複雑・ファジー小説

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しりとりシリーズ
日時: 2016/04/04 21:09
名前: 彩都 (ID: 4mrTcNGz)

暇なので書きました。                   




                               












































































































































































































































































































NEXT 『愛』です、どうぞ。

 『愛』

 『愛』、それは、傷付ける愛、痛みのある愛、壊す愛、無い物を愛す愛、正体不明に愛する愛、只の愛、無機質を愛す愛、言葉を愛す愛、見た目を愛す愛、体の一部分を愛す愛、ete……………。
 いやはや、この世には色んな愛があるのだ。
 だから、数え切れない愛、人類の数だけ愛がある訳だ。
 だから何だ、と言う訳もなく、物語は進む。

「むぅ〜、めんどくさいなぁ………もう、知らんし……」
 少年は項垂れていた。
 ただただ、暇、の一文字。
「『女子の愛』何て課題、意味分からんし……」 
 少年は、手元の紙を見る、その紙には大々的な大きさの字、『愛』が書かれていた。
 ただ、どうしようもなく、意味不明な先生の課題、もう授業受けたくないのだが………。
 俄然、やる気は起きない。
 意味も無く、『やる気スイッチ』を探すが、そもそも無い。
 意味が無いと分かりながらも、『愛』という字を見つめ、思う。
 うん?そういや、漢字には禾編やうかんむりやら、何やらあるよな?『愛』にもあるよなぁ?それを分解して、課題として出そう、うん何か面白いな、それは。
 ハハハ、と一人で虚しく笑いながら、紙とペンを用意、『愛』と書く。
「空中分解して………ノ、ツ、心、久、………ん?何か足らんなぁ………?」
 あぁ……?んん?………あっ、かんむりだ、かんむりが無いのだ。
 「だぁあああああ!!!!やっちった!………」
 ただ、考える、少しだが、冷静になる、だったら、ツ、ではなくリ、にすれば良い、真ん中を、ウ、の上に指せばいいのだ、俺って天才!?。
 いや、そんな訳は無い、と読者がツッコんだのだろう………ツッコまなくてもいいのだが。
 俄然やる気はないまま、考える、うーん……どうしたら………?
 ラララン、ララン、と鼻歌を歌いながら、ノ、リ、ウ、心、久、を考えるが、何も出ない。
 いや、何かに一つでも思い付かなければ………学校卒業出来ねぇ!!
 笑顔で教師の顔面を殴る、と言う妄想をする、虚しくなるだけだ………。
 だからと言って、投げ出すのもつまらない。
 一応、考えれる分だけを考えよう、………おっ!良いの思い付いた!ウノリちゃんと心久(こころひさし)君の物語にすれば良いではないか!!!
 カァー!!やっぱり俺天才!!この二人が合体して、『愛』となった!!何か感動物じゃね!!??
 寝る間も惜しんで書いてやる!そう思いながら、紙に書く。
 草臥れない様に紙芝居の様にした。

 太陽が出る、時間はもう朝だ、少年は寝落ちしてしまった。
「太陽……?あっ!?もうこんな時間か!急がないと………」
 トトッと体制がぐらつくも、建て直し、紙芝居が入った袋を手に、玄関を出た、戸締りをして、学校に行く為に出入り口に、走り出した。

