二次創作小説(新・総合)
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- ケロロ軍曹VS銀魂 次元を超えたコラボ篇 であります
- 日時: 2020/03/21 16:15
- 名前: 若大将 (ID: pakyHNO3)
ケロロ軍曹のキャラ達がなんやかんやで銀魂の世界に飛ばされてしまう物語です。
毎週土曜日と日曜日の間に2話か3話ずつアップする予定です。ですが、諸事情により、1ヶ月程空く場合があるかもしれないので、そこの所はご了承下さい。
注(キャラ崩壊、捏造等か若干あるかもしれません。)
〈大長篇〉
『真選組の赤い悪魔篇』>>17-33
- 第2話 自分勝手な行動は周りの人を巻き込む であります ( No.2 )
- 日時: 2018/06/25 00:26
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
「時空を操ることができる……でござるか。」
「心当たりあるでありますか?」
「……いや、ないでござるな。」
ケロロの隣に座って、そう答える青い生物は、ケロロ小隊暗殺兵で、とことん影が薄いドロロ兵長である。
「でも安心しましたよ、夏美さんが無事で!」
「ありがとうね、小雪ちゃん!」
夏美に抱き付いている女の子、東谷小雪は、夏美の同級生で、かつて忍野村で暮らしていたくノ一である。ちなみに、日向夏美のことが大好き。
「(ぐっ………、あの女……!夏美にベタベタと………!)」
実は、ギロロも夏美に惚れていて、小雪との仲を嫉妬している。
一方、トキキと名乗る子供のケロン人は、大人しくテレビを見ていた。
「一体この子は何者なんだろう?」
「今、クルル曹長が調べてる最中でありますけど……、ちょっと遅いでありますな。」
「ねえねえ!これって何?面白いの?」
トキキはテレビを指差すと、ちょうどテレビである番組が始まろうとしている所だった。
「って、やだ!これ銀魂じゃない!」
そう言うと、夏美は即座にテレビを消した。
「何で消しちゃうの!?僕見たいのに!」
「君にはまだ早いよ。これは子どもが見ちゃだめなアニメなの!」
「そんなことはないぜぇ〜。くっーくっくっくー。」
そこには、パソコンを持った黄色い生物がいた。彼こそ、陰湿・陰険だが、頭はキレるケロロ小隊作戦通信参謀であるクルル曹長である。
「おー!クルル曹長!何か分かったでありますか?」
「ああ。」
「じゃあ早速教えて欲しいであります!」
「やだ。」
「はぁ!?」
「銀魂見せてくれるんだったら教えてもいいんだけどなぁ〜。くっくっくー。」
「じょ、冗談じゃないわよ!あんなお下劣なアニメ、見せられるわけないでしょ!冬樹と桃華ちゃんもいるのよ!」
「夏美ちゃんって、銀魂嫌いなの?せっかく皆と一緒に見ようと思ったのに…。」
クルルの後ろから現れたのは、夏美の憧れの先輩であり、人気ラジオのパーソナリティーである623。何故かクルルと気が合う。
「623さん!?何でここに……?」
「いや、クルルの手伝いをしてて、クルルに銀魂見ないかって言われてさ。それに、俺も銀魂好きだし。でも、夏美ちゃんが嫌な」
「見ましょう見ましょう!見ましょうか銀魂!さあさあどうぞどうぞ!」
「すげぇ変わり様だな。くっくっくー。」
「やったー!」
「銀魂というアニメは、そんなに人気なんでありますか?」
「隊長も見てみりゃわかるよ。この俺でさえもハマってるんだからよ。」
「あのクルルもハマるアニメでありますか……。我輩も見てみたいでありますな。」
そうして、皆トキキのことなどそっちのけで、銀魂を見ることに。
「ギャハハハハ!!面白いですぅ!!」
「お腹痛いお腹痛いwww」
「アハハハ!やっぱり最高だねクルル!」
「いつ見ても飽きねぇなww」
