二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜
- 日時: 2016/12/24 22:01
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
皆さんこんにちは!ひのりです!
以前まで春太郎という名前で書いていたのですが、雑談掲示板の方での名前変えたのでこっちでも変えました!
今回は二か月ぶりにフレッシュプリキュアの小説を書いていきたいと思います!
いやぁ、ブッキー可愛いよ。うん、ブッキー可愛い。
ちなみにタイトルはそこまで意味ないです。適当に考えましたw
では、稚拙な文章になると思いますが、温かい目で見てやってください。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.28 )
- 日時: 2016/11/28 22:49
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「祈里ちゃんどうしたの?今日、心ここにあらず……って顔してるけど」
ダンスの休憩中、ミユキさんがそう聴いてきた。
「えっ。……そうですか?」
私が聞くと、彼女は大きく頷いた。
確かに、集中していなかったかもしれない。というか、ダンスに集中しようとしても、頭の中では、今頃彰君と迷宮さんとやらがデートしているという事実がちらついていた。
しかし、今はそれを気にしても仕方がない。
私は額の汗を拭き、立ち上がった。
その時、遠くに誰か女性と話しながら歩く彰君の姿を見た。
「あっ……」
「じゃあ、そろそろ練習の続きをしましょうか」
ミユキさんの言葉に、私は動けないでいた。
視線は遠くを歩く彰君を見つめたまま動かず、タオルを握り締める力が強くなるのが分かった。
−−−
「じゃあ、どこに行く?僕は別にどこでも良いんだけど」
北乃君は、そう言いつつ首の後ろの辺りを掻いた。
その言葉に、私は顎に手を置いて少し考える。
私が行きたい場所、か……。ハッキリいえば、どこでも良い。
だって、私は彼と一緒にいたいから、こうして出かけているわけだから。
「……北乃君が好きな場所に行きたいかな」
私が言うと、彼は「えっ……」と、キョトンとした表情をした。
しばらくして、少し迷ったように訪ねて来る。
「それで、良いの?」
「えぇ。私は、もっと北乃君のことが知りたいし」
私の言葉を受けた彼は、「そう……」と言った後で、少し考える。
そして、しばらくして、ポンと手を打った。
「じゃあ、良い場所があるんだ。付いてきて」
そう言うと、よっぽど私を早く連れていきたいのか、私の右手首を掴むと走り始めた。
その顔は、まるで子供のように無邪気な様子で、私は無意識に笑みを零した。
しばらくして着いたのは、街が見渡せる高台だった。
「ここは……?」
「僕の一番のお気に入りの場所。ホラ、見てよ」
そう言って北乃君は、柵の向こうから見える景色を指さした。
そこには、街の建物が広がっていて、そこからは、街の全容が見えた。
「すごいね……」
「景色だけでも、充分すごい。でも、もう少し、よく見て、聴いてみて」
その言葉に、私は少し目を凝らしてみた。
すると、よく見るとこの距離からは、ちょうど町を歩いている人たちなどの顔色もよく見える上に、話していることも聞こえた。
笑い声、泣き声、言い争い。そんなものが入り混じった音が、聴こえてくる。
「わぁ……」
「ね?すごいでしょ?」
そう言って、嬉しそうな、楽しそうな笑顔を浮かべる彼に、私は頷いた。
彼は町の全容を見つめながら、「僕さ」と口を開いた。
「昔、ここに父さんと来てさ。ここから見える景色が、大好きなんだ。町の人たちの表情、場所。町の全て。前に来たときと同じものは何一つなくて、毎日変わっていく。……僕は、いつかここから見える表情を、全部笑顔にしたい」
そう言って私を見ると、ニッと笑った。
眩しい表情に、私は自分の鼓動が速くなるのが分かった。それと同時に、新たな欲望が溢れだしてくる。
この笑顔を、私だけのものにしたい。
この眩しさを、私色で染め上げたい。
そんな、新しくできた夢に、私は一人、ほくそ笑む。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.29 )