 太陽がてらてらと少年を苛める、少年はそんな事をお構い無しに出入り口付近の、自分の自転車に乗る、籠には紙芝居一式。
 少年は走る、学校近くの道路へ、自転車で。
 でかい御神木を見る事が出来る神社を通る、マイナスイオンが出ている様で涼しい……あれ?マイナスイオンは涼しかったけ?今はそんな事を考えている場合ではない、早く目的地に着かないと……。
 とか、思いつつ……やっと道路に出る。
 ルルルルン、ルルン、ルルルルルン、ルルン、頭の中で、回転するメロディ。
 色々と音楽を聴く内に頭の中で、何時の間にか、音楽が流れてしまっている状態になってしまったのだ。
 だから何だ?、と少年は聞き返す、音楽が好きなんだから、良いんだ、と言葉を紡ぐ。
 愚弄するならすればいい、自分は放って置くだけなのだから。
 爛々と輝く太陽が憎いな………そう思いながら、自転車は進む。
 ムラムラとアスファルトから熱を感じる、早く行かなければ………。
 馬力を上げたい所だが,そこ迄の力は無い、すると、学校の木が見える。
 縷々と続く道に入り、近道をした。
 垂れる汗なんて関係無しに、学校の敷地内に入る、駐輪場に自転車を置き、鍵を掛けて、教室に向かった。
 タッタッタッタ……駆ける足音を関係無しに進み、教室に入った。
 たらり、と汗が顎から落ちる、何とか間に合った様だ。
 だぁ………疲れた………。
 大量の汗を拭いながら、自分の席に座る。
 累積した欠課のマイナスの点数はこの紙芝居で巻き返す。
 スーハー、スーハー、と深呼吸をする、落ち着け、俺………。
 歴史を感じる教室、この学校は築八十年とか何とか………。
 考えても無駄だだだだだだ!?
 誰かが、俺の頭をグリグリした。
「ただただ、お前の頭を攻撃する、コレが俺の攻撃の仕方、お前はどうだろう?」
 後ろから声がする、チャラ男の知り合いだった、コイツも俺と同じ授業の人間だ。
「だよッ!?……何だお前か……」
「辛いねぇ……まさかまた徹夜かよ?徹夜は止めとけって何度も言ってるんに……」
 苦虫を噛み砕いた様な顔で溜息を吐く、コレでも頼れる親友だ。
「だーかーらー、人の話は聞けっちゅうに………おい、聞いてんのか!?」
「カアカアうるせー!」
「せぇーのはお前だ!カアカア煩くないっての!」
「のヤロー!?」
「濾過したいわ!お前の性格!」
 ククク………プププ………アハハ………周りの生徒が笑い出す、俺とコイツはまるで、笑えるコンビ、と思われているようだ。
 だけれど、コイツとはコンビではない、只の知り合いだからだ……。
「だぁーもう、会話は終わりだ、終わり!」
 理解するのが飽きたのか、自分の席に座る、俺も疲れたので、座った。
 タン、タン、タン、と教師の靴の音がする、俺はドキドキした。
 タン、と止まり、教室の戸を開けられた。
 ただ、驚く、この授業の教師じゃない……?すると五、六人がゾロゾロと入り、その後にこの授業の先生が入ってきた。
「ただ、先生一人が聞くのも面白くないんで、他の先生を呼んで、一緒に聞く事にしました」
 単純にその台詞に対し、『ハアァァァ!?』や『厭だあぁぁぁあ!』とかの阿鼻叫喚が教室内に響く。
「クク………まぁまぁ皆さん落ち着いて………」
 低年齢に見える、四十代の先生が落ち着かせる、この先生は生徒から、人気なので、皆が黙った。
「ただし、条件があります………二人以上、皆さんの話で先生に手を上げさせた者が点数に関係なく、単位を上げましょう、そして、手を上げた先生が、一人以下の場合、単位は無しです」
 す……凄い面倒だな………生徒全員が思った。
「ただただ、人がいるので、出席番号順に行くか………01、どうぞ」
 ゾロロ、と暗い雰囲気を出しながら、立ち上がる、女子だった、女子の場合、男子とは逆、『男子の愛』だった。
 立ち上がって、自分の名前を名乗ったのだ、そして噛み噛みになりながらも喋ったのだ。 
「だ…『男子の愛』は……」
 ハラハラしながら彼女は言う。
 後ろに気を使いながら、自分の紙に書いた事を復唱する。
 ルンルンと後ろの女子はまだか、まだか、と待つ。
「………つまり、男性は純情な人も入れば、野性的な男性も居ると言う訳です、終わり………です………」
「………………素晴らしい!!!男性の純情も居れば、性に性愛に性欲に従順な男性も居るという話ですね!!では、先生、挙手をどうぞ!!」
 ゾロロロロ、と満場一致だ、彼女は喜んだ。
「だ……大丈夫だったですか……」
 完全に01番の挙手から、拍手に変わるが、次の女子がいきなり立つ。
「つ−か、先生もう言っていいか!?『男子の』……」
 ノリを弁えない02番の女子。
「し……仕方ない……02番、どぞ……」
 ゾロゾロと周りが慌しくなった。
「たぁぁぁ………煩い煩い!!言うぞ……『男子の愛』って言うのは……」
 歯向かったら、喧嘩になる!!それを理解した皆は、静かに聴いた。
「………対等!男と男のタイマンのルールはそんだけだ!勝つか負けるか……そして、男気に惚れて、舎弟に成る!!これが私の『男子の愛』です……」
「……素晴らしい!恋愛という概念を越えましたね……では、挙手をどうぞ……」
 存外熱い話なのに、誰も手は上げない。
「居残り、つまり、単位は上げれませんでした……」
「たぁぁぁ………無理だったかぁ………」
 あーあ………と項垂れる彼女。
 状況はどうでもいいと見える03番のフードの少年が言う。
「う……あの……もう……言って……良いスか……?」
「可能だ、言って下さい」
 威圧無く接する先生に頷いて、話す。
「……全てにおいて……女子とは……変態である……AVが存在する限り……」
 リアルにコイツ何言ってんだ!?そう、皆は思った。
 只、単純に意味が分からない、何が言いたいのだろう?
「後ろからするのも気持ち………」
「ちょっ!もっもういいです………挙手をどうぞ……」
 ゾロゾロと騒ぎ出す。
 全ての生徒は俯き、先生達も挙手しない………。
「いやぁ、残念でした……単位は無しです………」
 すぅぅ、と、先生の語尾も弱まった。
 ただ、俺はもうすぐだった。
 単純に04が立ち上がった。
「たっ大変です……すみません、抜けていいですか?」
 彼女は焦っている様だ、先生が話を聞く。
「詳しくは知らないんですが、母方の祖母が危篤状態と……」
「とても大変ですね……ですが、抜けるとなると、この単位を捨てる、という事ですよ?」
 よもや……こんなヤバい状況なのに……単位を取るか、家族を取るか、という決断をさせる気か………?。
 完全に鬼だ……生徒はそう思う。
 うぅっ……彼女は悩んでいた………。
「単位は………」
 ハラハラした………こんなにハラハラした事は無かった。
「単位は……………捨てます………!!」
 すると彼女は後ろの教室のドアから走り去った。
 タッタッタッタッタッ………………音が聞こえなくなった所で先生は言った。
「たまにこんな事が起きます、さて正しいのはどちらですか?答は簡単です、『家族』を取りなさい、『家族』が一番です、何故なら、『家族』は私達を育てました、それに感謝しなければなりません、結局最後は『家族』を選択するのですから………」
 爛々としていた教室の熱は段々下がってきた。

