二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

夢ズマ◇謎の天才少女◇ 脅威の侵略者編【06/27 >>6】
日時: 2016/01/14 02:03
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: KzKevu2R)

フットボールフロンティアで優勝に輝いた雷門中サッカー部。しかし、そこに空から黒い流星の様な物が降ってくる。雷門中に戻った彼らが見たものは、破壊された校舎と倒れたOB達だった。
自らを宇宙人と名乗る謎のチーム「エイリア学園」は、サッカーによる世界征服を宣言し、稲妻町のあらゆる学校を破壊する。
新監督“吉良瞳子”と副監督“雨城零”を迎えた雷門イレブンは、日本中から共に戦う仲間を集め、エイリア学園に立ち向かう———…



.


.


.


.


.


.


.


.


.


.


.



おはこんにちばんは。
そして初めましてorご無沙汰です。

世梨果です。


この小説は以前わたしが作っていた小説の改訂版なんですが、昔の小説は文章が恥ずかしいので見ないで下さい。



【お知らせ】

・02/27>>149


【返信】 new↑ ↓old

 ・世詩瑠s>>54-55


【目次】 old↑ ↓new

オリキャラ設定>>1

第27話「宇宙人が来た!」         >>2-5   >>2 >>3 >>4 次回予告>>5
第28話「出撃!雷門イレブン!!」      >>6-8   >>6 >>7 次回予告>>8
第29話「倒せ!黒の11人!!」        >>9-12   >>9 >>10 >>11 次回予告>>12
第30話「脅威!エイリア学園!!」      >>13-17   >>13 >>14 >>15 >>16 次回予告>>17
第31話「伝説のストライカーを探せ!」   >>18-23   >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 次回予告>>23
第32話「雪原のプリンス!」        >>24-27   >>24 >>25 >>26 次回予告>>27
第33話「エースストライカーは誰だ!」   >>28-32   >>28 >>29 >>30 >>31 次回予告>>32
第34話「衝撃!エイリア学園!!」      >>33-35   >>33 >>34 次回予告>>35
第35話「イプシロン来襲!」        >>36-39   >>36 >>37 >>38 次回予告>>39
第36話「かくされた力!」         >>40-42   >>40 >>41 次回予告>>42
第37話「帝国の逆襲・前編!!」        >>43-46   >>43 >>44 >>45 次回予告>>46
第38話「帝国の逆襲・後編!!」        >>47-49   >>47 >>48 次回予告>>49
第39話「最後のワイバーンブリザード!」  >>50-53   >>50 >>51 >>52 次回予告>>53
第40話「一之瀬!最大の危機!!」      >>56-59   >>56 >>57 >>58 次回予告>>59
第41話「デザームの罠!」         >>60-63   >>60 >>61 >>62 次回予告>>63
第42話「激闘!最凶イプシロン!!」     >>64-66   >>64 >>65 次回予告>>66
第43話「じいちゃんの究極奥義!」     >>67-69   >>67 >>68 次回予告>>69
第44話「もうひとつのマジン・ザ・ハンド」 >>70-72   >>70 >>71 次回予告>>72
第45話「激震!最強のジェネシス!!」    >>73-76   >>73 >>74 >>75 次回予告>>76
第46話「キャプテンの試練!」       >>77-79   >>77 >>78 次回予告>>79
第47話「南海の大決闘!」         >>80-82   >>80 >>81 次回予告>>82
第48話「炎のストライカー!」       >>83-85   >>83 >>84 次回予告>>85
第49話「ノリノリ!リズムサッカー!!」   >>86-88   >>86 >>87 次回予告>>88
第50話「うなれ!正義の鉄拳!!」      >>89-91   >>89 >>90 次回予告>>91
第51話「逆襲! イプシロン改!!」      >>92-93   >>92 次回予告>>93
第52話「復活の爆炎!!」          >>94-96   >>94 >>95 次回予告>>96
第53話「凍てつく闇・ダイヤモンドダスト!」>>97-99   >>97 >>98 次回予告>>99
第54話「最強の助っ人アフロディ!」    >>100-103   >>100 >>101 >>102 次回予告>>103
第55話「円堂・新たなる挑戦!」      >>104-106   >>104 >>105 次回予告>>106
第56話「対決!円堂vs豪炎寺!!」      >>107-109   >>107 >>108 次回予告>>109
第57話「奇跡のチーム!ザ・カオス!!」   >>110-112   >>110 >>111 次回予告>>112
第58話「炸裂!ファイアブリザード!!」   >>113-115   >>113 >>114 次回予告>>115
第59話「ついに来た!エイリア学園!!」   >>116-119   >>116 >>117 >>118 次回予告>>119
第60話「エイリア学園の正体!」      >>120-124   >>120 >>121 >>122 >>123 次回予告>>124
第61話「最終決戦!ザ・ジェネシス・前編!!」>>125-128   >>125 >>126 >>127 次回予告>>128
第62話「最終決戦!ザ・ジェネシス・後編!!」>>129-131   >>129 >>130 次回予告>>131
第63話「終わりなき脅威!」        >>132-137   >>132 >>133 >>134 >>135 >>136 次回予告>>137
第64話「激突!雷門vs雷門!!」       >>138-142   >>138 >>139 >>140 >>141 >>142
第65話「友情の究極奥義!」        >>143-145   >>143 >>144 次回予告>>145

