二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】
- 日時: 2016/02/27 21:12
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
クリックありがとうございます。酩酊です。
前回の小説を見て下さった方はありがとうございます。
ポケモンの二次創作としてまた書いていきます。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です
前作 www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28671&p=100
が小説カキコ2015冬の部の大会にて銀賞を頂けたようで、
嬉しいです。ありがとうございます。
今後も応援よろしくお願いします。
Chapter3はまだ準備に時間が掛かるのですが、
とりあえずスレッドだけ作っておきました。
始動はコッソリだと思うのでお気に入り登録等お願いします。
以下、追記スペース
・一日一件更新の状態を確立するのは中々難しそうです。
キリの良い場所まで行ったら書き溜めのためにしばらく休みます。
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.9 )
- 日時: 2016/02/21 23:29
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
特に溜めるでも無く放たれた一言に、二人は言葉を失う。
が、それを素早く察知したレジはすかさずフォローをする。
「戻らなくともこちらの世界から手助けは出来るでな。
と言っても納得はしてくれなさそうだ、ワケを説明してやろう。
お前達が危うく2……死世界に行ってしまう前に負世界へと連れて来たわけだが、
これは言う所の特殊ルートって奴でな、一方通行だ。
……一般人に可能な世界値移動が一つあり、それは『死ぬ』事だ。
世界値の法則に当てはめて考えると、死ぬと世界値が一だけ加算される。
負世界の俺達が生世界に行くには、二回死ぬ必要があるってわけだが……」
ケフィも白も、初めて知る話だが嫌でも想像がついた。
生世界と負世界の間には、一つだけ壁があることに。
「…………ゼロ……ですか?」
「『0』の世界に何か問題があるのか……」
「理解が早くて助かる、そういうこった。
0の世界の事を俺は『無世界』と呼んでいる、名の通りだからな。
恐ろしい場所だ、本当に何も起こらない世界だからな。
そこでは生きる事も死ぬ事も無い……因果が発生しない。
だから……生世界に戻るには特別な手順を踏む必要がある」
まだ手順が残されていると知り、二人の目に光が灯る。
それを見たレジは失笑し、話を続ける。
「『映し鏡』というのを知っているか?」
「知ってます!! 空の上に住む伝説ポケモンに縁のある品だとか。
図鑑で見ましたけど、何というか……人間らしい伝説ポケモンの……」
「まぁそのおっさん臭いポケモンの縁の品を利用するわけだ。
その鏡があればこの負世界からいきなり生世界に行けるって魂胆だ。
勿論、これに関しては俺も手掛かりがイマイチ掴めて居ない。
……後生の頼みだ。俺と共にこの負世界で旅をしてくれないか」
「……死んでからの出来事で、こんな事を言うのもおかしいけれど、
レジさん……あなたは僕の命の恩人です……着いて行きます」
「私も……これからもっと成長して行きたいです。
肉体や精神が……という意味じゃなくて、大人になりたいんです。
だからレジさん、是非……私も連れて行ってください」
レジは羽織っているマントを一際大きく揺らす。
それは大船旅に出る前の海賊船の船長のような、
未知なる洞窟に挑む果敢な冒険家のような、はたまた故郷を守る戦士のような姿だ。
「ありがたいことだ……さて、こちらの仲間を紹介しようッ!!」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.10 )
- 日時: 2016/02/25 01:31
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
-Resistance 『再会の連続』-
「え……仲間って……他にも誰かいらっしゃるんですか?」
「気付かないのも無理はない、隠れているからな。
ようはこの近くのどこかでお前等を試していると言う事だ。
発見の成功失敗でどうこうなるワケじゃないが、探してみるか?」
ニヤついた顔のレジに対して固まる白。
その反面、ケフィは既に周りの風景に目を凝らしている。
地面に攻撃が加わって瓦礫が飛散した後があるが、下に人は居ない。
街の街路樹は等間隔に並んでいるが、人が隠れるスペースは無い。
街の店はほぼすべて閉まっていて、閑古鳥が鳴いている。
そしてレジは目線を探られぬように目を瞑ってニヤついている。
