二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜
日時: 2016/12/24 22:01
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

皆さんこんにちは!ひのりです!
以前まで春太郎という名前で書いていたのですが、雑談掲示板の方での名前変えたのでこっちでも変えました!
今回は二か月ぶりにフレッシュプリキュアの小説を書いていきたいと思います!
いやぁ、ブッキー可愛いよ。うん、ブッキー可愛い。
ちなみにタイトルはそこまで意味ないです。適当に考えましたw
では、稚拙な文章になると思いますが、温かい目で見てやってください。
それでは、よろしくお願いします。

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Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.1 )
日時: 2016/10/17 18:12
名前: ひのり (ID: YVCR41Yb)

 病院の無機質な廊下を歩いていると、向かい側から3人の少女が歩いてきていた。
 一人は、青っぽい服装に、頭の高い部分で薄い茶髪をツインテールにした、桃色の目をした、活発そうな少女。少し観察して、それがクラスメイトの女子の一人であることに、僕は気付いた。
 しかし残りの二人は僕の知らない少女だ。
 もう一人は、一人目の少女より薄目の水色を基調とした服に、青い髪を下ろした、端正な顔立ちをした大人びた少女。
 最後の一人は、レモン色のカーディガンに、黄緑色のシャツを着た、肩まである茶髪の一部を頭の右側で一つにまとめた少女。
 3人は、すれ違う僕に気付かず、何やら嬉しそうな、楽しそうな様子で話しながら歩いて行く。

「良かった!手術成功して!幸せゲットだよ!」
「本当だね。私、信じてた!」
「当然よ〜。だって、千香ちゃん完璧だもん」

 あははっ、と笑い声をあげながら、少女たちは歩いて行く。
 僕はそれを横目で流しつつ、目的の病室に着く。

 北乃 千香

 よし。合っているな。と、俺は確認し、二度ノックした後で、扉を開けた。
 僕が病室に入ると、ベッドの上でビーズで何かを作っていた妹の千香が、顔を上げた。

「あっ、お兄ちゃん!」
「千香。元気そうだな。手術成功したんだって?おめでとう」

 僕はそう言いつつ、お土産に、先日プリキュアが戦っていた時に撮った写真を千香に渡した。
 千香は、最近町で悪者退治をしているプリキュアという少女たちのことが好きで、よく新聞や雑誌から写真を切り抜いては集めているのだが、それでもやはり限界はある。
 だから、僕は、プリキュアの戦いの情報を手に入れてはそこに極力駆けつけて、近くで写真を撮って千香に渡しているのだ。

「ホラ、この間のプリキュアの戦闘。この日は高い所での攻撃が多かったから、あまりいい写真ないんだけど」
「ううん。どれもカッコいいよ。ありがとう、お兄ちゃん!」

 写真を一枚ずつ見て、ニッコリと笑う千香の頭を、僕は撫でてやる。
 その時、見覚えのないカラフルな色紙に気付いた。

「千香。その色紙は、友達からか?」
「あっ、それはね、プリキュアがくれたんだよ!」
「プリキュアが?」

 僕は千香に許可を取り、色紙を手に取る。
 そこには、プリキュアの三人が写った写真(プリクラ?)が貼ってあった。

「えへへ。実はね、お兄ちゃんが来てない間に、プリキュアと友達だっていうお姉ちゃんたちと仲良くなって、頼んで撮ってもらったんだって!」
「なるほどねぇ。じゃあ、手術を怖がっていた千香が受けたのも、実はプリキュアのおかげ?」
「な、なんでわかったの!?」

 ワタワタと慌てる千香の頭をポンポンとしつつ、僕は色紙に目を移す。

「それにしてもわざわざ撮ってきてくれるとは……兄として、もし会うことがあったらお礼を言わないとね。もちろん、そのお姉ちゃんたちにも」
「もぉ〜。恥ずかしいからそういうの、やめてよね!」
「クスッ。ごめんごめん。でも、そのお姉ちゃんたちの情報とか、無いの?見た目とか」

 僕が聞くと、千香はしばらくうーんとうなった後で、一枚の写真を渡してきた。
 後で聞いた話では、手術成功祝いの写真として、母とそのお姉ちゃんたちと一緒に撮ったらしい。
 僕はそれを受け取って写真を見てみた。

 そこに写っていたのは、先ほど廊下で見た少女たちだった。

Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.2 )
日時: 2016/10/18 20:03
名前: ひのり (ID: YVCR41Yb)

 おぼつかない足取りで、一人の少女がラビリンスの跡地に近づく。
 爆発により、浅いクレーターが地面にできている。
 無機質な地面から一転、固いコーティングが削りとられ、茶色の土をさらけ出した地面に足をつけ、その瓦礫の山を見上げた。

「メビウス様……一体、何が……」
「あれ。君知らないの?」

 少女の呟きが聴こえたのか、近くを歩いていた青年がそう答える。
 彼女の正体を知らない青年は、無邪気に笑いながら続けた。

「この間現れたフレッシュプリキュアの4人が、メビウスを停止させて、自由な国を創ったのさ。まだまだ発展途上だけど、皆で力を合わせればいずれは管理されていた頃よりもすごい国になるハズさ」
「……フレッシュプリキュア……プリキュア……」