Re: しりとりシリーズ ( No.38 )
日時: 2016/03/26 20:50
名前: 彩都 (ID: apTS.Dj.)  

 『もやもや』

 ──えーと聞こえますかね──?聞こえてますかー?おーい!聞こえてるー?ねぇー?──

 ……えっ……?此処は何処?何で、こんな煙い場所に僕は居るんだ?──そう思いながら、周りを見遣る──何も無いんですけどー?そう言いながら僕は、もやもやとした空間を彷徨っていた──何なんだ、この空間は──そう思っていると、目の前に可愛らしい格好のうさ耳少女が周りを見回していた──そして、僕を見つけて、大声を上げた──

「只今発見です!お兄さん!早くこの世界から、出して下さい!」
 いっ!?僕が原因なの!?僕だって抜け出したいけど──すると、少女は、笑いながら、言った。
「単純ですよ、私は貴方の声が聞こえます──正確には、『心の声』もだけど──ただ単に『此処から出たい』!と願うだけです!」
「凄く簡単だね、もしも、次から起きたら、そうしないといけないのかな?」
「中々難しいですね……毎回バラバラという人も居るので……では、私は、出れる迄待ちます」
「……凄く話が噛み合わない様な感じがするけど……まぁ、思うだけで良いなら……」
 楽に考える……『此処から出たい』と──すると、僕は布団の上に寝転がっていた……隣には、うさ耳少女……えっ?
「次から、こんな事が起きるなら、貴方を監視対象にさせて頂きます──良いですか?」
「……かなり、記憶が曖昧だけど、君はあのもやもやの少女かい?」
「イエス、私は、もやもやの病気を駆除する物です……私は、自立駆動型アンドロイド『USAMI』です」
「……凄い名前だ……ちょっと待って、もやもやの病気?つまり僕は病気なの?」
「ノー、貴方はそのもやもやの病気の一歩手前ですね、大きく説明すると……この病気は、貴方の精神世界なのです……そして、その中で悦楽に嵌って、そのまま眠り続けて、栄養失調で死にます──そして、そのもやもやというのは、貴方の精神状態の事です──健康な人は、煙草を吸わない人の肺の様に綺麗なんですよ──つまり、貴方は不健康の精神なのです──なので、貴方は、この不健康な精神から、普通の健康に戻らないといけないんです──相当大変ですがね──」
「……ねぇ、その病気に対抗策は有るのかい?」
 今更ながら、僕は言った。
「ただ単純に言えば──僕は長生き出来るの──?」
「……ノーです……この病気には、対抗策が、私みたいなアンドロイドが看病しなければならない──そういう、病気なのです──」
「凄く厭だなー、そのまま死ぬってか……」
 完全に諦めたまま、僕は思った──死ぬ、ねぇ……こんな惨めな人生なら、すぐ死んでも構わなさそうだけど──そう思った瞬間、僕はUSAMIに平手打ちされる──僕が何かした?
「単純です──私は言いましたよね……?貴方の心の声が聞こえる、と……人間、そんなに諦めんな!私は開発されただけのアンドロイド!でも、貴方は人間から生まれた人間なんです!そう簡単に命は捨てる物ではありません!貴方は10年、20年生きれますが、私達アンドロイドは何年生きれるか、分からないんです!だから、私達の分迄、その先迄生きて下さいよ!私達が見れない景色を貴方達は見れるんです!だから、生きて下さい!」
 いきなりの力説に、僕はたじろんだ……生きれば良いんだろう……そこから、僕は介護者の様にUSAMIに介護を受けた──美味しいご飯に美味い物を食べて、僕は暮らした──そして、ある日……
「ヒッ!?何だよこれ!?こえぇよ!」
 よもや、もう見る事は無いと思っていた──恐怖──それが目の前に居た……今はもやもやが少ない事から、此処は精神世界なのか、と判断出来た──すると、USAMIが現れて、その恐怖と戦う……
「うぅっ……!強い……何なんですか、これは……!?良いから、貴方は逃げて、元の世界に戻って下さい!早く!」
 苦しくなるながらも、僕は逃げる事にした……女の子一人置いてくなんて……僕は何て弱い人間なんだ……そう思いながら、僕は、何とか元の世界に戻ってこれた……