(これ自体がレジさんの悪ふざけって説も濃厚な気がして来たなぁ……
普段から森に棲んでいて音には敏感な自信があるけれど……)
「……さ、さっぱり分からないです……」
「ハッハッハ、目の届く範囲に居るぞ」
白も自分なりに辺りを見回したようだが、
驚くほどにいつも通りのキャスファーで疑う余地が無い。
「駄目です……どこまで行ってもやっぱりいつも通りです……
当然ですよね……私達が来た瞬間にコピーされるんですから」
「コピー……? コピー……それかも……コピーが鍵だ」
ケフィはハッとしたように瓦礫の後を見つめる。
「あの……ケフィさん? 中に誰も居ませんよ?」
「そうじゃなくて、この瓦礫の後はおかしいんだ……
コピーされて来るんだったら勿論僕達が戦った痕跡も完全再現される。
でも、ここで戦った人間なんて居ないはずだ。
その証拠に街路樹も店も傷付いていない、この瓦礫は作られた景色だ」
ケフィが一際大きい瓦礫片を両手で持ち上げて、レジに差し出す。
レジが目を開けて、その瓦礫を見て笑う。
「その中に居るとでも?」
「有り得ないかも知れないけど、この瓦礫を見てると何か落ち着くんだ」
「良いだろうッ!! 正解させるつもりは無かったがこれも血だな……」
「……血? 血ってーーー」
「ココア、出て来てくれるか?」
ココア。その名前を聞いた瞬間にケフィの表情が驚きに染まった。
レジが片手で瓦礫を奪い取ると、その瓦礫に一本の黒い線のようなシミが浮き出る。
そのシミは次第に膨らみ、伸び、湿り、的確にとある何かを形状した。
『クチ』だ。唇も歯も舌もある。
そしてそこから出て来たのは、パジャマを来た淡金色の髪の女児だった。
眼も優しく淡い水色で、表情は儚げな無表情である。
「そんな……ココア……どうしてここに……!?」
「ケ、ケフィさん? 何か関わりが?」
「関わりも何も……ココアは僕の娘だ……!!」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.11 )
- 日時: 2016/02/27 21:10
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
ケフィの娘としてこの世に生を受けたココアは、
今年で十四歳の、とても大老とは程遠い少女である。
ケフィと祐が出会う前から、そして別れた後まで。
その間も実は、ココアはケフィの娘としてずっとケフィの傍に居た。
しかし、祐はその間ココアの存在を確認したのはたったの数度で、
加えて、大体の外見以外は声も仕草も一切知らない。
こうまでして外部との接触を断たれていた理由ココアの持つある症状によるもので、
物心ついた時からココアには『幻聴』が聞こえていた。
具体的に言うと、ココアは『物の声』が聞こえている。
存在するすべての物体から、ココアは何かを囁かれ、叫ばれるのだ。
言葉を知り、人間として成長していく度にココアの精神は弱っていった。
幸いにもケフィはそれを早期に見抜いたため、
以後ココアはケフィの装飾品となって耳を塞いだ人生を歩み始める。
二人っきりの時でさえも、ケフィはこれを戻す事は一切無かった。
これについては本人も幼いながらにちゃんと同意した上での決断だった……
が、幻聴の波と人間の姿を維持出来ない自分に心が病んでしまい、
ケフィが今後可能な限り永遠に森に定住する事を決めて、
定期的に変身を解いても、結局ココアの心に光は差さなかった。
最後の決断は、ココアからケフィに向けてのもので、
内容は『私を小さな石にして、それから気に掛けないで欲しい』との事だった。
『人間だった時の事を忘れるぐらい長い間、私は石で居たい』と。
『幻聴の聞き方すら忘れるぐらい、すべてを受け入れる存在で居たい』と。
ケフィはその結論に反対する事が出来なかった。
もうそれぐらいしかココアの不幸を和らげる術が無かったのだ。
結局、ケフィも無理矢理娘の事を忘れて旅に出た。
それが今、ココアは負世界でケフィの目の前に立っている。
「ココア……!!」
「ひさしぶり、おとぉさん」
ココアの声は弱々しくも透き通るように綺麗だった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.12 )
- 日時: 2016/03/01 00:16
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
レジのニヤニヤが最高潮に達している反面、ケフィの頭に疑問符が浮かぶ。
いまだレジの掌の上から抜け出せていない二人だが、
今度はちゃんとケフィの方からレジに語り掛けた。
もっとも、視線はココアを捉えたままだが。
「さっぱり分からない……あなたが何をしたのかが……」
「へっへっへ、自分の可愛い愛娘から聞きな」
その一言でレジは自らを蚊帳の外へ追いやった。
白も無駄な発言を抑え、二人が会話出来る空間を作り上げる。
「ココア、久しぶり……は置いておいて、一体これはどういう事なんだ?
