二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】
- 日時: 2016/02/27 21:12
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
クリックありがとうございます。酩酊です。
前回の小説を見て下さった方はありがとうございます。
ポケモンの二次創作としてまた書いていきます。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です
前作 www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28671&p=100
が小説カキコ2015冬の部の大会にて銀賞を頂けたようで、
嬉しいです。ありがとうございます。
今後も応援よろしくお願いします。
Chapter3はまだ準備に時間が掛かるのですが、
とりあえずスレッドだけ作っておきました。
始動はコッソリだと思うのでお気に入り登録等お願いします。
以下、追記スペース
・一日一件更新の状態を確立するのは中々難しそうです。
キリの良い場所まで行ったら書き溜めのためにしばらく休みます。
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.34 )
- 日時: 2016/06/15 18:49
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: ajFjTcav)
ホワイトにとってブロッカ学園の最初の一年はおみくじでいう末吉だった。
医学科加入試験も突破して晴れて医学の道へ、という所までは良いが、
クラスの編成が済んで吃驚、クラス全員がジョウト名だったのだ。
ジョウト名というのは漢字や平仮名で構成された名で、
ホワイトのような片仮名で構成されるカロス名とは180度は違う。
しかもそれを全く知らずに自己紹介の時間を迎えてしまったのだから、
ただでさえ屹立した白の精神は異文化の前にポッキリ、
ざわつくクラスメイトを前に鬱蒼とする、好調とは言えない滑り出しだった。
幸いにも、クラスメイトの中にはホワイトに話しかける人も居たし、
『キャスファーのナイティンゲール』の名を持ったとされる母の
遺伝子を余すところ無く受け継いで野山を駆け巡る可愛い顔立ちだったのもあり、
名前やコミュニケーション能力のハンデはあるものの、
例えばいじめであったり嫌がらせであったりを受ける事は無かった。
もしかしたら水面下でそんな事があったのかも知れないが、
水面下は水面下のまま、ホワイトの知る限り水上に浮上した事は無い。
医学の勉強は異様に呑み込みが早いと先生に評判だった。
これも遺伝子だろうかとホワイトは母の戦場姿を想像する事もあった。
だが裏腹に、とにかく友達というものを作れないのが悩みなのであった。
それもその筈、医学に関して分からない事が無いのだから周りに聞くというのは無いし、
先生が授業の準備に喜んでホワイトを指名するので休み時間も潰れるし、
本が好きだから隙あらば図書室に入り浸ってしまう。
最初の一年間を総括して末吉というのはこれが理由だ。
春休みに突入して振り返ってみれば「私、散々だった」という訳だ。
それ故、二年生となるホワイトに暖風は吹かない。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.35 )
- 日時: 2016/06/19 01:17
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: ajFjTcav)
ホワイトの視界にブロッカ学園が広がる。
立って居る場所は西門、右には二階建て構造の体育館が見え、
左にはホワイトが一年間学んだ、医学科棟が威圧的に構える。
ただ茫然と立ち尽くすホワイトの隣を様々な生徒が追い抜かして行く。
校門の左右のデリバード像が白を威圧的に見つめる。
中央に続いている道を一直線に眺めると、
アリの巣のように生徒がせっせと入っていく普通科棟や、
入学式当日なので閑古鳥が鳴いている休憩所、
窓越しにお婆ちゃん達が談笑に耽っている大食堂が見える。
もう少し進めば芸術科棟などが見えるのだが、ホワイトは医学科棟に直行する。
医学科棟の中は他の科棟に比べて白基調で清潔だ。
他の科が汚いという訳では無く、簡易病院と繋がっているのだから当然だ。
春休みや新年度に関わらず、花粉症などで診断を受けに来た患者が徘徊しているが、
ホワイトはなるべく目を合わせないように、二年生のクラスへと向かって行く。
開きっぱなしになっている教室の後ろ側から入室するホワイト。
一番乗りも遅刻も目立ってしまうので、完璧なタイミングでの入室だと思われる。
完璧すぎたのか、既に教室に居た何人かは抱負を語り合っているし、
それを差し引いてもホワイトに話しかけて来る者は居ない。
席に着いてポーチを降ろし、控えめな首の角度で辺りを見回すと、
一年生の頃に顔だけ知った人も何人か居るし、
恐らく去年別コースだった人や、違うクラスだった人も居る。
今年度のホワイトの抱負は、前年度の反省を全く活かさず『現状維持』だった。
ただ一つだけ、ミルバの許しも出た事だし、
後で生徒名をジョウト名に変えて貰うよう申請しなければ、とホワイトは予定する。
『水瓶 白(みずがめ しろ)』、良い名前だなぁと感慨に耽っている間に、
生徒が全員揃って、担任の先生が入室し、ホワイトもとい白は現実に戻された。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.36 )
- 日時: 2016/06/20 01:40
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: ajFjTcav)
「さて、十分早く全員が集合出来ましたね、優秀です」
名前も知らない新しい担任はそれだけ言うと書類を机にトントンとする。
あまりにも長い間トントンし続けるので、白も含めた生徒の全員が不安がったが、
やがてその担任はスゥーと息を呑んで話を始めた。
「ようこそ、何人か見知った顔ですが……よろしくお願いします。
