二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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学園日和 ★参照1000突破!★
日時: 2013/03/09 21:14
名前: あさぎ組 (ID: m7pepIKd)

初めまして
日和を愛するあさぎ組と申します。

この作品はギャグマンガ日和の現代パロ。つまり、学園ものの日和です。
それでは設定を…

と、その前に。注意書きです。
まず最初に〝あさぎ組〟というのは一人の名前ではなく、三人で一つの名前ということ。
詳しく説明すると、この作品は私たちが中三の頃に書いていたリレー小説な訳です。ですので、ややこしいことも多々ありますがご了承下さい。

あとはまぁこんな感じで↓
一、荒らしや中傷はご遠慮です
一、見方によってはキャラ崩壊もあるかもです(-_-;)
一、更新の早さはまちまちです
一、女性向けです(多分…)
一、私たちはギャグが大好きですが、ギャグが書けません。
一、駄作です。日和への愛だけで書いています。

以上が大丈夫な、心が無限に広がる大宇宙な方はどうぞ♫

ちなみに、三人の名前と順番ですが
1番:団子    弟子男厨な腐った変態です。【ツイッター dango_gmb】
2番:流之介@るのすけ 飛鳥LOVEの腐ってない変態です。
3番:龍     芭蕉さんに溺愛してる変態です。

変態しかいねぇ(゜д゜)!!!!!
しかし本文は腐向けではないのでご安心を…

さて散々ひっぱた設定です(゜∀゜)

 御門 太子  (みかど たいし)
3年A組。俳句部副部長。
閻魔と幼馴染。お調子者で何かをする時の言いだしっぺはだいたいこいつ。
勉強は、やればできるがやらないので成績は悪い。

 小野 妹子  (おのの いもこ)
1年F組。俳句部部員。
苦労人。コツコツ努力するタイプなので成績はいい。

 松尾 芭蕉  (まつお ばしょう)
古文の教師。俳句部顧問。
知識豊かで皆に好かれている。時々、廊下に転がっている。

 河合 曽良  (かわい そら)
1年F組。俳句部部員。
天才的だが不器用。授業中はだいたい寝てるのにテストはなぜかいい点。

 神宮寺 閻魔 (じんぐうじ えんま)
3年A組。俳句部部長。
太子と幼馴染。オシャレ番長的な。勉強は鬼男にやらされるので結構いい。

 天乃 鬼男  (あまの おにお)
2年B組。俳句部部員。
後輩に優しく、先輩に厳しい。勉強はコツコツ努力型。

〜追加キャラ設定〜
>>24 >>35

〜あらすじ〜
舞台は豆岡高等学校。そこで活動する(?)俳句部部員たちのドタバタ物語。
しかし、周りからは談笑部と呼ばれ、俳句部が裏の名になりつつある。

1話は妹子と曽良が入部して1カ月たった、五月からです。

ギャグ(??)もシリアスも盛りだくさん(笑)


だいたいそんなかんじです


〜目次〜

【日曜日編】
 第一幕 1話書くってプレッシャー感じるよね >>1
 第二幕 イベントぱっひょい!! >>2
 第三幕 下さい。 >>3
 第四幕 24時間営業してるコンビニの身にもなってあげて >>4
 第五幕 ぶっ飛び設定追加です >>5

第六幕 「ダメ俳句も使いどき」 >>6
第七幕 我が儘だって使い時 >>7

【林間学校編】
 第八幕 学年行事なんてカンケーない! >>8
 第九幕 大波乱 >>9 >>10
 第十幕 サンd…キャンプファイヤー!! >>11 
 第十一幕 ていうかフォーエバー! >>12 >>13 
 第十二幕 終わりよければすべてよし? >>14

第十三幕 高校入ったらバイトしたいって人多くてちょっと驚いてる >>15
第十四幕 普段真面目で、完璧な人ほど勘違いした時の可愛さったらない >>16 >>17
第十五幕 雨の日 >>20
第十六幕 せっかくの誕生日なのに!!! >>21
第十七幕 占いにご用心 >>24 >>25
第十八幕 「コンタクト」 >>26
第十九幕 てすとなんてばくはつしろ。 >>27
第二十幕 テストと夢と留年 >>28
第二十一幕 カラオケ日和 >>31
第二十二幕 制服って!(パンッ)いいよね!(パンッ) >>36

