二次創作小説(新・総合)
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- ケロロ軍曹VS銀魂 次元を超えたコラボ篇 であります
- 日時: 2020/03/21 16:15
- 名前: 若大将 (ID: pakyHNO3)
ケロロ軍曹のキャラ達がなんやかんやで銀魂の世界に飛ばされてしまう物語です。
毎週土曜日と日曜日の間に2話か3話ずつアップする予定です。ですが、諸事情により、1ヶ月程空く場合があるかもしれないので、そこの所はご了承下さい。
注(キャラ崩壊、捏造等か若干あるかもしれません。)
〈大長篇〉
『真選組の赤い悪魔篇』>>17-33
- 特別篇 『銀魂2』上映を記念して であります ( No.12 )
- 日時: 2018/08/17 16:11
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
えー、今回は、実写映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』の上映を記念して、本来の話から脱線して、特別篇をアップさせていただきます。
「銀ちゃん!ついに今日から実写版第2弾が上映されるネ!」
「……あれ、銀さんどうしたんですか?そんな浮かない顔して?」
「いやさ……、ちょっとばかし納得いかねぇ所があんだよ。」
「納得いかないって……、どういうことですか?」
「やっぱり、銀さんは小◯旬よりジャ◯ーズ系の方が合ってんじゃねぇかって。」
「あんたいつまでそれ引きずってんだよ。ていうか、正直銀さん役にジャ◯ーズは勿体なさすぎですよ。」
「何だとコラ!だったら言うけど、てめぇに菅◯将◯なんて勿体ないことこの上ねぇよ!」
「そうネ!お前みたいなダ眼鏡、そこら辺の安っぽい眼鏡で事足りるアル!」
「せめて人間使えや!!てめぇら僕がいないと、この作品成り立たないってことが分かってねぇんだよ!」
「でも、確かに銀ちゃんにジャ◯ーズは勿体ないネ。高杉役にジャ◯ーズを抜擢したのは正解アル。」
「確かに、ジャ◯ーズに銀さんみたいな駄目人間役させられないからね。」
「おい神楽。それてめぇにだけは言われたくねぇわ。千年に一度の美少女に鼻ほじなんかやらせやがって。」
「何を言ってるアルか銀ちゃん!私みたいな美少女役、◯本◯奈以外誰がいるネ!」
「何で◯本◯奈ちゃんあんな役引き受けたんだよ。お前の方が十分勿体ねぇよ。」
「確かに、初めて◯本◯奈の鼻ほじを見たときは、驚きを隠せませんでしたね。ていうか、第2弾でも鼻ほじするみたいですし。」
「えっまたやんの!?ちょっとちょっとぉ、もう一回キャスティング考え直した方がいいって……。」
「いいや、考え直す必要はねぇぜ旦那。」
玄関から、誰かの声が聞こえた。そこには、4人の人影があった。
「邪魔するぜ万事屋。」
扉を開けて、中に入ってきたのは、真選組の4人だった。
「近藤さん!土方さんと沖田さんまで!」
「いや新八くん、俺もいるから。」
そう言い、自分もいるよと指で自分を指しているのは、真選組監察である、通称ジミーこと、山崎退。
「さっき総悟が言ってたが、改めて言わせてもらう。キャスティングは考え直す必要はない!」
腕を組みながらそう言うゴリラっぽい人は、真選組局長かつ、新八の姉・妙のストーカーである近藤勲であった。
「いやいやいや、何言っちゃってんのあんたら。あんたらの方がキャスティング変えるべきでしょ?」
「俺らはてめぇらと違って、自分のキャスティングに満足してるんだよ。柳◯優◯に俺役をやってもらえるなんて、光栄だよ。」
「柳◯優◯に対する感謝の気持ちが足りねぇぞ土方。もっとありがたく思えや。」
「てめぇこそ、吉◯亮に対する感謝の気持ちが足りねぇぞ。あんなイケメンにお前みたいな役やらせてんだからよぉ。」
「2人とも落ち着いてくださいよ。」
土方と沖田の口論を山崎が止めに入るも、口論はさらにエスカレートする一方だった。
「大体ジミー君。お前去年の実写映画出てた?」
銀時の一言に傷ついたのか、山崎はへなへなとその場に座り込んだ。