世界へ!>>147


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31



続き ( No.114 )
日時: 2013/02/26 20:07
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


(抜かし)



源田「ムゲン・ザ・ハンドが破られた…!」


春奈「そんなことって…」

零「……」


ヒート「バーン様とガゼル様が…」

リオーネ「一緒に…シュートを撃った…」


驚きを隠せない一同。
零は予想出来ていたのか面に出していないだけなのか、笑顔に目を少し細めただけだった。


(抜かし)


.


リカ「あのアホ! 何考えてんの!?」

吹雪「……;」
リカ「あんなことしてたらホンマにくたばってまうで!?」
零「……」


吹雪はアフロディの行為に驚き、零は笑みをやめて右手をゆっくりと左手首へ持っていった。


アフロディ「ぐっ…」


アフロディは技に弾かれ倒れる。


鬼道「アフロディ!」


リカ「アカン、やっぱり見てられへん…」


リカは立ち上がる。


リカ「監督、ウチと交代や! ウチが代わりに出る!」

瞳子「それは許可出来ません。」

リカ「ぇ…?」

瞳子「あなたの力では、あのディフェンスは破れません。」


瞳子は冷たく言い放つ。
リカは瞳子の前に回りこんだ。


リカ「そうかもしれへんけど、このままやったらアフロディが!」


何も言わない瞳子。
リカは今度は零を見た。


リカ「アンタからも何とか言いや! ウチを出して!」

零「…お生憎様、僕とアンタの意見だけじゃ指示は通りませんよ。…それに」


零は掴んでいた左手首をぎゅっと握る。


零「誰が言っても、あの人は聞かないんじゃないですか?」

リカ「っでも、ウチはじっとしてられへんねん! お願いや! ウチを使こうて! ウチかて雷門の一員なんや! 戦わして!」


リカを無視し続ける瞳子と零。

アフロディは既にボロボロであるにも拘らずまだディフェンスの突破に挑戦している。



(抜かし)



???「みんな楽しそうだね。」

円堂「っ!」


上から声がし、円堂は空を見上げる。
スタジアムの天井の端には、エイリア学園のユニホームを着たグランがいた。


瞳/零「!/…」
円堂「ヒロト!」
グラン「やぁ、円堂くん。」


驚く瞳子と眼を細める零。
グランは軽く微笑みその場からボールの位置まで飛び降りた。
ボールは円堂のすぐ目の前にあったため、雷門イレブンは少し後ずさる。



(抜かし)



アフロディは限界だったのかその場に倒れた。


円堂「アフロディ!」


マネージャー達は立ち上がる。
零は何も言わずに真っ先に駆け寄った。リカも「言わんこっちゃない!」と言って。続いてマネージャーや瞳子。


円堂「アフロディ…」


円堂はアフロディの肩を抱える。


円堂「アフロディ!」

吹雪「……」


吹雪はベンチからその様子を見ていた。


.


