二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜
- 日時: 2016/12/24 22:01
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
皆さんこんにちは!ひのりです!
以前まで春太郎という名前で書いていたのですが、雑談掲示板の方での名前変えたのでこっちでも変えました!
今回は二か月ぶりにフレッシュプリキュアの小説を書いていきたいと思います!
いやぁ、ブッキー可愛いよ。うん、ブッキー可愛い。
ちなみにタイトルはそこまで意味ないです。適当に考えましたw
では、稚拙な文章になると思いますが、温かい目で見てやってください。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.13 )
- 日時: 2016/10/25 20:16
- 名前: ひのり (ID: uzSa1/Mq)
「でもどうするの?グランドフィナーレも効かないんじゃ、もう打つ手なしじゃ……」
「そんなことないよ」
ベリーの後ろ向きな言葉を、ピーチはすぐに否定した。
「諦めたらそこで終わり。だったら、最後まで諦めなければきっと奇跡は起きる」
そういうとキュアスティック、ピーチロッドを取り出し、真っ直ぐソレヨコーセに向ける。
「たとえあなたがどんなに強くても、私たちは絶対に負けない!」
透き通る声は、静かな教室の中にも響き渡り、私の脳の中にも響いた。
私はその音を噛みしめるように聴いた後で、息をつく。
「馬鹿な人ね……さっさと、諦めれば良いのに」
「プリキュアー!頑張れー!」
その時、誰かが叫んだ。
突然のことだったので驚きつつその声の主を探すと、それは坊主頭の少年、沢 祐喜だった。
彼に続くように、他の人たちも「頑張れー!」「負けるなー!」と声を張り上げる。
「どうなってるの?これは……」
「あっ、迷宮さんも一緒に応援しようよ!」
困惑する私の手を、クラスメイトの一人の女子が掴み、引っ張る。
しかし、私にとってプリキュアは敵だ。言う事なんてない。
だから、私は黙っていた。
「皆の応援が……聴こえてくる!ありがとう、皆!」
恐らく、この中ではラビリンス最高幹部である私にしか聴こえないくらいの声でキュアピーチはそう言うと、ピーチロッドを構えソレヨコーセに向き直る。
その時、ずっと黙って見ていただけのインフィニティが、突然「キュアキュアプリプー!」と言った。
するとインフィニティの額と、キュアピーチの胸元のクローバーマークがピンク色に光った。
その光はピーチロッドを包み込み、やがて、それは少し変わった形状の武器へと変わる。
「なんだ、あれは……」
「届け、愛のメロディ。キュアスティック、ピーチロッドシンフォニー!」
シンフォニー……まさか、ピーチロッドが進化したのか!?
そんな、馬鹿な……ッ!
私が狼狽している間に、ロッドのボタンのようなものがあるそれをピーチは奏で、「悪いの飛んでいけ!」と振る。
「プリキュア!ラブサンシャインフレーッシュ!」
巨大なハートはソレヨコーセの体を包み込み、静かに浄化していった。
ウェスターが去って行くのと同時に、プリキュアは変身を解き、どこかに向かった。
それは、北乃君がいる場所だった。
「あの状況で進化など……ありえない!どういうことだ……?」
「やったぁ!プリキュアが勝ったぞ!」
「学校は守られたのね!」
「ばんざーい!」
喜ぶ生徒を遠目に、私は外にいるプリキュアに目を向けた。
「進化に、愛……厄介な奴等だ……」
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.14 )
- 日時: 2016/10/26 17:49
- 名前: ひのり (ID: uzSa1/Mq)
「彰君、大丈夫?」
私たちが駆け寄ると、彰君は「大丈夫、大丈夫」と軽く腕を振って笑って見せた。
それに安心し、私はホッと息をついた。その時、袖をクイッと引っ張られたので見ると、美希ちゃんだった。
「ブッキー。安心するのは分かるけど、それよりも、早く学校に戻るわよ」
「あっ、そっか。私たち学校抜けてきたんだった」
