二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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夢ズマ◇謎の天才少女◇ 脅威の侵略者編【06/27 >>6】
日時: 2016/01/14 02:03
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: KzKevu2R)

フットボールフロンティアで優勝に輝いた雷門中サッカー部。しかし、そこに空から黒い流星の様な物が降ってくる。雷門中に戻った彼らが見たものは、破壊された校舎と倒れたOB達だった。
自らを宇宙人と名乗る謎のチーム「エイリア学園」は、サッカーによる世界征服を宣言し、稲妻町のあらゆる学校を破壊する。
新監督“吉良瞳子”と副監督“雨城零”を迎えた雷門イレブンは、日本中から共に戦う仲間を集め、エイリア学園に立ち向かう———…



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おはこんにちばんは。
そして初めましてorご無沙汰です。

世梨果です。


この小説は以前わたしが作っていた小説の改訂版なんですが、昔の小説は文章が恥ずかしいので見ないで下さい。



【お知らせ】

・02/27>>149


【返信】 new↑ ↓old

 ・世詩瑠s>>54-55


【目次】 old↑ ↓new

オリキャラ設定>>1

第27話「宇宙人が来た!」         >>2-5   >>2 >>3 >>4 次回予告>>5
第28話「出撃!雷門イレブン!!」      >>6-8   >>6 >>7 次回予告>>8
第29話「倒せ!黒の11人!!」        >>9-12   >>9 >>10 >>11 次回予告>>12
第30話「脅威!エイリア学園!!」      >>13-17   >>13 >>14 >>15 >>16 次回予告>>17
第31話「伝説のストライカーを探せ!」   >>18-23   >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 次回予告>>23
第32話「雪原のプリンス!」        >>24-27   >>24 >>25 >>26 次回予告>>27
第33話「エースストライカーは誰だ!」   >>28-32   >>28 >>29 >>30 >>31 次回予告>>32
第34話「衝撃!エイリア学園!!」      >>33-35   >>33 >>34 次回予告>>35
第35話「イプシロン来襲!」        >>36-39   >>36 >>37 >>38 次回予告>>39
第36話「かくされた力!」         >>40-42   >>40 >>41 次回予告>>42
第37話「帝国の逆襲・前編!!」        >>43-46   >>43 >>44 >>45 次回予告>>46
第38話「帝国の逆襲・後編!!」        >>47-49   >>47 >>48 次回予告>>49
第39話「最後のワイバーンブリザード!」  >>50-53   >>50 >>51 >>52 次回予告>>53
第40話「一之瀬!最大の危機!!」      >>56-59   >>56 >>57 >>58 次回予告>>59
第41話「デザームの罠!」         >>60-63   >>60 >>61 >>62 次回予告>>63
第42話「激闘!最凶イプシロン!!」     >>64-66   >>64 >>65 次回予告>>66
第43話「じいちゃんの究極奥義!」     >>67-69   >>67 >>68 次回予告>>69
第44話「もうひとつのマジン・ザ・ハンド」 >>70-72   >>70 >>71 次回予告>>72
第45話「激震!最強のジェネシス!!」    >>73-76   >>73 >>74 >>75 次回予告>>76
第46話「キャプテンの試練!」       >>77-79   >>77 >>78 次回予告>>79
第47話「南海の大決闘!」         >>80-82   >>80 >>81 次回予告>>82
第48話「炎のストライカー!」       >>83-85   >>83 >>84 次回予告>>85
第49話「ノリノリ!リズムサッカー!!」   >>86-88   >>86 >>87 次回予告>>88
第50話「うなれ!正義の鉄拳!!」      >>89-91   >>89 >>90 次回予告>>91
第51話「逆襲! イプシロン改!!」      >>92-93   >>92 次回予告>>93
第52話「復活の爆炎!!」          >>94-96   >>94 >>95 次回予告>>96
第53話「凍てつく闇・ダイヤモンドダスト!」>>97-99   >>97 >>98 次回予告>>99
第54話「最強の助っ人アフロディ!」    >>100-103   >>100 >>101 >>102 次回予告>>103
第55話「円堂・新たなる挑戦!」      >>104-106   >>104 >>105 次回予告>>106
第56話「対決!円堂vs豪炎寺!!」      >>107-109   >>107 >>108 次回予告>>109
第57話「奇跡のチーム!ザ・カオス!!」   >>110-112   >>110 >>111 次回予告>>112
第58話「炸裂!ファイアブリザード!!」   >>113-115   >>113 >>114 次回予告>>115
第59話「ついに来た!エイリア学園!!」   >>116-119   >>116 >>117 >>118 次回予告>>119
第60話「エイリア学園の正体!」      >>120-124   >>120 >>121 >>122 >>123 次回予告>>124
第61話「最終決戦!ザ・ジェネシス・前編!!」>>125-128   >>125 >>126 >>127 次回予告>>128
第62話「最終決戦!ザ・ジェネシス・後編!!」>>129-131   >>129 >>130 次回予告>>131
第63話「終わりなき脅威!」        >>132-137   >>132 >>133 >>134 >>135 >>136 次回予告>>137
第64話「激突!雷門vs雷門!!」       >>138-142   >>138 >>139 >>140 >>141 >>142
第65話「友情の究極奥義!」        >>143-145   >>143 >>144 次回予告>>145