「万事屋。一応山崎そのこと気にしてんだぜ。」
「銀ちゃんデリカシー無さすぎアル。」
「どーせ俺なんか……。どーせ……。」
完全に落ち込んでしまった山崎は、ぶつぶつと独り言を言い始めた。
「や、山崎さん!元気出して下さいよ!この前はドラマだけでしたけど、今回はちゃんと映画に出てるじゃないですか!」
「確かに出てるけど……、本ポスターが解禁されるまで、ずっと忘れられてたんですよ……。今までずっと、『これでキャストが勢揃い』とか言われてたけど、ポスターが公開されてようやく、俺が出演してるってことが発覚して……。」
新八が何とかして励まそうとしたが、実写でも忘れられてたことを根に持ち、山崎は立ち直ろうとしなかった。
「……まあ、山崎はそっとしておいて……、近藤くん、今すぐキャスティング変えろ。」
「おい、どういうことだ万事屋!俺は中◯勘◯郎でぴったりだろ!」
「そうだ。あの迫真の演技は中◯勘◯郎にしかできねぇことだ。」
「何言ってんだ。歌舞伎役者をハチミツまみれにしたり、挙げ句の果てには全裸にまでさせることが迫真の演技だぁ?ふざけんのも大概にしな。」
「ふざけてんのはてめぇだろ。他人のキャスティングにケチをつけるどころか、自分のキャスティングにもケチつけやがって。贅沢なこと言うんじゃねぇ。」
「そんなに変えたいんなら、てめぇが監督に直談判しやがれ!まあ、俺は中◯勘◯郎で満足してるけどな。」
「んだとコラ!クソマヨラーにストーカーゴリラにあんないかした俳優は無駄遣いなんだよ!」
「何だてめぇ。喧嘩売ってんのか?」
「そう聞こえなかったのか?」
「上等だよ!買ってやんよ!」
そう言い、銀時と土方は喧嘩を始めてしまった。
「ちょっとぉぉ!いい大人が喧嘩なんてやめて下さいよ!神楽ちゃんも、早く2人を止め……。」
「今すぐ◯本◯奈に謝罪しろ。鼻ほじを2度もやらせてしまってすいませんでしたってな。」
「んだとクソサド。吉◯亮にお前みたいなクソ役をやらせてもらってんだヨ。その感謝の印として、神に命捧げろヨ。」
沖田と神楽も口論を始めてしまった。だが、この2人に至っては毎度のことだから、別に止めなくてもいいと新八は思った。
「もーーー!どいつもこいつも!近藤さん、こうなったら僕らだけで」
「い、いかん!もうじきお妙さんが買い物に行く時間じゃないか!1人にしては危険だ!すぐに護衛に行かなけ」
「てめぇは一体何の心配をしてんだよぉぉ!!」
「ごほぁ!!!!」
そうツッコミを入れた新八は、近藤にドロップキックをくらわした。近藤は勢いよく窓から外に吹っ飛ばされた。
「柳◯優◯に謝罪しやがれ!」
「全国の小◯旬ファンに土下座しろ!」
「てめぇには◯本◯奈じゃなくて、〇〇〇〇がお似合いだ!」
「吉◯亮ファンに殴られて◯んじまえヨ!」
「あー……どんどん影が薄くなってるような……。」
「あーもー!どう収集つければいいんだよぉ!結局『ケロロ軍曹』とコラボして小説になってもやってることは何にも変わんねぇじゃねぇか!!」
何はともあれ、『銀魂2 掟は破るためにこそある』無事上映できて良かったです。
前作と同じように、大ヒットすることを心から願っています。
- 第11話 影が濃くてもあまりいいことはない であります ( No.13 )
- 日時: 2018/08/25 23:04
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
さて、ようやく柳生家に着いた万事屋一行。
「はぁ……。はぁ……。やっと着いた……。」
「あんた本当に体力ないわね。男でしょ?」
「僕にはこの階段は長過ぎるよ……。」
息を切らしながら冬樹は弱音を吐いた。
「東条さん。今思ったんですけど、嫌われてるのって……勘違いなんじゃ?」
「何で理由もないのに嫌われなきゃいけないんですかぁ?」
「私だって嫌われてるなんて思いたくありませんよ!でも、若や柳生四天王だけでなく、敏木斎様まで私のことを!一体何をしたというのですか!?」
東条は、今にも泣きそうな声でそう言った。でも、皆はとてもと言っていいほど、東条が嫌われてるとは思えないのだ。根拠はないが、そう思えるのだ。
