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「台風あったけど、どう思う?」「最近の台風はどんどん勢力が大きくなっているし、被害も大きくなっているよね」「自分のところにやってこないでほしい(´ω`)」 パソコンと呼ばれる液晶の前に座り、泰仁は手元にあるボタンをカタカタ押している。今見ているのは掲示板。一つのことがらに対し、皆がさまざまな意見を出すところだ。基本的に泰仁は夕方、この掲示板を見ている。でもみんなはもう少し前から意見を述べ合っている。気象から政治まで、ありとあらゆることをみんなは話す。 しかし、液晶のむこうの彼らは、実にいろいろな知識を持ち合わせている。たとえば、歴史で言うならば、自分では見も知りもしない古文書を読んで、その内容を出して話を進めている。しかも驚くべきことに皆それを何事もなかったかのように話に組み込んでいく。かと思えばその古文書の信憑性を突いてきたり、新しい資料でその正当性を崩したりと、真実の追求のためにはさまざまな情報を引っ張り出してくる。そら恐ろしいところだ。(自分には到底発言はできなさそうだ)泰仁はいつもこの場所を見て、ぼんやりと思っているぐらい。 その点ではニュースを語る場所では、話についていけている。テレビやパソコンを使って知った情報を元に、みんなと話せる。専門的な知識を持ち合わせず、でもみんなと楽しくしゃべりたいと思う泰仁にとってはもってこいというべきなのかもしれない。「総理大臣辞職なんだね」「もとからオンナ関係悪かったらしいし」 「次は誰なのかな?」 「また選挙いくの…」 「そういう事件多いよね」 「もっとしっかりしてほしい」いろいろな意見が交錯するから、当然議論も起こる。「なんで総理大臣が辞職することをそう軽く思ってるの?その総理大臣の下にいる国民として恥ずかしいと思わないの?」 「でも考えたところでなにか変わるわけでもないじゃん。政治関連の話にいちいち過敏になるべきではないと思うし。そもそも場違いも甚だしいだろ」こんな議論で掲示板は溢れ返る。不思議なことにこういう議論にみんなよってたかって、また今までの歴史を振り返って話す。ここまで来るともう自分には流れにのることができないし、他のニュースを調べようにも同じ議論ばかりになってしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまうこともしばしばであった。 でも最近、この「みんな」が不思議に思える。みんな、豊かな思考を持っている。みんな、どこまでも情報を知り得ている。その手の専門家が集まっているとはどうも思い難いのだ。だってこんなヘボそうな掲示板に、そんな何十人何百人と専門家がたむろしているわけではあるまい。 インターネットで調べる限り、他の掲示板もみんな専門家のような話をしている。形態は違えど、話題はいっしょ。みんな好きな分野というものがあるのだな、としみじみ思わせているばかりだった。 しかし、今度という今度はおかしいなと思った。昔から個人個人がつけることができるニックネーム制度というものがある。掲示板のなかでも何人か、そういうニックネームを持つ人がいた。ところが、同じニックネームの人が生物学カテゴリと文学カテゴリ、さらには数学のカテゴリまで出没しているようなのだ。そんな博識な人がついにはニュースのところにもやってきた。これはもう全知全能の天才がこの世に降り立ったのかと泰仁はビックリした。「実際 カ は無害な動物。こうこういうリスクがあるが予防が可能。正直人間の営みに関わる範囲でない」「三角比ならこの式を使えば解ける。この場合ならこうこうこうして解ける。」「伊勢物語はそもそもこういう経緯があって出来た、源氏物語とは対象が違う」泰仁にはわからないものの、そんなこと細かに考えられる人物がいるのだろうか、これは明らかにおかしいのではないか、と思った。 そこで、泰仁はニックネームで掲示板の書き込みを調べ、どんなことがらに意見の述べているのかと覘いてみた。彼は早朝から深夜まで、一日中書き込みを続けていた。 そうか、人工知能か。でも、話相手になるなら申し分ないな、泰仁は天井を見て、そう思った。