世界へ!>>147


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第62話「最終決戦!ザ・ジェネシス・後編!!」 ( No.129 )
日時: 2013/03/07 17:14
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

グラン・ウルビダ・ウィーズ「スーパーノヴァ!!」

立向居「ムゲン・ザ・ハンド!! ぅわああっ!!」


進化したムゲン・ザ・ハンドも簡単に破られた。


ピーーーッ!


表示される数字が『1−2』に変わった。


グラン「我等…ジェネシスこそが、最強ということだ。」


立向居「進化したムゲン・ザ・ハンドが簡単に破られてしまうなんて…」


[1対2と、雷門再びジェネシスにリードを許してしまったー!!]


零を除き、唖然とするベンチ。


響木「これが、訓練して強くなった人間の力だというのか…」

瞳子「っ!」


瞳子は吉良星二郎を見上げる。


『ジェネシスこそ新たなる人の形…世界を支配する真の力を持つ者達なのです。』


円堂「っ、俺達の大好きなサッカーを、悪いことに使うな!!」


.


(OP)


.


(抜かし)



円堂「弱いからじゃない!!」

『いいえ? 弱いのですよ。だから怪我をする、だからチームを去る。実力がないから脱落していったのです。』

円堂「違う!」

『彼等はあなた達にとって〝無用〟の存在。』
零「!」


〝無用〟という言葉に反応する零。


円堂「違う、違う、違うっ!」


円堂は首を振って吉良を否定する。


円堂「あいつ等は弱くない…絶対に違う…」


握り拳を作り、瞳の奥を熱く燃やした。


円堂「俺が証明してやる…!」

『…((ニヤ』


最後に吉良が不敵な笑みを浮かべ、モニターは消えた。


.


(抜かし)



ムゲン・ザ・ハンドも破られ、グランはゴールを確信する。
だがゴール寸前、豪炎寺と吹雪が駆けつけ、2人は足でボールを止めようとする。


豪・吹「ぅわっ…」


2人がボールの勢いに圧され、ボールが足との摩擦で回転した。
その瞬間、僅かに炎と氷の渦が現れる。


零「!」

豪・吹「!!」


それを零と2人は見逃さなかった。

ボールは弾かれ、ゴールポスト擦れ擦れでクリア出来た。


[雷門守ったァ!! FWの豪炎寺と吹雪までも体を張ったァ!!]


立向居「……;」

グラン「全員でカバーしなければならないキーパー…」


グラン達は雷門を嘲る。


グラン「キミ達の弱点であり、敗因となる…」


.


(抜かし)


.


円堂は相変わらず八つ当たりのようにグランに挑み、グランはそれをかわす。


円堂「ボールを寄越せーっ!!」


塔子「円堂…」

壁山「あんなキャプテン、初めてっす…」

秋「円堂くん…」

春・夏「……」

零「…」

瞳/響「……;/……」


円堂は自分のプレイで周囲の不安げな視線を浴びる。


ピッピーーーッ!!


[ここで前半終了!! ジェネシス1点リードで、ロスタイムに入ります!]


.