「……やっぱり、直接九兵衛さんに聞かなければ分かりませんよ。」
「そうですよ!きっと、東条さんの思い違いですよ!」
「み……皆さん……!」
新八と冬樹に励まされたからなのか、東条は目に涙を浮かべた。それと同時に、東条はあることに気づいた。
「あれ?銀時殿とケロロ殿は何処へ?」
皆は辺りを見回した。東条の発言通り、ケロロと銀時の姿がどこにも見当たらない。
「銀ちゃんー!ケロロー!ウ◯コアルかーー?」
「……一体どこに行ったんだろ……?」
さて、軍曹と坂田銀時さんはというと……。
「ここでありますか………。」
「ああ。俺の第六感がそう言ってる。」
ケロロと銀時は柳生家の敷地内にあると思われる、巨大な蔵の前に立っていた。
「しかし、東条殿も太っ腹でありますなぁ。」
「ああ。まさか柳生家にある宝の5割を報酬にしてくれるなんてなぁ。そして、ここがその宝がある、宝物庫だ。……と思う。」
「でも、いいんでありますか?まだ依頼は達成してないでありますけど……。」
「バッキャロォォォ!」
銀時はそう言うと、ケロロを木刀で殴り付けた。ケロロは勢いよく、木に激突した。
「ちょっと!何するんでありますか!?」
「馬鹿かてめーは?その考えが、どれだけチャンスを逃しているのか分かってねぇのか?お前は、目の前にあるお宝と、あんな私情混じりな依頼を真面目に請け負うのと、どっちを選ぶんだ!?」
その時、我輩は気付いた。今まで、そのような真面目な考えによって、どれ程のチャンスを逃してきたか。
今までの我輩が、どれだけ愚かで浅はかだってことを………。
いや、あなた方が一番愚かで浅はかですから!今あなた方がやろうとしていることは盗み、れっきとした犯罪ですよ!目を覚まして下さい!
「銀時殿、我輩が間違っていたであります。今こそ、そのチャンスという奴なんでありますな。」
「その通りだ。行くぞ。」
銀時は宝物庫の扉にある南京錠を木刀で打ち砕き、扉を開けようとした時、
「ぎ、銀時!?こんな所で何を!?」
「隊長殿まで!一体何故ここに!?」
後ろから声が聞こえた。振り返ってみると、そこには、左目に眼帯を付けた人物とドロロ兵長が野菜がたっぷり入った段ボール箱を持って立っていた。
「くそっ!見つかっちまったか!」
「な、なんでドロロがここに!?……ははーん、さてはドロロもこのお宝目当て……。そうはいかないであります!」
ケロロはカンフーの様なポーズをとり、銀時は木刀を構えた。そして、一斉にドロロ達に襲い掛かってきた。
「「俺達の邪魔はさせねぇぇぇぇぇ!!!!」」
「お、おい銀時!一体どうしたというんだ!?」
「九兵衛殿!下がるでござる!」
ドロロは腰から短刀を抜き、銀時とケロロに一太刀を浴びせた。そして、短刀を鞘に収めると同時に、銀時とケロロはその場に倒れ込んだ。
「安心せよ。峰打ちでござる。」
「あ、銀ちゃんいたアル!」
新八達も、ようやく銀時達の元へとやって来た。
「ドロロ先輩ー!無事だったんですねぇ!」
「タママ殿!それに皆!無事で何よりでござった!」
「やっぱり東条さんが言ってた『天人』って、ドロロのことだったんだ。」
「天人?一体それは……?」
「実はね、私達トキキ君の力で『銀魂』の世界に飛ばされたの。そして、『天人』っていうのは、この世界でいう宇宙人、つまりあんた達のことを言ってるの。」
「成る程……。トキキ君の力は本当だったのでござるな。しかし……、何故隊長殿はいきなり襲い掛かって来たのでござる?」
ドロロの視線の先には、自身によって倒れ込んだケロロと銀時の姿があった。
「何故君たちがここに?僕に何か用か?」
「実は」
「若ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐぼぉ!!」
新八が言い終わらないうちに、東条が新八を突き飛ばして、九兵衛の元にやって来た。
「と、東条!?」
「若!私、若の気に触ることをしましたか!?もししたならば謝ります!しかし!何も私のことを避けなくとも……!!」
「………え?」