【ソードマスターヤマト編】
 第二十三幕 大根役者の“大根”の謎 >>37 >>39

【番外編】
もしも日和キャラが新撰組局長だったら >>29
男子高校生と温泉卓球 >>47

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Re: 学園日和 ( No.9 )
日時: 2012/04/04 16:27
名前: あさぎ組 (ID: SkZASf/Y)

第九幕  大波乱 (龍)

 

 8時25分

鬼男はバスの窓の外を見ながらため息をついていた。

鬼(またよからぬことをしでかす気がする。まぁ妹子と曽良もいるし大丈夫だろう。)



一方あの4人は・・・



妹「タクシーって狭い。…てか太子!近づかないでください!!気持ち悪い!」
太「な、なんだと!」
曽「騒がないでください。うっとうしい。」
閻「たのしんでいこ————」

といつも通り騒がしかった。


 11時25分


林間学校 到着

鬼「あ〜!やっとついた〜座ってるとだんだんだるくなりますね。」
芭「そうだね〜・・・あれ?」
鬼「どうしたんですか?芭蕉さん。」
芭「えっ…いや、こんなところにタクシーがあるんだなって思ってさ。」
鬼「あ〜確かに変ですけど他の学校の先生が下見にでも来てるんじゃないですか?」
芭「あ〜そうかも((笑」

と、笑いながら○○ホールへと向かった。




妹、太、閻、曽「・・・・・・・。」

太「あ〜危なかった〜。気付かれたかと思った!!」
曽「まったく、こういうときだけあのジジィは敏感だ。」
閻「鬼男くん今日に限って敏感じゃなくてよかった!!!」
妹「・・・。」

妹「閻魔先輩、昼どうするんですか?」
閻「あ、そうだった。」
妹「えぇ!?何も考えてないんですか!?」
太「いや、私にいい考えがある。」
閻、曽、妹「?」



         ————昼食————



芭「さ〜!!作るよカレー!!」

というわけで1日目は「みんなで作ろうカレー」でカレー作りスタート!!
グループに分かれているのだが教師なのに鬼男くんのグループのほうへ入っていった芭蕉先生。
ちなみに芭蕉先生は料理はあまりしたことがないのでただただ座って鬼男くんの作るカレーを待っていた。
邪魔したらいけないかなと思い周りのグループの見回りをしていた。
すると茂みからガサッと音がした。

芭「うっ・・・だ、誰かいるの?」

「・・・・・・・」

バッ!! 突然茂みから手が出てきた。

芭「う、ウギャァアアアアアア!!!・・・」
「〜に〜し〜ぃ」
芭「?」
「静かに〜して〜い」
芭「?」
曽「静かにしてください」
芭「ウ、ウゲェ———!?そ、曽rいでっ!!」
曽「静かにしろ!このバカジジィ!!」
芭「な、なんで君がここに!?」

周りを見渡すと他の3人もいた。

芭「!?」

わけがわからない。

太「ちょっと芭蕉さん。お願いがあるんだけど。」
妹「理由はあとで話しますから・・・」
芭「?」




鬼「あっ!芭蕉さん出来ましたよカレー・・・・?」
芭「あ、うん。」
鬼「どうしたんですか!?その頭。出血してますけど。」
芭「あーこれは曽良く・・・いやこけたんだよ。」
鬼「どんなこけ方を!?まぁいいですよ。カレー食べましょ」





鬼「あ〜おいしかった!さぁ、片付けましょう!」
芭「あっごめんちょっと待って。」
鬼「何ですか?」
芭「残りあとどれくらい?」
鬼「あと・・・あっ結構残ってますね。」
芭「あの、それ4つのお皿によそってくれない?」
鬼「え!?芭蕉さんそんなに食べるんですか!?」

この反応でもおかしくないはずだ。ちなみに芭蕉さんに頼んだお願いとは残ったカレーを4人で分けると言うものだった。

芭「た、食べるよ・・・」
鬼「・・・まぁいいですけど…。」
芭「あ、ありがとう!!」

そういって芭蕉先生はさっきの茂みへ向かった。


太「カレーうま!!さすがカレーだ!」
妹「おいしいです。ありがとうございます。芭蕉先生!!」
芭「で、君たちなにしてるの?」
閻「遊びに来ました!!」
芭「はい!?」