円堂は投げやりに芝生に座る。
肩で息をし、悪い疲れ方をしていた。


円堂「……っ!」


息を整え終わると、吉良星二郎を睨み付ける。
吉良は相変わらずのにこやかな表情だが、どこか冷ややかなところが窺えた。


零「…円堂さん。」

円堂「…」


歩み寄った零に目を向ける円堂。
零は円堂を見下げながら笑んでいる。


円堂「…風丸達は弱くない。俺が証明する…!
……しなきゃならないんだ、俺が…!!」

零「…僕は、人の為にそこまで熱くなる意味が分かりません。」

円堂「! 零…?」


円堂は零の告白に顔を上げる。


零「今回副監督になったのだって、あの人の意見を変える為じゃない…総一郎さんに頼まれたからです。1つ1つの依頼ごとに感情移入していたら疲れるだけだから、今回もそのつもりでした。…でも」


零は一旦言葉を切る。


零「あんた等は馬鹿みたいに真剣で、人のことでも自分のことみたいに考えて…本当、最初の方は本気で馬鹿にしてましたよ。」
「「「……」」」


零「吉良から見たあいつ等は弱かったかもしれない…」
円堂「………」


離脱した染岡、風丸、栗松を思い浮かべながら言う。


零「でもそれは誰が決めることでもありません。風丸さん達の努力を誰より間近で見ていた、円堂さん…いや、円堂さん達だと、僕は思います。」

円堂「…俺達…」


円堂は零の言葉を反復した。


零「あんたを信じたことを僕は否定しません。僕の考えが間違ってないってこと、この試合で…〝みんな〟で、証明してみせて下さい。」


零は『みんな』という言葉を強めに言った。円堂は目から鱗、とでも言うような表情をしている。


吹雪「そうだよ、キャプテン。」

円堂「…」


円堂に吹雪と豪炎寺が歩み寄る。


吹雪「僕を、間違った考えから解き放ってくれたのも、雷門のみんなだ!」


円堂は2人の視線を辿る。
その先には、雷門イレブン、マネージャー、響木、瞳子がいた。
みんなは真剣な眼差しで円堂を見ている。


円堂「…みんな……」


円堂は立ち上がり、拳を握り締め、自分の頬に平手打ちした。


「「「!!」」」

円堂「…っ、ごめん!!」


頭を下げる円堂。


豪炎寺「円堂、怒(いか)っているのはお前だけじゃない。」

鬼道「俺達全員、ここに来れなかった奴等の気持ちを引き継いでいるつもりだ。」

円堂「豪炎寺、鬼道…」

綱海「そいつ等が弱くねェってこと、証明しようぜ!」

塔子「やろう円堂! 一緒に!」


みんな頷く。


円堂「……みんな…!」


響木「(…1つになったな…)」


響木は胸裏で教え子達の成長を喜んだ。


零「…2人共。」

豪・吹「!」


自分達に歩み寄る零に気付き、振り返る2人。


零「…話は、分かりますよね。」

豪・吹「……」


3人は何かを話し合い、話し終えると、2人は黙って頷いた。


.


(抜かし)



グラン「……」

ウルビダ「…このままでは…」

吉良『グラン、リミッター解除です。』

グラン「っ、リミッター解除!?」


2人は機械越しの吉良星二郎の声に振り向く。
吉良星二郎のモニターが現れ、そこに駆け寄った。


グラン「父さん! そんなことをしたらみんなが… !」

吉良『怖気付いたのですかグラン。あなたにはがっかりです。』

グラン「……」

吉良『ウルビダ。お前が指揮を取りなさい。』


吉良は冷たい表情で告げた。


ウルビダ「はい、お父様。」


モニターは消えた。


グラン「父さん!」


ウルビダ「……」


ウルビダは厳しい表情で雷門を見据える。


瞳子「(嫌な、予感がする…)」


研崎「(いよいよか…)」


円堂があがる。
ウルビダは手を挙げ、呟いた。


ウルビダ「リミッター…解除!」


首元のボタンを押した。
続いて乗り気ではないグランや、他のメンバーも。


円堂「…?」


ジェネシスの一連の行動に疑問を抱く円堂。
円堂はそのままウルビダを抜いた。——が、


ウルビダ「……っ!!」

円堂「!!」


ウルビダはこれまでにないスピードで円堂からボールを奪った。


「「「!!」」」

円堂「っ…動きが、見えない…;」


.


(CM)


.