九兵衛はきょとんとした顔をした。まるで、全く状況が分かっていないかのように。
「お、落ち着け東条。一体何があったのだ?誰がいつお前のことを避けてるんだ?」
「え?だって……いつも稽古はあの天人とだし、あの天人が現れてから、いつもいつも若はあの天人と一緒に……!それに、私が声を掛けてもいつも無視ばかり……!正直にいって下さい。私のことが嫌いなのですか!?」
東条は涙でくしゃくしゃになった顔でそう言った。
「……………ちょっと待て。何で理由もないのにお前のことを嫌わなければならない?僕はお前のことなど嫌ってないぞ。それに………、お前今日が何の日か忘れたのか?」
「へ……?」
九兵衛の後ろから、ドロロが一本の刀を持ってきた。それを九兵衛に渡して、九兵衛は東条に手渡した。
「今の刀では、もう切れ味が悪いだろ。僕が『刀鍛治』に頼んで、作ってもらった刀だ。これは、僕からの誕生日プレゼント……みたいな奴だ。」
「九兵衛殿。『みたいな奴』ではないでござろう。ちゃんとした『誕生日プレゼント』でござろう。」
今まですっかりと忘れていた。ずっと若のため、若を守らなければ。いつも若のことばかりに必死になっていた私は、いつの間にか自分が生まれた日も忘れてしまっていた。しかし………若は、皆は忘れていなかった……。
東条は嬉しさのあまり、その場に泣き崩れてしまった。既に涙でくしゃくしゃになった顔をさらにくしゃくしゃにした。
「若ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ありがとうございますぅぅぅぅ!このご恩は一生忘れません!!」
「じゃあ、他の柳生四天王や敏木斎さんが避けてるってのは……。」
「ああ。あれはサプライズを気付かれないようにするためなんだ。今頃、中で準備が進んでいるところだよ。それと、剣術の稽古をドロロ殿とやっていたのは、東条に休みを取ってもらいたかったからだよ。日頃僕のために働きづめな東条に、少しは自分の好きなことのために休んで欲しかった。その為に、ドロロ殿にも協力してもらったんだ。」
「しかし、それらが東条殿を嫌われてると勘違いさせてしまったのでござるな。すまぬことをしたでござる。」
「謝るのはこちらの方ですよ……。事情も知らずに貴殿のことを始末しようとしたのですから…。ドロロ殿、すまぬことをしました。」
「行くぞ。中で皆が待ってる。よかったら、新八君達もどうだい?」
「いいんですか?」
「キャッホーイ!ご馳走食べ放題アル!」
いやー、良かったですね東条さん。やっぱり嫌われてるなんて、ただの思い違いだったみたいですね。
「若、今後ともよろしくお願いします!」
そう言い、東条は九兵衛の手を掴んだ。
と同時に、九兵衛の体が小刻みに震え始めた。
「……ん?どうしたんですかぁ?」
「…………………るな………。」
「九兵衛殿?」
「僕に触るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
そう叫ぶと、九兵衛は東条を背負い投げして、空の彼方へと吹っ飛ばした。
「若ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!一体何故ぇぇぇぇ!?」
「えぇ!!?ちょっ……九兵衛さん!?」
「何をしてるんでござる!東条殿が!!」
「はぁ………はぁ……。やっぱり駄目だ……。男に触られるとやっぱり………。」
九兵衛は顔から滝のような汗を出しながらそう言った。その手はまだ小刻みに震えていた。
「あーー。やっぱりですか。」
「え、新八さん、どういうことですか?」
「実は九兵衛さん……、男じゃなくて女なんですよ。」
「えぇ!?そうなんですか!?」
「今まで男として育てられてきて、そのしがらみから抜け出せないです。そして、男に触られると拒絶反応を起こして、誰であろうと投げ飛ばしてしまうんです。」
夏美達はびっくりすることしかできなかった。そして、やっぱり『銀魂』はぶっ飛んでいるということを改めて気付かされた。
えぇぇぇ!これって、ハッピーエンドでおわりじゃないんですかぁ!?東条さーーーん!大丈夫ですかーーーー!?