も〜なにがなんだかわからなくなった。

太「だって学校つまんないし〜」
曽「芭蕉さんだけ楽しむなんてストレスが溜まります。」
芭「えぇ!?なにそれストレスたまっちゃうの!?っていうか仕事だもん」
芭「・・・でも今さら戻れなんて言えないしなぁ〜」
太「というわけでもう一つお願いがあります!」

とずうずうしくも太子が芭蕉先生にお願いをした。

太「私たちの寝る場所を芭蕉さんの部屋にしてください!」
芭「はい!?」



      ———就寝時間———


芭(なに…この状況)

今の状況はというと芭蕉先生が1番左の布団、隣が曽良君、その隣が妹子、その隣が太子、その隣が閻魔とつらなっている。
普通の林間学校ではありえない光景だ。
今回の林間学校は波乱が巻き起こりそうだ。

芭(もうすでに波乱だよ・・・)

      ———その頃鬼男くんは———

寝ながら考え事をしていた。
鬼(今日の芭蕉さん変だったな…気のせいか他の4人の気配もする…)

と勘づき始めていた・・・





      


       話が入りきらなかったので次も私です。すみません((汗

Re: 学園日和 ( No.10 )
日時: 2012/04/04 16:30
名前: あさぎ組 (ID: SkZASf/Y)

前回の続き(龍)     




          ———2日目———

起床 6時

太「ふぁ〜よくねた〜」
妹「あっ太子おはようございます。」
太「あ〜妹子おはよー あれ?後の3人は?」

太子が起きた時にはもう4人とも起きていた。

妹「後の3人は顔を洗いに行きましたよ。」

すると曽良くんと芭蕉先生が戻ってきた

太「あっおはよー曽良くん!芭蕉さ…ん?」
芭「あ…おはよ…太子くん。」

とても元気がなかったそれもそうだ昨日の大波乱のうえ、夜に曽良君に近づき過ぎて顔や体を蹴られたうえに布団も取られ風邪をひいたらしい。とんだ災難だ。

太「芭蕉さん大丈夫?・・・」
芭「う、うん大丈夫…でもないかも…ゴホ、ゴホ」
曽「まったく情けないですね。」
芭「ほぼ君のせいだよ・・・」


      ———ハイキング———

鬼「あっ芭蕉さんどこ行ってたんですか?」
芭「あ…うんちょっといろいろあってね ゴホ」
鬼「大丈夫ですか・・・風邪ですか?昨日あんなに元気だったのに…」
芭「君の知らないところで大波乱がおきているんだよ((ボソっ」←1番の被害者。
鬼「え?ごめんなさい聞こえなかったです。」
芭「いや、いいよ。気にしないで」

ハイキングスタート! ハイキングがスタートした。4人は客にまぎれてハイキングを楽しんでいる。結構騒がしい。

妹「ちょっともっとしっかりしてください太子!!」
太「だって〜私体力ないもん!」
妹「いつもゴロゴロしてるからじゃないですか!!」
太「もう疲れた〜」

そのたびに妹子からの蹴りや曽良くんからの断罪チョップが太子に入るそれを見て閻魔がケラケラ笑っていると言う状況だ。
芭(何してるんだ…あの4人)

芭蕉先生はと言えば風邪のせいでハイキングどころじゃないというか顔が完全に死んでいた。
鬼男くんはさすがの体力でスタスタと歩いて行ってしまった。


       ———ハイキング終了———

芭「お、終わった・・・」((バタッ

風邪の芭蕉先生はそのまま部屋に入って寝てしまった。

鬼「この後キャンプファイヤーか、あと3時間はあるな。」

と独り言をいいながらホームを見回っていた。

その頃あの4人は・・・
芭蕉先生の部屋で騒いでいた。

閻「1日半たったけどやっぱ林間学校って面白いな!!」
太「だな!次はキャンプファイヤーか〜懐かしいな〜」

思い出を語りだした二人

太「あんときは私と閻魔で司会とかやってめっちゃ盛り上げたよな!」
閻「あ〜思い出すな〜」
妹「でもさすがにキャンプファイヤーは参加は無理ですね。」

と言ったとたん太子と閻魔が首をかしげた。

太「何言ってんの妹子」
閻「そーだよ」
妹「はい?」

少し嫌な予感がした。いやこれは多分・・・

太、閻「参加っするに決まってんじゃん!!」
やっぱりと言わんばかりだった。

曽「そろそろ芭蕉さんを呼びに鬼男さんが来るころですよ。」
太「じゃあ〜かくれよー」


鬼男が芭蕉先生の部屋に入ってきた。

鬼「芭蕉さん!芭蕉さん!大丈夫ですか?おきてください。」
芭「ん?…あれ?太子くんたちは?」
鬼「何寝ぼけてるんですか、もうキャンプファイヤー始まりますよ。」
芭「ん?あっ・・・あ〜うん今行く。」
 ドタドタドタ・・・・シーン