続き ( No.130 )
日時: 2013/03/07 17:17
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


凄いスピードでウルビダ・ウィーズ・グランがあがる。
塔子、綱海、壁山、木暮と、ディフェンス陣を抜いていった。


鬼道「人間の能力を越えている…! これがリミッター解除なのか!」

吉良『人間は、体を守るために限界を超える力を出さないよう、無意識に力をセーブする。…ではその全てを出し切れるとしたら?』


吉良は満足そうな顔で説明する。


響木「馬鹿な…そんなことをしたら彼らは…」

瞳子「筋肉は悲鳴をあげ、体が、ボロボロになってしまう…」

円堂「!!」


円堂は驚いて動きが止まる。


零「…あんた…」


零は笑みながらも、元々悪い目つきを更に悪くして吉良を鋭く睨み付ける。


零「今この試合のためだけに、こいつ等の人生擲っていいとでも思ってんのか? 幾らこいつ等があんたを慕ってるからって…あんたのオモチャじゃない。あんたさっき言ったろ? 人間なんだよ…!」

瞳子「父さん! 今すぐ早く止めさせて!」


瞳子も続く。


吉良『そうさせたのは瞳子、お前なんだよ。』



(抜かし)



[豪炎寺と吹雪の連携技炸裂ー!! 3−3、追いついたァ!!]


目金「名付けて…クロスファイア!!」

零「…」

響木「((コクッ」

瞳子「……」


零は軽く微笑み、響木は頷き、瞳子は吉良を見上げている。


吉良「こんな……こんな馬鹿なことが…;」

研崎「……」


研崎は焦る吉良を見ていた。



(抜かし)



瞳子「ヒロト。」

グラン「…姉さんが伝えたかったこと…これだったんだね、姉さん。」


瞳子は頷いた。


吉良「…ヒロト。」

瞳・零「!」


吉良が此方まで降りてきて、グランに歩み寄る。


吉良「ヒロト、お前達を苦しめてすまなかった…」

円堂「……」

グラン「父さん…」

吉良「瞳子、零。私はあのエイリア石に取り憑かれていた。…お前達の…いや、お前達のチームのお陰でようやく分かった…」


吉良は申し訳が無さそうに言う。


瞳子「…父さん…!」

零「…」


零は腕を組み、目を伏せて微笑む。


吉良「そう、ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ…」

ウルビダ「!!」


吉良の言葉にウルビダは大きく反応した。


ウルビダ「ふざけるな…!」


ウルビダは強く地面を踏むようにして立ち上がる。
そしてボールを蹴る体勢に。


ウルビダ「これほど愛し、尽くしてきた私達を…よりによってあなたが否定するなぁああ!!」


ウルビダは力一杯、吉良に向けてシュートを撃った。
吉良は受け入れるように真っ直ぐと立っている。


「「「!!」」」


——ドガァッ!!


円堂「!!;」


.


(ED)


.


次回予告 ( No.131 )
日時: 2012/12/27 22:35
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




長かったイナズマキャラバンの旅が、遂に終わる…

それは、瞳子監督や、ヒロトとの別れの時。

だが、エイリア石の恐怖は…まだ終わっていなかった!



次回イナズマイレブン、

「終わりなき脅威!」

これが超次元サッカーだ!!



キャプテン、今日の格言!

「仲間がいれば、心のパワーは百倍にも千倍にもなる!」

以上!!


第63話「終わりなき脅威!」 ( No.132 )
日時: 2013/03/07 17:09
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


ピッピッピーーーッ!!


[ここで試合終了ーーっ!! 4−3で、雷門の勝利!! 遂に…遂にエイリア学園を倒しました!!]


円堂「やったぁぁああ!!」
「「「やったぁぁああ!!」」」


ウルビダは涙を流す。


ウルビダ「勝ちたかった……お父様の…お父様の為に…!」


吉良「…ヒロト。」

瞳・零「!」


吉良が此方まで降りてきて、グランに歩み寄る。


吉良「お前達を苦しめてすまなかった…」

円堂「……」

グラン「父さん…」

吉良「瞳子、零。私はあのエイリア石に取り憑かれていた。…お前達の…いや、お前達のチームのお陰でようやく分かった…」


吉良は申し訳が無さそうに言う。


瞳子「…父さん…!」

零「…」


零は腕を組み、目を伏せて微笑む。


吉良「そう、ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ…」

ウルビダ「!!」


吉良の言葉にウルビダは大きく反応した。


ウルビダ「ふざけるな…!」


ウルビダは強く地面を踏むようにして立ち上がる。
そしてボールを蹴る体勢に。


ウルビダ「これほど愛し、尽くしてきた私達を…よりによってあなたが否定するなぁああ!!」


ウルビダは力一杯、吉良に向けてシュートを撃った。
吉良は受け入れるように真っ直ぐと立っている。


「「「!!」」」


ここではない場所でモニターを見ていた総理や理事長も驚く。


瞳子「お父さん!!」


——ドガァッ!!


