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【トイレ】意味が分かると怖い(?)話 作・アリス 「ねぇねぇ、誰かトイレ行かない??」「あ、あたし行くー。桜良も行こーよー」「えー・・・しょうがないなぁ〜」 私は六花中学1年生有栖川ミチコ。いつも、桜良とユキと一緒にいる(いつめんっていうやつ!)。 「女子って本当連れション好きだよねぇー1人で行ってきなよ〜」 桜良はいつもそう言う。女子なんだもん、いいじゃん。 「桜良は女子じゃないの!?」「私だって女子ですー花の中学一年生です〜・・・うわははっ」 自分の言ったことで笑ってるよ・・・。 個室に入ってカギを閉める。 あー、次の授業めんどうくさい・・・。数学だっけ? ジャー・・・・・・。 「あ、ミチコ来た〜」 手を洗ってトイレを出る。クラスメイトの込山さんとすれ違った。「もぅミチコ遅いよー。てか次数学?めんどい・・・」「だよね〜」 教室に戻って桜良とユキと話していると、「もう最悪ぅ〜。和式入ったら○○○がはみ出てたのー」という込山さんの声が聞こえてきた。 もしかしてそれ・・・私!? 私もさっき○○○したし和式に入ったし・・・それに昔から和式が苦手で・・・洋式が全部使用中だったから仕方なく和式に入ったんだけど。 「ね、ねぇ込山さんそれってどこのトイレ〜?」「え?あぁ、確か奥から2番目の・・・」「そうなんだぁ。そのトイレ入らないようにしよっと・・・」 あー良かった。私は一番奥のトイレ入ったもん。 「桜良、私一番奥入ったよね?良かったーあはは・・・」「1個ずれてたら大変だったね、うわははっ」「あはは・・・」 安心して笑っていると、少ししてクラスメイトの女子の絶叫が・・・! 「も〜〜〜〜っ!!!!最悪ぅぅぅ〜!一番奥のトイレにでっかい○○○があった〜〜っ!」
title:彼岸花の咲く教室 とても静かな夕暮れだった。普段であれば、部活動をする生徒のにぎやかな声がするであろう時間なのに、今日の学校は異常なまでに静かだった。グラウンドには一人の生徒も見受けられず、閑散としている。 三階の隅の教室、少女は一人窓辺に立っていた。一輪の真っ赤な花を持って、氷のように無表情に。あまりの衝撃に、色を通り越して感情を失ってしまったようだ。 彼女は自分のカバンから、一本のペットボトルを取り出した。中身は空っぽで、ラベルも剥がれていてふたもついていない。彼女はそのペットボトルを教室の一番隅の座席に置き、花瓶に見立ててその中に真っ赤な花を活けた。 その一連の所作は、映像というよりもまるで絵画のようだった。静寂の教室の中、音も無く彼女は花を扱い、静かにたたずんでいる。だが、そうしないといけなかったからだ。今の彼女は騒音と言わずとも、きっと些細な音にも過敏に反応してしまうだろうから。 ため息を一つ吐き出す。が、そのため息もあまりに弱弱しく、耳に届く前に空中で消えてしまった。 窓の外を見やると、もう既に西日は傾いていた。太陽の下の方は、もう既に地平線の下へと潜り込んでいる。西の空が、綺麗な橙色に煌めいていた。雲はその光を受けて、元の光よりも濃く染まり、深紅に輝いている。 その深紅を目にした途端に、彼女は昨日の出来事を思い出す。濡れた袖を握りしめ、下唇をかんだ。 昨日、彼女の一つ前に座っている少年はなぜか休んでいた。その前日は体調も悪くなかったようなので、彼が病欠をしているとも思えず、疑問を感じていた。 どうしてその時に自分は気づくことができなかったのかと、今でも悔やまれる。充血した目で、茜色の空を睨みつけた。 昨日彼女は、授業の途中で外の様子を眺めていた。窓際の席で、その時間は体育の授業だった。下級生がサッカーをしていて、かなり白熱した試合だったのでゲームに引き込まれていた。 楽しそうだな。そう思った瞬間だ。彼が、彼女の目の前を通り過ぎたのは。 ほんの一瞬の出来事で、彼女は我が目を疑った。グラウンドを眺めていると、不意に目の前を一人の少年が頭から落ちて行くのを見たのだから。 ほんの短い時間であったはずなのに、彼が通り過ぎてからその音を聞くまで、ずいぶん長い間隔が開いていたように今でも思える。