「……高い天井……?ここは僕の部屋ではないな……?」
「なっ!?起きた!?すげぇ!」
 えっ?どういう事?小学校の知り合いが、僕を見て泣いていた……意味が分からない……すると、知り合いが、僕に鏡を見せてきた……なっ……何て顔だ!?やつれにやつれて、顔が痩せていて、髪が白髪になっているではないか!そして、僕は老けていた……皆は、まだ、三十代程度だろう──何が起きたんだ?
「大丈夫?『もやもや』の病気で寝込んでいるって話だったけど……」
 どういう事?あの病気は、USAMIが倒して……
「ていうか、USAMIって誰?」
 ……歴史を感じさせる様な一言だった……僕は、USAMIと一緒に暮らして……?『暮らして』?何で……暮らしているのに、皆が分からないんだ……?倒れたのなら、救急車で連絡するだろうし……っていう事は……USAMIは、もやもやの病気の中の存在だった……?そんな筈は無い……だって、料理もしてもらったし……夜の相手だって……それも全て、病気の中の存在なら……?そう思うと、少し怖くなる……『僕は妄想の人と会話していた』……?そして、僕はもう、病気に罹っていた……?
「たっ!正しいのは……どっちなんだ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「暴れたか……全く……病人は面倒だぜ……」
 絶対気だるそうに言った青年は、僕を黙らせた……そして、僕は隔離された……USAMI……もしも聞こえているのなら、返事をしてくれ……僕は、君と一緒に居たよね……?ねぇ?返事をしろよ……おい!居たよなぁ!なぁ!おいってば!……青年の声は虚しくも掻き消される……USAMIを知るのは、叫んだ青年ただ一人だった……

 NEXT 『揶揄』

Re: しりとりシリーズ ( No.39 )
日時: 2016/03/27 21:13
名前: 彩都 (ID: HPUPQ/yK)  

 『揶揄』

 俺と裕香は幼馴染みの御近所さんだ、俺は毎日裕香と、近くの子達と一緒に、遊んでいた……そして、俺が裕香がスカートを穿いている時にスカートめくりをしてやると、『裕香のパンツは桃色だぁ〜♪』とか言ってやると、裕香は泣き出して、もう、その日から、遊ばなくなった……そして、俺は、裕香と会わないまま、中学三年生になった……そして、俺が久し振りに懐かしい公園を歩いていると、裕香が居た……俺は、裕香に叫んだが、裕香は走って逃げた……スカートめくりをしてから、俺は、裕香を見ていない──学校でも、不登校になってしまった──そして、俺は、先生に進路相談を持ちかけられた……裕香に進路相談をして欲しい、お前は幼馴染みだから行けるだろう──何がだよ、俺はもう、裕香とは親しくない……そう思いながら、仕方無く進路相談様の紙と封筒を受け取って、裕香の家に行く事にした……

「ただまぁ……何で俺が、こんな事を──面倒だな……急いで渡して帰るか……」
 完全にそう思いながら、ベルを鳴らす……ドタドタと、スリッパで走る音がして、ガチャガチャと音を立ててから、玄関のドアを開けた……そこに居たのは……
「はいはい、宅配便ですか?……」
「……」
 完全にコイツ……俺を宅配便と勘違いしていやがる……おまけに露出が多い服──ニットの下が穿いてない様に見える位長い──そして、豊満な胸……何で、こんな引き篭もりに神は無駄な脂肪を与えたんだ?死亡違いじゃないか?引き篭もりは死ぬべきだよね……って話が逸れた……俺は、閉めようとする扉に向かって左足を突っ込んだ──そして、ガシッ!ガシッと、閉められなくて、裕香は困る……そして、俺は言った。
「……ただいま裕香、早く来い、外に……」
「……にゃぁぁ〜……外は怖いよ……だって……君があんな事をして、外が怖くなったんだから……めくっただけで……」
「でも、それはガキの時の話だ……今は違うぜ?」
「……絶対、違わないよ……外は寒いでしょ?中に入って?」
「……ていうか……お前も成長したんだな……」
 中々、凄い成長だよなぁ……そう思いながら、頭を見る……俺より、頭一つ背が高い……少し腹立つ……まぁ、胸も……だけど。
「どう、これが私の部屋……」
 やな予感はしていた、その予感が合っていると、此処迄の喪失感があるのか……裕香の部屋は、アニメ一色だった……主にポスターが部屋の壁を隠している──おまけに美少女のポスター、パンチラや過激な衣装の少女がよく出るアニメだった──俺だって、こんなアニメは見ない……えっ?まさか、裕香って引き篭もってる間にオタクのレズビアンになったのか?
「完全に違うよぅ〜、これは、衣装とか、声が可愛いから見てるだけだよぅ〜」
 うーん、説得力が無いから困る、そう思いながら、俺は胡坐をかいて、座る……すると、裕香は部屋から出た……俺は、裕香のベッドの下を探る……R−18のレズ漫画……もう、言い逃れ出来なくないか?そう思いながら、そのレズ漫画を机の上に置く……そして、俺は正座に切り替える……すると、裕香が入ってきた……その過激な衣装のコスプレをして……
「……ていうか何で、机の上にあるの!?」
「ノーノー、これは俺の本だ、何で、机の上にあるのって言ったんだい?まるで、自分が持ってる様な言い方だねぇ……?」
「えっ……あのその……ゴメンなさい!死んで詫びます、さようなら!」
「楽に死ぬなら、睡眠薬を飲め……じゃなくて!死ぬな、詫びるな、だったら、俺と結婚してから死んでくれ!ってそっちでも無くて!」