「何でありますか!?ww荷台から無数のって……!面白い!アハハハ!」
笑い続ける4人に対し、
「凄い……アニメですね……。」
呆然とする桃華と、
「あー……、だから嫌なのよ……。」
がっくりとした夏美。
「(やっぱり姉ちゃん嫌いなんだなぁ。確かに僕も銀魂好きだけど、下ネタがかなり……。)」
「いやー!まさかこんなにも面白いアニメがあるとは!道理でクルルもハマる訳でありますよ!」
「最高だろ?」
「僕まだお腹痛いですぅww」
「それよりクルル。早くトキキのことについて教えんか。」
「ん?ギロロ先輩、何かウケが悪く見えるけど〜?」
「ど、どうやらあのアニメ、俺には合わないみたいだ。あんな下品なものが好きなのか貴様らは。」
「クルル、強がってるだけでありますよ。あの赤ダルマは。」
「ギロロ先輩うぶですからねぇ〜。」
「あ、そうか。くーくっくっくー。」
「ええい!うるさい!早く教えんか!」
「はいはい。分かったから、そう急かすなよ。」
「クルル、トキキ君は一体何者なの?」
「調べた結果、あのガキは俺たちと同じケロン人で、ある特殊能力を持っている。」
「特殊能力って……、時空を操れるってやつでありますか?」
「おーい、モニターカモーン。」
そう言うと、床から、巨大なモニターが現れた。そのモニターの横には、金髪の女の子がいた。
「そんじゃ、こっからの説明はよろしくな。恐怖の大王さん。」
「はい、クルルさん。」
現れた彼女は、一見普通の女の子に見えるが、実は地球を滅ぼしに来た「恐怖の大王」こと、アンゴル=モアなのである。
「おじさまの言う通り、トキキさんの能力は、時空を操ることです。具体的にどのようなことなのか、というと、このモニターを見て下さい。」
そう言うと、モニターにイラストみたいなものが映った。
「時空を操るというのは、例えば、過去へ行くことができたり、未来へ行くことができることを言います。さらに、触れた物の時間を巻き戻すこともできます。」
「触れた物の時間を巻き戻すとは、一体どういうことでござるか?」
「このカレーを参考にしてみましょう。ごく普通のカレーですが、トキキさんが触れると、このように、ご飯は稲に、豚肉は豚さんに、野菜は苗の状態に戻ってしまうのです。さらに、」
「まだあるんでありますか?これだけでも充分凄い力なのに……。」
「トキキさんは、違う次元の世界へ行くこともできます。」
「違う次元というのは……?」
「すいません。そこまでは……。てゆーか、曖昧模糊?」
「しかし、そんな能力を持ったケロン人が、何故ペコポンに……。」
「それなんでありますよ。こんな凄いケロン人がなんで……。」
その瞬間、ケロロ軍曹は思い付いた。
「(トキキのこの能力を使えば……、ゲロゲロリ。いいこと思い付いたであります。)おーい、トキキくーん。」
「ん?どうしたのおじちゃん?」
「お、おじちゃん……。まあいいや。君ってさ、違う次元に行くことができるんだよね?だったらさ、2次元の世界に行くこともできるのかな?」
「うん!行けるよ!僕、どこにでも行けるんだよ!」
「じゃあさ、我輩さっきのアニメの世界に行きたいんだけ」
「誰がどの世界に行くだって?遊びになんて行かせないぞ。」
振り向くと、そこにはこちらに銃を向けているギロロがいた。
「貴様…、まさかそいつの力を使って、侵略をサボるつもりじゃないだろうな?」
「(ヤベーーー!早速バレたー!)そ、そんなわけないでしょーが!」
「そのついでに、家事当番もサボるつもりじゃないでしょうね?」
「(さらにバレたー!)ひ、人聞きの悪いことを!2人とも、なんてことを!」
「だったら何で銀魂の世界に行きたいんだ?それなりの理由があるはずだろ?」
「いや、その……、あれでありますよ!もし行けるんだとしたら行ってみたいなー、なんてさー。」