稲妻総合病院屋上——


アフロディは円堂に肩を借り、ベンチに座った。


円堂「ホントに、寝てなくて大丈夫なのか?」

アフロディ「勿論さ。これぐらいの傷…副監督も、応急手当をしてくれたしね。」

円堂「……すまなかったな、アフロディ…」

アフロディ「ぇ…」


アフロディは円堂を見上げる。


円堂「俺達に力がないばっかりに…お前を、こんな目に遭わせちまって…」

アフロディ「…別に、円堂くん達のせいじゃない。……あれぐらいのディフェンスを破れないなんて、僕もまだまだだね…」

円堂「アフロディ…」


笑みを崩さないまま俯くアフロディに、円堂は申し訳なさそうな表情になる。
そこに誰かが歩み寄ってきた。


円・アフロディ「!」

円堂「吹雪…」

吹雪「……」


吹雪は何も言わずアフロディを見る。
アフロディも何も言わない。


吹雪「…………凄いね、キミ。」


吹雪は口角を上げ、それだけ言うとその場を去った。


アフロディ「分かってくれたんだ…」

円堂「ああ…ありがとう、アフロディ。」


アフロディは名の通り、女神の如く優しい微笑みを浮かべた。


.


一方、雷門中——


木に寄りかかっている瞳子と、その傍で携帯を弄っている零。零は無表情だった。


リカ「〜っ離せ! 離せっちゅうとんのが分からへんのか!」

秋・春「…;」


必死に前に進もうとするリカを止めている秋と春奈。


リカ「あの監督共、今日と言う今日はもう許さへん!」

秋「だからって、そんな喧嘩腰で突っ掛かっていかなくても…」

春奈「夏未さんも見てないで、手伝って下さいよ…;」

夏未「…はぁ;」


夏未は溜息を吐く。


春奈「あれっ?」

夏未「?」


春奈が夏未の溜息に被せて疑問の声を洩らした。


秋「どうしたの?」

春奈「…どうしてでしょう…」

リカ「何や!」

春奈「……」


春奈は眉を下げて困ったような表情になり、考える。


春奈「零くん…何か、違和感を感じるんですよねぇ…」

秋・リカ・夏「……」

瞳子「…誰。」

マネージャー・リカ「!」


春奈の疑問は一旦置き、4人は急いで木陰に隠れる。
瞳子達のに誰かが歩み寄ってきた。


グラン「……」

瞳子「…ヒロト。」


秋「ぇ、今“ヒロト”って…」

リカ「何やて!?」


秋達は小声で話す。


グラン「今日は見苦しいとこ見せちゃったね。でも安心して、ジェネシスに選ばれたのは、俺だから。」

瞳子「一体どういうことなの。」

グラン「それは零に聞いてよ。」


春奈「今、零くんのこと呼びましたよね?」

秋「どうして、名前を知っているのかしら…」


零「何が“選ばれた”だ。初めから出来レースだったんだろ? アイツ等に無駄な希望見せずに、最初から隠さなきゃ良かったんじゃねェか。」

グラン「クス…酷い言い様だね。」


笑ったままつらつらと述べる零。グランは目を伏せて微笑む。だがすぐに目を開き、零を見て言った。


グラン「俺達、仮にも“姉弟”なのにさ。」


夏未「き、姉弟…?」


瞳子「………;」

零「……」


.


(ED)


.


次回予告 ( No.115 )
日時: 2012/12/03 21:36
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



ヒロトが監督達に告げた衝撃の言葉によって、チームに不協和音が鳴り響く。

監督、零…何を隠しているんだ…

今までの戦いは、何のためだったんだ!



次回イナズマイレブン、

「ついに来た!エイリア学園!!」

これが超次元サッカーだ!!



キャプテン、今日の格言!

「俺達の必殺技はかけ算だ!」

以上!!


第59話「ついに来た!エイリア学園!!」 ( No.116 )
日時: 2013/02/26 20:21
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



秋と春奈は正門前で円堂を待っていた。


春奈「…!」


春奈は円堂と吹雪が歩いてきたのに気付き、寄り掛かっていた身体を戻す。


秋「円堂くん…」

春奈「キャプテン…!」

円堂「っ…どうした?」


秋と春奈の不安げな表情に、ただごとではないことを察した円堂。


秋「ジェネシスのグランが来たのよ…」

円堂「何!? っ…」


円堂と吹雪はすぐに校内へ向かう。


秋「っ、瞳子監督や零くんを、姉弟だって言ってたの…!」


2人は秋の言葉に足を止める。


円堂「っ…姉弟だって!?」


.


(OP)


.