私の住む地域にはある言い伝えがある。それは、毎月1人『向こう側の世界』に連れていかれてしまうことだ。実際に毎月連れていかれていく人はいて、いつ自分が連れていかれるのかわからず、住民達は不安を抱いていた。あるとき、学校に転校してきた奴がいた。そいつは、見た目が凄く美しく髪の長い女の子だった。名前を麗子と名乗った。案の定、席は僕の隣だ。『裕太君、よろしくね!』麗子は僕に声を掛けてくれたが、僕は返事が出来なかった。その頃からクラスの雰囲気が変わってきた。いや、おかしくなったとでも言うべきだろうか。それを決定付ける出来事も起きてしまった。それは、クラスでも比較的目立たない揺羽という女子が自殺してしまった。しかもこのクラスで。揺羽を目撃したという教師は、『髪の長い女が揺羽の首を絞めていた』と証言しているが、学校側は自殺と処理し、その事件は幕を閉じた。翌日、僕は麗子に事件のことを聞くと、麗子は『私が締めたというの?裕太君がそんな言い掛かりつけるなんて…最低!』僕はその日から孤立した。そう、何もないところに…連れ去られた人たちと…。
「ほい、これプレゼント!」 彼は私に向かって微笑みながらワンピースを見せてきた。緑を主とした可愛らしいデザイン。ちょっと子供っぽいけど、せっかくの彼からのプレゼントなのだから喜ばないわけがない。 「わぁ可愛い!ありがとう!」 彼はちょっと照れくさそうに顔を赤らめて視線を下に向けた。 「いやぁさ、今日お前の誕生日だろ?サプライズで買ってきたんだ」 「もう、今まではケーキだけで済ませていたくせにぃ!」 私は意地悪っぽく笑いながら、彼に言ってやった。 「ごめん、もっと早くこういうプレゼントしとけば良かったかな?」 「当然でしょう。まったく…」 彼は相変わらずの様子だ。いつもはへらへらと冗談やって怒られたり、叱られたりしてるのにいざという時はてんでダメでやんの。 「ははっ、手厳しい反応だな!」 彼はすぐ後ろの椅子に腰かけ、思い出すように上を見上げた。 「そう言えば去年沖縄に行ったのも今ぐらいの季節だったよな?」 「そうそう。確か〇〇君たら泳げないのに見栄張って海に飛び込んだよね?で、結局溺れて近くの人に助けてもらったんだっけ?あの時は笑ったなぁ…」 「恥ずかしかったよ…まったく…特にお前に笑われたときは…」 今になってもまた笑いがこみ上げてきそうだった。このまま笑ってしまえば彼が可哀想だなと思った私はだ必死にそれを抑えつつ、彼へのフォローに回る。 「でも、今になってみれば良い記念になったんじゃない?」 「まぁ、良い思い出にはなったかな」 「なら良かったじゃん!」 彼はフッて微笑みながら、私へと視線を向けた。 「さて、今度はどこに行く?南は制覇したから今度は北国か!」 「賛成!でも海じゃなくて雪に溺れないよう気を付けてね!私、力ないから引っぱり出せないから!」 「まったく…」 そう言いながら、彼は顔を下に向けた。皮肉を言う私に彼は呆れたのだろうか。 「ごめんごめん!冗談だよ冗談!」 私は両手を振って今の言葉が本当ではないことを伝える。誰にしろ間違いはある。とは言ったものの、ちょっと体が震えてる○○君を見て罪悪感を感じた。私は謝罪を込めて彼に伝える。 「だから……」 「〇〇……」 彼は私の名前を呼びながら顔を上げた。 「そんな悲しい顔をしないで……」 「なんで死んだんだよ……」 水滴がポタポタと落ちる男の目の前に置かれたのは幸せそうな表情でこちらを振り返る少女の写真だった。プレゼントは写真の前に置かれ、彼女が生まれ変わってもいつまでも幸せでいられるよう、男は心から願った。