周りは皆しらけた顔でこちらを見ていた。まるでゴミを見るかのように。
「軍曹さん、もう表情からしてすぐ分かるですぅ。」
「本当のことを言うでござる、隊長殿。」
「……………………、ああ行きたいでありますよ!あっちの世界の方が家事とかやらされなくて済むし!めんどくさい侵略なんてやらなくて済むし!いーじゃん別に!」
侵略者が侵略めんどくさいって………。なんつー理由だよ。
一同は呆れた。
「とゆー訳で、トキキ君。我輩を銀魂の世界へ!」
「させないわよボケガエル!」
「貴様という奴はーー!!」
夏美とギロロがケロロを取り押さえようとするが、ケロロはトキキを抱き上げ、軽快に2人の後ろに逃げた。
「ゲーロゲロゲロゲロゲロリ!!我輩の邪魔は絶対にさせないであります!さあトキキよ!銀魂の世界にレッツゴーであります!」
「うん!行こーーー!」
その瞬間、トキキから白い光が発せられ、辺りは一面真っ白になった。
「ゲーロゲロゲロゲロゲロ!しばらくの間、留守を頼んだでありますよ!」
「え、おじちゃんだけなの?」
「え?そうでありますけど?」
「僕、みんなで行った方が面白いと思うから、皆連れてく!!」
そう言うと、トキキはさらに強い光を発した。光が日向家にいた11人を包んだ。
光が消えた瞬間、日向家には誰もいなくなり、辺りは静まり返っていた。
- 第3話 人生にアクシデントは付き物 であります ( No.3 )
- 日時: 2018/06/25 02:58
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
……声が聞こえる。
あの後、私どうなったんだっけ……。
確か、トキキ君が発光して……それから……。
夏美は目を覚ました。周りを見渡すと、そこは見覚えのないある和室だった。
「えっ………、ここ、どこ?」
横を見ると、そこにはケロロと冬樹が布団をかけてぐっすりと寝ていた。
「ねぇ!ちょっと!2人とも起きて!」
「う……うん……あれ、姉ちゃん?」
「我輩、いつの間にか寝てしまってたんでありますか?」
「呑気なこと言ってる場合じゃないわよ!ここどこなのよ!?」
「あ、やっと起きましたね。」
襖が開いて、そこに眼鏡をかけた少年が入って来た。
「いやー、びっくりしましたよ。僕たちが仕事から帰って来たら、玄関にあなたたち3人が倒れていたんですから。」
この眼鏡の少年に3人は見覚えがあった。
「あのー、あなたのお名前は何でありますか?」
「僕ですか?ここで働かせてもらってる志村新八です。」
「じゃあ……、ここって……。」
「間違いないよ姉ちゃん。ここは……!」
「銀魂の世界でありますーーー!!キャッホーイ!」
「僕たち……、ほんとに来ちゃったんだ……!凄いよ姉ちゃん!トキキ君の能力は本当だったんだよ!」
「関心してる場合じゃないわよ冬樹!それより、皆は!?623さんは?小雪ちゃんは?」
「ほんとだ!西澤さんとモアちゃんも!」
「そういえば。タママとギロロとクルルも、トキキもいないであります!」
「あのー、さっきから何のお話をしてるんですか?」
話の内容に全くついていけていない新八。と、次の瞬間、
「ギャアァァァァァァ!!何だこれー!!」
と誰かの悲鳴が響き渡った。
「銀さん!どうしたんですか!?」
新八は部屋を後にし、悲鳴の方へと向かった。
「何があったの?」
「行ってみるであります!」
3人も悲鳴の方へと向かってみると、そこには、素っ裸の状態で風呂場から出てきた銀髪の男が何かから逃げていた。
「きゃーーー!変態!」
「ぐ、軍曹!あれ!」
「ゲローー!トキキ!」
どうやら、銀髪の男は、風呂場にいたトキキに驚いて、悲鳴を上げたのだろう。
「待てーー!モジャモジャーー!って、おじちゃん達だ!」
「トキキ!駄目でありましょ!怖がって逃げてるでありますよ!」