 ……ていうか、引き篭もりの間の話を聞いて、少し驚く、レズではなく、ただ、単純にその作品が好きなだけの人間という……でも、その格好は……エロいから止めろ。
「……ローカス大佐の格好なのに……」
 ニヤニヤしながら、俺を見る……そんなレオタードの女の敵ってド○○ジョかよレ○ードでもいいけど……すると、裕香はその場で脱ぎ出した……流石にダメだろ!?そう思っていると、中から白い下着が見え……水着だった……
「たはは!焦ったか!」
「完全に話逸れてるな、学校に来て、進路相談、受けてこい」
「厭だね、もう、高校には、行かないよ?」
「よっ、ニート」
「というか、家業を継ごうかと」
「というか、その所に発展したか……まぁ、いいや、だから、そう言う事は学校に来てから、言ってくれ」
「0点の女にそんな事言わないで下さい」
「いやいや、0点にしたの、自分だろ」
「ローカルルール使うよ?」
「余裕ある様に聞こえるのは気の所為かな?」
「成程、君はそう考えるんだね」
「ねぇねぇ、スルーしてたけど、白い水着で会話する裕香って可笑しいよ?」
「良かった、やっとツッコんだか」
「完全にツッコミ待ちだったか」
 ……完全に話が見えなくなっていく……そろそろ飽きたから帰るか……そう思い、立ち上がって帰ろうとして、正座していたので足が痺れていた、その所為で俺は倒れた……そして、四つん這いのまま裕香を襲う直前の様なポーズになる……
「……ルールに無いよ?襲っちゃう?思春期だもんね、襲って良いよ?」
「良かった、もう一回ツッコミが出来そうだ……毎日処理してるから、襲わないよ、今はね……じゃあね、学校に来なよ裕香?」
 完全に笑ったまま、俺は外を出た……早く学校に来てくれると良いが……そう思いながら、隣の家の中に入る……ちゃんと、戸締りをしなくては……処理中に入らない様に、遊びに来ない様にしておかなければ……そう思いながら、俺は、玄関で靴を脱いだ……今日は、楽しい日々になるかな?

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Re: しりとりシリーズ ( No.40 )
日時: 2016/04/02 21:54
名前: 彩都 (ID: iXLvOGMO)  

 『猶予』

 俺には時間が無い、それは何故か?それは俺にも分からない!ただ、とりあえず、俺は急いでいる事が分かる──少し欠伸をしながら、俺は空を見た……『あぁ、脱獄してぇ』と思った瞬間、空から少女──見た目幼女、年齢18歳の少女だった、ただ、胸が異様にでかかったのでロリ巨乳と勘違いしていたが、年齢を聞いて、成程、と理解する──少女の名前は『プリマヴェーラ』、俺達の国ではまず、使わない名前だったので、この国の人間では無いと知った、そして、彼女──プリマヴェーラは言う、『この箱庭から出ない?』と、俺は頷いた、周りの仲間も頷いて、俺達は外へ出ようとした。
 単純に書けば、俺達は監獄に居る囚人と見ても良い、服装も白黒の縞模様、本当に囚人かもしれない、俺達は元々は奴隷、悪名高い奴に買われて、此処に収監された、まぁ、何不自由なく暮らせたが、もっと自由になるなら、外に出た方が良いだろう──そう思って、俺は夜空が明るい時にプリマヴェーラから聞いた。
「単純に聞くけどさぁ──何でこんなちっこい監獄に来たんだ?」
「『大丈夫なセカイ』を作る為さ──監獄も、戦争も喧嘩も──何も無い、『ただ、平和なセカイ』を作る為さ、、まずは此処のボスを倒さないとね、君も協力してくれるかい?協力してくれたら、この体で何でも奉仕をしてあげよう」
 うぉっ!?それは本気かよ……?コイツは自分の体の事を良く分かっている……そう思いながら、俺は空を見た、プリマヴェーラも空を見る──こんな仮初めの夜空を綺麗と思ってしまうのは、俺ももう、終わりかもしれないな、そう思いながら、俺は就寝する事にした。

「……たく……何時だよ……?」
 ようやく俺は起きて、時間を確認した、時間は朝の八時──何時になったら作戦を決行するか?そう思いながら、俺は生温かい物を感じた、柔らかくて、安心する……ん?その温かい者は、プリマヴェーラのむ……ね……って何でだよ!?寝床はあったのに!そう思いながら、俺は自分の寝床の隣を見る、すると、プリマヴェーラの寝床だった、生憎この寝床は布団なので、寝相が悪いプリマヴェーラが俺の寝床に入ってきた──とかか?まぁ、それは分からないが、俺は、『プリマヴェーラちゃんのおっぱいを奪った』等と言われ、仲間からボコボコにされたのは言う迄もない……

