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「あなたの事が、嫌(すき)なの」 淡々と彼女の口から言葉が零れ落ちる。その言葉はグサリと僕の心を傷つける。頬を伝う雫が酷く、温かかった。けれどもその熱は何処か他人事で、頬以外の全ての体はどんどん冷えていくのを感じた。 耐えきれなくなって僕は思わず下を向く。アスファルトの地面はただひたすら無機質で僕の頬から落ちた涙も吸い込まれていく。「嫌(すき)なの」 そんな僕を知ってか知らずか、彼女はなおも呟いた。「嫌(すき)なの。嫌(すき)で、嫌(すき)なの!」 なんども、何度も。最後の方は叫ぶかのように彼女はその言葉を続けていく。僕はその勢いに弾かれたように彼女を見た。そんなに言わなくてもいいじゃないか。と、言おうとして僕はその言葉を声に出す前に其の儘忘れてしまった。 彼女の頬にも温かな雫が幾つも伝っていたからだ。―――そう、きっと僕も。「僕も、嫌だ」 ふっと口角が上がるのを感じた。風が吹いて彼女の髪が彼女の表情を隠す。僕は復讐を終えたばかりのような心地よい気持ちになり、その気持ちのまま離れた。 彼女は去って行く僕の事を引き留めはしなかった。
私の名前は小野寺小明(おのでらあかり)。春、桜の舞い散る季節に。私は恋をした。人生で初めての、恋を。でも、その人には幼馴染みの女の子がいて。って、漫画みたいな話なんだけど、その子は、私の好きな人のことが好きだ。でもって、私とその子は仲が良いから───所謂、彼を巡る三角関係?って感じだ。彼はきっと、彼女のことを好きになってしまうだろう。だって、私と彼が過ごした日数よりも、あの子と彼が過ごした日数の方が多くて、思い出だって多い。きっと、気持ちだって………私の想いよりも、あの子の想いの方が、深いんだと思う。だから、言ってみれば負け戦みたいなものだ。彼とあの子が結ばれそうで、それでも私は、彼のことが大好きで。あの子から、彼のことを奪い去りたくて。彼の気持ちを、独り占めしたくて。だから私は───。だけど私は───。彼を奪い去る勇気なんて無くて。あの子と彼の間に、入る勇気なんて持ち合わせて無くて。だから、私は───。私は、あの子と彼の仲が、少し、本の少しね?悪くなっちゃえばなぁ、って思っちゃうの。いけないよね、そんなこと。ほんとだめだよね。でもね───お願い!最低だよね、うん、わかってる。私の負け戦、少しでも勝利にしたいの。負けに行くなんて嫌なの。だから、ちょっとの神頼み。私のレンアイ、勝てますように。なんてね。
ねぇ、聞こえてますか…ワタシは、あなたに…聞こえてますか?ワタシの声……ダメか。ワタシは訴える。眠っている彼に…
「今回もボツですね」僕担当のアシスタントの女性がそう言い放った。これで何回目だろう?5回目ぐらい?何回繰り返せば、僕は夢が叶えられるの?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?――――――・・・・。帰り道。僕は気がつけば、懐かしい思い出の場所に来ていた。公園に、小学校(今は廃校しちゃったけど)、児童館。すべて友達とわいわい言いながら、放課後遊んでいたなぁ・・・。そんな楽しい未来が、僕には欲しいんだ――――――――!その時、旧校舎のプールから、「キュー」と高い声が響いた。あぁ。そういえば、プールにイルカでも住んでいたなぁ・・・住んでないよ!!?ていうか、ホントにいるよ!?僕は思わず、鎖の壁で囲まれた、プールへ駆け寄った。可愛らしいつぶらな瞳、おでこのハート型の模様が特徴的だった。「あぁ、びっくりさせちゃって、すまんのぅ?」プールから出て来たのは、きれいな水色の髪と瞳、そして純白のワンピースを着た少女だった。「この子はわしのペットでなぁ、海からここに移動してきたんじゃ。もうここに来たらだめじゃぞー。」と、イルカの頭をなでた。「キューン」と鳴いた。ご機嫌よさそうだ。