「ご……ごめんなさい。」
「銀さん!大丈夫ですか?」
「おいおいおい。昼は仕事から帰って来たら、訳のわかんねぇ3人が倒れてるし、夜は風呂に入ろうと思ったら、訳のわかんねぇガキがいきなり襲い掛かってきて…。もう何なんだよ今日は!訳が分からないことのオンパレードだよ!」
「ひょっとして、その子も、君たちの知り合いなの?」
「え、はい、まぁ……。」
「ゴチャゴチャうるさいアル。今度は何アルか?」
そう言い、鼻くそをほじりながら現れたのは、赤いチャイナ服を着た夏美と同じ年の少女。
「あれ?お前ら昼の……!」
「いやいや、僕たち決して怪しい者じゃないんですよ!」
「じゃあ何で人ん家でぶっ倒れてたんだよ?空き巣しようとしたら、何も無さすぎたショックで気絶しちゃったとか?」
「とりあえず銀さん。何か着てください。いつまで素っ裸のままなんですか。」
「とりあえず事情を説明してもらおうか。ちょっとこっち来い。」
銀髪の男は衣服を着たら、ソファにもたれかかって、向かいのソファに座れと3人にジェスチャーで促した。
「えー、とりあえず、名前を教えてもらおうか。」
「えー、日向冬樹です。」
「日向夏美です。」
「我輩はケロロ軍曹であります!」
「僕、トキキ!」
「なるほどな。地球人2人と天人2体か。」
「あの、天人というのは…、一体。」
「何だお前ら。見るからに天人の姿なのに、天人知らないのかよ。天人っていうのは、いわゆる宇宙人だ。ちなみに、そこにいるチャイナ娘も天人だ。」
このチャイナ服を着た少女もケロロ達と同じ宇宙人だということに、冬樹と夏美は驚きを隠しきれなかった。
「えぇ!そうなんですか!?全然そんな風には……。」
「神楽ちゃんは見た目は地球人だけど、実は夜兎族っていう戦闘民族の1人なんだよ。」
「改めて自己紹介するアル。私神楽アル。よろしくネ!」
「よろしくであります、神楽殿!」
「で、お前ら結局何者なんですか?」
銀髪の男が水を差すように質問してきた。素直に答えようにも、おそらく信じてもらえない。別の次元からやって来ましたなんて、「はいそうですか」ってすぐに納得する訳がない。どう答えればいいのか悩んでいたケロロ達だったが、
「僕たち、別の次元から来たんだ!」
トキキが何の迷いもなく答えた。
「別の次元だぁ?あのなぁ、そんな話毛が生えたばかりの赤ん坊でさえ嘘だって分かるぜ?」
「赤ん坊はわかんねぇよ。」
「ほんとなんだよ!信じてよ!」
トキキがいくら説明しても、銀髪の男は聞く耳を持たない。新八と神楽もあまり信じていないようだ。当然だ。そんな話信じる方がおかしい。しびれを切らした銀髪の男は、
「そんなに言うんだったら、俺をその別の次元とやらに飛ばしてみろよ。」
と言い、トキキを抱き上げて、
「じゃあ、ワン〇ースの世界に飛ばしてみろよ。飛ばして俺を成金王にしてみせろよ。」
「ちょ、ちょっと銀さん!本気ですか?」
「ああ。もし本当なら、信じざるを得ないからな。それじゃ、頼むぜ。」
「いいの?じゃあ、行っちゃうよーー!せーの!」
と言ったと同時に、トキキから白い光が発せられた。
「うわっ!眩しいアル!」
「銀さん!銀さーん!」
光が収まると、そこに、銀髪の男とトキキの姿はなかった。
「嘘……!ほんとに消えた……!」
「銀ちゃんマジでワン〇ースの世界に飛ばされたアルか!?」
「そうであります!これで銀髪の男殿も信じざるを得ないでありますよ!」
5分くらい経過したときに、銀髪の男とトキキは戻って来た。銀髪の男は、汗だくで、小刻みに震えていた。
「銀さん……、まさか……!」
「ああ……。会っちまったよ……!本物のル〇ィに!夢なんじゃねぇかって思って、ゴムゴム一発撃ってもらったよ……。痛かったよ……。これは間違いなくリアルだ!今まで疑ってすまねぇ!許してくれ!300円あげるから!」