「いないのか、ボスって?」
「ていうか、ボスはこんな所には来ないよ、来るのは、処刑の時だけだ」
 大丈夫かな、あの二人……ロリコンのシュガーとプリマヴェーラのコンビって……?そう思いながら、ボスの事を思い出す……俺の大事な、此処で出来た知り合い、リリックが殺された、それは数年前だった、普通に俺等が数人で遊んでいると、ボスが現れて、『リリックは居るか?ソイツはスパイだ』等と言ってリリックを捕まえて、俺等の目の前で殺した……俺は酷く悲しんだ、でも俺にはボスに抗う事なんて出来なかった──そう思い出していると、プリマヴェーラが現れた。
「大変難しそうな顔をしているが、大丈夫か?」
「……完全にそんな顔をしていたのか?」
 完全に気を張りめぐっていた……すると、厭な感じが俺の体に電流として流れてくる、何だ?誰か、新しい囚人でも来るのか?すると、その予感は的中した、ボスが可愛い女の子を首輪につけて現れたのだ……
「大丈夫、安心しな、今日は新入りだぁ、お前等男の欲望を晴らす女だ、おらよ」
 喜ぶ男なんて数人しかいないが、今は苛つきしか現れない……すると、プリマヴェーラが現れる。
「るんるんする女の子じゃない可愛いね、でも、私には、このボスを倒さなければならない……」
「いきなりなんだこの娘は?可愛いじゃないか?私の妻に成らないか?」
「完全に気持ち悪いんだよおっさん、私が愛しているのは、リマインただ一人だよ、浮気も乗り換えもするもんか」
「カッカッカ……調子に乗りやがって……私の魔法で屈服させてやる!」
「ルールに無いから、、無理だよおっさん、私を屈服させるのはリマインただ一人なんだよ!」
 ようやくプリマヴェーラが動き出す、だが、何故か焦っている、どうしてだ?
「だ……大丈夫かな、この戦い……武器を忘れてきた……何処に家があったっけ……?」
 け……結局助からないのか、俺達は!?
 ハハハ……と笑いながら、涙を流す……俺は……俺達は助からないのか……そう思った矢先だった、プリマヴェーラが言った。
「大変、忘れてなかった、胸の谷間に隠してあっただけだった、ゴメン……よしいくぞぉ〜!」
 おいおい!何で谷間に隠してんのこの子は!?完全に周りの皆がそう思った。
「大量の魔力を感知……このままでは負ける……私は逃げる!ワハハハハハ!私は負けない!だから一生その閉鎖空間で閉じ篭もっとれ!」
 劣等感を感じたかは知らないが、ボスは逃げて行った……俺は血は助かったのか……一人の少女を残して去っていった……そして少女は言った。
「た……助けてくれて有難う、私はブビュル、宜しくね」
 猫耳が生えた少女だった、フードを取ると猫耳だった……何の一族だよ?
「妖怪猫耳生えです、猫の幽霊が私の肉体に宿っているんですって」
「ていうか、ネコ耳ハァハァ……」
「あぁ……また、シュガーの性癖が明かされた……」
 単純に言える、シュガーは変態だと……そう思いながら、空を見上げた……今日の空は一段と明るかった……何れはプリマヴェーラとブビュルでこの監獄が抜け出せるのか、俺には時間が無い事を思い出す、早く抜けないとな……そう思いながら、俺は明日への一歩を踏み出した……

 NEXT 『夜空』

Re: しりとりシリーズ ( No.41 )
日時: 2016/04/03 21:48
名前: 彩都 (ID: vzo8adFf)  

 『夜空』

 僕は空を見ていた、夜の空、綺麗な星々──その時僕は知らなかった……これら全て僕を見ていたのだから……

「楽なものだな、たった一人の少年を監視するなんてな……」
「なっ?そうだろう?簡単だから、この少年がもっと成長した時にネタバラしでもしようぜ?」
「絶対驚くよな!そうだよな!」
「中々お前は驚かせるのが好きだな──俺はお前に呆れるよ……」
「ようやくここ迄成長したなぁ──我が主に──」
 にやり、と笑って、三人の薄い衣装の存在は笑った……これから少年に降りかかるのは、どんな災厄か、今はまだ分からない……

「今起きたよー!」
 ようやく僕は起きて、学校に行く準備をした、僕は平凡な中学三年生、これと言って進路は決まってないけども、夢は有る、それは宇宙の研究者になる事だ、僕のお爺ちゃんは有名な天文学者で兄は日本の有名な宇宙研究所の人間だ、僕も有名な宇宙の研究者になるぞ!そう思いながら、今日も宇宙関連の本を読んで勉強中だ。