雷門中校内——


円堂と吹雪を除いた雷門イレブンは、瞳子と零に詰め寄っていた。
零は木に寄りかかって笑んだままみんなの話を聞いている。


夏未「グランはどうして2人を“姉弟”と言っていたんですか…。答えて下さい。」

瞳子「……」

夏未「…監督!」

零「…(円堂「監督! 零!」


瞳子も零も何も言わずに沈黙する。
それは円堂が破った。


リカ「おお円堂!」


リカはやって来た円堂達に歩み寄る。


リカ「コイツ等、スパイやスパイ!」

円堂「!」

リカ「そうに決まっとる!」

円堂「…スパイ…?」

土門「…ってことは、」


土門が口を開く。


土門「監督と零は、姉妹だったってことなのか?」

壁山「でも、苗字が違うっすよ?」

土門「苗字くらい、偽ることは出来る。」

壁山「た、確かに…」」


2人の話を零はさして興味なさげに聞いている。


綱海「なぁなぁ、敵と姉弟ってことはさ…」

木暮「2人は宇宙人!?」

目金「説明責任があると思いますね。」

瞳子「……」


瞳子の髪が少し耳から落ちる。


土門「どっちにしても、話して貰おうじゃないか! なぁ!」

瞳子「………(円堂「待て、みんな。」!」

円堂「……俺が話す。」


円堂はみんなの中から前に出て瞳子達に向かい合う。


円堂「…本当に、アイツと姉弟なんですか?」


瞳子は髪を整えて言った。


瞳子「確かに私は、あなた達に隠していることがある。でももう少し待って欲しいの。」


少し伏せていた顔を上げる。


瞳子「…エイリア学園は、ただの宇宙人ではないわ。」

「「「…!」」」


瞳子の言葉にざわつく雷門。


瞳子「……みんなに、私と一緒に富士山麓に行って欲しいの。………そこで全て話すわ。」

「………」「富士山麓…?」


雷門イレブンはぼそぼそと疑問を洩らす。


鬼道「“全て”というのは、…零もですか?」


みんな零を見る。
零はいつも通り、蔑むような笑顔で雷門イレブンを見た。


リカ「そもそも、1番怪しいのはアイツとちゃうん!?」

土門「確かに…情報が全く出なかったのは、地球に存在しないから…」


納得したように呟く土門に、「くっだんね。」と鼻で笑う零。


土門「何!?」

瞳子「…明日の朝8時。それまでに準備を整えておいて。」


瞳子は土門の台詞を遮り、半ば強引に話を終わらせてその場を去った。
零は自分の横を瞳子が通り過ぎるとそれに続いた。


リカ「…そんなん、信用出来ひん…」

一之瀬「結局監督達は、俺達の質問に何にも答えなかった…」

リカ「ダーリン…」


リカはいつもと違って厳しい剣幕の一之瀬を不安そうに見る。


一之瀬「俺だって、今度の戦いにはいっぱい疑問があった。…それでも付いて来たのは、エイリア学園の攻撃で傷付いた、みんなの思いに応えたかったからだ。」

「「「……」」」

一之瀬「今日のカオス戦だって、アフロディが倒れている…!」

吹雪「!」

秋「一之瀬くん…」

一之瀬「だけど監督には、みんなの思いなんか何にも届いてない…。…俺はこんな気持ちじゃ、富士山になんか行けない!」


一之瀬は強く断言した。


土門「俺も一之瀬と同じだぜ。」


土門は挙手する。


土門「もう我慢の限界だ。…鬼道はどうよ。」


鬼道に話を振る。


鬼道「どっちに転ぶにしても、判断材料が少な過ぎる。」

土門「…らしい答えだよ。(円堂「悩むことなんかない。」!」


続き ( No.117 )
日時: 2013/03/13 19:32
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