「あぁ、わしはなぁ、海の神様なんじゃ〜」「海・・の神様!!?」「もともとはもっと東にある、たいせいよー?とかいう海にくらしてたんじゃが、戦争が始まってなぁ。危険だからじゃぽんにやってきたんじゃ。」じゃぽんじゃなくて、日本じゃ?・・ということは置いといて。今日の朝のニュースのこと。「今日、日本時間未明に、大西洋沿岸にて、○○軍と××軍が戦闘態勢になり――――」みたいなこと言ってたな。「で、あなたの名前は?」「僕は空野かなたという者です。小説家を目指しております。ちなみに、まだ無職です。」「かなた・・というのか。覚えとくな。」――――それから僕の毎日が変わった。一日イルカに乗って、いろんな海で泳いだり。魚の名前を教えてもらったり。今まで住んでいた海の話をしたり。友達(もちろん海の生き物)と遊んだり。作品を作るということをすっかり忘れて。一夏を満喫して。―――気がつけば年月も過ぎていた。「―――今日午前10時頃、北太平洋にて、出軍した日本軍が××軍により攻撃され、○人の兵が死亡した模様です。防衛省によりますと、このあと××軍は日本に上陸する可能性があります。みなさん十分警戒してください」・・そのニュースを聞いた日本中の人々は、おそらく鳥肌がたっただろう。僕は驚きが隠せなかった。急いで神様に伝えなければ!日本中の人々は、××軍が来ない事を願った。願い続けた。―――――しかしそれは叶わなかった。 君との思い出、僕の夢、人生。すべてを切り裂いた。 空から降ってくる無数の爆弾。僕は逃げ続けた。神様をプールに置いて。必死に逃げた。・・・君に好きって、伝えたかった―――!「――――昨日空襲の被害にあった□□区のアパートです。焼けた一室から、とある書き残した作品が出てきました。読み上げます。」「ウミユリな君へ。 空野かなた」 【END】
最後の夏。君と一緒に過ごせる最後の夏に、ずっと前からの仲なのに初めて、花火大会に2人で行った。「来年には、2人ともバラバラだね……」彼女の口から出た言葉の事実は、お互いに避けてきた事実。「うん、だね」……あぁ、もっといい返し方有ったよな。いつも後で後悔する。「花火綺麗だね」沈黙を遮った彼女の声が震えているのは、僕でも直ぐに分かった。「また来年も……」「もう最後だからしっかり見とかなきゃ」僕の言葉に、わざと重ねるように彼女の発した言葉。その意味を僕は一番良くわかってるはずなのに、何を言おうとしていたんだろう、僕は。「あれ……」彼女は目尻にそっと手を当てて、エヘヘと笑った。「なんで涙出てくるんだろ」おかしいなぁ……と、とぼけて言う彼女の姿が凄く切なくて僕ももらい泣きしそうになった。僕は君が好きだった。でも今の関係を優先したかった。最後の夏。僕と君は両思いだったけれど、お互いに気づくのが遅かった。もう、君は他の人のもの……。最後の夏、僕は最後まで素直になれなかったんだ。届かないこの気持ちを、どこかで同じ空を見上げている時に君に届けよう。
4月東京都墨田区標高634m東京を一望できる場所にいる私。「6班!狙撃準備はできているのか!?」「隊長危険です!弱点を狙うには無理がありすぎます......っ!」見てるのは、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた高層ビル。忙しなく歩く大勢の人々。クラクションが鳴り止まない道路。ではなく。黒い煙と、赤すぎる炎が渦巻く東京。それはほんの数時間前のことだった。東京に大怪獣が現れた。スカイツリーなど、ものともしないほどの大きさ。急遽駆けつけたアメリカ軍隊など、一瞬で全滅に追い込んだ攻撃力。高層ビルも、人も、車も、数々の観光名所も、なにもかも火の海に変えてしまった破壊力。「あぁ……亮...ッ......」まさに、私の______......手に持っていた手紙を無意識に力強く握りしていた。クシャっと音を立て地に落ちていく手紙は、火の海に溶かされた。.*・゚「もう……ダメだ……っ。増援に来てくれたアメリカ軍隊も全滅……っ……。