太「ん?もういい?」
妹「はい、大丈夫ですよ。」
太「危なかった〜芭蕉さん言うとこだった。」
曽「まったく。とんだへまをしたかと思いましたあのジジィ。」
閻「まぁまぁ それじゃあ行きますか!」
太「おう!」 曽「はい」
妹「えっ行くってどこへ?」
太「だからいったでしょ?キャンプファイヤーだよ。」
妹「どうやって参加を!?」

妹子が疑問を持つ中、太子と閻魔が顔を見合わせにやりと笑った。

太「ついてこい!妹子!」

司会「キャンプファイヤースタート!」

司会の合図が終わったとたん司会の声が突然変わった。

 「2年諸君!!私たちも一緒に参加さしてもらう!!」

どこかで聞きなれた声がして鬼男が驚いた

鬼「ウエェェエエエエ!!!太子!?大王!?それに妹子と曽良まで!?なんで!?」
芭「な、なんで出てきたのおおおお!!!」

とこんな調子でキャンプファイヤーが始まった。





                    次回に続く

             (長くて申し訳ありません!!)




Re: 学園日和 ( No.11 )
日時: 2012/04/04 21:30
名前: あさぎ組 (ID: JHuVsDgH)


第十幕  サンd…キャンプファイヤー!!  (団子)


『キャンプファイヤースタート!』

スピーカーを通して司会のヒュースケンとワトソンの声が聞こえた。
いつもろくでもない奴らに振り回されているからか
彼らに任せると、とても安心する。
そんなことを思っていると、ガサガサとマイクが動かされる音がした。

『二年生諸君!私たちも一緒に参加させてもらう!』

気づけばマイクの所有権は、さっき考えていたろくでもない奴らに渡されていた。



「あぁもうなんで来てんだお前ら!!!
 いくら野外学習が羨ましいからってついてくるか!?
 芭蕉さんがずっとおかしかったのはこれか!! 
 妹子と曽良もよろしくって言っておいたの…いや、いいんだ妹子。
 泣きそうな顔するなよ、ごめん。一人ではこいつら止めれないよな。
 それでそろそろ大王と太子は司会の二人にマイク返せ!はやく!」
「つっこむことが多くて大変だね」
「誰のせいだ!」

はぁ、はぁと肩で息をしながら冷静になってみる。
急にマイクを取られた司会の二人ををはじめとした二年生生徒、
さらには先生たちまでもがぽかんとした表情でこちらを見ていた。
しまった、と思ってももう遅い。
何とかごまかそうと、アホコンビからマイクを奪った。

「えっと、ごめんなヒュースケン、ワトソン。
 あとであいつら刺しとくから、司会頼むよ。」

そう二人に告げると、またあいつらが騒ぎたした。

「なんだと鬼男、お前は鬼か!?鬼だった!」
「先輩僕もですか!?僕も刺されるんですか!?」
「うるせぇ妹子を抜いた三人だよ!!」
「なぜ僕も入るのですか。ただ芭蕉さんにいい思いをしてほしくないだけです。」
「動機としては十分だよ!!」

その時、周りからクスクスというという笑い声が聞こえた。
談笑部の存在は有名なので(むしろ俳句部を知らない人のほうが多い)
もうみんな現状を把握できたのかもしれない。

そんなことを考えているとどこからともなく機械音が聞こえ、その方向にヒュースケンが駆けて行った。

「やっぱり!何やってんですかハリスさん!!」
「彼らの登場にはインパクトがあった!教師として負けていられないのだよ!!」
「だからって巨泉ですか!?ていうかよく持って来れましたねそれ!」

また別の方向ではギシッ…と、木が揺れる音がした。
やはりそちらに、ワトソンが走っていく。

「ベルさん!こんなところで首吊り自殺しようとしないでください!」
「潜入してた生徒に気づかなかったなんて…死にたい…」

ああそういえば、彼らもまた人に振り回されるタイプだったか。
そうのんきに考えていると、先ほどマイクを渡したヒュースケンがこちらへ来た。

「えっと、僕らで先生止めるんで後はよろしくお願いします!
 これ、マイクとプログラムです!じゃぁ!!」

それも一瞬のことで、それだけ告げるとまたハリス先生のところへ行ってしまった。

「…え?」 「…まじで?」


      強引に司会交代! 
         (本音を言うとネタがなかっただけですすみません)

Re: 学園日和 ( No.12 )
日時: 2012/04/07 15:38
名前: あさぎ組 (ID: YTT42QuR)


第十一幕 ていうかフォーエバー!その前編 (もも風)

※視点がコロコロ変わります!