気付いた時には、彼女の耳には人が潰れる音が聞こえた。 彼女だけでなく、周りの人は皆その音に気付いた。どうしたものかと窓際の人達が覗き込んだその時、学校中から悲鳴が上がった。アスファルトの地面には、紅い血が一面に広がっていたからだ。そしてその中心には少年が一人――――。 彼女は、自分が見たものを信じたくなかった。落ちていったのはあの人なのだと。 だが、無情にもそれは数分後には肯定されてしまった。 彼女は、中学生時代にいじめを受けていた。周囲に溶け込めず、馬鹿にされ、最後にはずっと無視され続けた。だが、その状況を打ち破ってくれたのが彼だった。 彼は、彼女が一人ぼっちでいるのを見つけて話しかけた。その日をきっかけに、彼女へのいじめはぴたりと止んだ。そもそも理由のないいじめで、やめるタイミングを失っていただけであり、すぐにそのいじめは元から無かったようになった。 そんな彼が、高校に入ってからいじめられ始めた。実に、一年以上前の話だ。 最初は小さなものだったが、次第にそれは大きくなった。そして今では、以上と言えるほどに悪質になった。 最初の方は彼女は少年に、恩返しをするためにずっと話しかけていた。だが、ある日少年の方から話を切り出した。これ以上自分に肩入れすると君も標的にされると言われて。反論しようとしたけれど、その迫力に負けて彼女は食い下がることができなかった。 そして話は、三日前へと移る。彼の母親が、浮気をしている現場をみつけられてしまったのだ。 その日のいじめが、彼女が知っている中で、最も陰惨で、最も残酷なものだった。 彼が何を言われていたのかなんて、思い出したくもない――――。 遺書には、それだけのことが書いてあった。今までどんないじめにも耐えられたが、母親のことを侮辱されるのだけは、我慢できなかったのだと。 そして彼は屋上から飛んだのだ。 その事を思い出すと、彼女は自分の中に段々と感情が戻ってくるのを感じた。ただしそれは、途方もない悲しみしかない。 怒りは湧いてこなかった。もう、全部終わった今となっては、彼を追い詰めた人たちなんてどうでもいい。 彼女は、最後に見た彼の表情を思い出していた。ほんの一瞬の出来事ではあったが、瞼の裏に彼の姿は焼き付いている。 彼は最後の最後に、解放の喜びに包まれていた。 熱い衝動が、目の奥底で燻っているのを感じる。だが、もう涙は枯れ果ててしまっていた。「ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」 彼女は、枯れ果てた声でそう言い続ける。許して欲しいのか、許されずに罪を背負いたいのかは、彼女にも分からない。 机の上には、一輪の彼岸花が咲いていた。 彼岸花は、何も答えない。
20××年〇月〇日 私はいつもを繰り返していた。変わらない日々。どうしてこんなにつまらないのだろうか。私は楽しいはずの毎日に嫌気がさしている。人間はやっぱり一つ手に入れるとその次が欲しくなって、満足出来なくなる。悩みがないのが悩み、だった。 その日の夢に君が現れた。小さく光る君にすがるように、けれど素直になれず目を背けると君は言う。【あなたは僕なんだ】と。意味がわからなかったけれど何だか追求する気にもなれなかった。何故だろうか?そう思っていると続けて君が言う。【明日友達にありがとうと告げて】と。なにかそれは重要な事に聞こえた。 20××年〇月△日 崩壊日。何故か朝学校に来るとみんな殺しあっていて、血が飛び散り、窓ガラスも割れていた。登校中すれ違う車同士ぶつかり合い、信号機も作動していなかった。原因分からず混乱していると自我をわすれ、自分だけ生きているという孤独と罪悪感から自分を痛めつけていた。【友達にありがとうと…】脳内に響き渡る君の声。そうか、やっと気づいた。私は存在していなかったんだ。【あなたは僕】君は私だった。私は夢の中の住人。友達いうのはこの世界のこと。今日は世界入れ替え日。ありがとうを告げなければならないという事だった。もうすぐでこの世界も終わるから、次の世界に移るためにはこの世界に別れを告げ、自分を殺して何度も世界に移動する。21××年〇月〇日次の世界でもその次の世界でも、ヒトモノ壊れていく。そんな世界を見届けてさようならを告げていく。私は夢住人。あなたの夢に出ては、絶望を見せる。
