの喫茶店に誘った、周りの人々が変な目で見るのは不思議だったが、こんな綺麗な人を捕まえたからだろうか?それは知らなかったが、喫茶店で駄弁る、他愛も無い話をした。
「ただ、俺の知り合いは馬鹿なんですけどねwwwアハハwww」
「ハハハ……貴方もその知り合い方も面白いですね……そういえば、自己紹介してませんでしたね……私の名前はK子って言うんですよ……母と父がアメリカ人と日本人なんで、アルファベットが入っていて、日本で有名な『子』という字も入っていて、それで名付けられましてねぇ……何か凄いと思いません?」
 んー、それが凄いかは知らないが、とりあえず頷く事にした。
「単純に凄いですね……俺は、普通に名付けられましたね……おまけに普通の日本人です……」
 素晴らしいと思っていたのが、ハーフの所為だと知って、逆に驚いた……ハーフってこんなに綺麗なんだ……ハーフを見直した瞬間だった。
「ただ……母は母で、父に虐待を受けて死にまして……父は父で、今罪を償っているんです……引きますよね……こんな話……私ってこんな事するから、嫌われるんです……」
 すると俺は言う。
「ううん!そんな事は無い!なんせ、俺は引いてないし!自信を持って!」
 適当に言って、何とか、安心させる……こんな物で良いのだろうか……?
「カッコいいですね……貴方って……申し訳無いですが……私とカップルになってはいただけないでしょうか……?」
 完全に俺が言うコメントだったのに、先に言われた……まぁ、仕方無い……俺はOKをした。

 ただ、一週間に一回というデートが楽しみで楽しみで、俺は仕方なかった、そして、デートが楽しくて楽しくて面白かった、そして何ヶ月が過ぎただろう……何回も何回もデートに行ってるから、何ヶ月経ったか、忘れていた、そして、とある日……K子さんが言った。
「……た……単純に言うよ……私と……結婚して下ひゃい!」
 ……今、今一番噛んじゃいけない所で噛んでしまった……なんて可愛いのだろう……そう思いながら、俺は結婚を受け入れた……そして、婚姻届を書いて、俺とK子さんは結婚した。

 ただ、結婚生活は大変だった……俺やK子さんの家電や、その他諸々を運ぶのに、時間が掛かった、マジであれは大変だった……そう思いながら、俺は知り合いから、車を使ってもらい、運んだ……因みにK子さんは俺の知り合いに会いたくないという事で、先に荷物を運んで、新居に先に住まわせた。
 ただ……俺のコレクションや俺の持ち物が多かったので、車は何往復もした。
 単純に疲れた……その日は死ぬかのように寝た、翌日には復活した。
 ただ、デートの回数は少し減った……俺は仕事を頑張る為、休みがほぼ取れなくなっていた……妻であるK子も、それを認証していた、そして休みが取れた日には、すぐさまデートに行ったりもした。
 単純なデートも楽しいが、遊園地に行くデートも面白かった、まぁ、結局デート自体が楽しいのだけども……俺は、楽しむ事を忘れずに少年のまま、楽しんでいた……完全にK子は笑っていた、俺の行動に……
 ニコニコしているK子の顔もたまに般若の様になった……会社の付き合いで、飲み会に行ったりとか、キャバクラ(一応、接待な、俺はそう言う遊びに興味ないが)に言ったりした日とか……正座しながら、何時も怒っていた……俺は何度も言って、何とか、分かってもらうが……何時も説得するのは大変だ……これが妻を持つ者の苦労か……そう思いながら、帰って妻の顔を見るのだった、何時も思うが、妻の顔を何時見ても安心した……何でだろうとは思いながらも、まぁ、今は関係ないし、放っておいた。
 単純に季節は過ぎて行った、俺は冬の寒さを我慢しながら、起きる……今日は休みだった……とりあえず、また寝た……そして数時間後……妻に起こされ、デートに行った……てか、デートってカップルがする事じゃない?夫婦なら、デートって言わなくないか?では何と言うだろう?とか、そんな事を考えながら、頭と目を覚ます、……うん……何とか起きた……よし……服を着替えて出発だ……こうして、俺とK子はデートに行った、何とか、混んでない所でデートをした。

楽しかったなぁ……とか、思いながら、もう新年を迎えた……今迄の事を思い出しながら、妻が何かを落とした、財布だった、俺は中身を見た、何円入ってるだろう……そう思っていると、妻が、『見ないで!!』と大声を上げた、何なんだ……?そう思いながら、免許証が落ちた、俺が拾うと、俺は驚いた……更新を20年もしていないじゃないか!どういう事だ……俺は少し恐怖を感じた……そして、パソコンで、免許証の名前を検索する……嘘だろ……?妻のK子は……死んでいた……何人も殺して自害した……妻……つまり、俺が結婚したのは……?幽霊……?
「今更気付いたのね……」
 ネトネトとした言い方をするK子……段々と近付いていく……おっ俺はまだっ死にたくなっ!?

 つい先日午後二時頃、一人の男性が変死していました……男性の知り合いに聞くと、『一人しか居ないのに、結婚したとか何とか……話を合わせるのは大変でした』と供述しており、自殺と考えられています……

 NEXT 『交差』


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。