もう……日本はダメだ……っ」男は、日本軍隊隊長を示す紋章を、しわくちゃの手で握りしめた。「っ!? 隊長!!!花之丘隊長!!!」「なんだ……?こんな忙しい時に……っ……」隊員の1人は、ある場所を指さした。「あそこにいるの、隊長の娘さんでは!?」「なっ......!?」男は、軍機から食い入るように隊員が指さした方向に目をやった。視線の先にいたのは、やはり自分の娘だった。なぜあんなところに……?こんな状況で、生身で外に出るなど自殺行為同然だった。しかし娘はそこから逃げる事はしなかった。当然、歩を進める大怪獣と、どんどん距離が縮まっていた。ドォォン……激しい地響きを起こしながら、大怪獣は娘の前で止まった。鋭い牙と娘の距離は、わずか5mだった。「……」しかし男は、危険にさらされてる娘の名前を呼べなかった。目に映ったものに、声も、思考も、なにもかも奪われてしまった。それは、あまりに異様で、あまりにも美しい光景だった。地上から634m離れた場所で、1人の少女が炎と煙で包まれた都で華奢な腕を両手いっぱい広げ愛おしそうに微笑み人類を破滅に追い込む大怪獣を受け入れるように静かに涙を流していた。人類を破滅に追い込んだ大怪獣も、少女を見るなり静かに目を閉じた。そして、数多の命に終止符を打たせた手に、少女を乗せた。少女の顔は、恐怖に怯えるでもなく、怒りに震えるでもなく、愛しい『人』を求める表情だった。少女はゆっくりと口を開いた。「行こう、亮。私を連れていって……っ」4月 桜も葉桜に変わりはじめてた暖かな日。わずか3時間の大怪獣による襲撃は幕を閉じた。1人の少女と行方をくらまして。少女が大怪獣と姿を消す時、いつまでも少女の名が叫ばれていた。「自由」と_______......。.*・゚数日後。焼け焦げた東京を、男は静かに歩いていた。数日前に大怪獣がいたのが信じられないほどの静けさだった。「……?」ふと足元を見ると、身に覚えがある封筒が目に飛び込んだ。そうだ、何年も前から娘が大事に持っていた手紙だった。それに気づいた男は手紙を拾い上げ、封を開けた。すると涙が自然と流れ、口元が緩んだ。ずっと欲しかった答えが、愛しい娘がなぜ大怪獣と姿を消したのか、その答えが途切れ途切れになった一枚の紙に記されていた。「行ってきなさい、自由……。君の名のように、自由に……っ……。2人で...生きなさい……」か細く呟いたその声は、たくさんの物を失った地に吸い込まれた。1人の少年が、何者に懐柔されたかはわからない。なぜ少年がこのようなことをしたのかも。なぜ少年が怪獣となったのかも。それはきっと、娘しか知ることは出来ないだろう。怪獣が少年であった真実を、生き残った人類に告げると人々は、大怪獣をこう呼んだ。懐柔され、『壊れた獣の少年』 と。.*・゚.゚+.『亮が怪 なった でも、そ なの関係な よ 。 も すぐ亮が迎え くる こ 街を壊し がら。 ね 亮。あな が何者 も構わ い。愛し る よ』
私の記憶に、唯一残るもの。彼の微笑み。誰の微笑みかはわからない。現世の記憶なのかもわからない。ただ、微笑んでいた。でもそれも昔の話、やっと見つけれた、彼。その日も、彼はあの記憶と似た微笑みをした。「別れよう?」私は、その日から心が死んだ。「まだお前、失恋した顔してんの?もう一年じゃん?」15年前からの男子友達の声。失恋は、ずっと失恋なんだ。初恋というものは、私の心の中にずっと残っているものなんだ。私が、反論しようと男子の方に顔を向け、口を開いた瞬間……私の口は、柔らかい何かに塞がれた。男子の顔がどアップ。元彼でも、こんなことはしないまま別れた。口を離す男子。にっこりと微笑んで言った。「やっとこっち見てくれた。ずっと待ってたんだぜ?15年前……いや、前世から」その微笑みは、記憶のものと完璧に一致していた。私は微笑み言った。「現世でも、よろしくね?」__________今、私はお婆ちゃん。病院のベッドで、死を待つだけの存在。「本当に、幸せでした」「死ぬみたいなことを言うなよ……?」男子友達だった彼は今でも自分の側にいてくれる。いつでもあの微笑みをくれる。「私は……孫もできて幸せでした。あの頃、教室で初めて私があなたの方を向いて……あなたが微笑んで……私たちは、前世からの運命だったのでしょうか……?」「あんまり喋るな、心臓に悪い」彼の照れ隠しに私は微笑む。「最後に、また微笑んでくださいな」「お安い御用だ」彼はそう言って微笑みをした。「ようやくこっちを向いてくれました。……また、来世でお願いしますね」私も微笑んだ。