僕の人生は絵に書いたような平凡な毎日だった。 朝起きて、学校に行って、勉強して、家に帰って、勉強したりゲームしたり、ネットをしたりして、寝る。 もちろん毎日同じことをするわけではない。 たまにいいことがあったりするが、僕の人生には色がなかった。 そんな中で、ある日僕は彼女に出会う。 それは、いつものように学校から帰る途中の出来事だった。「見てみて、あの桜の木」「わぁ、もう桜の季節なんて過ぎちゃったのに、まだ咲いてる〜」 前を歩いていた少女たちがそう言う。 目を向けると、そこには満開の桜の木があった。 へぇ。毎日歩いてたのに気付かなかった。 その時、風が強く吹いた。 桜の花びらが舞った時、その木の下のベンチに座る一人の少女の姿に気付く。「綺麗だ・・・」 ついそう呟いた。 そこにいた少女は、とても綺麗だったのだ。 足が見えないくらい長いロングスカートに、白いフリフリした服を身にまとったその姿を現すほどの語学が自分にないことがとても悔しい。 とはいえ、そんな彼女に話しかける勇気なんて僕にはない。 今日はもう帰ろう。 ちょっとだけ軽くなった足取りで、僕は帰路についた。 しかし、次の日もそのまた次の日も、少女は現れた。 相変わらず、僕はそれを遠くで眺めるだけ。 そんな時、ある日朝のニュースに出てくる星座占いで、こうでていた。『おうし座のあなたは、今日は恋愛運アップ!気になる異性に話しかけてみましょう』「気になる異性、か・・・・・・」 思い浮かぶのは、桜の木の下の彼女・・・――――。 僕は早々に朝ごはんを平らげ、鞄を持って外に出る。 すでに夏服移行期間に入ったこの頃。 袖を捲ったカッターシャツに、走る度に風が染みる。 朝はいるかどうかよく確認してないけど、いてほしかった。 すぐに会って、話してみたかった。 彼女はいた。 いつものように、桜の木の下のベンチで。 息切れしながら公園に入ってきた僕を見て、彼女は目を丸くした。「あ、あの・・・僕、ずっとあなたと話したくて・・・・・・」「え?私、と・・・?」 そう言って首を傾げる。 あああッ!なんだこの綺麗でもあり可愛らしくもある美しすぎる生物はッ! 僕は顔が赤くなりそうなのを隠しながら笑顔を浮かべる。 対する少女もニッコリと笑顔を浮かべた。「は、はい・・・。あの、いつもこの桜の木を見ていますよね?」「え?あぁ、はい・・・。この木は、私にとって大切な思い出が詰まってるので」「大切な、思い出?」「はい。そうです」「それって一体・・・?」 そこまで聞いた時、公園の時計が8時20分を指したのが分かった。 あれ!?もうこんなに経ってたの!? 僕は焦ってあたふたしてしまう。「あ、それじゃあ僕もう行くから!えっと、あの・・・」「もう、行ってしまうんですか・・・?」 少女はそう言って悲しそうに目を伏せる。 僕は咄嗟に叫んだ。「き、今日学校が終わったら、また来るよ!」「ッ!それは本当ですか!?」 彼女の目がキラキラと輝く。 可愛らしい。 非常に可愛らしい。「もちろん!また、後で」「えぇ。また」 今日はなんだか、いつも以上に学校が長く感じられた。 ボーッとしてた時間も多かった気がするし、先生に当てられた時にどう答えたのかも記憶が定かではない。 ただ、彼女に会いたくて・・・。「うぅー!」 つい鞄で顔を隠す。 羞恥心というか、なんというかッ! 僕は鞄をどかし、公園まで走った。 公園に行けば、彼女が待っていてくれる! 公園に行けば、彼女と話せる! あの、公園に行けば!「あ、こんにちは。さっきぶり、ですかね?」 彼女はいた。 当たり前だ、と言われそうだが、それだけで僕の全身に血が駆け巡るような錯覚さえした。「こ、こんにちは!・・・・・・待った?」「いえ。私もさっき来たところなので」 そう言ってフワリと優しく微笑んだ。 それにつられて僕も笑う。 幸せだ。今、僕は幸せを謳歌している。 平凡な人生が、今、色鮮やかになったような気分だ。「それにしても、綺麗だよね。ここの桜。ずっと見ていたくなるのもよく分かるよ」 無意識にそう呟いていた。 