二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】
- 日時: 2016/02/27 21:12
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
クリックありがとうございます。酩酊です。
前回の小説を見て下さった方はありがとうございます。
ポケモンの二次創作としてまた書いていきます。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です
前作 www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28671&p=100
が小説カキコ2015冬の部の大会にて銀賞を頂けたようで、
嬉しいです。ありがとうございます。
今後も応援よろしくお願いします。
Chapter3はまだ準備に時間が掛かるのですが、
とりあえずスレッドだけ作っておきました。
始動はコッソリだと思うのでお気に入り登録等お願いします。
以下、追記スペース
・一日一件更新の状態を確立するのは中々難しそうです。
キリの良い場所まで行ったら書き溜めのためにしばらく休みます。
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.44 )
- 日時: 2016/07/16 19:21
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
二日目から既に五時間授業。春の心地よさも吹き飛びそうだ。
二時間目と三時間目は美術の授業。
一年の頃に予告されていた、花の絵を描く授業だった。
2-Aクラスは全員で隊列を組んでゾロゾロと芸術科棟に向かって行く。
途中に見えるのは、普通科棟とグラウンドと、何といっても芸術庭園だ。
芸術庭園は芸術科の生徒によって管理される庭園で、グラウンドと争うサイズはある。
入り方は簡単、芸術科棟からプレートを持ってこれば庭園の中に入れる。
外側から見ても綺麗だが、是非プレートで中に入るべきである。
特筆するべきなのは匂いで、芸術が視覚によるものだけで無い事を感じさせられる。
特にお土産などは無いが、強いて言えば告白が成功しやすいだろう。
いつか入りたいと常々思う白だが、靴を踏まれて思考が中断される。
列の中腹にいるので、急いでも遅れても接触は避けられない。
とは言え、在席名を変更する前は問答無用で一番後ろだったのだ。
靴を踏まれるという事が、白にとっては嬉しい事だった。
芸術科棟の美術室には、既に人数分の机、椅子、紙が置いてある。
それぞれが名前順に着席する。これも白は新体験だ。
やる気の無さそうな先生から幾つかの説明があったあと、
生徒は皆一様に描きたい花の下書きをし始めた。
何人かは、教卓に置いてあるプレートを持って芸術庭園に花を探しに行く。
白は鉛筆を使うより、能力で自分の理想を描いていく。
勿論後ろにも人が居るので鉛筆を持って使うフリはしている。
加えて、上手すぎて目立つのは苦手なのでそれなりに画力を抑えている。
白が消しゴムでは無く指で黒い線を消すのを何人かのクラスメイトが目撃したが、
元から関わり合いにはなっていないので、何かあるわけでは無かった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.45 )
- 日時: 2016/07/21 03:51
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
ブロッカ学園の昼食は『大食堂』で行われる。
医学科棟から中央に向かって歩くと休憩所の先に見えて来る。
一年生から四年生まではここから給食を自力運搬し、
五年生から九年生は階層の問題から運搬をする必要は無い。
給食はすべて事前注文制なので、弁当も認められている。
近くの人と強制的に班を組まされ、そこで給食を食べる白。
名前が変わっても談笑の場における立ち位置は変わらない。
クラスメイト達が繰り広げている雑談の話題と言ったら、
家で買っているポケモンの話だとか、IDくじで良い物が当たっただとか、
近所の森にへラクロスが居るらしいとか、メガガルは死ねだとか。
興味が無いわけじゃなく、寧ろ気が付けば話を聞いている。
でも混ざる気には慣れない。聞いているだけで十分だった。
白は雑談のみならず授業などにも同様の考え方をしていた。
知る事や学ぶ事は良い事だけど、不必要に活発じゃなくてもそれは出来る事だ。
知らない人と話すのは怖いから、気の知れた友人が数人居れば良い。
ワクワクはしたいけれど、不安や恐怖があるならそれに近づくのはやめておきたい。
だから白は本が大好きで、冒険は苦手なのだ。
「白ちゃん?」
「………………」
「……ホワイトちゃん?」
「えっ、あ……はい」
「あの……名前、変わったんだね!!」
「……はい」
突然、クラスの男子が白に話しかけて来た。
それも今の一瞬で、どっちも沈黙に落ち着いてしまったが。
隣に座っていたもう一人の男子は、エイパムのようなニヤつきでそれを眺める。
白は全く自覚していないようだが、どこから見ても可愛さは群を抜いている。
男子の間で秘密裏に行われた女子人気投票でも、一位を掻っ攫う程に。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.46 )
- 日時: 2016/07/23 03:23
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
今日も一日のカリキュラムは正常に終了した。