 ボソボソと呟いた少女は、やがて微かに口角を上げて、ニヤリと笑った。

「メビウス様を倒したプリキュアとやら……少しは私を楽しませてほしいわね」

−−−

 ラビリンスとの戦いが終わって、二ヶ月経った。
 私たちは3年生になってもダンスを続けており、今日もレッスンの最中だった。

「ラブちゃん、もっと腕上げて!祈里ちゃんワンテンポ遅れてる!」
「「はい!」」
「大輔、もっと動き大きく!」
「おう!」
「祐喜君、もっとキレ良く!」
「はい!」

 ちなみに、3色団子のメンバーも一緒だ。
 彼らは、ダンス大会の時だけの練習かと思ったのだが、その後も続けている。
 本人達曰く、「予選落ちで満足できるか!次は優勝してやる!」ということらしい。

「それじゃあ、ハイ、ポーズ」

 ミユキさんの言葉にポーズを決めた時、どこからかカシャッという音が聴こえた。
 その音に視線を向けると、いつのまにかそこにはカメラを持った少年が一人立っていた。

「貴方は……?」

 つい聞いてみると、彼はカメラを落としそうな勢いで「うわわっ」と慌てた後で、すぐに姿勢を正した。
 慌ただしいなぁ……。

「ご、ごめんなさい……邪魔しちゃって……」
「あれっお前もしかして……新聞部の北乃か?」

 謝る少年に、大輔君が驚いた様子で言った。
 それを聴いたラブちゃん等公立四葉中学校のメンバーは、「えぇっ!」と声をあげた。
 もしかして、有名人?

「なに、この子有名人なの?」
「そりゃぁもう!四葉中学校で知らない人はいないと言われる新聞部の部長!北乃 彰君だよ!」

 ラブちゃんが腕をブンブンと振って言うが、分かるわけがない。
 ごめんねラブちゃん。
 その後で聞いた話では、彰君とやらは新聞部で作っている学級新聞での写真の出来がとても良く、プロのカメラマンにも褒められたほどの実力らしい。
 とはいえ、北乃って苗字、どこかで聴き覚えがあるような……?

「あれ、えっと……確か君達、どこかで見覚えがあるような……?」

 その時、彰君はそう言ってしばらく考え込むと、何かを思い出したらしくハッとした表情になり、すぐにキリッとした表情になり、私達3人に向き直る。

「実は以前、妹が世話になったらしく、遅くなりましたが、お礼を言わせていただきます。本当に、ありがとうございました」

 そう言って腰を90°に曲げる彰君に、慌ててラブちゃんが「うわわ、良いって良いって!」と言った。

「ていうか、妹って何の話?」
「えっ、あぁ……覚えてないか。僕の妹は千香って言って、前まで病気で入院していたんですけど……」
「「「千香ちゃん!」」」

 私達の声がハモッた。
 千香ちゃん。忘れるわけがない。
 彼女は、プリキュアが大好きな女の子で、手術を怖がっていたので私達が色紙を作り応援に行ったのだ。
 直接の応援は出来なかったが、最終的には彼女の励みになり、無事に手術は成功。
 後から渡した色紙は、病室に飾ってくれたらしい。

「シフォンだっけ?ぬいぐるみまで貸してもらったり、色紙を作ったり、何度か遊びに来てもらったり、感謝してもしきれません。3人のおかげで、妹は今では元気に外を走り回ってます」
「千香ちゃん元気なんだ!」
「はい。だから、今回の件については、感謝してもしきれません。会えるとは思ってなかったから、大したものはないですけど、良かったらこれを」

 そう言って差し出されたのは、なんとプリキュアとして戦う私たちの写真だった。
 それを見た瞬間、私たちの顔は引きつった。

「ぜひ、ちゃんとしたお礼は後日に……」
「ちょちょちょ!ちょっと待って!」

 普通にお礼を続ける彰君に、ラブちゃんのストップが入る。
 それを見た彰君は、なぜか不思議そうに首を傾げた。

「何ですか?」
「何なのこの写真!こんなに、その……私たちがたくさん……」

 彰君が知っているのは、理由は分かっている。
 私たちが、去年のクリスマスでプリキュアであることをばらしたから、恐らくその噂等だろう。
 しかし、問題はなぜこんなに写真があるか……まさか、プリキュアファン……?

「えっ、あぁ……千香がプリキュア好きだったから、よく写真を撮って持って行っていたんだ。昔から写真を撮るのが好きでさ。僕の好きなことで千香が笑顔になるなら、嬉しくて」

 そう言って笑う彰君の笑顔に、私の胸はドキッと音を立てた。
 彼はカメラを手に持って、「カメラはさ」と続ける。

「どんな思い出だって、いつまでも保存できる不思議な機械なんだ。嫌な思い出も、楽しい思い出も、何でも。だから僕は、その思い出を見て、何十年後にも笑えるような素敵な写真を撮る仕事に就くのが夢なんだ」
「くだらない夢ね」

 突然の、誰かの言葉に、私たちは振り返る。
 そこには、銀色の髪を一つにまとめた青い目の少女が一人、立っていた。


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