「忘れてたの?まぁ良いわ。じゃあラブ、せつな、大輔君に彰君。またね」
「また今日のダンス練習で!」
私と美希ちゃんは慌てて挨拶をしつつ、走って学校を出た。
まぁ、運動が元々苦手な私と、毎日ランニングをしている美希ちゃんが一緒に走ったらどうなるかは当然の事象で、すぐに私と美希ちゃんとはかなり距離ができてしまった。
「ハッ、ハッ、ブッキー、ハッ、早く、しないと」
「う、うん……ハァ……」
息を切らしながらも、私は走る。
しかし、美希ちゃんとの距離は縮まらない。むしろ、どんどん離れていく。
昔から、ずっとこうだ。
勉強も運動も完璧な美希ちゃん、前向きで失敗を恐れずに何にでもチャレンジできるラブちゃん。
引っ込み思案で、完璧じゃない私は、いつしか二人と距離を感じていた。
二人に追いつきたくて、自分を変えたくて、私はダンスを始めた。
でも、結局ダメだった。
引っ込み思案な性格は治ったかもしれない。
それでも、同じ練習をしている二人との距離は縮まらないままで、プリキュアとして戦っていても、私は皆の足を引っ張るだけで、何も変わらない。
「こんな私なんか……ッ!」
いなければいいのに。
その言葉は、喉に詰まって、私の心の中に深く落とされた。
−−−
「ねぇ、桃園さん」
「ん?なぁに?」
教室に戻る廊下を歩きながら、彰君が唐突に私の名前を呼んだ。
私は適当に返事をしつつ、なんとなく大輔に目を向けてみた。
う、うわぁ……なんかすごい目して彰君見てる。
「あの、キュアパイン、だっけ。黄色い子」
「ブッキー?」
「えっと……多分その子かな。あの子ってさ、自分からダンス始めたの?」
「そうだよ〜。誘ったのは私だけど、最終的に自分からやるって言ったのは、ブッキー」
「……そっか……」
私の言葉を聞くと、彰君は顎に手を当てて何か考え込み始めた。
その後でクラスに戻った時に、皆から心配されていたが、それを無視して自分の席についてしまった。
「おい、アイツに何があったんだ?」
「私に聞かないでよ……」
大輔の言葉に、私は小さく答えた。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.15 )
- 日時: 2016/10/27 21:32
- 名前: ひのり (ID: uzSa1/Mq)
放課後になり、ダンス練習のために公園に行くと、ラブちゃんと一緒に彰君もいた。
「おっ!ブッキー!」
私に気付いたラブちゃんは、満面の笑みで手をブンブンと振った。
私はそれに軽く手を振りつつ、隣にいる彰君に「こんにちは」と言った。
彼も笑って「どうも」と言った。
「今日は桃園さんに連れ出されちゃって……理由とか、話してくれないんだよ。ずっと」
「ふっふっふ……それはあと美希たんとせつなが来たときに話すのです」
「ラブちゃんキャラ分かんないよ……」
私がそう言うのと同時に、ラブちゃんはどこか遠くを見て顔を輝かせ、手を大きく振った。
見ると、そこには美希ちゃんとせつなちゃんがこちらに走って来ていた。
「ごめーん。遅くなった?」
「んーん。私とブッキーも今来た所だしね」
「女子4人がいる中での男子のアウェイ感ってすごいね」
彰君はそう言って苦笑した。
それを聞いたラブちゃんは「そうだ!」と言って、彰君の肩に手を置いて少しだけ彰君を前に出す。
「メイスの目的である彰君!」
「いや、それは知ってるけど……」
「これからしばらく、彰君と私たちは一緒に行動するべきかなって」
「えぇっ!?」
ラブちゃんの言葉に、彰君は驚いて後ずさろうとする。
しかし、ラブちゃんは逃がさない。肩を掴んだまま力を込めている。
男子である彰君が身動きできないって、ラブちゃんどんだけ力強いの!?
「これは彰君のためなんだよ。メイス達が、いつ、どこから攻めて来るかなんて分からない。今まで学校にいる時に来るなんて無かったし。彰君が一人になった時を狙ってくる可能性は高いよ!」
「ま、まさか女子の家に泊まれとか、言わないよね……?」
「私もそれは思ったんだけどね〜。流石にそれはアウトかなって思って。とりあえず日中は基本守れたらなって」
思ったんだ……と、青ざめた様子の彰君が零した。
とはいえ、日中は一緒に行動するのかな?