ていうか、何か忘れてるような……。
「我輩達、完全に忘れられてるであります……。」
「誰でもいいから早く気付いてくんねぇかな…。」
- 第12話 納豆嫌いな奴の理由は大体臭い であります ( No.14 )
- 日時: 2018/09/03 02:05
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
その日、ケロロ達は万事屋にいた。
「えー、では改めまして。我がケロロ小隊の暗殺兵、ドロロ兵長であります!」
「よろしくでござる。」
ケロロは、先日柳生家で発見したばかりのドロロを銀時達に紹介した。「よろしくなー。」と相変わらず気の抜けたような声で銀時は返事をした。
「しかし……、本当に『銀魂』の世界に来てしまうとは……。トキキ君は一体何者なのでござろうか…。」
「こういう時、クルルがいればすぐ分かるんでありますけどなぁ。」
現在、未だに消息が分からないのは、ギロロ伍長、クルル曹長、東谷小雪の3名。今はこの場にいないが、「面白そうなことが起きそうだから」という理由で、623は桂と行動を共にしている。
「一体どこに行ったんでありましょうなぁ……。」
「でも、ドロロ先輩が見つかっただけよかったですぅ!」
「お前あん時完全にドロロのこと忘れてたくせに何言ってるアルか。」
「(ギクゥ!)い、いやぁ、それはまだその天人がドロロ先輩だってことが分かんなくて……。」
その時、カチッというスイッチが入るような音が聞こえた。音のする方へと顔を向けると、部屋の隅でドロロが体育座りで何かブツブツと言っていた。
「ひどいよ皆…………!やっぱり僕のこと忘れてたんだね……!」
ドロロは泣きながらそう言った。
「あ、あのーー、ドロロくぅん?」
「い、一体どうしたアルか!?」
「……トラウマスイッチであります……。」
「トラウマスイッチ?」
ここで説明しましょう!
ドロロ兵長は、幼い時ケロロ軍曹にされてきた数々の酷いこと、いわゆるトラウマを思い出すと、このような状態になってしまうのです……。
「お………おい……。元気出せって。」
「ドロロさんは何も悪くありませんよ!」
銀時達は何とかしてドロロを立ち直らせようとするが、一向に元に戻らないままだ。それどころか、トラウマ状態はもっと酷くなってきている。
「そうネ!悪いのはあのボケガエルとアホおたまじゃくしアル!」
「ちょっと神楽殿!何で神楽殿までボケガエル呼ばわり!?」
「だって、ナッチーがそう言ってたアル。」
「オイ!僕のこと『アホおたまじゃくし』ってどういうことだコラァ!」
「つーか元はと言えば、お前らがこいつのこと忘れてたのが問題なんだろーが。お前らで何とかしろよ。」
「そうネ!いくら影が薄くても、仲間のこと忘れるなんて最低アル!」
「……あの、それあんたらが言えることじゃないですよね……。」
何故新八がそのように言ったのか、元の世界で『銀魂』を読んでいた冬樹にはその理由が分かった。
「散々、僕の本体はメガネっていう扱いしてきたあんたらにそれを言う資格があると思ってんですか………。」
新八も、ドロロと似たような扱われ方をされていたからだ。その声は、若干怒りに満ちた様子だった。
「……銀さん、どうしたんですか?」
夏美が銀時に尋ねた。銀時がさっきから、やたらと天井の方をチラチラ見ていたのが気になったからだ。
すると、銀時はドロロの方へと向かい、こう尋ねた。
「1ついいか………。あそこに誰かいるよな?」
銀時は先程から見ていた天井の方を指差した。
すると、トラウマ状態から立ち直ったのか、ドロロは立ち上がった。
「やはり……、銀時殿も気付いていたでござるか。」