- 日時: 2016/11/29 22:48
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「じゃあ、今日の練習は終わり!」
ミユキさんの言葉に、ラブちゃんはテキパキと荷物をまとめ始める。
忙しすぎてたまに間違えて私や美希ちゃんやせつなちゃんの荷物にまで手出したりしてるけど。
「そんなに急いでどうしたの?何か、用事?」
「これから千香ちゃんと遊ぶ約束してるから!デートっていうのかな?」
ラブちゃんの『デート』という単語に、一瞬、ドキッとしてしまった。
そうだ……今頃、彰君は、迷宮さんって子とデートしてるんだっけ……。
そう思うと、胸がズキッと痛んだ。
「デートって……まぁ、二人で出かけるからデートなのかな?」
「そうそ!じゃ、お先〜!」
ラブちゃんが、そう言って右手を上げた時、突然目の前に黒い巨大な影が現れた。
「危ない!」
私が叫ぶのと同時に、ラブちゃんは後ろに跳んだ。
すると、そこに敵の触手のようなものが突き刺さる。それは、ソレヨコーセだった。
「こんな場所に……大輔達は早く逃げて!」
「お、おぉ……怪我すんなよ!」
大輔君はそう言うと、踵を返し去って行く。
私はそれを見送りつつ、リンクルンを取り出した。
そこで、とあることに気付いた。
「ねぇ。メイスの目的は彰君なんだよね?今、彰君近くにいないけど」
私が聞くと、せつなちゃんと美希ちゃんは「そういえば」といった表情をする。
しかし、すぐに近くまで来たラブちゃんがリンクルンを取り出しながら、私たちに言った。
「それも気になるけど、今は戦いに集中しないと!いくよ!皆!」
あっ。今までちゃんと全員の名前呼んでたのに、略された。
そんなくだらないことに気付きつつ、私たちは変身した。
とにかく、今は目の前のソレヨコーセを倒そう!
そう思って、私は他の三人に続いて、ソレヨコーセに向かって走り出した。
−−−
「おいおいおい……」
高台から町を見ていた僕は、つい、そんな呟きを漏らした。
よく、桃園さん達がダンスの練習をしている公園で、ソレヨコーセ、だったか?そんな化け物が暴れているのが見えた。
アイツ等の狙いは僕じゃないのか?それなのに、僕に関係ない場所を狙うなんて……。
「北乃君……」
「迷宮さん。ごめん、ちょっと大切な用事思い出したから、行ってくる!」
適当に誤魔化しつつ、僕はその場を離れ、すぐに石の階段を駆け下りた。
よりによって、なんで僕がいない時に現れるんだ!
僕のせいで彼女たちが戦わされるなら、最悪僕が身代わりになったり、彼女たちの恨みの矛先を僕に向けさせることだってできる。
しかし、僕がいない時に現れるんじゃ、もう、誰を恨めばいいんだよ!それに、彼女たちは、何のために戦わされるんだ!
彼女たちは善意から、僕を守ろうと戦ってくれるが、元々、僕に力があれば、守る必要すらないのに……。
そこまで考えて、僕は足を止めた。
「まさか……プリキュアが、助けに来ないように……?」
そこまで考えていた時、突如、頭上を何か素早い何かが通り過ぎた。
一瞬それを見上げ、視線を下ろしたとき、『彼女』は目の前に立っていた。
僕は、その姿を見て、歯ぎしりをした。
「迎えに来たわよ。北乃君」
「メイス……ッ!」
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.30 )
- 日時: 2016/11/30 22:00
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「メイス……ッ!」
僕は、咄嗟に後ろに数歩後ずさり、拳を構えた。
こんなことしても無駄なんだろうけど、だからって抵抗しないわけにはいかない。
そんな僕の姿を見たメイスは、馬鹿にするように、鼻で笑った。
「フッ……あなたが私に、武力で敵うとでも?」
「敵わなくても、どっちにしろどこかに連れていかれるんだろ?だったら、せめて抵抗するべきかなって」
「へぇ……そう」
そう言うと、彼女は冷たい笑みを浮かべ、強く踏み込んだ。
数瞬後、突如目の前に、彼女の足が見えた。否、蹴りが飛んできた。
「ぐッ……」
僕は、咄嗟に体を倒すようにして、それをかわす。
しかし、その勢いが殺しきれず、アスファルトの黒い地面を転がり、なんとか立ち上がる。