「大丈夫か?そんな作戦は……?」
「ハッハッハ!大丈夫だ、人間と言う生き物の『女』に変身したら大丈夫だって!パンを咥えながら、対象者とぶつかって、下着を見せて、怨念をつける」
 縷々とした道の中、三人は薄暗い場所で話していた。
「単純に人間の本の読み過ぎだとは思うが──因みに怨念では無く因縁な、何で霊的な事になっているんだ?」
「大丈夫大丈夫!大体の意味は一緒、結局は暗い所に来させるんだから♪」
「楽だが、お前を操るには、楽どころでは無いな……」
 中々に大変な時間だな──そう思いながら、三人の内の一番長身の存在は思った、果たして、本当に引っ掛かるものだろうか、と──

「……と──っと……起きてよっと……起きてって!」
 手から腕を揺らされ、少年は起きる、今は夕方の五時──寝てしまったのだな、そう思いながら起こしてくれた巨乳の保健委員に感謝して、少年は家に帰る事にした、三人の存在が居る薄暗い場所に向かう。

「うおっ!?もう来たのか……準備は出来ているか、フィーチャよ?」
「用意は出来ている、後はぶつかるのみ!」
 身を乗り出して、フィーチャと呼ばれた体が人間の女性の存在は少年とぶつかって、穿いていたスカートからパンチラを発動する、裏から見ていた二つの存在は『イケる!』と思った。
「たぁ〜いたたたた……大丈夫ですか?」
 ……えっ?完全にパンチラを無視している?いや、そんな筈は……人間の男は人間の女のパンチラに弱い筈──って良く見たら、パンツを見ていて、顔を赤らめているが、顔を逸らして隠しているだけ!?なら、この作戦は成功!そう思いながら、ヤンキーの様に二人が現れる、そして、その場面に出くわす。
「凄いな……この演技は……おい!少年1!お前妹のパンツ見ただろう!?」
「うぅ……見てませんよ……」
「よもや妹の城のパンツが見られるとは……」
「はぁ!?城のパンツ!?イチゴ柄でしたよ!?……あっ」
「つまり、見てるよな?」
「何と!誘導尋問に引っ掛かってしまった!」
「ただまぁ、ちょっと付いてきてもらおうか?」
 完全にビクビクしている──本当にこの人が……?そう思いながら長身の存在は真っ暗な世界に呼び込む。
「むむむ……真っ暗……」
 楽そうにしてて良いのに……そう思いながら、長身の存在は二人の存在と共に膝を曲げた。
「只今で御座います……お帰りになられた……覇王様……」
「また、意味不明だよ、何だその茶番は?」
「ハッハッハ!茶番では御座いません覇王様、貴方は全宇宙を統べる存在、それが貴方様なのです」
「素晴らしい……やはり、覇王様は神々しい……」
「いやいやいやいや!僕は覇王では無いよ!ただの中学生!」
 今更厨二病の人間になりたくない!そう思いながら、全否定する、そして少年は言う。
「うぅ……覇王って言われてもいまいちピンと来ないんだけど……」
「どうでもいいんですそれは、貴方は全宇宙を統べる存在なのです、そう、貴方は宇宙の覇王でもある……『宇宙神ノヴァ』様なのです……!」
「凄く訳が分からないよ!僕は神なの!?自覚無いのに!」
「二十代目ですね、前宇宙神は」
「ハッハッハ、案外長いんだよ」
「良かったですね二十一代目」
「め……めんどくせぇ……だから逃げる!」
 縷々とした道を抜け、真っ暗な世界から離れると、そこには綺麗な夜空があった……綺麗な空だなぁ……そう思っていると、厳ついおっさんが空から現れてこう言う。
「うむ……こやつが新たな宇宙神か……どんな強さを見せるのか……案外楽しみじゃのう……」
「……う……うぎゃああああああああああ!!!!!!!!!!??????????」
 あまりにも突然で僕は気絶してしまった……そして、目が覚めると自分の家のベッドの上に居た……
「単純にあれは夢なのかな……?」
 中々リアルな夢だったな、そう思いながら、リビングに行くと……
「とりあえず、地球のご飯は美味い」
「いやぁーどれもこれも美味しいですねー(棒)」
「ねぇ、美味いですね」
 ……ねぇねぇ何で昨日の三人が居るの!?そう思いながら話を聞いた。
「単純だ、私達は貴方を宇宙神にしなければならない、なので宇宙神になる迄は同居と言う形を取らせて頂く」
 クイッとコップの水を飲み切って、長身の存在は言う。
「うむ、これから宜しく宇宙神様」
「……まだ宇宙神の話は続くの〜!?」
 ノーだノー!僕は平凡な生活をして、優秀な宇宙の研究者になるんだ、何で宇宙神にならないといけないんだ!そう思いながら、少年は食事を取って学校に向かった……彼が宇宙神になるのは何時の事やら……それはまだ知らない……

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Re: しりとりシリーズ ( No.42 )
日時: 2016/04/09 21:26
名前: 彩都 (ID: YJQDmsfX)  