「「「!!;」」」


グランが、吉良の前で腹でボールを受け止めていた。
雷門イレブンもジェネシスも驚きを隠せない。


ウルビダ「グラン…お前…」

グラン「……っ、…;」


グランは倒れた。


.


(OP)


.


「「「………」」」


みんなはグランの行動に騒然とする。


円堂「ヒロト!」


円堂が駆け寄る。


ウルビダ「……」
円堂「ヒロト、ヒロト! 大丈夫か…?」


ウルビダも、加害者とはいえ驚いていた。


円堂「ヒロト!」

グラン「円堂くん…っ、;」


円堂はヒロトの体を支え、零は肩に手を遣る。


ウルビダ「何故だグラン…」

円・グラン「…!」

ウルビダ「何故止めたんだァ!! そいつは私達の存在を否定したんだぞ!?」


吉良を指差すウルビダ。


ウルビダ「そいつを信じて、戦ってきた私達の存在を…! 私達は全てを懸けて戦ってきた……ただ、強くなる為に…! …それを今更〝間違っていた〟!? そんなことが許されるのか、グラン!!」


ウルビダは怒りを露わにしてグランに問い掛ける。


吉良「……(グラン「確かに、」!」

グラン「確かに、ウルビダの言う通りかもしれない…お前の気持ちも分かる…」


グランはよろけながらも立ち上がる。


グラン「でも、それでもこの人は…俺の大事な父さんなんだ!!」

吉良「!」

ウルビダ「!」

瞳・零「…」

グラン「勿論、本当の父さんじゃないことは分かってる。」


吉良に振り向くグラン。


グラン「〝ヒロト〟って名前が、ずっと前に死んだ、父さんの本当の息子だってことも…」
円堂「…」

鬼道「〝本当の息子〟…?」

瞳子「ええ…」


瞳子は悲しそうに肯定する。


グラン「っ!;」

円堂「ヒロト…」

グラン「っそれでも、構わなかった…」


ふらつくグランを支える円堂。


グラン「父さんが…俺に〝本当のヒロトの姿〟を、重ね合わせるだけでも…;」


.


『お日さま園』という施設。
施設の庭からは笑い声が聞こえる。

幼い姿のグラン——基、基山ヒロトは、ブランコに1人座っていた。


基山「……! 父さん!」


ヒロトは、プレゼントをたくさん抱えた吉良の姿を見ると、表情を明るく変えた。
他の子供達も吉良に駆け寄る。


.


グラン「父さんが施設に来る日が、楽しみでしょうがなかった…。父さんの喜ぶ顔を見ているだけで…嬉しかった…」


.


玲名「ねぇ父さん! 私学校でさァ、先生に褒められたんだよ!」


幼いウルビダ——八神玲名は、吉良に嬉しそうに話す。吉良も相槌を打ちながら、嬉しそうに聞いている。
不意に、吉良はヒロトを見た。ヒロトは照れたように笑っていた。


.


グラン「たとえ存在を否定されようと…父さんがもう、俺達のことを必要としなくなったとしても……」

ウルビダ「…」
グラン「それでも、父さんは…」

ジェネシス「……」
グラン「俺にはたった1人の父さんなんだ…!」

瞳子「……」

吉良「ヒロト…お前はそこまで私を…」


吉良は決心したように背筋を伸ばした。


続き ( No.133 )
日時: 2013/03/10 15:35
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