今年度の医学科2-Aの担任を務める『柳田桃重(やないだ ももえ)』です。
校則に関しては一年生の頃に何度も説明はされたでしょうが……
去年は普通科の八年生が傷害事件を起こして留年措置を受けました。
この2-Aの皆さんはそんな事の無いように、先生困りますからね。
コースの変更に関してですが、クラスがABの二個あってそれぞれ40人。
合計80人で、コースの枠が一つ40だから、80人が120の枠に……
丁度良く分散してくれれば良いんですけど、そうも行かない事がありますね。
一年生時点で在席しているコースから変更が無いのであればそれがすべてに優先し、
次に優先されるのは三週間毎のコース変更調査までにより早く希望をした者です。
……と、言うわけで……五十音順に新年度のコース希望を記入して来てください。
あ、そうだ……ホワイトさんはどちらに居ますか?」
担任の先生の茶髪を眺めていると不意に白の名前が呼ばれる。
白は自分の意思と関係無しに肩が2cmほど浮き、クラスの注目の的になる。
「あっはい……?」
「……差支え無いようですね、お婆様から連絡を受けています。
『水瓶』という性に在席名を変更してありますので、
五十音順と呼ばれたら『み』の位置で来て大丈夫ですよ」
「あ……ありがとうござい……ます」
「でも後で普通科の教師棟にサインをしに来てください」
「はい……分かりました」
バクバクとしている心臓をねじ伏せながら返事を絞り出す白。
柳田が教科書類の配布準備を始め、クラスの注目が白から柳田に移って、
白は新年度一日目の出だしにして最大の緊張と安堵を経験した。
「今日だけは午前授業ですが、それ以降はいつも通りです。
集会は無いので教科書を受け取って、名簿にサインをして今日は終わりです」
生徒がそれぞれに立ち上がって教科書を取っていく。
白がふと名簿を覗くと、一番後ろに斜体で『White・Aquarius』と書いてあった。
これがサイン一つで『水瓶白』となるのなら、白にやらない手は無かった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.37 )
- 日時: 2016/06/21 19:32
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: .FzNm/TH)
生徒達が一斉にブロッカ学園から散り散りになっていく。
白も教室から出て、廊下の窓からブロッカ学園を視界の限り見渡すと、
体育館や休憩所にはまだ何人かの人影が見えた。
患者と医者以外に殆ど人が居なくなった廊下を一直線に見渡す。
目測で大体150mぐらいだろうか。この学校にはほぼ同等サイズの棟があと六つもある。
外に出ると、今まで抑えられていた日光が漏れ出した感触を覚え、
白は少しの間目を細めて、手を使って日光を防いでいた。
僅か数秒で目が慣れて、白は視界にある普通科棟に向かって行く。
普通科棟には一年生の頃に何回も訪れた経験がある。
何故なら、白は授業が終わると図書室で時間を潰すのが常だからだ。
だからと言って、職員室に訪れて何か物申すのは初体験だった。
別段、緊張していない。クラスの皆の前でスピーチする方がよっぽどだと感じている。
普通科棟に入ってすぐに図書室まで辿り着く、ここから先へは歩いた事が無い。
扉の上のネームプレート『職員室』を確認し、そこまで歩いていると、
急に扉がガラッと開き、ズングリした首輪を付けた小柄のポチエナが駆けだして来た。
ポチエナを見送っていると、開きっぱなしの職員室から『何か用?』と聞こえる。
「あ、すいません……在席名変更の手続きを……」
「あぁ!! 白ちゃんね」
職員室の中に居た初老の女性教師は優しい声で返答し、資料を漁る。
だが、直後に白も不安になるような声で息を呑んだ。
「あの……何か……?」
「さっきのポチエナね、校長室と職員室を往復する役目なんだけど、
在席名関連の資料、持っていかせちゃった。
悪いけど白ちゃん、校長室に行ってくれるかな?
ポチエナ、追いかけていけば場所は分かるから、ごめんねぇー」
「わ、かりました……」
ポチエナは普通科棟を出てグラウンドに向かって行く。
追いつけないスピードでは無いので、白はその後を追いかけていく。
グラウンドに人は居ない。まるで過酷な砂漠のように見える。
そこを意気揚々と突っ切るポチエナに着いて行く。白は少しだけ暖風を感じる。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.38 )
- 日時: 2016/06/23 23:27
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: .FzNm/TH)
- Absorb Colors 『フェアリーテイルの採択』-
ポチエナが入って行ったのは、『部活棟』と呼ばれる場所だった。
柱に砂が付着して濁っている以外は新設の建物の雰囲気が漂い、
二階建てである事を無視すると、他の科棟と見違えそうだ。
白は見た事があるばかりで、一度も立ち入った事が無い。
野外部活のメンバーが更衣する場所……とだけ認識している。
ポチエナは部活棟の入り口に迷う事無く侵入していき、白も後を追う。
中に入って廊下を見渡すと、一面が人工芝に覆われている。
「靴のまま上がる事もあるし当たり前か」と自問自答している隙に、
白はあろうことかポチエナの姿を見失ってしまった。
もとよりポチエナは白の存在に気付いているかすら怪しかったし、
どうしたものかとその場で硬直していると、上の階から音が聞こえる。
「二階に……行っちゃった?」
白が目の前にある二階への階段をまじまじと凝視する。
中々二階に上がる決心がつかない理由はまさしく目の前にある。
「これ、上がったらまずいような……」
そこにあったのは『立入禁止』の置き看板だった。
ポチエナは潜れそうだし、白も少しの努力で跨げそうである。
「部活棟の二階に校長室って……信じがたいけど……
着いてって良いって言われたから……うーん」
二階から微かにポチエナの鳴き声がしたので、
白は半分急かされるように看板を乗り越えて二階に上がっていった。
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