「そ、そんな、いいんですよ。分かってもらえたならそれで」
「男に二言はないであります。さぁ、早く300円を我輩に。」
「何真に受けてるのよ!失礼極まりないでしょうが!」
そう言うと、夏美はケロロの頭をグリグリし始めた。
「イダダダダダダダダ!ごめんなさいーー!」
「……何かこの緑色、どことなく銀ちゃんに似てるアル。」
「……僕もそう思った。」
「それで、どうしてこの世界に来たんだ?」
「全部こいつに巻き込まれたんです。」
「えぇ!?だって、まさか夏美殿たちまでつれていくなんて我輩…!」
「元はといえばあんたがあんなことするからでしょ!」
ケロロと夏美の口論は止まらない。それどころか、激しくなっていく一方だ。
「ちょっとやめなよ2人とも!」
いくら冬樹が止めても、一向に収まる気配はない。
と、突然、銀髪の男が机を思い切り叩いた。
辺りは静まり返った。
「銀さん……?」
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。発情期ですか?コノヤロー。人生にアクシデントは付き物だ。それを責めてもしょうがねぇだろ。そんな過ぎたことをねちねち言ってる暇があんなら、そのアクシデントを解決する方法を考えようぜ。俺たちも手伝ってやるよ。それでいいな?お前ら4人だけじゃないんだろ、ここに来たのは?」
「……本当に、いいんですか?」
「坂田銀時に二言はねぇ!」
「僕たちも仲間探し、手伝いますよ!」
「このかぶき町の女王・神楽様に任せるネ!」
「……銀時殿、新八殿、神楽殿……!ご協力、感謝するであります!!」
「おいおい、そんな堅くなるなよ。」
「……姉ちゃん、銀魂がどうして人気か知ってる?」
「?」
「ギャグが面白いのもそうなんだけど、シリアス回の銀さん達がカッコいいのも人気の1つなんだよ。」
「……私、銀魂に対する偏見がちょっと強かったのかも。」
「そんな訳で!その依頼、万事屋銀ちゃんが承りました!」
「足臭い腐れ天パとダ眼鏡が足を引っ張るかもしれないけど、よろしくネ!」
「誰が足臭い腐れ天パだゴラァ!初対面の奴にどう思われるかわかんねぇだろーが!!」
「同じく、初対面の人にダ眼鏡とか言わないでくれる!?」
この光景に、トキキ以外の3人は、苦笑いするしかなかった。というか……、いつ依頼したっけ?
- Re: ケロロ軍曹VS銀魂 時空を超えたコラボ篇 であります ( No.4 )
- 日時: 2018/06/25 05:50
- 名前: D8車 (ID: eIGY/Ct6)
初めまして、D8車と申します。若大将さんの作品も見ています。これからも楽しみにしています。
- 第4話 揉め事は早めに止めるべし であります ( No.5 )
- 日時: 2018/06/27 02:33
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
そんなことで、しばらく「万事屋銀ちゃん」でお世話になることになった、ケロロ軍曹達。
「とりあえず、そこのお嬢ちゃんは神楽と同じ部屋、野郎と緑は俺の部屋で寝ろ。俺はソファで寝るから、足の臭さで寝られないなんてことはねぇ。」
「い、一応足の臭いは自覚してたんですね……。」
「銀ちゃんの足の臭さは国宝級ネ。」
「足の臭さに国宝級もクソもないから神楽ちゃん。」
新八が冷静に指摘すると、突然神楽の部屋から巨大な犬が、銀時の頭に噛みついてきた。
「定春!やっと起きたアルか!」
「え……でか!何でありますかこの犬は!一体何を食べさせたらこんなに大きく……。」
「紹介するネ!私のペット、定春アル!」
「これ、神楽ちゃんのペットなの!?」
「モフモフしてて、可愛い!神楽ちゃん、撫でていい?」
「いいヨ!」
「いや誰も血だらけの俺のことはツッコまないわけ!?」