「アスファルトゴツゴツしてて痛い……」
「へぇ……さっきの攻撃かわすんだ。すごいね」
擦りむいた掌を擦っていた時、彼女はクスッと微笑し、僕の前に立った。
そして、僕の胸倉を掴み、塀に背中をぶつける。
背中に強い衝撃が走り、口から「ケホッ」と息が零れる。
「無駄な抵抗なんかせずに、さっさと私に付いてくれば良かったのに」
「君……悪い奴なんだろ……?そんな奴のいう事を聞くなんて、ごめんだね!」
なんとか虚勢を張って見せると、彼女は「チッ」と忌々しそうに舌打ちをした。
すると、胸倉を掴む力が強くなり、服からブチブチと音がする。恐らく、伸びているのだろう。
僕は、左手でその手を包むように撫で、彼女の顔を見た。
「なぁ……なんで、君は僕を連れていこうとするんだ?」
「……は?」
彼女は、不思議そうに聴き返した。
僕は、そのまま右手も使って、胸倉から彼女の手を離し、なんとか距離を取る。
それから、どうにか声を発した。
「僕は、あくまで一般人だ。そりゃぁ、プリキュアの皆とは仲は良い方だけど、君を見る少し前までは、僕と彼女等には特別な関係なんてなかった。なんで、僕を狙うんだ?」
「っ……それは……」
メイスは、僕の言葉に少しだけ頬を赤く染め、僅かに目を逸らした。
よく分からないが、今はチャンスだ。
僕は、数歩後ずさると、踵を返し、一気にプリキュアが戦っている公園に走った。
その時、背後から「あっ!」という声が聴こえ、それと同時にちょうど近くにあった電柱に、何か黒い光が当たり、数瞬後、倒れていくのが分かった。
僕はそれに唾を飲み込み、さらに腕を大きく振って地面を蹴る。
とにかく、公園に行こう!プリキュアなら、なんとかしてくれるはずだ。
僕には力が無い。彼女たちの負担を増やすことしかできないけれど、せめて、彼女たちの近くにいれば……っ!
そう思い、角を曲がって、僕は公園に向かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.31 )
- 日時: 2016/12/02 21:30
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「プリキュア!ダブルキーック!」
私とベリーのキックに、ソレヨコーセの体も揺らぐ。
戦いの勘も、時間と共にかなり戻って来たと思うし、私たち自身も強くなった。
ソレヨコーセを倒すのにも時間がかからなくなってきたと思うし、これなら、すぐに決着が付くだろう。
そう思いつつ、私はパインフルートシンフォニーを取り出す。
「癒せ、祈りのハーモニー!」
そこまで言った時、突如触手が私の体を襲う。
パインフルートシンフォニーを手放し、私は地面を転がった。
「パイン!」
「わ、私は平気……早くトドメを!」
私がなんとか声を振り絞って言うと、ピーチとパッションが頷き、それぞれ武器を出す。
油断大敵、か……私たちが強くなっているなら、敵も強くなるということかもしれない。
なんとか立ち上がり、私はパインフルートシンフォニーを拾いに、歩を進めた。
その時、公園の入り口に、彰君がいるのを見つけた。
「彰君!?」
自分の体中に、血液が駆け巡るような感覚を覚えた。
しかし、なぜ今ここにいるのだろう?確か、今は迷宮真代って子とデートのハズじゃ……。
そう思っていた時、彼の背後にメイスが迫ってきているのが分かった。
「彰君!」
咄嗟に私は名前を呼び、パインフルートシンフォニーを構えて地面を蹴った。
しかし、数歩走ったところで、一度足を止める。
ここで単純に攻撃をして、私がメイスに敵うか?否、敵わない。
じゃあ、どうすればいい……?
「……ッ!」
私はすぐに踵を返し、ピーチとパッションが浄化しようとしているソレヨコーセに駆け寄った。
「パイン!何してるの!?」
ベリーの焦ったような声を無視しつつ、私はソレヨコーセの蔦を掴み、一気に引っ張った。
そのまま、背負い投げの要領で、メイスに向かって投げつける。
背後で、他三人から「えぇぇ!?」という声が聴こえるが、関係ない。
私は、そのまま投げたソレヨコーセを追いかける形で駆け、メイスに向かう。
「なっ!?」
焦った様子のメイス。しかし、すぐに手元に黒い光を纏わせ、ソレヨコーセを睨む。
今のところ、私には気づいていないだろう。チャンスは、この一瞬のみ!