こんな場所に……しかもその姿で……しかも僕達の仲間?」
「おとぉさん、心配しないでほしぃんだ。
気が済むまで石でいよぅと思ったんだけど、レジさんが連れて来てくれたの。
この負世界ではね、『物の声』が全然聞こえなぃんだ。
人間の姿で居てもね、全然へぇきなんだ。だからーーー」
ココアの言葉を中断させるようにケフィがココアの頭に手を置く。
輝いているような淡い髪が靡く。
「……今まで悪かった、この世界ではちゃんと幸せかい?」
「幸せ……おとぉさんも来たからもっと幸せ」
「何もしてやれなかったから……どう思われているだろうかと……
森の葉の一枚ほども、お前の事を忘れた時など無かった」
「俺から一つ謝っておく事があるが……」
一度は自分で作り上げた雰囲気を自分で壊すレジ。
しかしケフィは満更でも無く、寧ろ『謝る事』が何かを気にしている。
「謝る事ってのはお前の娘に勝手にフェイル与えて能力与えた事だが……」
「……重要だけど怒る事じゃないよ、それより見せて欲しいな」
それを聞いたココアが突発的に立ち上がり、アスファルトの一辺を『殴った』
すると、先程見たような黒い線が滲み出て、それが『クチ』を形成した。
「殴るとクチが生まれるの、私のいぅ事を一度だけ聞くクチ。
のぅ力めぃは、『コモン・ワールドドミネーション』……」
「そうか、その能力……」
「……?」
「いや、なんでも無い。頼りになりそうだね」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.13 )
- 日時: 2016/03/01 01:30
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
「さて、二人目の仲間だが……」
「二人目が居るんですか?」
「居るとも、次のヤツは探す必要は無いが……今追われている身でな……」
レジは怪訝な顔で街を見渡す。
その視線は空中の虫を追跡するように、何かを目で追っているようだ。
ケフィや白には見えない何かが動いているらしい。
「あの、レジさん? 何を探しているの?」
「レジさんはミストちゃんを探しているの、私達の仲間」
ココアは『ミスト』と言う名前を口に出すが、
その名前はケフィにとっても白にとっても特に覚えの無い文字列だ。
「追われている身というのはだな……まぁミストの奴が悪いんだが……
この負キャスファーでお前達の仲間と戦闘を繰り返しながら移動しておる。
何、こっちに来たら抑えてやるから安心せい」
レジがそう言い終えると、何やら風に変化が訪れる。
何かにせき止められていた風が一気に吹き、また止む。
人間の叫び声のようなものが蚊の囁きレベルに収縮されて聞こえて来る。
『争い』がこっちに近づいて来ている。二人はそれを感じ取った。
「ココア、そろそろ頼むぞ」
「いえっさぁ」
ココアは頼りない発音と動作で、街路樹の一本をポスンと殴る。
その瞬間!! 前方から何かが高速で駆けて来た。
黒い浴衣を羽織った、これまたココアと同じ年齢ぐらいの女子だ。
髪に簪、そして近づいてやっと聞こえる下駄の音。
その姿を確認した二人は『嗚呼、なんとも日本少女か』と感じざるを得なかった。
そしてその黒い浴衣を追いかけている人影が一つ……
「あ、あれは……」
「……たまさん!?」
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