二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- sister act original
- 日時: 2017/05/16 21:49
- 名前: angelo (ID: AQILp0xC)
sister act(天使にラブソングを…)の1の後を妄想爆発させた何か。
個人的に大好きなんだ、不朽の神作である天使にラブソングを…シリーズと、キャスト達が…おばあちゃまとおばちゃま達がなんかめっちゃ可愛過ぎる。
未だかつて、こんなにおばあちゃまやおばちゃまが可愛い作品なんて無いよ、マジで。
名前のあるキャラ(デロリス、ロバート、パトリック、ラザラス、アルマ)と作中で名前が出たイグネイシャスとアニマ以外の名前は私が調べて適当につけました←
ちなみに、sister actのシスターキャラの名前はラテン語由来です←
- Re: sister act original ( No.43 )
- 日時: 2017/10/19 22:51
- 名前: angelo (ID: fqLv/Uya)
周りのシスター達は…目を伏せ、怒りを滲ませ、目頭を押さえ…中には涙を流しているシスターもいた。
ロバートもまた、涙を流していた。
しばらくすると、デロリスに抱きしめられていたニコラスは次第に落ち着きを取り戻した。
ゆっくりと、息を吐いて…呼吸を整えた。
「…ごめんなさい、取り乱してしまって…」
ニコラスはロバートの方を向いて、頭を下げた。
「…謝るのは、私の方」
「辛い話を…無理矢理に、させているようなものだもの」
ロバートもまた、頭を下げた。
「…話、続けるわね?」
ニコラスがロバートにそう問えば、ロバートは少し間をおいて頷いた。
「…中学2年のある日だったわ」
「…ずっと続いたイジめで…ネレーの心は限界を超えた」
ニコラスは修道衣の胸元を、ぎゅっと握りしめる。
「…ある時の授業中、ネレーは…窓際の席だったのだけれど」
「急に立ち上がったと思ったら…窓を開け放って…そこから…飛び、降りようと…したの」
シスター達は皆一様に驚いていた。
「私は…慌てて、ネレーを抱きしめて…止めたのよ」
「でも、精神がボロボロだった、ネレーは…次の日から…奇行が目立つように…なったわ…」
修道衣の胸元を握りしめるニコラスの手に、更に力がこもる。
「…鉛筆なんかで腕をさしたり、カッターで腕を切ったり、教室から飛び出したり、行きや帰りに車の前に…飛び出そうとしたり…」
「だから、ネレーは…学校から、精神科に行くように、言われたのよ」
ニコラスは、胸元の手を時、一息置くように…胸に手を当て、ゆっくり息を吐き出した。
「…行った精神科でも、ネレーは差別されたわ…」
「案内された個室で…ベッドに…手足を…縛られて…目隠しに、猿ぐつわ…」
重ねていたニコラスの両の手が、震え始めた。
「…ネレーは、人間の扱いすら…されてない、状態だった…生きた屍…生き地獄だったの…そう、三日三晩…」
そこまで話したものの、ニコラスは少し背を丸め、呼吸は少し荒くなり、強い恐怖心から身体をブルブルと震わせ、自分を抱きしめるようにしていた。
デロリスはニコラスの手を握った。
反対横に居たフェリクスは、ニコラスの背をさすり、優しく声をかけて居た。
- Re: sister act original ( No.44 )
- 日時: 2017/10/24 23:18
- 名前: angelo (ID: uJGVqhgC)
しばらくすると、ニコラスの震えは収まり、呼吸も整った。
「…ごめん、なさいね…」
静かにそう話すニコラスは、少し疲れたようにも見えた。
「…大丈夫?」
ロバートは心配そうにニコラスを見つめた。
「…ええ、大丈夫よ」
「…話の、続きをしなければね?」