「定春、ダメアルよ。ほら、ペッして。」
「銀時さん、大丈夫ですか?」
冬樹は、顔が血だらけの銀時のことを心配しているが、
「これが日常茶飯事だから、気にしなくていいんだよ。」
と新八が澄ました顔で言った。
こんなことが毎日起こってるの?やっぱり銀魂は凄いな……。
「ねえ。」
銀時が皆に呼び掛けた。
「定春の次はこいつが俺の頭に引っ付いてるんだけど。」
銀時の頭上を見ると、そこにはトキキが銀時の髪の毛をいじって、笑いながら遊んでいた。
「アハハハ!これチリチリしてて面白い!」
「誰の髪がチリチリしてるってぇ!?ちょっ、あんまり引っ張んな!イダダダ!」
「コラコラ、駄目でありましょ〜。さ、我輩のところへ来るであり」
「おじちゃんつまんなそうだからヤダ。」
その瞬間、何かが切れたような音が聞こえた。
「むきーーー!この小童が!!子どもだからって容赦なんてしないでありますよ!」
完全にキレたケロロは、銀時からトキキを離そうとするが、トキキはがっちりと銀時の天然パーマにしがみついて、離れようとしなかった。
「コノヤロー!往生際が悪いでありますよ!」
「絶対離さないもん!」
ケロロとトキキの死闘は続く。しかし、
「イダダダダダダダダ!!おいクソ緑!引っ張るんじゃねぇ!そのガキ剥がす前に俺の髪の毛が剥がれちまう!!やめろぉぉぉぉ!!」
「ちょっとあんたたち!いい加減にしなさい!銀さんが大変なことになってるでしょ!」
「やめなよ軍曹!」
夏美と冬樹が止めに入ろうと思った瞬間、ケロロがトキキを抱えて後ろへ倒れこんだ。
「いてて……。どうやらこの勝負、我輩の勝ちのようでありますなって………、何これ?」
ケロロの周りには、細いキラキラしたものが辺り一面に散らばっていた。その瞬間、ケロロ達は青ざめた。確かにトキキは銀時から離れていた。ただ、トキキの手には、そのキラキラしたものが大量に握られていた。……ということは……。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!俺の髪の毛がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!てめぇ!どうしてくれるんだ!?星海坊主みたいになってんじゃねぇか!」
「ホントアル…。パピーそっくりネ。」
実は、神楽の父親は、銀河を股にかける宇宙最強のエイリアンハンター、星海坊主なのである。めちゃくちゃ強いけど、髪の毛が…………というところなのだ。
「へぇー。神楽ちゃんのお父さんってそんな人なん……って、そんな話してる場合じゃないわよ!銀さん、大丈夫ですか?」
「これのどこをどう見たら大丈夫に見えるんだよ!てめぇがあんなに強く引っ張るから!」
ケロロはどうしていいか分からず、ただ汗だくになって、うろうろしているだけであった。
「ゲローー!どどどどうしましょ!?我輩、わざとじゃ……!そうだ!こういう時は落ち着いてタイムマシンを探すんであります!」
そう言うと、ケロロはタンスの引き出しに入ろうとしていた。
「あんたが落ち着いてくださいよ!ていうかそれ僕たちのギャグ!」
「参ったな……。これからどう人と接していきゃあいいんだよ……。」
完全に落ち込んでしまった銀時。どうすればいいのか、ここにいる全員全く案が浮かばなかった。と思ったら、
「僕に任せてよ!」
名乗りを上げたのはトキキであった。
「…おめぇみてぇなガキに何ができんだよ。たかが時空を操ることしかできねぇくせして……。どうやって俺の髪の毛を元に戻すってんだよ?」
「そうか!そうでありますよ!巻き戻しであります!」
「巻き戻し?」
「実は、トキキ君は別の次元に行くだけでなく、触れた物の時間を巻き戻すこともできるんです。」