そう言い、ドロロは手裏剣を手に持ち、銀時は木刀を右手に握り締めた。そして、それらを天井へと投げ付けた。
「えっ!?ちょっと銀さん!?」
「ドロロ!一体どうしたの!?」
夏美と冬樹は驚いた。ところが、更に驚かされたのが、その天井から、2人の人が落ちてきたことだった。
「全く……。そんな感じはしたけど、やっぱりてめぇか。」
「ちょっと銀さん……。今日は木刀だけじゃなくて、手裏剣まで投げ付けてくるなんて………、なかなか刺激的じゃないのぉぉぉ〜〜!!」
そう言い、天井から落ちてきた女性は、銀時へと抱き付こうと飛び出してきた。そして、銀時はそれをスッと軽く避けた。
「はぁ……。いい加減にしろよこのメス◯が。」
銀時が言う、赤い眼鏡をかけ、スタイル抜群の体を持つメス◯ことドMのくノ一こそ、銀時のストーカー・猿飛あやめ、通称さっちゃんである。
「なかなか良かったわよ……。木刀だけ投げ付けられるのは最近では何も刺激を感じなくなってきたのよ……!でも!手裏剣まで投げ付けてくるなんて、なかなかいい刺激になったわ!」
「……手裏剣頭に刺さったままでありますよ……。」
ケロロはさっちゃんの額に突き刺さったままの手裏剣を指摘した。
「いてててて……。」
さっちゃんと共に天井裏に潜んでいたもう1人が起き上がった。その姿にケロロ達は見覚えがあった。
「一体こんな所で何をしていたのでござるか、小雪殿。」
「小雪ちゃん!」
「やっぱりドロロ達だったんですね!無事で良かったです!」
今まで消息が分からなかったうちの1人、東谷小雪はさっちゃんと共に行動をしていたようだ。
小雪はすかさず夏美に抱きついた。
「夏美さ〜ん!御無事で何よりです〜!」
「こっちの台詞よ小雪ちゃん!心配したんだからね!」
「会えて嬉しいです〜!」
「でも……、何でさっちゃんさんと一緒に……?」
「私の家に倒れてたのを見つけて、その子も私と同じくノ一だったから、しばらくの間私の仕事の手伝いをしてもらってたの。というか銀さん………、その子達……まさか……!」
「何がまさかだよ。異世界から来た中坊とカエル型天人だけど。」
「いや絶対分かりっこないですから。ちゃんと説明してやって下さい。」
銀時は面倒くさそうに、さっちゃんに全てを話した。案の定、最初こそは信じなかったけど、トキキの力を見せた途端、すんなりと受け入れた。
「……まさかそんなことがあるなんてね……。ま、まあ信じてやるわよ!それで私と銀さんの愛の糸が切れることはな・い・か・ら・ね(^3^)/」
そう言い、さっちゃんは銀時に無理矢理キスをしようとした。案の定、銀時は顔を近づけないように必死で抵抗した。
「こいつと関わるとマジで1日分の体力が削られる……!早く帰りやがれ!極楽浄土に!」
「ああっ!いいわ……いいわ!そうよ!そうしていくらでも私を罵りなさいよぉぉぉぉ!」
「……小雪ちゃん……。この人いつもこんな感じなの……?」
「はい。そうですよ?」
「夏美さん、気にしないでください。」
「あいつはただドMなだけネ。」
「そしてなおかつ、銀さんのストーカーです。」
「は……はぁ……。そうです……か。」
夏美はさっちゃんと銀時のやり取りを見て、苦笑いしかできなかった。
さあ、小雪ちゃんも見つかったことで、残るはギロロ伍長とクルル曹長の2人だけ!
果たして、2人はどこにいるのでしょうか……?
- 第13話 カレーは辛いからこそカレーと言える であります ( No.15 )
- 日時: 2018/09/09 20:40
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
……おや?あれは軍曹とタママ二等兵。一体何をしているんですか?