鬼道の回答に呆れる土門。
やり取りを聞いていた円堂が口を挟んだ。


円堂「エイリア学園の全てが分かるんだぜ、行くしかないだろ。」

「「「……」」」

円堂「監督達が勝つことに拘って、俺達を引っ張ってきたのは、きっと訳があると思ってた。その答えは、富士山にあるんだよ! 行こうぜ、みんな!」


円堂は熱くなっているが、誰もその意見を助長しようとはしない。


鬼道「待て円堂。俺は、一之瀬が戸惑うのも分かる。一緒に行くかどうかは、それぞれに決めて貰おう。」

円堂「だけど…!」

鬼道「…みんなには考える時間が必要だ。」

円堂「! …そうか。」


円堂は鬼道の言葉に冷静さを取り戻し、納得した。


円堂「そうだな、今夜一晩あるもんな。」

一之瀬「どんなに時間を貰っても、答えは同じだよ。」

円堂「一之瀬…」

一之瀬「俺は降りる。」

リカ「ダーリン…」


普段よりも低い声で小さく言う一之瀬。
リカもさすがに空気を読んで大人しい。


綱海「何で2人共話さないんだ? 隠してたって、いいことなんかないだろ。」

木暮「結局、信じた俺達が馬鹿だったってことでしょ…」


木暮は哀しそうに俯く。


夏未「本当にそうかしら。」

木暮「!」

夏未「今までのことを思い出して。監督の采配は、いつも私達の勝利を第一に考えた的確なもの…零くんは、口は悪くても尤もなアドバイスや行動…染岡くんや佐久間くんが怪我をしたときも、誰より先に対処していたわ。本当に信用する価値はないのかしら。」

土門「そりゃあ、そうだけど…」


夏未の説得力のある発言にたじろぐ土門。


夏未「豪炎寺くんのときも憎まれ役になってでも、豪炎寺くんにチームを離れるように言ったのは、彼と彼の妹さんを助けるだめだったでしょう?」

豪炎寺「そうだな。…俺は監督を信じる。」

吹雪「僕も行くよ。」


鬼道と豪炎寺は吹雪を見る。
吹雪は俯き、マフラーを握り締めていた。


吹雪「…行くしかないんだ。…こんなところで、立ち止まりたくない。」
豪炎寺「……」


豪炎寺は目を細めた。


塔子「アタシも行く! 零はただの知り合いとしか思ってないかもしれないけど、アタシちゃんと零のこと知って、認めて欲しい!」

壁山「俺は、俺は…;」


はっきりと言う塔子に対し、おどおどと指を弄りながら曖昧に答える壁山。


土門「…やっぱ俺は、納得いかない…!」


雷門の中で微妙な空気が流れ、沈黙を作る。
そんな中鬼道が動いた。


鬼道「みんな頭を冷やそう。…俺も考える。」


そう言い残して鬼道は帰っていった。
それに続きみんなも自然と足が進み、残ったのは秋・夏未と、円堂だけになった。


秋「みんな、大丈夫かな…」

夏未「いいの? これで…」


秋と夏未は円堂を見て意見を求める。
円堂は少し考えてから言った。


円堂「俺、みんなを信じてるから。」


.


(抜かし)


.


地下室——


理事長・夏未・鬼瓦は、モニターで総理と話していた。


財前『富士山麓?』


総理は驚いたように言葉を反復する。


夏未「はい。瞳子監督は、そこに答えがあると…」

財前『やはりそうか…』

雷門「と、言いますと…」


財前「私が連れて行かれたのが、富士山らしいんだ。」


総理は拉致されたときを思い出す。


雷門「では、早速調査を…」

鬼瓦「その役目、引き受けましょう。」


鬼瓦が軽く挙手する。


財前『心強い。ではキミに頼むよ。』

鬼瓦「はい。響木とも連絡を取り合って、調べを進めていきます。」

財前『うむ、慎重にな。』

夏未「…あの。総理とお父様に、質問があります。」

雷門「何だね?」


控えめに声を掛ける夏未。
理事長は夏未を見る。


夏未「お父様達は瞳子監督や零君と、どうやって知り合ったのですか?」

雷門「…瞳子君は、響木監督が連れてきたんだ。雷門を託せる人物だと言ってね。」

夏未「じゃあ、零君は…」

鬼瓦「俺が、理事長に紹介した。」


鬼瓦が答える。


夏未「!」

鬼瓦「金さえ払えば何でも引き受ける奴だ、ってな。」

夏未「………」


夏未は何か考えるような表情をしていた。


.


(円堂・立向居・綱海/木暮の特訓)


.


零「………」


どこかの家の中。零は窓に手を当て、今にも雨が降り出しそうな空を笑顔で見ている。
窓にこつんと額を乗せた。そして目を伏せて眉を顰め、呆れたような笑みになる。


零「……お兄ちゃん。」


.