「はぁッ!」
メイスは、ソレヨコーセに黒い光をぶつけ、空中で爆発させた。
恐らく、あの光は出すのに多少の時間はかかるハズ。
その隙を狙って一気に距離を詰め、「悪いの悪いの……」と言ったところで、目の前に黒い光を纏った手が現れた。
「っ……」
「山吹さん!」
思考が停止しかけた時、彰君の声ですぐに我に返る。
私は、咄嗟に首を傾け、その一撃をかわす。
そして、彰君の腕を掴んで引っ張り、体を抱きかかえると、バックステップで後ずさった。
「彰君。大丈夫?」
「う、うん……」
私の問いに、彰君は困ったような表情で目を逸らす。
それに安堵しつつ、私は彰君の体をおろし、真っ直ぐメイスの顔を見た。
「へぇ……中々やるじゃない。キュアパイン。確かに、私は一度光を出すと、数秒のタイムロスができる。でも、片手ずつで光を放てば、その時間の差を埋めることができるってわけ」
「……そう」
「パイン!」
その時、ピーチ達が走ってくるのが見えた。
それを見たメイスが、顔をしかめるのが分かった。
「増えたら厄介だな……チッ」
舌打ちをすると、彼女は消えていった。
それに対し、彰君は「フゥー」と安堵した様子で息を吐き、しばらくして、ハッとした表情になる。
「やばっ。僕、迷宮さん置いてきちゃった……ごめん!僕行かないと!」
「えっ……うん……」
私が曖昧に頷くと、彼は安堵の表情を浮かべ、公園の出入り口に向かった。
その後ろ姿に、無意識に私は、手を伸ばしていた。
彼の目には、私は、映っているのだろうか。彼の中で、私は、どんな存在なのだろうか。
そう思っていた時、公園に、青い目の美少女が入ってくるのが分かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.32 )
- 日時: 2016/12/04 21:10
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
逃げてからすぐに変身を解いた私は、そのまま公園に入った。
すると、すぐに北乃君が走ってくるのが見えた。
「迷宮さん!」
先ほど私から逃げた時の疲れで、額には汗が伝い、疲労感が顔に滲み出ていた。
しかし、そんな中でも、私のために走り、駆け寄ってくる。
「北乃君。大丈夫?」
「あ、あぁ……大丈夫。ていうか、よくここが分かったね」
北乃君の言葉に、私はドキッとした。
こういうのは、あまり正体はばらしたくない。
というわけで、私は隠すことにした。
「だって、化け物が暴れてるのを見て走り出したし。正義感の強い北乃君なら、ここに来るんじゃないかなって」
「あぁ、そういうこと……」
私の言葉を聞いた北乃君は、納得した様子で笑う。
しかし、しばらくした後で、唐突に、「ごめんね。迷宮さん」と言ってきた。
「ごめん……?何が?」
「ほとんど無理矢理流される形とはいえ、一緒にいたのに、急にいなくなったりして。男として、最低だよね……ホント、ごめん」
そう言って頭を下げる北乃君に、私は、正直言って驚いた。
ここまで真面目で、真っ直ぐな性格だったとは……。
「い、良いわよ……別に。元々、ラブちゃんまで使って無理に誘ったのは、私だったわけだし」
驚きのせいで、調子が狂う。
私が目を逸らしながらなんとか言葉にすると、彼は、「でも……」と言うので、すぐにそれを遮る。
「わ、私は……嬉しかった。北乃君が、私と一緒にいてくれることが。それだけで、充分だから」
「……僕さ。実は、君と出かけること、最初は少し嫌だったんだ」
突然の暴露に、私は少し息を呑んだ。
しかし、少しして、「でも」と彼は続ける。
「実際に出かけてみたら、変に気張らなくて良いし、多少失敗しても気にしなくていいというか……一緒にいて、すごく楽で、楽しかった」
そう言うと、少し目を泳がせた後で、私を見て、ニコッと笑った。
「もし良かったら、これからも、たまに出かけたりとか、したいかな」
その笑顔に、私は、顔が熱くなったのが分かった。
今すぐにでも、彼を、私のものにしたい。私しか見えないように……。
そこまで考えていた時、彼の肩越しに、とあるものが見えた。あれは……。
「っ……」
咄嗟に、私は目にゴミが入ったフリをして、目を逸らした。
「え、急にどうしたの?大丈夫?」
「あ、ごめんなさい……ちょっと、目にゴミが入ったみたいで」
「えぇ!?ちょっと見せてみて!」
そう言って、顔を覗き込んでくる北乃君。
やっぱり、彼は優しい。だからこそ、彼を選んだんだけどね。
「んん……あっ。取れたかも」
「本当?」
「うん!ありがとう。北乃君」
私がお礼を言うと、彼も照れたように笑って、「どういたしまして」と言った。
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