            〜天国組〜

鬼「…なんだ、この状況は…」

あの後、ヒュースケンに司会をまかされた二人によってキャンプファイヤーは予想以上に盛り上がったが……というか盛り上がりすぎじゃないのか?
何で皆、1、3年がここにいることにつっこまない?
何で皆、通常運転?

閻「まぁまぁ鬼男くん。細かいことは気にしなぁい」
鬼「どこが細かいんだよ…それより大王、後でちゃんと説明してもらいますからね」
閻「う…うわぁーい……」

ったく。この人はいつまでたってもかわらないな。

閻「あっ鬼男くん!そろそろファイアートーチやるみたいだよ!」

大王はプログラムを見ながらそう言った。
すると、素早く僕の手をとって

閻「行こ!鬼男くん!良い場所につれっててあげる!!」
鬼「は!?ちょっと…」

大王はニッと笑った。
僕は大王につれて行かれるまま広場を離れた。

鬼(………。)


            〜細道組〜

曽「………。」
芭「きれいだね曽良くん」
曽「そうですね…」
芭「……?」
曽「……」
芭「曽良くん?…何か怒ってる?」
曽「…何故、そう思うんです?」
芭「だって、そんな感じだから…」
曽「…そうですか……」

沈黙。

芭(うぅ…居づらい)

そのまま、だんまりが続いた。
「そうですか」って否定しないってことはやっぱ怒ってるんだよなぁ曽良くん。
でも…何で?

芭「…曽良くん」
曽「何ですか?」
芭「ごめんっ!!」
曽「はぁ?」
芭「曽良くんが何で怒ってるかなんて知らないけど…でも、私に対して妙に辛辣だし(いつもより)。やっぱり私、何か曽良くんに嫌なコトしたんじゃないかって…。ごめんっ!」
曽(…このバカジジィ)
芭「曽良くん…」

一つ息を呑んだ。そして、スゥーとはきながら心を落ち着かせて曽良くんに向き直った。

芭「何かあるなら言って欲しいな」

曽良くんが悩んでるなら力になりたい。そんな気持ちで微笑んでみた。

曽「なら、言いますけど…」
芭「うん!」
曽「どうして僕に言わなかったんですか?」
芭「え?」

何のことかさっぱり分からない。言う?何を??

曽「芭蕉さんが林間学校について行くってことです」
芭「え…だって毎年のことだし、曽良くんも知ってるかなって…」
曽「僕は直接聞いてません」
芭「う、うん。ごめん…。えっ?もしかして、そんなことで怒ってたの?」
曽「…別に。誰も怒ってるなんて言ってません」

嘘だぁ!絶対怒ってたくせに!!…なんて言える訳がない。

——でも——

芭((クスッ
曽「何笑ってるんですか芭蕉さん。気持ち悪い」
芭「な、なんだとぉ!?この鬼生徒!!」

——ありがとう 曽良くん——

曽良くんは入部してから、言いたいことはしっかり言うけど、中に秘めていることはまったく分からなかった。
あれからたった一ヶ月だけど、少しでも私を認めてくれたのかな。「どうして僕に言わなかったんですか」って…

芭(けっこう可愛いところもあるなぁ曽良くんも)
 「エヘヘ…そ〜らくん〜」 ←後ろから抱きつく 曽((イラッ
曽「この中年悪臭ジジィが!!」 ((ドゴッ
芭「あわびっ!!」
曽「何ウザイことしてんですか芭蕉さん。殴りますよ?」
芭「もうすでに殴られてますが!?というか私、今風邪ひいてるんだよ!?」
曽「それは良かったですね。そんなことより、さっき僕に何か言いました?特等席が何とか…」
芭「え?あぁ…」(やっぱ可愛いところなんて無いかも…)