俺は、これから手紙を書いてみようかと思う。俺は国語なんか大嫌いだし、文才だってこれっぽっちもないけれど、それでも頑張って書くから。君に伝えたい事、全部手紙に詰め込むから。読んでもらえたら、嬉しいと思う。君に、この手紙が届くことを願います。『君へ。まずは、字が汚くてゴメン。これでも、頑張ったつもりなんだけどさ(笑)ま、そんなことは一旦置いといて。君は、俺らが初めて会ったときのこと、覚えてるかな。病室のベッドに横たわる君の顔は青白くて、俺、今だから言えるけど正直、君はもう死んじゃってるのかと思った。びっくりした。「南無阿弥陀仏ーっ!!」って俺が叫んだら、君はすごい形相でベッドから起き上がって、俺のことぶん殴ったよなぁ……。あの時はマジで痛かったよ。君が俺を睨みつけながら目に涙をいっぱいためて…………。君の力の全く入っていないこぶしは、本当に胸が締め付けられるみたいに痛かったんだ。それからだね。俺たちがよく話すようになったのは。君は、こんな俺のことをどつきながら励ましたり、笑わせてくれたよね。今となっては、そんな時間がずっとずっと昔のことみたいだ。結局俺たち、最期まで名前を呼び合わなかったね。俺は君のことを「君」と呼んでいたし、君も俺を「オマエ」って呼んで……。俺のほうが歳上なのにさ(笑)俺、今まで君に言えなかったことがある。俺さ、ホントは知ってたんだ。君の名前。病室の表札があるから、知ってた。だけど、どうしても君に自分から名乗ってもらいたくて、ずっと知らないふりしてた。意地張っててごめん。ごめんね。君が好きだよ。好きで、好きで、大好きだった。君の笑顔も、怒った顔も、泣いてる顔も。全部かわいくて、大好きだ。本当は、ちゃんと口で言いたかったんだけどさ、ダメだった。時間なかったし……やっぱ面と向かってじゃ恥ずかしいじゃん?(笑)あー……。そろそろ、書くのも限界っぽいな。今まで、本当にありがとね。いつかまた、あいたいなぁ……大好きだよ。またね君を宇宙でいっちばん大好きな男より』アイツの手紙と日記を読んだ。手に力が入らなくなり始めたアイツが、一生懸命書いた、私宛の手紙を。ミミズのような汚い字でも、ストンと自分の中にアイツの言葉が落ちてくるようで、不思議とスラスラと読めた。アイツが、死んだ。そんな知らせを聞いたのは、私が退院して、2日がたった雨の日の事だった。病院からの電話を切ったあと、私は何時間もの間、受話器を握りしめたまま床に座り込んでしまっていた。今でも、その時聞こえていた雨の音が、私の耳にこべりついて取れない。アイツは、私よりもずっと重い病に侵されていた。こんなことになるなら、アイツと一枚ぐらい写真でも撮っておけばよかった。今私の手元にあるのは、アイツが息を引き取る数時間前に書いたという手紙だけだ。「……ったく……。今更だよ。私だって、オマエの名前ぐらい知ってた。オマエが、私のことを好きだってことも知ってた!」でも、私だってオマエの口から、オマエの名前を行って欲しかったんだ。だけど、どうしても私からは言いたくなかった。これは、私の意地だ。「好き勝手私の事好きって言っておいて……勝手に居なくなんなよ!私の気持ちはどうなるんだ!私だって、好きだったんだよっ!」どんなに歯を食いしばっても、ポロポロポロポロ目から涙が溢れてくる。アイツの手紙の、カラカラに乾いた涙の跡に、私の涙が重なって、余計に文字が読めなくなる。クシャクシャになったアイツの手紙に顔をうずめると、懐かしいアイツの匂いがどこからかしたような気がした。