「つまり、トキキが銀時殿に触れることにより、銀時殿の髪の毛の時間をフサフサだった頃まで戻すんであります!」
「そ、そんなこともできるんですかその子!?」
「本当にできんのか?」
「やってみなくちゃ、分かんないでありますよ!」
「それじゃ、いくよ!」
トキキは、銀時のツルツルの頭に手を置くと、手が白く光り始めた。
「これで駄目だったらお前ら追い出すからな。」
「(とばっちり!?)」
すると、トキキの手から水色の魔方陣のようなものが出てきた。それは、時計を思わせるような形で、紋様には、時計の針みたいなものが印されていた。
「な、何か出てきたアル!」
「これは一体……!」
「ほんとに大丈夫なんだよね!?銀さんの髪の毛、元に戻るんだよね!?」
「いくよ!ハァァァァァァァ!えい!!」
掛け声と共に、紋様の時計の針みたいなものが、反時計回りに動き出した。同時に、とてつもない光が発せられた。
「ゲローー!眩しい!」
「これで、銀さんの髪の毛は……!」
しばらく、発せられた光が部屋中を包んだ。そして、光が消えると、そこにはおなじみの銀髪の天然パーマの男がいた。
「……も、戻ったーーー!マジかよ!いつものフッサフサの天然パーマに戻ってるぅぅぅぅ!」
「ほんとアル!ヅラじゃないネ!」
「良かったですね、銀さん!」
「望みをいうなら、サラッサラのストレートパーマがよかったけど、髪がないよりはマシだな。」
「銀時殿、すまなかったであります!ほら、トキキも謝るであります!」
「………ごめんなさい……。」
「いいんだよ。もう過ぎたことだし。」
「次気を付ければいいんですよ。」
「次は銀ちゃんじゃなくて新八でやるアルよ!」
「おいいいい!何で僕!?僕の髪の毛何だと思ってんだよ!」
「うっせーなダ眼鏡。特に目立ちもしねぇくせに。」
「んだとこのクソアマ!僕だって、3次元では菅○将暉っていう人一倍目立ってる所があるんだぞ!」
「「だから、いつまで実写映画引っ張ってんだゴラァァ!!」」
そう言うと、銀時と神楽は、新八目掛けて思い切り蹴りを食らわせた。
その光景に、ケロロ達は呆然とするしかなかった。
「凄いよ姉ちゃん!アニメでやってたやり取りそのものだよ!」
冬樹を除いては。
「じき実写映画第2弾がやるからって、またそのネタ持ち込んで来やがって!」
「どんなイケメンがやろうと、新八は新八だということには変わりはないネ!」
「しょうがないじゃん!実際僕そこしか目立ってる所ないし!」
「別にいいじゃねぇか。何も目立つ所がないからこそ新八なんだよ。」
「逆に新八が目立つキャラになったら、私ちょっと引くアル。」
「そんなに僕目立っちゃ駄目なの!?僕ってどんな存在なの!?」
いつものパターンだ。銀時と神楽が新八に対してボケまくり、それに小うるさい新八のツッコミが入る。
「なかなか愉快でありますな。楽しそうであります。」
「あれ楽しそうって言えるの?圧倒的にあの2人が新八さんをいじめ倒してるようにしか……。」
「僕もあーゆーのしたいなーー!」
「お子さまにはまだ早いでありますよ〜〜。」
「それにしても、トキキ君の能力は本当に凄いね。本当に銀さんの髪の毛を元に戻したんだもん。」
「(あれ……?ちょっと待って……。トキキって……どこかで聞いたことがあるような……。)」
ケロロはふとそう思った。トキキのことをどこかで聞いたことがあるような感じがするみたいだ。だが、
「(……いや、ないでありますな。)」
そう済ましてしまった。
しかし、このトキキが後にとんでもない事態を引き起こすことになるとは、皆知る由もなかった。
- 第5話 準備は効率よく迅速に であります ( No.6 )
- 日時: 2018/07/01 17:32
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