「全く……。軍曹さんが銀時さんのスクーターを壊すからこんなことになったんですぅ……。」
「ゲロォ……。まさか、ジュースをこぼしただけでエンジンがおかしくなるなんて……。」
「それで、『からくり堂』ってところで直しに行ってこいと言われて……。」
「今こうして向かっているんであります。」
ケロロは銀時のスクーターを押しながら、ナレーターに訳を話した。
「しかも修理代は我輩から……。」
「まあ当然っちゃ当然ですよね……。」
色々と愚痴を言っている間に、銀時に行けと言われた『からくり堂』へと着いた。中から、金属を打ち付けるような音が聞こえてくる。
「ここでありますな。」
「ここに、銀時さんが言ってた江戸一番のからくり技師・平賀源外さんがいるんですかぁ?」
「そうであります。いつもスクーターが壊れた時は、ここで直してもらってるみたいであります。」
ケロロは戸を開け、中へ入ろうとした。と、その瞬間、大爆発が起こった。爆発に巻き込まれたケロロは、アフロになって向こう側に吹っ飛ばされた。
「ぐ、軍曹さん!?」
突然の出来事にタママは戸惑いを隠せなかった。
「ゲロォ……。一体何が………。」
すると、『からくり堂』から人影が出て来た。特殊なゴーグルのような物をかけた老人だった。
「いやぁ〜、すげぇなこの破壊力。これなら空き巣に入られる心配はねぇな。」
「イカしてんだろぉ、俺の発明品?」
中から聞こえてきたこの嫌らしい声に、まさかと思い、タママは『からくり堂』の中を見た。そこには、思っていた通り、渦巻きメガネを掛けた黄色い『奴』がいた。
「ん?何だよ隊長達じゃねぇか。」
「クルル先輩!」
「ん?何だクルの字、お前の知り合いなのか?」
「くっくっく〜。ま、そんな感じかな。」
相変わらずの笑い声を出しながらクルルはそう答えた。
「そんなことより〜、隊長大丈夫かぁ〜?くっくっく〜。」
「お前……絶対分かっててやったでありましょ…。」
「はい、そうですが?」
「(いつ、どんな時、どんな所でも嫌な奴ですぅ…。)」
嫌がらせをこよなく愛するクルルにとって、他人から恨みを買われることは、さらにクルルを刺激して、もっと酷い嫌がらせをさせることになってしまう。この事が分かっていたタママはあえて言葉にせず、心の中でそう思った。
「それでお前さんら、俺に何か用か?」
源外がアフロ状態のケロロに尋ねた。
「そうであります!実は、銀時殿のスク……。」
ケロロは見てしまった。先程の爆発で粉々になってしまった銀時のスクーターを。
「ゲロォォォォォォォ!!!!スクーターがぁぁぁぁ!」
「おいカレー野郎!!どうしてくれるんだゴラァ!! 」
「えーー、そんな事言われたってぇ〜〜。」
クルルは鼻をほじりながら棒読みでそう言った。全然自分が悪いと思っていないようだ。
「こんなの銀時殿にバレたら………!どどどどどーしよー!!?」
「落ち着きな。俺が直してやらねぇことはねぇがよぉ……、かなり高くなるぜ?」
源外はケロロの耳元で何かを呟いた。おそらく、修理代だろう。そんなに高かったのか、ケロロは口をあんぐり開け、目を血走らせた。
「とてもと言っていいほど払えないであります…………。」
「でもどーすんだぁ?く〜っくっく〜。」
他人事のようにクルルは嫌らしい顔でケロロの方を見ていた。一体どこまでも嫌な奴なのだろう。
焦るケロロとタママ。すると、ケロロはある物に目を付けた。
「ゲロ……かくなる上は……!!」
そして、数時間後……………。
「……お、戻ってきた。」
銀時は、外でケロロとタママの帰りを待っていた。
「おーい、ちゃんと修理できたんだろーなぁ?あのジジイのことだから、変な仕掛けとか仕込んでなきゃいいんだけど。」
ケロロとタママは浮かない顔で、
「い……いやぁ………その……あれですぅ……。」
「エンジンがもうどうにもならないってことで………、はら、スクーターって原付チャリと同じような物でありましょ?だから、原付チャリから原付を抜いたチャリに直してもらっ」
ケロロが言い終わらないうちに、銀時は真っ先にケロロとタママを木刀でぶっ飛ばした。
「「あ〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜!!!!」」
ケロロとタママは空の彼方へと消えていった。そして、銀時はケロロが持ってきたママチャリをその場に放置し、万事屋へと戻っていった。どこかから、嫌らしい笑い声が聞こえたような気がしたが、気にせずに万事屋へと入っていった。
「く〜〜〜くっく〜〜〜〜。」
- お知らせだコノヤロー であります ( No.16 )
- 日時: 2018/09/09 13:23
- 名前: 若大将 (ID: gMmcUgGG)
次回から、シリーズ初の大長篇をしばらく投稿していきます。
満を持して、今まで消息不明だった「アイツ」が登場します!
(オリキャラ出ます。)