その時、司会の太子くんの声が聞こえた。

太『さて、皆さん!遂にこの時がやってきました!!お次はファイヤートーチです!!』

芭「あれ?もう次トーチ?」
曽「そうみたいですね」
芭「っわ、じゃあ急がなきゃ!曽良くん、ついてきて」
曽「どこ行くんですか?」

私は笑顔を作って見せた。

芭「いいもの見せてあげるから!」


            〜飛鳥組〜

暗い夜。僕はパチパチと飛び散るキャンプファイヤーの火花を少し離れた所から見ていた。

太「おーい。何やってんだ妹子?」

二年生の輪から太子が小走りでやって来た。

妹「別に何もやってませんよ」
太「なら、こっち来い!楽しいぞキャンプファイヤー」
妹「いいですよ。僕はここで」
太「なんだよー。もっと皆の中に入って楽しめよ。せっかくここまで来たんだから」
妹(……。)

太子は何も分かってない。
僕達がしたことは絶対に許されることじゃない。それなのに何でこうも普通にしてられるんだ、この人は。

太「妹子?どうした?」
妹「…太子は心が痛まないんですか?」
太「?」
妹「僕達は本当はここに居ちゃいけないんですよ?なのに…」

びっくりした…思ったより大きい声が出たから。

妹「なのに、こんな…授業をサボってまで、二年生達の思い出に他学年の僕達が入り込んで…」

いつもそうだ。太子は周りのことを考えない。自分のことばっかりで、何も分かってない…。

太「なぁんだ。そんなことか」

!!?

妹「っな!?」
太「そんなんことでさっきからヒスってたのか。お前真面目だなー妹子」
妹「はっ!?な、何言ってんだ!正論でしょ!?」
太「お前の考えはいちいち正論すぎるんだよ」

はぁ!?何言ってんだ、このアホは!

妹「何ですか正論すぎるって」
太「う〜ん。正論すぎるというか…固すぎる、かな?この世に正しい人間なんて一人もいないんだぞ」
妹「意味が分かりません!僕は、よく二年生の行事を台無しにしといて、そうやって悠然としてられますねって言いたいんです!」
太「台無しになんかしてないぞ!見ろ!!二年だって皆楽しそうにしてるだろ?」

確かにだけど…。でも…

太「私は皆の楽しそうな姿を見るのが好きなんだ。だったら、私自身が一番楽しまなきゃいけないと思わないか?私達が二年の思い出に入り込んだっていいじゃない!皆楽しんでるんだから!!」

太子はケラケラ笑った。
その笑い顔を見てたら、胸の中にあったモヤモヤが消えていった。

妹(太子…)

そうか。太子はいつだって何も考えてないアホなカレー馬鹿の人なんだ。
他人のことなんて気にしない。それでも…周りを笑顔にさせる人なんだ。
妹「…分かりました」
太「ん?何がだ?」
妹「太子が大馬鹿だってことがです」
太「なんだとー!私は天才だぞ!!ウルトラ天才太子様だ!!」
妹「はいはい」

分かりましたよ太子。
だったら僕だって、仕方ないから観念して最後までつき合ってやりますよ。
あなたに負けないくらい、林間学校を楽しんでやります。

覚悟しておけ!コノヤロー。


                             つづく

Re: 学園日和 ( No.13 )
日時: 2012/04/06 21:08
名前: あさぎ組 (ID: YTT42QuR)

第十一幕 その続き (もも風)


ヒュ「太子くーん」

向こうからヒュースケンが走ってきた。

太「あっヒュースケン!ハリスさんの方は大丈夫か?」
ヒュ「はい…一応。それより太子くん!そろそろトーチが始まるので司会、お願いしますよ」
太「おお!もうそこまで進んだか!」

太子は妹子に「すぐ戻るから待ってろ!!」と言い残し、ヒュースケンと一緒に輪に戻っていった。するとすぐ太子の声が広場に響いた。

太『さて、皆さん!遂にこの時がやってきました!!お次はファイヤートーチです!!』

といい終え、ブツッとマイクの切れる音がした。そして、もの凄い勢いで太子が戻って来た。

太「時間が無い!行くぞ妹子!」

と妹子の腕を掴んだ。

妹「は!?どこへです?」

太子はいたずらにニッと笑った。

太「もっと楽しい所に!」





鬼「…ここは?」
閻「いーでしょ?去年、俺と太子と芭蕉さんが偶然見つけたんだ」

今、鬼男と閻魔が居る場所は、さっきまでいた広場をちょうど上から見下ろせる小高い丘だった。
見下ろせると言っても、辺りは真っ暗なのでキャンプファイヤーの炎しか見えないが。
すると…