そう思ってチラッと見た時、ちょうどバッチリ目が合ってしまい、私は慌てて逸らした。
なんでだろう……すごく、ドキドキする。
「でも、流石に男女比1:4って……」
「大輔達も呼んだんだけど、大輔と祐喜は部活、健人は御子柴財閥での用事でさ」
「えぇ……」
「とにかく!メイス達が彰君を使って何をするかも分からないし!とりあえずみんなで彰君を守ろう!」
彰君はしばらく困った様子で頬を掻くと、唐突に「そうだっ」と言い、カメラを取り出した。
「せっかくだから、しばらくの間皆の写真で特集作ろうかな。3人のダンスの写真、男子に結構好評だったし、特集のためっていう理由作りにもなる。一緒にいる間は、他の部活の写真とかも撮れないし」
「あっ!それ良いね!でも、それやるとしばらく他の女子の目が痛いなぁ……」
ラブちゃんはそう言ってがっくしと俯いた。
聞いてみると、昨日彰君が私たちを撮った写真から、彰君のファンから質問攻めにあったらしい。
彰君って学校ではかなりモテてるんだ……。
「なんで桃園さんに質問したりするのかなぁ……?気になることがあるなら僕に聞けばいいのに」
「それができないからでしょ」
ラブちゃんのツッコミに、彰君は首を傾げた。
なんとなく……二人の距離が近いように感じる。
同じ学校だし当然なんだけど、なんていうか……胸が痛い。
「そういえば、3人の名前……まだ聞いてなかったよね。これからしばらく一緒に行動するなら、知っておいた方がいいかな」
「そうね。私は蒼乃 美希」
「私は東 せつな」
「あぁ、一時期有名になっていた転校生の?」
「えぇ。そうね」
「ふーん……君は?」
そう言って私に顔を向けてきたので、慌てて「山吹 祈里です!」と返事をした。
少し声が裏返って変な感じになってしまった……恥ずかしい。
彰君はそれに苦笑しつつ、「よろしくね、山吹さん」と言った。
恥ずかしさからか、未だに鼓動がドキドキとうるさい。ほんと、なんなんだろうこれ……。
その時、ミユキさんがやってきた。
「ごめんごめん。ちょっと仕事が長引いちゃって。あれ、その子は?」
ラブちゃんが代表して彰君に関する説明をし、ダンスの練習が始まった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.16 )
- 日時: 2016/10/28 21:11
- 名前: ひのり (ID: uzSa1/Mq)
「ふぅ……それじゃあ少し休憩しようか。水分はちゃんと取っておいてね〜」
「はぁーい」
ミユキさんに返事をしつつ、私たちは椅子に座る。
ペットボトルに入った水を飲み、ホッと一息。
「うぅー疲れたぁ……」
「ラブったら、折角いつも失敗していたサビの部分成功させてたのに、最後の方で腕の振り逆になるとか、どうなってるのよ」
「うっ……」
「久しぶりにダンスをする私でも失敗しなかったのにね」
「うぅっ……」
「ホンットラブはドジなんだから」
「ぐぅ……っ」
私の前では、3人がそんな会話をしていた。
いつもはここで私がフォローを入れたりするんだけど、今はそんな気分じゃなかった。
また同じことで怒られてしまった……。
「ハァ……」
「元気ないね」
ため息をついた私に、隣の机でカメラのデータを見ていた彰君がそう言って横目で私を見た。
「彰君……」
「……ちょっと聞きたいんだけどさ……———」
彰君は、何事でもないような調子で言葉を、紡いだ。
「———山吹さんはさ、ダンスしてて、楽しい?」
いや、彼にとっては日常会話であり、世間話でしかないのかもしれない。
しかし、私の心には、その言葉は深く突き刺さった。
「……えっ」
「あぁ、いや……大したことではないんだけどね」
彼はそう言うと、一枚の写真を取り出した。
それは昨日、私たちを撮った時のものだった。
「これは……?」
「カメラとかレンズってさ、人の心を映し出す一種の鏡なんだ。特に、何かに熱中している時の顔っていうのは、誤魔化せないし、嘘はつけない」
「……?」
「この写真に写っている山吹さんの顔は、どことなく……楽しくなさそうな感じがあるんだ。作っているというか、無理矢理というか。でも稀にそういう笑顔を作ってしまう人もいるから、そうなのかなって思った。でも……」
饒舌に語っていた彼は、少しだけ口ごもり視線をずらして、続けた。
「今日の戦いで君が見せてくれた笑顔は、すごく綺麗な笑顔だった。あれが本当の、君の笑顔なんでしょ?」
今まで自分を誤魔化していた建前というメッキが剥がれ落ちていくような感覚がした。