 『乱離』

 ──今の戦況は──? ──ダメダメ── ──そうか……こっちも人が死にに死んでるぜ── ──私も……もう、60000人も死んだかも……── ──こっちはまだ20000……まぁ、こっちは一番隊だし、人が少なくて、強い奴がばっかりいる隊だからな……最初は23000人なのに──こっちももうすぐ死にそうだ……── ──死なないでよ、まだ、私との決着が済んでいないじゃない……!お互い引き分けのまま死にたくは無いわ── ──今、何戦だっけ?── ──今は9999勝9999敗よ、どっちが10000勝するか戦っていたじゃない……── ──ゴメンなぁ、もう戦えないかもしれないんわぁ……── ──何でよ?── ──だってもう、足が──左足が無いからなぁ……── ──だったら、義足でもしたらどうなのよ!?── ──そこ迄して、戦いたくは無い、もう、引退するよ……── ──何でよ!私と戦いなさいよ!── ──もういいんだ……お前の勝── ──ねぇっ!?ねぇってば!?──
 ババッと、砂嵐が女の耳に入る、無線機で会話はもう出来ない様だ……
「大丈夫よ……アイツは生きているわ……きっと──」
 とりあえず、深呼吸──スーハースーハー、大丈夫、アイツは生きてる……早く城に戻らないと……

「トゥリム・アレルノミア……君は一番隊隊長として、よく頑張ってくれました……今迄有難う御座います……」
 スッと、シスターがトゥリムと呼ばれた青年の目を手で閉じさせる──女が帰ってきた頃には、トゥリムは死んでいた、そして、少女は泣いた。
「体力切れで死んだのか……!?なぁ!トゥリム!」
「無駄です、もう屍になっているので……」
「でも!?」
「もう、無駄なんです……貴女の夫でも、結局は人間なんですから……死なない訳にはいきません……それは分かりますか?」
「……必ず死ぬのは分かってたけど……!ここ迄戦わせる王様が悪いんだ!そうだろ!?」
「ロージェさん……それでも……」
 もう無理だ、そうシスターは思いながら、言う。
「うーん、そうなんですけれども……この戦いに勝ったら、戦争は終わるんです!もう少しの辛抱──」
「うるせぇな!我慢出来ねぇもんは出来ねぇんだ!」
 ダンダンと、足で音を鳴らしながら、王室へ向かうロージェと呼ばれた女は鼻息を荒くしていた。

「大将!王様の大将はいねぇのかぁ!?」
「ぁあー?何ー?こっちは忙しい──むぎゃあ」
「あんまりにも、戦争が進んでいない、だから、もう止めにしないか?」
「必ず勝てるんだ、もう少しで終わるからさ、ハッハッハ!」
「ハッハッハ──じゃねぇ!こっちは夫が死んでんだ!」
「誰だっけ?」
「ケッ!トゥリム・アレルノミアだ!一番隊隊長の!」
「ノー!お前とトゥリムが結婚していたって!?」
「ていうか、前に話していたよな!?忘れたのか!?」
「完全に知らなかった!」
「単純にトゥリムが話していなかっただけか!」
 完全に伝え忘れていたのか……と、ロージェは頭を抱えながら、思った。
「単純に伝え忘れたのかもね……じゃなくて、もうすぐ終わるから、もう少し我慢して?」
「手前の話は何回も聞いたわボケ!……アンタ、気を付けろよ?私みたいな人間はもっといるだろう、アンタの国の人間はもっと離れるかもしれないぜ?という事で私は離れるよ」
「良かった良かった、今日もナイスツッコミ──ってえぇ!?離れるの!?何で!?君を頼りにしているのに!」
「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!何だそのホストみたいな言い文句は!?それでも私は離れるよ!バイバイだな!」
「……」
 何か言い過ぎたかな……?でも、私はもう、この国を捨てるんだ……そう思いながら、ロージェはこの国を離れた……

「大変ですね、貴女も……」
「もう、茶化すなよシスター?俺は戦争に勝って、良い国にしたいだけなんだ、そんだけだよ……」
「よくもまぁ、俺の真似をするなぁ、姉貴は……」
「ハッハッハ!戦いはいいぞ、弟の癖に王よ!」
「……余計って言葉知ってる姉貴……?俺がこの国を出ている間にロージェもトゥリムも居なくなって!戦争をおっ始める王様の姉+男装!+王様の真似!」
「ねぇ、ジュース無い?」
「いやいやいや!俺の話聞いてる!?」
「ループループー」
「プールは無いからね、そして、ループは無限にさせるぞ?」
「存外コイツはキッチリしてるな」
「中々貴方が動かないからな」
「なっ何ですって!?」
「ていうか、いきなり大声を出すなよシスターさん……どうしたの?」
「のっ農民や国民が!国を離れて行きます!」
「凄いヤバいよ!姉貴の所為だ、戦争なんかするからぁ!」
「あーもううっさい!この国潰れろー!」
「篭絡するぞ、クソ姉貴!」

 いきなりの戦争で青年の国は男装をした姉の所為で国民が減っていった、乱離する国──青年は、立て直して、戦争を止める事は出来るのだろうか……?それは青年の国にしか分からない……

「……いきなりの劣勢だ……何とかして、立て直してやる……!この国は俺の国なんだからな……!」

 NEXT 『了する』


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