吉良「私は間違っていた…私にはもう、お前に父さんと呼んで貰える資格などない…」


ボールを拾い、下投げでウルビダに渡した。


ウルビダ「……」

吉良「さぁ撃て。私に向かって撃てウルビダ。」


吉良は両手を広げ、ボールを受ける体勢に。


グラン「父さん!」

吉良「こんなことで、許して貰おうなどとは思っていない。」

ウルビダ「…」

吉良「だが少しでもお前の気が治まるのなら…」

ウルビダ「っ、」

吉良「さぁ、撃て。」

グラン「……」

瞳子「…」

零「…」


ウルビダと吉良はお互い見合う。
吉良は何も言わず、ウルビダは焦ったような表情になり、足を振り翳す。


ウルビダ「ぅぉおおおおおおっ…!!」

円堂「ウルビダ!!」

吉良「……」

ウルビダ「………っ…」


ウルビダは涙目になり、足から崩れ落ちる。


ウルビダ「撃てない……撃てるわけ、ない…! だって…だってあなたは…私にとっても、大切な父さんなんだ…!!」

吉良「……ウルビダ…」


そのまま泣き崩れ、嗚咽を洩らす。
吉良はゆっくりと腕を降ろし、ジェネシス達も涙を浮かべる。


吉良「私は人として恥ずかしい…こんなにも私を思ってくれる子供達を…単なる復讐の道具に…」


吉良は膝を折り、グラウンドにしゃがみ込んだ。


円・零・グラン「……」

瞳子「……」


吉良に、鬼瓦が歩み寄った。


鬼瓦「話して貰えませんか、吉良さん。何故、ジェネシス計画などというものを企てたのか…どこで道を誤ってしまったのか…」


キーブとクィールがウルビダに手を貸して起こしてやる。


鬼瓦「巻き込んでしまったあの子達の為にも…」

吉良「…あなたも知っている通りに、私にはヒロトという息子がいた…」


吉良はぽつりぽつりと話し始めた。


吉良「とてもサッカーの好きな子で、夢はプロの選手になることだった…、…」

零「…でも兄は、サッカー留学に出た海外で、謎の死を遂げました。」


言葉を詰まらせた吉良の代わりに、笑顔の零が話を進める。


.


(ここでの〝ヒロト〟表記は吉良ヒロトになります。ちなみに基山ヒロトは〝基山〟)


ヒロト「はい、お守り。」

零「……」


リュックを背負い、スーツケースを傍らに、家を出ようとしている吉良ヒロト。
吉良ヒロトは、幼い零に黒地に白の模様のサッカーボールのストラップを渡した。


ヒロト「離れちゃうけど、僕は零のことずっと思ってるから…。…ほら、お揃い。」


吉良ヒロトは微笑み、普通の白地に黒模様のサッカーボールのキーホルダーが付いたリュックを見せた。


ヒロト「父さんと瞳子が寂しがらないように、守ってあげてね。」

零「……」

ヒロト「約束だよ。」

零「…!」


そう言って2人は小指を結び、約束した。


.



零「最初で最後のプレゼントは、形見になっちゃいましたがね。」


零は自嘲的な笑みで、いつも持っていた携帯の、黒地に白い五角形のサッカーボールのストラップを、カチャリと音を立てて見遣った。


零「父さんは真相の解明を求めて、何度も警察に掛け合いました。…でも、事件に政府要人が関わっていたらしく、結局、兄は事故死として処理されました。…鬼瓦さんも、ここまでは知ってますよね。」

鬼瓦「ああ、10年も前の担当だがな。」


鬼瓦に確認を入れる零。


吉良「あの時の悔しさは、今でもはっきり覚えている。」

瞳子「……」

吉良「息子に何もしてやれなかった悔しさ…そして、あの喪失感…」


瞳子は吉良に歩み寄る。


吉良「息子を失い、心に大きな穴が開いた私は、生きる気力さえ失っていた…」

瞳子「……」

吉良「そんな時だった…瞳子が私に、親を亡くした子供達の施設——『お日さま園』を進めてくれたのは…」


吉良は過去を思い出しながら話す。


吉良「初めは、娘の頼みと思い作ったお日さま園…子供達の笑顔に、私の心の傷も、癒えていったのだ…」

ジェネシス「……」

吉良「本当にお前達には感謝している…」

グラン「…」
吉良「お前達だけが、私の生き甲斐だった…」

円・グラン「……」


ジェネシス、グランは俯いて悲しそうにする。


吉良「…そして、5年前…隕石の落下。それがエイリア石。エイリア石の分析を始めた私達は、すぐにその恐るべきエナジーに気が付いた。…そして、私はエイリア石の魅力に取り憑かれていった…その素晴らしい力に…
しかし同時に、それまで心の奥底に押し殺していた復讐心が、再び込み上げてきたんだ…」


.


瞳子「復讐!? 復讐ってどういうこと!?」

吉良「エイリア石だ…エイリア石さえあれば、私から息子を奪った連中に復讐できる…。…いや、それだけではない…私の思うまま支配出来る…!」

瞳子「……お父さん…」


零「……」


幼い零は心配そうにではなく、ただ2人の会話を影で聞いていた。


.



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