ニコラスはロバートを安心させるように、微笑んだ。
ロバートは少し安心したように、微笑み返した。
「…4日目になると、私はもう…ネレーのあんな姿に、耐えきれなくて…泣いたわ」
「泣いて、懇願したのよ…“ネレーを解放してちょうだい”って」
「しばらく押し問答だったけど、私が責任を負うって約束で、根負けしてくれたの」
ニコラスは一息入れるように、大きく息を吐いた。
「けど、解放されたネレーは…当たり前だけど、精神疾患が悪化していたわ」
「PTSD(心的外傷後ストレス障害)、パニック障害、統合失調を併発…日常生活すらまともに…出来なかったわ」
「不眠、幻聴、パニック発作、フラッシュバック…」
「見る見るうちにやつれて、私より骨と皮状態…」
ニコラスはゆっくり息を吐き、ゆっくりと目を伏せた。
「私が入院してた、あの病院で…薬、そう…精神安定剤、を貰って…薬漬けみたいになりながら、治療していったわ」
「何年もかけて治療して、普通に生活出来るようにはなってきて…ネレーは働き口を探して…」
「最終的に、シスターになる道を選んだのよ…自分みたいな子を、助ける為に…」
「これで、話は終わりよ…」
ニコラスの表情はどっと疲れていた。
シスター達は泣いていた。
そして、処置が終了したようで、医師が現れた。
- Re: sister act original ( No.45 )
- 日時: 2017/10/23 23:14
- 名前: angelo (ID: l1OKFeFD)
ニコラスは立ち上がり、医師の前に立った。
医師はシスター達に優しい笑顔を向け、ゆっくりと話す。
「処置は完了しました…シスター・ネレーも、なんとか一命を取り留めています」
「目を覚ますのがいつになるかは分かりませんが…」
「目を覚ましたら、優しく声をかけてあげて下さいね」
そういうと、医師は別の場所へと歩き去った。
ナースの案内でネレーの病室に入ると、ネレーは眠っているようだった。
「…良かったわ、ネレー」
「あなたが居なくなってしまったら…私は…」
ニコラスは小さな声でそう呟き、細い手で、ネレーのちょっと丸っこい手を優しく包み込んだ。
「…ニコラス、あのさ」
不意に、何かを思い出したような表情をしたジュリアスが、ニコラスの横に立っていた。
「なあに?ジュリアス」
「いやさ、聞きたいことがあってさ…リリーとサーシャって誰かと思って」
そうジュリアスが尋ねれば、ニコラスは心底驚いた表情をしていた。
「…どうして、その名前を」
ニコラスが表情そのままに返せば、ジュリアスは少し頬を掻いた。
「…サーシャはあんたが倒れた時に運ばれた病院の医者から、リリーは…ネレーの口から聞いたんだよ」
「ネレーの片言具合も聞きたいけど、1つ1つ聞いてこうと思ってさ…一気に聞きただされてもニコラスが困るだろうしね」
ジュリアスがそう話すと、納得したようにふわりと微笑んだ。
そして、ゆっくりと口に出した。
「サーシャはネレーの、リリーは私の…本名よ」
- Re: sister act original ( No.46 )
- 日時: 2017/10/24 23:08
- 名前: angelo (ID: uJGVqhgC)
ジュリアスは納得したように頷いて、ニコラスに笑って話しかけた。
「そっか、本名か…だから、ネレーはずっとニコラスの事、リリーって呼んでた訳ね」
ジュリアスがそう告げれば、ニコラスもつられるように笑って。
「ええ…ネレー、昔は…顔立ちや小柄なのは変わらないけど、痩せっぽちで、今より少し長い髪で、ぱっちりした目をしてて…凄く可愛かったのよ」
ニコラスが懐かしそうに目を細めた。
「…プエルト・リコ出身だから、英語は…名前とか数字とか、1部を除いてわからなくて…昔はいつも片言だったのよ」
ニコラスが思い出すように笑うと、シスター達もつられて笑う。