とろとろと光の射す淡い金色の液体が、未だ湯気を立てているホットケーキの上を滑った。おしむことなく 垂らされていく蜂蜜のなめらかな動きは止まることを知らないままに、中心では油臭さのない綺麗なバターがしっとりと潤んで溶け始めている。仄かな茶色がかかったケーキに、殴るような甘さを持ったはちみつと、薄くレモン色のバターが染み込んでいく様は、少女の心を沸騰させるように踊らせた。わあ、と思わず小さな歓声を上げて、少女は片手に持っていたフォークを握りしめる。その間にもホットケーキには白く冷たい生クリームが絞られて、ひとつ、またひとつとはちみつに溺れかけていたそれの隣にたっぷりと寄せられる。それから、細かく切られた彩りのいい果物も乗せられ、ホットケーキはたちまち食欲を刺激する化粧を施された。「とっても美味しそう」「まだ、ダメだよ」男は用心深く、目を咎めるように細めたまま少女へ釘を刺す。普段は好奇心をひどく孕んで吊り上げられた少女の瞳も、今はただ甘く蕩けてホットケーキだけを見つめていた。ふふ、栗毛を揺らして笑った少女は堪えられない嬉しさを喜ぶように、僅かに赤く色づいた頬へぴたりと掌をくっつける。蜂蜜で覆われたホットケーキにすっかり視線を注ぎ続けながら、少女は甘える声を上げた。「もう、いいかしら、だってあんなに待ったんだもの。ねえ、いいでしょう」「まだダメだって」男は睫毛を伏せてぱちんと瞬きをしては、不満げに眉を顰めた少女を見下ろす。少女はかちりとぶつかりあった男との視線を、居心地悪く見上げた。男は穏やかな瞳を保ったままに、ねえ と静かな声をあげた。びくりと肩を震わせた少女の姿は眺めずに、男はにこりと笑う。男の浮かべた笑みへついていけないとばかりに固まった少女へと柔らかに目を細めて、優しく小首をかしげる。「紅茶淹れるね、蒸し時間も頃合いだし」男は慣れた仕草で紅茶をこぽこぽとティーカップに注ぎながら、微睡むように微笑んだ。薄い茶色に色づいた液体がティーカップへ落ちていく瞬間、仄かに甘い鼻腔をくすぐる匂いが部屋中を満ちていく。少女はそわそわと瞳を煌めかせながら、男がことりと自分の目の前に紅茶を置いたことに対して瞬きを落とす。ふわふわでほわほわのホットケーキにこってりと温さを持ったままのクリームが滲み始めている。柔らかで温かい色だけを集めたようなホットケーキと紅茶が並んだテーブルの上に、少女は宝石のごとく瞳を輝かせてふるふると口元を緩めながら 声を震わせた。「ねえ、もう、食べていいかしら!」「どうぞ」男が微笑んだと同時に少女は持っていたフォークを握り直して、はちみつに存分に沈んだホットケーキに、もう片手で持ったナイフの刃を入れる。蜂蜜が滲み込んでしっとりとした柔らかさのホットケーキは、驚くほどに抵抗もなく刻まれていった。とろりと水滴の形を持ってなおも緩く動き続けようとするはちみつに慌て、ぱくりと一口大のホットケーキを口に含む。瞬間、少女の目は甘さで恍惚に蕩けて、口はふにゃふにゃと不格好に緩く歪められる。少女の幸せと顔に書いてあるような表情を男は眺め、音も立てずに紅茶を飲んだ。「味はいかがか、な……」男は瞬きを数回行い、前方でホットケーキを咀嚼していたはずの少女が跡形すらなく消えてしまったことに 目を丸める。瞬時に事を理解して男はため息をつき、手に持っていたティーカップの紅茶には緩く波が打っていた。男は眉を潜めて ひどいこ と嘯き、生クリームと果物に飾られたホットケーキを一口食む。綺麗に分けて切られたホットケーキの間から、甘くやわらかな香りのはちみつが湖を作り上げていた。「たまには一緒に食べてくれたっていいのになあ」男が発した憮然な声は、はちみつの海に吸い込まれて消えてしまった。- - -「ごめんなさい……」少女は翌日、じいと無言で自分を見下ろす存在へ、慌てて謝罪の言葉を投げながら顔の前で手を合わせる。視線を空中に彷徨わせ、少女は涙目で男を見つめた。「君と一緒に食べること、楽しみにしてたのになあ」「あ、う、ごめん なさい……。だって癖なんだもの……」少女は言い訳を口から紡ぎ、男が物言いたげに目を細めたことにごめんなさいと喚く。男はそこで表情と態度で示す感情を止め、吐息をついて少女へ声を上げた。「いい加減にお菓子を食べたらどこかにワープしちゃう癖、治したら」「昔からの癖だからどうにも治らないのよ」もっとたくさんのお菓子が食べたいって願ってたらできちゃった。ほんわりと笑みを浮かべ、結局一口しか食べられなかったはちみつのたっぷり垂らされたホットケーキの甘さを夢心地に思い出す。男はうっすらと瞳を細め、少女の華奢な体躯を軽々と抱えた。