「それよりお前ら、飯どうする?」
気が付けば、もう夜7時を過ぎていた。色々なことがあったから、夕飯のことをすっかりと忘れていた。
「新八ーー、ご飯ヨロシーー。」
「神楽ちゃん、たまには自力でやったらどうなの?」
「こいつに料理任せたら、ご飯一杯と生卵一個出てそれで終わりだよ。」
「ていうか、冷蔵庫には卵すらないですよ。」
冷蔵庫を見てみると、その中には、イチゴ牛乳1本と長ネギ1本しかなかった。
「見事に何もないでありますな……。買い物には行かないんでありますか?」
「行かないんじゃなくて行けないんだよ。見てみろ。これが俺の全財産だ。」
そう言うと、銀時はポケットの中から財布を取り出した。そこから、十円玉2個と1円玉4個が出てきた。これに、ケロロ、冬樹、夏美は驚きを隠せなかった。
「銀時殿……。今までよく生きていけたでありますな……。」
「所持金24円……。」
「うちは依頼が来て初めて儲かるんだ。だけど、その肝心な依頼もまともに来ねぇ。おかげで万年金欠状態だよ。」
「仮に依頼が来ても、その報酬全部こいつがパチンコで費やすから、結局振り出しに戻ってしまうアル。」
「どうするんですか今日の夕飯。買いに行こうにも行けませんよ。」
「どうするつったって……。」
その時、電話が鳴った。銀時が出ると、新八に来いと手招きした。どうやら、新八に用があるらしい。
「はい、もしもし。姉上!どうしたんですか!?」
「新ちゃん!早く帰って来て!家の中に天人と女の子が倒れてて!」
「天人と女の子?……もしかして………!姉上!すぐに帰ります!」
そう言い、電話を切ると、新八は一目散に万事屋から出て行った。
「お、おい!新八!どうしたんだよ!」
「私たちの夕飯は!?」
「いやそれどころじゃない気がするわ、神楽ちゃん。」
夏美が苦笑いしてそう言うと、何か思い出したのか、ポケットに手を入れた。
「どうしたアル夏美?」
「あの、よかったら、私たちが何か作りましょうか?」
「えっ?作るっつったって、食料は?」
「たまたまポケットに財布があったんで、今から何か買って来ますよ。」
「マジでか!?」
「本当にいいのか?」
「はい。私が買い物行ってる間にあんた達はいつでも作れるように準備しといてね。」
「分かったよ姉ちゃん。」
「な、何で我輩まで」
「文句でもあるんですか?」
「いえありまぜんげど?」
夏美に睨まれたケロロは、片言な口調でそう言い、すぐに冬樹と準備に取りかかった。
「銀さん達はゆっくりしてて下さい。しばらくお世話になりますから、これ位のことはしとかないと。」
「悪ぃな姉ちゃん。」
そう言うと、夏美は万事屋から出て、買い物に行った。
「夏美めっちゃしっかりしてるアル!どっかのクソ天パとは大違いネ。」
「誰がクソ天パだとコラ!もう一辺言ってみろクソガキ!」
「んだとコラ!だったらきちんと給料位払えや!天パ何とかしろや!足の臭い何とかしろや!」
「まあまあ、落ち着いて。トキキが起きちゃうでありましょ。」
ケロロの目の先には、銀時の机の上で寝ているトキキがいた。
「さっき、力を使いすぎたせいで、疲れてるんであります。ゆっくりさせといて欲しいであります。」
「軍曹!何してるの?」
「ああ、ゴメンゴメン冬樹殿!今行くであります!」
ケロロは台所に行った。銀時と神楽はその様子を見て、
「まだ中学生だぜ?なのにこんなにしっかりしてて……。自分が情けなく感じてくるぜ。」
「そういや、新八はどうしたんアルか?」
「わかんね。何か、お妙からだったんだけど、なんか慌ててた様子だったぜ。」
「卵焼きがやっと、黄色い卵焼きになったアルか !」
「それだったら嬉しいけどな。」
一方、新八は、走って自宅へと向かっていた。
「(天人と女の子って……、まさかだとは思うけど……。)」
そう思いながら、新八は走るスピードを上げた。