「片言なのは、その時の名残り?」
ジュリアスらと一緒に目撃していたトムが、不思議そうに尋ねた。
「…名残りなら、良かったんだけどね」
ニコラスは笑顔を寂しげな表情に変え、静かに口に出した。
「あれは精神疾患の一つで…幼児退行っていう症状…ネレーの場合は統合失調症を患った影響から来てるって言われたわ」
その日の事を思い出しているのだろう。
ニコラスは泣きそうに表情を変化させていた。
「…酷い時は2才ぐらいまで退行した事もあるわ…本当、大きいけど…大人だけど、赤ちゃんそのものだった」
「しばらくしたら症状が落ち着いて…30越えてからは症状、甘えん坊ぐらいしか…出なかったのに」
ニコラスは自身を落ち着かせるように、ゆっくりと目を閉じ、大きく息を吐いた。
「…私が生死の境をさまよったのが、ネレーには逃げ出したい程にショックだったのかも、しれないわね…」
ジュリアスが少し困った表情を混じらせながら、ニコラスの肩をそっと抱いてあげていた。
トムは、ニコラスの手を優しく包み込んで。
「…ありがとう、2人とも」
ニコラスはふわりと微笑んだ。
「多分、ジュリアスやトム達が見たのは4歳ぐらいのネレーかしら」
「片言で、だけど凄く頑張って英語覚えてたから…」
「ネレーは昔っから頑張り屋なんだねぇ」
フェリクスが穏やかな微笑みを浮かべた。
「ていうかさ、面会時間そろそろ終わり頃なんだけど」
不意に、ヒューゴがポツリと呟くと、シスター達はネレーに別れを告げ、慌てて病院を後にした。
そして、修道院に戻り、それぞれが色々済ませて自室に入り、眠りについた。
- Re: sister act original ( No.47 )
- 日時: 2017/10/25 22:52
- 名前: angelo (ID: uJGVqhgC)
次の日の朝。
全員がニコラスのフォローやネレーの分の仕事のフォローをしながらも、普段通りの仕事を進め、夕方頃にネレーのお見舞いに病院へと向かった。
病室には、まだ眠ったままのネレー。
「まだ、目は覚めないみたいね」
デロリスが寂しげに呟けば、皆が目を伏せて俯いた。
「医師も言っていたものね、いつ目覚めるかは…わからない、って」
ニコラスがそう話しながら、右手でネレーの手を優しく握った。
その時、眠ったまま閉ざされたネレーの目から、一筋の涙が零れ、流れた。
「…ネレー?あなた、泣いてるの?あなたらしくもないじゃない」
ニコラスは驚きつつも、ハンカチを取り出して目元を優しく拭ってあげていた。
他のメンバーはびっくりして顔を見合わせていた。
「あなたには、笑顔が一番似合っているわ…ネレー」
ニコラスがそう、ゆっくりと話しかけた時だった。
ネレーの手と瞼が僅かに動き、そして…ゆっくりと、何度か瞬きをしながら目を開いた。
「…ここは…どこ…?」
開口一番、シスター達に小さめの声でゆっくりとそう尋ねた。
「…病院、よ」
ニコラスが涙を拭いながら、笑って答えた。
シスター達は安堵で胸を撫で下ろし、目頭を拭っていた。
デロリスがナースコールを押して。
「…ニコラス…ごめんなさい…」
「…止まらなかったの…薬…怖くて…不安で…だから…」
ネレーはニコラスの方を向き、涙を溢れさせながら、ゆっくりと答えた。
「…良いのよ、あなたが生きているのなら…それで」
ニコラスはネレーの頬に触れた。
ネレーは管の無い方の腕を伸ばし、頬に振れるニコラスの手を掴んだ。
「あのね、ニコラス…私ね、夢を見たの…ちっちゃい頃の、私達の夢…」
「懐かしくて、暖かくて…私、幸せだったの」
「ニコラスが、ずっと私の傍に…居てくれたから…」
ネレーはそう言うと、懐かしそうに目を細めた。
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