二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】
- 日時: 2016/02/27 21:12
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: s2qZnqsK)
クリックありがとうございます。酩酊です。
前回の小説を見て下さった方はありがとうございます。
ポケモンの二次創作としてまた書いていきます。
執筆経験は浅く、ストーリーの展開などに多少のグダりが生じますが、ご容赦ください。
気になった点は指摘して頂けると助かります。
ジャンルはバトル物です。
痛々しい表現や卑猥な表現はなるべく避けていきます。
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体、秩序とは一切関係ありません。
どこか似つかわしく感じてもそれは他人の空似です。幻想です
前作 www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28671&p=100
が小説カキコ2015冬の部の大会にて銀賞を頂けたようで、
嬉しいです。ありがとうございます。
今後も応援よろしくお願いします。
Chapter3はまだ準備に時間が掛かるのですが、
とりあえずスレッドだけ作っておきました。
始動はコッソリだと思うのでお気に入り登録等お願いします。
以下、追記スペース
・一日一件更新の状態を確立するのは中々難しそうです。
キリの良い場所まで行ったら書き溜めのためにしばらく休みます。
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.49 )
- 日時: 2016/08/07 01:32
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
白は素早く後ろ側の扉へと走っていき、勢いよく開ける。
一瞬教卓を確認した限りでは、域はまだそこに座っていた。
が、逃げる事は予想外だったらしく、目を少し大きくしている。
白は教卓から回収しておいた鍵を扉に差し込んだ。
そしてそのまま扉から遠ざかって逃げて行く。
(施錠をする時間までは無かったけれど……差し込むだけでつっかえてくれるはず!!
前の扉は準備の時に閉めたから、まだ閉まってるはず!!
……あ、でも……だとしたら本当に何で入ってこれたんだろう?
絶対に能力者だ、でも一体何の能力なんーーー)
ドンッと鈍い音がして、白は逃げて来た方向を振り返る。
走って逃げる事を忘れるぐらい、衝撃的なシーンが白の目に飛び込んだ。
まず、遅れて何度も扉を殴打している音が響く。
それに応じるように、扉に薄い線のような物が描画されて行く。
部分的に直線であり、また部分的に曲線でもあり、
縦からも横からも一定間隔で描画されていて、それが『パズル』だと白は気付いた。
扉に記された線は、まるで扉をステージにパズルを形成しているようだった。
バンッ!! と音が聞こえたのを最後に扉は完全に決壊した。
見えたのは域の拳だった。拳が扉を貫いて、扉は完全に破壊されたのだ。
まるで最初から脆弱だったかのように、何百ものピースが散らばる。
扉の木の部分、鉄の部分、鍵穴の部分がすべて一様にピースになっている。
ただ一つ、鍵だけはピースに成らずにその場に残り、
扉を貫いた域はそれを拾い上げるために美術室を出た。
(殺される……殺される!!)
域が鍵を拾い上げると、散乱していたピースが動き始める。
まるでムービーの逆再生のように、扉は完全に復元した。
相違点があるとすれば、域が美術室を脱出してしまった事だ。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.50 )
- 日時: 2016/08/09 14:52
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
美術室は芸術科棟の二階に位置する部屋だ。
つまり、脱出には一度階段を下るだけで事足りる。
それすらも、今の白にとっては酷く長い道のりに思える。
「逃げるってんなら、追いかけても良いんだな?
私はお前を殴らないから残って質問を受ける選択肢はあるぜ?
それでも逃げるなら、そこからは力比べの問題だ」
域のそのセリフを最後に、白は階段を駆け下りる。
外に出れば上手く撒けるかも知れないし、誰かが助けてくれるかも知れない。
寧ろ被害が増すだけかも知れないが、それは祈るしか無いだろう。
階段を降りるとすぐに、内外を隔てる下足箱が見えて来る。
自分が下足箱の板を踏む音に混じって、後ろから音が聞こえる。
(……大丈夫、落ち着こう……これは想定の範囲内……
私が今すべきなのは勇気を出す事だ、逆らう勇気!!)