「また会えたね」「……うん」「久しぶり」「……うん」「君には酷いことをしてごめんね」「……うん」「何か、欲しいものはある?」「……うん」「目を見て話して?」「……うん」「大好きだよ」「……う…ん」「だからさ、そんな悲しそうな顔しないで?」「………う………ん……」「前にだけ、進んでよ」自分の涙で目を覚ました。僕はいつの間に寝て、いつの間に彼女の夢を見てたんだろう。彼女の写真を見て、また涙が止まらなくなる。「……な、んで……し……んだ……ん……だ…よ」答えが返ってくることはない。
『まだ見ぬ君へ今の生活に順応できてますか?今の暮らしで満足ですか?ご飯はちゃんと食べていますか?体調崩してないですか?まだ私のことを覚えていますか?まだ私のことが憎いですか?………あなたを産んで、すぐ去ってしまう無礼をお許しください。 20歳になった君へ。20年前に死んだお母さんより』男は1人、涙を流していたそうだ。
「うーん………よく寝たぁ………」私、夏南菜々、高校一年生は、気持ちの良い朝を迎えた。冬という季節だけあって、頬には少し冷たい風が当たる。………窓、開けたまま寝ちゃってた。私はのっそりとベッドから離れ、一階にあるリビングに向かう。ここ、夏南家の家族構成は、母と私、それと妹の三人家族。父は、私と妹が生まれてまもなくして、亡くなってしまった。 で、今まではこの三人で暮らしてきたんだけど………でも、三日前、突如私の日常が壊れた。その理由は………「あ、菜々おはよ」こいつ、三神祐哉が原因だ。幼馴染みで、今までずっーと一緒に居た祐哉。でも三日前、朝起きると目の前に祐哉がいて、母さんから話を聞くと、どうやら祐哉が居候することになったらしい。で、居候する理由を問い詰めると………「あれ?言ってなかったっけ?あんたと祐哉君は、世に言う『許嫁』なのよ?」だそうで………。私と祐哉が16歳になった日に、同居生活を始めさせることを口約束していたらしい。で、因みに私の誕生日はちょうど三日前だ。「祐哉、そこ座ってて。昨日下準備してたスコーン、今から作るから」私はそう言って冷蔵庫からスコーンの生地を取り出す。ったく、何で私と祐哉が許嫁なのよ……。別に、私、祐哉のこと………好きだなんて思ったこと………ないし………!ほんとに、全然、そんなの………。祐哉はずっと隣に居たから、だからそんなこと、考えたことなんてなかった。祐哉を………「好き」か、どうかなんて。全然………。思っても見なかったよ………。………祐哉は、どうなんだろ?急に許嫁にされて、親元から離れてここで暮らして。どう、思ってるんだろ?シフォンケーキに、カスタード。スコーンに、クロテッドクリーム。次に作る予定の、お菓子のレシピ。っていうか、よくよく考えると、何で私なの?何で許嫁が私なの? ねえ、何で?急に祐哉と………その………「結婚」とか、言われても………。実感湧かないよ………。ねえ………私はどうすればいいのよ………。「ったく、どうして私なの………」急にそんなことを、呟いてしまった。ああどうしよ。私ね。祐哉のこと、好きになるかなんてわからないけど………。でもね。私、祐哉のこと、大切な人だと思ってる。………なんて、急に照れくさいなぁ。もし祐哉に、「私のこと好き?」何て聞いたら、祐哉は真面目だから「好き」なーんて、言うんでしょ?そしたらドキッとしちゃうじゃん。なんて、非日常的なレボリューション。………今日のスコーン、祐哉には皆より、一つ多くあげよう………かな♪