太『さて、皆さん!遂にこの時がやってきました!!お次はファイヤートーチです!!』

という、太子の声が聞こえてきた。

鬼「トーチ…」
閻「うん!ここで見るトーチは最高にきれいなんだよ!!だから鬼男くんにも見てもらいたかった」
鬼(この人は…一年間ずっと見てきたけど、本当にかわってないな)

鬼男は初めて閻魔に会った時を思い出した。

鬼(あの時も強引に俳句部部室に引っ張られて、無理やり入らされたっけ…)

そんなことを考えながら、しばらくすると後ろから人の気配がした。

閻・鬼・芭・曽・太・妹「あっ……」

ばったり。
ちょうどピッタリなタイミングで太子、妹子の二人と芭蕉、曽良の二人が茂みから出て来た。

太「おー閻魔、鬼男!やっぱり来てたか!」
閻「当ったり前だよ!来るに決まってんじゃん」
芭「わぁ。今年は皆で見られるね!」

と、以前に来たことがあるメンバーが騒ぎ出した。

妹「あの?どこですかここ…」

妹子が質問。
すると三人は得意気な顔をした。

閻「ここはトーチを見る時の特等席!俺達しか知らない秘密の場所!」
曽「トーチですか?」
太「そう!見てろよ…もうすぐ始まるから!!」

太子が言い終えると同時に広場に小さい火がぽつぽつと点いてきた。
そして、流れる音楽にあわせて、火がゆらゆら揺れる。

妹「わぁ…」

妹子だけじゃない。誰もが声を失った。
真っ暗なので、広場に居る人は全然見えない。なので、トーチの灯りのみがぐるぐる回ったり、移動したり…。
特に激しい動きをする時は言葉では言い表せないくらいきれいだった。

鬼「きれいだ…」
閻「でしょ?これが一番見たかったんだ!」
鬼(………。)


            〜天国組〜(再び)

太「おいっ妹子!あれ見ろ、あれ!!」
妹「は?どれですか?」
芭「曽良くん見て見て!あんなにきれいに…」
曽「さっきから見てます」

しばらく見ている内に皆少しずつテンションが上がってきたようだ。

鬼(…)

鬼男はその様子を隣で見ていた。

閻「かわらない…」
鬼「え?」
閻「このままずっとかわらないといいね。こうやって皆でわいわい楽しくさ…。俺達、学年バラバラだから、このメンバーで居られるのはたった一年しかないし…行事があったこの日が最初で最後なんだって思うと、やっぱ淋しいよね……」
鬼(大王…)

鬼男はしばらく黙っていたが、やがて思い出したかの様に口を開いた。

鬼「無理やり二年の学年行事に割り込んどいて、何言ってんですか」 閻((汗
鬼「でも、そうですよね。このままずっとかわらなければいいのに…」

鬼男の声がさっきよりも小さくなった。何かを祈願するように。

閻「うん。永遠に続くものなんて無い…。だから“今”をしっかり大切にしなきゃいけないんだ…」

鬼男はその言葉を聞いて少し微笑んだ。
そして、はっきりとこう言った。

鬼「……はい。」

閻魔は鬼男が珍しく優しい笑みを浮かばせているので、驚き、そして歯を見せて笑って見せた。
すると、何かを思い出したかの様にふっと表情を変えた。

閻「だから、今回俺達がやったことも、このメンバーでいる“今”を大切にしろってことで…」
鬼「それとこれとはまた別ですよ大王」
閻「うぐっ…。何その笑顔…こわ……」

鬼男はさっきの様な優しい笑みではなく、先の展開を予知しているかの様な満面の笑みを浮かべていた。

鬼「覚悟くらいしておいた方がいいですよ。と、一応忠告はしておきますね」







ファイアートーチも終わり、太子達は丘を下って広場へ戻った。
そして、最後の締めくくりはもちろんあの二人。

太『皆ー!キャンプファイヤー楽しかったかー!?』
閻『この思い出を大切にして、一生忘れないようにしてね!!…それでは』


  『キャンプファイヤー終了!!』


そんなこんなで波乱の二日目は終了。



              明日は三日目。
              林間学校最終日。


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