途端にただでさえ少ない落ち着きをすっかりと手放してしまった少女は焦ったように男へ眉を下げた表情をやる。こつん、と訝しげにシワが寄っていた額に自分の額をつけ、男は甘さを取り戻したような笑みで少女に呟いた。「今度、ワープなんてしようとしたら抱きしめて止めるよ」悪戯にそう囁いた彼へ、ぼんと顔を茹でたように真っ赤にした少女は震える声を上げる。自分だけが翻弄されているような気になり、少女はますます目に涙の膜をふるふると張った。ちらりと視線を下げて少女が浮かべる表情を、男は愉悦の満ちた瞳で見据えると口元の緩みを深くする。動揺を持ち含んで冷静を欠いた少女の、はちみつの甘さすらも曖昧な唇へ 男はゆっくりとキスを落とした。
変わらず笑ってた変わらず隠してた静かにおちてくる天気雨の中で、訊いてみたけどかえってきたのは"うんだいじょうぶ"またそうやって困ったように笑ってた静かすぎて嬉しくて悲しすぎて目が覚めたら桜色の朝焼けしか見えなくてひとりぼっち。ひとりぼっち。何も聴こえない夏の朝。喪失感が、わたしのすべてを支配した。あの子のことを放り出してでもどうしてもききたかったんだ"前、向けてる?"闇の中もういちど横切ったその瞳はとても哀しい色だったまた訊くときがきたら今度はちゃんと笑っていてほしい立ち尽くすわたしに降りつける雨は、まだまだ止みそうにないよ。【あとがき、的なもの。】太陽の向こうに見た悲しい夢を、そのまま、ぎゅっと搾って。甘くて苦くて切ない、この気持ちは何だろう。。。。"閑かさの中で"この詩は、コメディライト板で作成しております、『あい。』という短編集からひと欠片もぎ取って、少々傷のあるところをなおしたものです。淡い青空に消え掛けの虹が架かって、雨の匂いが立ち上るアスファルトの上を、買ったばかりの透明なビニール傘に隠れて、ふたりで歩いていった、あの幻想。他には何も音が聴こえない。わたしと、彼の声だけ。それだけが、あの幸せな空間を作っていました。昔、笑えなかったわたしを、いつも然り気無く笑わせてくれた彼に。名の無い世界で捧げます。
あ、雪。春樹に知らせようと思って、ガラケーを開く。一通のメール着信?春樹から。ちがう、病院からだった。春樹君はお亡くなりになられました。つきましては・・・お亡くなり?春樹が死ぬわけないじゃん。春樹、今日誕生日でしょ?ケーキ買って、準備してるから。おねがい。来て、春樹・・・。その日も次の日も、春樹が来ることはなかった。一週間後、もう春樹はいないのか、とやっと実感した。あぁ、そっか。春樹は私を残して行っちゃったんだ。バカ。なんで。涙がとまらない。16歳の冬、初雪の降った日。春樹は死んだ。雪を見ると、春樹の顔が浮かぶ。きのうのことのように、はっきりと。好きだよ。絶対、絶対。忘れたりなんかしないから。春樹は、一生、私の初恋の人だから。
「姫花おはよ〜」「おはよう爽ちゃん」私の名前は夢森 姫花。ごく普通の中学生だ。☆★☆「皆気を付けて帰れよ」「「はーい」」私は爽と一緒に帰るために爽の側へ向かった「ごめん!姫花!!今日彼氏と帰ることになってさ〜明日一緒に帰ろうね!バイバイ!!」はぁ…この子もか…私は正直言って恋人とかどうでも良い…そんな馴れ合い気持ち悪い…「オーイ!お前一人なんだろ?一緒に帰らねぇ?」「瑞希…私今一人で帰りたいの。今度一緒帰ろう」「うん…」幼馴染みの瑞希には悪いけど今の私は一人で帰りたいのだ。***私は帰り道ふと気になるお店を見つけた何ここ…怪しいな…「いらしゃいませ」「ひゃあっ!?」急に店員さんがものだから柄にもなく大きな声を出してしまった…「あの…このお店はどんなお店なんですか…」「お客様が望む物を与える…そういうお店だよ」よくわからんな…「あの私が望んでる物ってわかりますか?」「わかりますよ」店員さんが何処からか男の子の天使の羽が付いたぬいぐるみを出してきた。「これが君が望むものだよ。お金は払わなくて良いよ。僕からのプレゼントだ」「あ…はいっ!ありがとうございます」私はぬいぐるみを抱き締めて家へ帰った★☆★☆「ただいま」私の声は誰も居ない部屋に消えた。今私の家には私しか居ない。お母さんもお父さんも海外出張中だ。