私は……本当にダンスが好きなのかな。
ラブちゃん達に合わせて、やっているだけなんじゃないかな。
引っ込み思案な性格を直したいのは事実。でも、それでダンスが好きになるとは限らない。
「それは……」
言葉を詰まらせる私に、彰君は「……でもさ」と続けた。
「この写真の笑顔は、迷っていたりはするけど、それもひっくるめて、楽しんでると思うんだ」
「……え?」
私が聞き返すと、彰君はニコッと笑った。
「山吹さんは、きっと周りの人の目を気にしすぎなんだよ。僕だって、この写真から君の全てが分かるわけじゃない。でも、迷ってる理由は、周りに迷惑なんじゃないかとか、そんな感じなんじゃないかなって」
「なんでそれを!」
途中まで吐いた言葉を、慌てて止めた。
それを見て彰君はクスクスと笑った。
笑われて恥ずかしかったので、私は俯いてしまう。
しばらく笑った後で、彰君は笑いを止め、私の目を真っ直ぐ見た。
「だからさ、一度、人の目とか何も気にせず、間違えても良いから思い切り楽しんで踊って見なよ」
「人の目も……気にせず……」
「ハイ、休憩終わり!皆戻っておいで〜」
ミユキさんの言葉に私は立ち上がり、ステージに向かった。
- Re: フレッシュプリキュア!〜過去の恩と因縁と〜 ( No.17 )
- 日時: 2016/10/29 18:24
- 名前: ひのり (ID: uzSa1/Mq)
『人の目とか何も気にせず、間違えても良いから思い切り楽しんで踊って見なよ』
人の目を気にせず、楽しんで……ッ!
私は、彰君のアドバイスを頭の中で反芻しながら、思い切り踊った。
気付いたら曲は終わっていて、最後のポーズを決めながら、私は肩で息をした。
「すごいじゃない、祈里ちゃん!今日の動きすごく良かった!」
それを見たミユキさんが、笑顔を浮かべながら私に言ってくる。
「ありがとうございます……」
「本当だよー!ブッキーすごい!幸せゲットだね!」
「それにしても、急に変わるなんて、何があったのかしら?」
美希ちゃんは、そう言って顎に手を当て首を傾げた。
私が説明しようとした時、カメラを手に近づいてくる彰君に気付いた。
先にお礼を言いたかったので、私は彰君に駆け寄った。
「彰君!」
「あ、山吹さん」
私に気付いた彰君が、軽く手を挙げて駆け寄ってきた。
「さっきはありがとう!彰君のアドバイスに従って思い切り踊ったら、上手くいったし、すごく楽しかった!」
「うん。今日の山吹さんの笑顔は、戦いの時に見たものよりもすごく輝いていたね。やっぱり、ダンス好きなんだ?」
彰君はそう言って優しく笑い、首を傾げた。
それに私は「うん」と頷いた。
「今まで迷っていたけど、分かったの。私は、ダンスが好き。彰君がいなかったら、気付かずにダンスをやめていたかもしれない。気付かせてくれてありがとう」
「僕は何もしてないよ。ただ、ちょっとヒントをあげただけ。行動したのは、山吹さん。君だよ」
彰君の笑顔に、私も微笑み返した。
その時、妙に視線を感じたので見ると、ラブちゃん達がこっちをガン見していた。
「ら、ラブちゃん……?」
「ブッキーには健人君という人がいるというのに〜浮気ですか〜?」
ジト目で言われた言葉に、私はドキッとした。
「なっ、健人君とはそういうのじゃないし!」
「健人君と、は?」
「彰君も違うから!」
「ブッキーって、美人美人言われないだけで、顔は整っているしかなり可愛い部類だよね〜」
「うん。イケメンの彰君とも結構お似合いだし」
「だから違うから!」
私がムキになってつい声を張り上げると、皆はいはい分かったからといった様子であしらう。
本当に違うのに……私は、彰君に「ごめんなさい、私のせいで変な勘違いかけられちゃって……」と謝っておくと、彼は首を横に振って「気にしなくていいよ」と笑った。
−−−
「アイツ……ッ!」
私は、視線の先で行われた事に、歯ぎしりをした。
私の北乃君と、キュアパインが、まるで仲睦まじいカップルのように笑い合ったのだ。
許せない。北乃君の全ては私のものでなくてはいけないのに。
「スイッチオーバー!我が名はメイス!ラビリンス総統、メビウス様が下僕!」
私がすぐに懐からソレヨコーセを取り出し、プリキュアが使っていた音を出す機械にぶつけた。
そしてしばらくして、それは巨大なソレヨコーセになる。
「北乃君は私だけを見ていればいいのよ……私だけを!」
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