(抜かし・CM)


.


続き ( No.118 )
日時: 2013/02/26 20:25
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


(吹雪の葛藤・円堂の朝)


.


円堂は忘れようとしているかのように一心不乱にグラウンドを走る。
キャラバン前に差し掛かったところで息を整えるために一旦止まった。


円堂「はぁ、はぁ、はぁ…。……あれ。」


膝に手を突いていたため気付かなかったが、キャラバン付近には一之瀬・土門・リカを除いた雷門イレブンが揃っていた。


円堂「みんな…!」


円堂は駆け寄る。


鬼道「一之瀬達が、まだなんだ。」

円堂「…そうか。」

???「あーっ、いてるいてるーっ!」

「「「!」」」


みんな声のする方に視線を注ぐ。
キャラバンの影からリカが顔を覘かせた。


リカ「っ、ほらダーリン!」

一之瀬「……//」

土門「…よォ//」


リカは照れ臭そうにした一之瀬を引っ張り出す。
続いて土門も。


円堂「一之瀬、土門、リカ…! …おはよう!」

土・一/リカ「おはよう。/おはよう!」

土門「…まぁ、何っつーか、考えたんだ。」


土門は頭を掻きながら話し始める。


土門「…目を反らしちゃいけないってな!」

円堂「土門…!」

夏未「エイリア学園との戦いの意味を知りたい…その気持ちはみんな同じよ。」

一之瀬「…そういうことだ。俺達も一緒に行くよ。」

円堂「そうか…そう来なくっちゃな!」

リカ「ウチも忘れんといてや! ダーリンあるところにウチありや!」


リカがそう締めると、みんなから笑みが零れた。

そこに瞳子と、相変わらず笑顔の零が歩み寄る。


瞳子「……」

円堂「監督!」

瞳子「…みんな、いいのね?」

「「「はい!」」」


みんな一斉に返事をし、キャラバンに乗る。
キャラバンが出発した。


.


山道を進むキャラバン。
中では菓子を食べたり外の景色を見たり、戦いに備えて睡眠を摂ったり、ただ黙って俯いたり、落ち着くために各々がそれぞれのことをしていた。
瞳子は進む先を見、零はパソコンを起動させている。

一方円堂は、裏ノートと睨めっこ。
立向居は円堂の様子に気付く。


立向居「…円堂さん、それは?」

円堂「究極奥義、ジ・アース。じいちゃんの考え出した必殺技で、11人全員のパワーを集めた、必殺シュートなんだ。」

立向居「11人全員ですかァ…凄い…!」

円堂「チームみんなの心が1つになったときに、初めて出来る技だって書いてあるんだ。」

立向居「まさに究極奥義ですね!」


立向居は円堂を尊敬の眼差しで見る。


円堂「昨日からずーっと考えてたんだ。…このメンバーでやってみたい。みんなの気持ちが1つになれば、」
瞳子「!」
円堂「大きな力が生まれる。」
零「…」


瞳子は目を開いて驚き、零は何の表情の変化も見せないが何か考えていそうにも見える。


円堂「…俺達のためにあるような技じゃないか!」

立向居「はい!」


豪炎寺「……、!」

吹雪「………」


豪炎寺はまだ元気の無さそうな吹雪を見た。


豪炎寺「(みんなの心が、1つに…)」


.


(抜かし)


.


ブゥゥゥゥン——


円堂「みんな、富士山だ!」

「「「!!」」」


キャラバンの窓から一斉に外を見る一同。


瞳子「……」

零「………」


.


キャラバンは山道を登っていく。
カーブしたところで、雷門イレブンは何かを見つけた。


壁山「な、何すかあれは!?;」

目金「どうしてこんなところに…;」

円堂「……」


崖の陰から見えたものは、以前財前総理が見せられたものと同じだった。


キキ———ッ!!


キャラバンは停止し、みんなはキャラバンから降りた。


円堂「監督…此処が、目的地なんですか?」

瞳子「…ええ。」

零「………」

壁山「あれが、エイリア学園なんすか?」

木暮「どう見ても、UFO…;」


円堂も驚愕を隠せず呆気にとられていたが、すぐに表情を引き締めて言う。


円堂「…みんな、行くぞ!」


.


(ED)


.



Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31



この掲示板は過去ログ化されています。