「ん〜このぬいぐるみ可愛いな〜」本物の男の子は嫌いだけどぬいぐるみはとても可愛い。「うわっ!?」私は考え事をしていたせいで盛大に転けてしまった。「むっ…」唇に柔らかいものが当たった…「こんにちは。夢森姫花ちゃん♪」「!?」「ニコッ」「わ…私のファーストキスぅぅぅう!!」…「って事わかる?」「なんとか理解した。君はさっきのぬいぐるみで私とキスしたことで人間になったのね…」 何て不思議な話だろう…信じられないけど私は見てしまったから信じるしかない…「僕は一週間後ぬいぐるみにもどるそれまでこの家にすんでいていいかな?」「まあ…いいよ…空いてる部屋あるし」「ありがとう((ニコッ」私は何故か彼の笑顔を見てドキッとしてしまった。「貴方名前なんていうの?」「愛羅だよ」「アイラくんね。覚えたわ」☆★☆それから愛羅君と遊園地や動物園…沢山の場所へ行った…「ねぇ…愛羅君…」「ん?」「私今までずっと一人で居たから…その愛羅君がそばにて貰えてとても嬉しかった…ありが…とう…」「姫花ちゃんって可愛いね」「可愛くないし…」私は忘れていた…いや考えないようにしていたんだキミが明日居なくなる事を…★☆★ピピピー…鳴り響く目覚まし時計を止めると愛羅君の部屋へ行く。「え…」 私は目を見開いた。そこには体が透けている苦しそうな愛羅君が居た。「愛羅君!!」「はぁ…はぁ…ひめ…かちゃん…」「愛羅君…何で…何で……ずっとそばにいてよ…」「ごめんね…それはできないんだよ…」「あ…ら…ん…き…なの」「ん?何」「愛羅君が好きなの!!私こんな気持ち初めてなの…なのに居なくならないでよ…」「ひ…めか…ちゃん///」 愛羅君が顔を真っ赤に染めた「姫花ちゃん…」「ん?…」ちゅっ…「!?////」 「いつか迎えに来るからだから待ってて姫花」「愛羅君…」「大好きだよ。姫花…((ニコッ」愛羅君が笑うと同じに光に包まれて愛羅君は消えてしまった***2年後太陽は輝き空は雲一つない綺麗な空のした一人の女の子と一人の男の子が2年ぶりに再開をした「迎えに来たよ。」「こんな時ばっかカッコつけるだなんて生意気にもほどがあるよ…愛羅」
お姉ちゃん。どうして、大人にならなくちゃいけないの?________________________________僕には6つ上の姉がいます。うちは4人家族で、あまり裕福ではありません。僕が4歳の時、姉は小学4年でした。姉は、受験もすべて失敗せず、よい高校を卒業し、就職しました。大学進学を親に頼む姿も、見たことがありませんでした。僕は高校を卒業し、大学進学を決めました。姉はいつも物静かで、すぐに寮へ行ってしまったので思い出も少ないけれど、一つ、4歳のころに姉に聞いたことがあります。「お姉ちゃん。 どうして大人にならなきゃいけないの?」「私は、大人になりたくないな、一生。」あの時小学4年だった姉は、なにを思っていたのだろう。そのとき、僕は何もわからなかった。でも、今なら分かるよ。ごめんね、お姉ちゃん。一人だけに重い荷物を持たせて。ごめんね。姉から、メールが届いたんだ。「大学進学おめでとう。」ありがとう。そしてごめんね。
…外で遊びたいな。あの子達のように、走りまわって、息が苦しくなって、笑って、また走って…どうして、私は走れないの?私だって同じ人間なのに。私はあの桜の木のように、ただそこにいるだけ。でも、桜は美しくて、みんなが必要としてる。私はただ、ただここにいるだけ。必要とはされてない。「私って、なんでいるんだろ…」声に出したい。話したい。でも、できない。耳も聞こえない。口で話せない。体も動かない。使えるのは目だけ。桜の木は、大きくて、自信にあふれてて、誰でもそこにあるってわかる。目しか使えない私でも、憧れる。でも、桜はいつかは散ってしまう。散っても美しいから、みんなは桜が好きなんだ。散る姿すら美しく、また時が経てば花は咲く。うらやましいよ。私は時が経っても消えるだけ。もう、あの桜が散った時には私はいないだろう。桜に触れてみたかった。桜の下で本を読んだりしたかった。桜の下で走ってみたかった。でも、明日にはもう私はいないんだ…桜と私は似てるようで違うんだ…