白が保護者来訪用のスリッパを掴んで後ろを振り返ると、
やはり域は階段を下りた所で白の出方を疑っていた。
「お、追いかけないでください!!」
「そうか、じゃあ逃げないでくれ」
白が掠れた声と共にスリッパを域に投げつける。
悲しくなって来る程の弱々しい勢いで域の胸目掛けて行くスリッパは、
白と域の中間に来た辺りで突然『真っ黒』に染まった。
(この人が扉を壊す不気味さを持っているなら私にはこれしか……
せいぜい、この黒いスリッパを怖がって避けてくれる事にしか可能性は無い……)
白の思惑通り、空中で突然真っ黒になったスリッパを見て域は目を見開く。
だが、そこから先が白の思惑と完全にズレたものとなった。
域の体にパズル線が描画されていく。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.51 )
- 日時: 2016/08/18 10:37
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
スリッパを避けるように、域の胸がパズル状に分解されていく。
体の中は空洞だった。それが白には一瞬だけ見えた。
ピースとなって分解されたのは胸辺りだけだが、
腕にも首にも腹にもパズル線は浮き出ている。
スリッパは空洞となった胸に触れる事も敵わず、突き抜ける。
どころか、域はそのまま肩を分解してロケットパンチのように白に飛ばした。
「し、死んじゃう!!」
迫り来る腕を目の前に白は一時的に呼吸困難になる。
飛ばされて来た腕は的確に白の肩を掴み、
スリッパの勢いとは雲泥の差なので白はそのまま押し倒される。
すると、腕を失った域が逆に全身をピース状に分解し、
落ち葉を巻き上げるようにピースが一定の法則を持って動く。
「ひ……や、やだ……!!」
「集合ッ!!」
唯一形を保っている腕の切り口にピースがハマり、
肩から全身に掛けてカタカタと音を出しながら再構築されていく。
白が倒されたショックから回復しようとしているうちに、馬乗りの構図になった。
「……なんかイジめてる気分がして嫌だな。
でも、お前も能力を使った攻撃方法がある事を確認出来た」
「はぁー……はぁ……」
白は頑張って上体を起こそうとしたが、乗られている以上は敵わない。
次に白は、相手の恐怖を利用する思い切った策を思いついた。
「ブ、ブラックライツ……!!」
域の腕が先の方からじわじわと黒く染まって行く。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.52 )
- 日時: 2016/08/26 03:53
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
「だぁッ!? しまったッ!!」
域は咄嗟に白から飛び退き、自分の手を緊迫した面持ちで見つめる。
黒い範囲がジワジワと拡大しているのに気付き、
腕を方から切り離して自分の後方にある手洗い場に飛ばす。
この時点でブラックライツは域の肘の辺りまで伸びていて、
そして白は既に芸術科棟を抜け出して走っている。
「う、迂闊だった!! 触ったからこうなったのか……? これにはどんな効果が……
どの道、こんな光も反射しないような真っ黒に染められて問題無いワケないぜ……
み、水……水でこれは洗いながせるか!?」
域の腕から一枚のピースが弾け出し、蛇口に体当たりをして捻る。
水が勢いよく流れ始たが、域の腕は域の見える範囲には無い。
まるで幽霊のように頭だけを切り離して手洗い場を確認する。
それを見た域の表情が光景の不気味さを物語っていた。
「こ、この黒色……蛇口にまで感染してやがる……」
そして既に遠くまで逃げた白は、この時点で完全な勝機を見出す。
(やった……今、あの人は『感染』って言った……!!
この黒色が有毒か、さもなければ悪影響を及ぼすと勘違いしてくれているんだ!!
私はこの無害な色を有害に見せる努力をしなきゃダメなんだ……)
「…………待てよ……?」
その言葉は白から十分に離れた位置で発せられたが、白の心臓は縮み上がる。
「黒になったから何だってんだ? あいつはこれを絵の下書きに使っていた……
スリッパも、俺の腕も蛇口も…………これは、『ブラフ』だ……アイツ……!!」
(まずい!! 蛇口を視界の範囲に留めていたから距離は稼げてない!!
見た所運動部だしどうしよう!! 私殺されるだけじゃ済まないかも……!!)
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達【2】 ( No.53 )
- 日時: 2016/09/04 19:35
- 名前: 酩酊 ◆D2kEwyIYmo (ID: DqYpyOBj)
白はまっさきにガラスに囲われた建物、『芸術庭園』に向かう。
入り口には門番とも言えるような風紀委員が立って居る。
ちなみにカップルはペアで入ると不純だなんのと指摘されてしまうので、
片方が入り、時間を置いてもう片方が入るのが定石となっている。
「あの、芸術庭園に入りたいんですけども!!」
「……プレートは」
「あ、えっとプレートは……」
「ないんだったら入れないよ」
「……ありました、これです!!」
白がポーチから取り出したプレートを風紀委員は眺める。
その観察のじっくり具合に白の我慢は限界だったが、のっそりと口を開く。
「医学科2-A、水瓶白さんね、どうぞ」
「はい……!!」
白が芸術庭園に踏み入って、弱々しい力で扉を閉める。
ガラス越しに域が追いかけて来ていたが、それを見返す勇気は無かった。
一刻も早く中心部分に到達して、相手の出方を探るのが賢明だと考えたのだ。
幸い、中には植物のせいで完全に姿が見えなくなるスペースも存在する。
白が入って十秒ほどすると、域が風紀委員の元へ辿り着いた。
「おい、入れてくれ!! プレートは……無いけど、アタシの顔分かんだろ!!」
「あなたは……八年生の」
「……入れてくれんのか!?」
「い……や、無理だね。プレートが無いと入れないのがルールです」
「頭がかてぇなクソッ!! お前にとっちゃルール破る奴が危険かもしれねぇけど、
そうじゃなくても危険かも知れないのが居んだよッ!!」
「ど、怒鳴られても困る……そっちも困る事になるし……」
「……もういい、反対側の奴なら入れてくれるかも知れないしな」
「無理だと思うけど……僕、別に堅物ってわけじゃないですし……」
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