白は今日で花の絵を仕上げるために美術室に向かっていた。
本当はあと一週間も猶予があるのだが、頭の抱え物はすべて払って置きたい。
そうしなければ図書室の読書も楽しめなくなるからだ。
「着いた……鍵は……」
白が扉に手を掛けると、鍵は既に開いていた。
教卓には鍵が置いてあり、準備室の扉は空いていない。
中に人はおらず、白はその中に入って居残りの準備を始めた。
芸術棟の外からそれを見ている人影があったが、白は気付いて居ない。
「誰も居ないのかな……」
扉を閉めた後、白は紙をひたすら眺めた。
下書きの段階なら能力で効率良く作業出来るし、
題名は『黒いバラ』にしたので色塗りに入ってもある程度は楽が出来る。
気付いた事だが、このブラックライツは消しゴムでは消せない。
熱を与えても濡らしても消えない、擦る事でしか消えないのだ。
提出済みの絵をチラッと見ると、お世辞にも上手とは言えない物ばかりだが、
白は後に優秀作の張り出しがある事が分かっていたので、
何とかして、その作品群にレベルを似せた作りをする事にした。
これが白にとっては何とも難しく、予想以上に時間の掛かる作業になった。
早く終わらせたくて急いだ絵に、時間を掛けてレベルを合わせるという奇妙な現状。
その現状に、不意に何かが襲来した。
「すげーな、それ」
「ひっ!?」
突然人の声が聞こえて、白は書き損じをしてしまう。
美術室の教卓には、白より年上の少女が立って居たのだ。
褐色肌でノースリーブの短パンという動きやすそうな服装。
髪は短いがツインになっていて、目つきは白をたじろがせるような強さだ。
「あ……ぇ……?」
「そんな緊張すんなって、ちょっとした質問をしたいんだ」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.47 )
- 日時: 2016/07/24 18:38
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
- Puzzle Girl 『組み換え可能の領域』 -
白が抱いている感情は、十中八九『恐怖』と言って良いだろう。
第一に、白は扉を閉めた事を絶対的な自信を以て記憶している。
そして今見ても、扉が開けられた形跡などどこにも無い。
なのにこの褐色少女は白の目の前で座っているのだ。
第二に、白はこの人物と面識が無い。
白が恐怖を覚える事の一つに、他人からの威圧がある。
これは正にその条件に合致している。もはや条件そのものだ。
「………………」
「おーい大丈夫か? 固まっちまってんぜお前?
いやさ、聞きたい事ってのはその黒いインクなんだけどさ。
お前は……指がペンになってんの? それか、超能力者だったり?」
ゆっくりと時間を掛けて言葉を咀嚼していく白。
少女は教卓に座った姿勢を維持して、それを待っているようだった。
「……あ、の……私の……これは……」
自分の能力が名前も知らない人間にバレてしまった事。
そしてそれが見るからに発言権のありそうな年上だったことで、白は狼狽している。
「俺さ、昨日お前が部室棟の二階から戻って来るとこ見てたんだ。
後ろから見てたんだけど、お前のポーチが動いてた。
動いてたっていうのは誤解があるな、『色だけ』動いてたんだ」
「それはその……名前を……」
「名前って、確かホワイトだろ? クラスの男子が可愛いっつってた。
今はどうでも良いけどな。能力者ってんなら何が出来るんだ?
部屋に入ってからずっと、紙に触れずに絵を書いてるのは見てた。
……さっきから大人しいけど、その能力で他人を傷つけたり出来るのか?」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.48 )
- 日時: 2016/08/02 01:52
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
白の思考はただ恐れるだけとは別の方向にシフトしていた。
(人を傷付ける事は出来ない……自分の目に黒を塗って見たけど失明しなかった。
でも多分、そういう事じゃない……この人は目的があって私に接してるんだ……
予想が正しければ私を利用しようとしてる!!
私の能力が悪用出来るものなら、そうさせるつもりなんだ!!)
「名乗り忘れてたな、俺の名前は『長屋坂 域(ながやざか いき)』
普通科で、文系で、八……いや、ここら辺は別に関係無いか」
白は胃がキリキリと痛み始めるのを感じた。恐らく、緊張によるものだ。
というのも、白は他科との接触もなるべく避けて通っており、
年上に話しかけた経験と言えば、本を借りる時に五年生の図書委員としたやり取り。
それ以上の学年とは、記憶が正しければ話しかけた事は無い。
白の解答は決まっていた。自分の無害性を証明するのが第一。
そして、それによって相手がある種の癇癪を起した時の対処もするべきだと。
「……私は、その、大丈夫です!!」
「…んん?」
「大丈夫、だと思います……!!」
悲しき事に、これが現在の白が持つ最大のコミュニケーション能力だ。
そして警戒していた癇癪を、緊張故か自分が起こしてしまう。
「あなた、誰ですか!? 扉、閉めたつもりだったのに……」
「……自己紹介ならさっきした。扉は……そうだな。
俺はお前の『書く力』を不思議に思ってる、お前だってそうだろ?」
「……てことは……!!」
域が何かを回答する前に、白は素早く立ち上がった。
(もうダメ!! 耐えられない!! 絶対殺されるに決まってる!!
だって……だって、あの答え方はあの人も能力者ってことだもん!!)
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