いや、無意識っていうか、会話のネタを探そうとしたらこれくらいしか思いつかなかったってだけなんだけどね!?「そう・・・ですかね?」 しかし、彼女は少し冷たい声でそう返す。 あれ、そう思っていないのかな? でも・・・それじゃあなんでいつも見ているんだろう?「えっと・・・?」「そんなことより、あなたの名前が知りたいんですけど!」 強引に話を逸らされた。 触れられたくないことなのかもしれない。 まぁ、僕も彼女が嫌がるようなことはしたくないし、この話は閑話休題ということで。「僕は斉藤 春人。気軽に、春人、でいいよ」「じゃあ、春人君で。私は、桜木 真理。呼び方はなんでもいいです」「真理さん、か。よろしく、真理さん」「はい。よろしくお願いします、春人君」 彼女はそう言って、また優しく微笑んだ。 僕のクラスにいるような女子とは、やっぱりどこか違うな。 清楚というか、なんというか。 見た目は僕と同い年か少し年上かくらいなのに、随分違うものだなと思う。 それから僕たちは、他愛もない雑談を楽しんだ。 その日から、僕と真理さんは毎日この公園で話した。 いつしか、彼女は僕に敬語で話すことはなくなり、友人となっていた。 僕はこんな幸せがずっと続くものだと思っていたが、現実は、それを許してはくれなかった。 それはいつものように話していた時のことだった。「ねぇ。春人君・・・」「どうしたの?」「私、もう君に会わない方がいいと思うの・・・」「え!?」 大声を出してしまう。 会わない方がいいって、どういうことなの?「ごめん。でも、それが君のためになることだから」「どういうこと?せめて理由を・・・」「ごめんなさい!」 直後、彼女は立ち上がり、走り出す。 僕は慌ててそれを追いかけた。 地面を蹴って追いかける。 待ってよ!僕はまだ君に、好きだって伝えてないんだよ!「待ってッ・・・」 その時、気付く。 横断歩道の信号が、赤なことに。「危ないッ!」「えッ・・・?」 彼女に轟音をたてながら突っ込んでくるトラック。 僕は何も迷わず、彼女の体を突き飛ばそうとした。 その時、何かにつまずく。 視線が下に向く。 でも、突き飛ばすのには問題ない。 あ、今日はロングスカートの丈、少しだけ短いなと思った時だった。 僕は戦慄した。「え・・・・・・」 そこには。 彼女の足は。 なかった。 ・・・・・・え? 僕の手が、真理の体をすり抜けたのと、僕の体がトラックに轢きつぶされたのは、ほとんど同時だった。−−−「ねえねえ、知ってる?」「何を?」「最近、この辺りで交通事故があったんだって」「ここで?なんか変な感じだな」「何が?」「あれ、知らないの?今から10年前くらいに、ここの桜の木で、首を吊って自殺した女の人がいるんだって」「そうなんだぁ。偶然ってすごいね〜」「そうだね〜」 風で桜の花びらが舞いあがる。 僕は静かに、公園の前に立った。 今日は、正直に気持ちを伝えられるかもしれない。 いや、伝えてみせる。 ベンチに近づくと、少女が顔を上げてニッコリと笑いかけた。 それだけで、ないはずの心臓が高鳴りそうだ。 僕は深呼吸をし、声を出す。「僕、出会ったあの日から、ずっと、君のことが・・・―――」 今日も、桜の木の枝が、静かに揺れていた。
私には、名前が無い。いや、名前は確かにあり、そこにちゃんと存在はしていた。しかし、時が経つに連れ、名前は徐々に消えていった。そして、私は人々から忘れ去られる。名前も存在も。私は名前を呼ばれた頃を思い出す。しかし、もう名前を呼ばれた頃の記憶はほとんど無くなっていた。それでも、私は懸命に思い出す。私が私でいられるように。しかし、そのたびに現実が私を呼ぶ。「お前」 「貴様」等と。私は社会の歯車の1つ。せかせかとゴキブリの様に動き続けている。しかし、動けなくなったら捨てられる。呆気なく、それこそゴキブリの様に。私は時々思う。ああ、そうか。私は自ら歯車に成り下がる為に、こんな所へ来ているんだと。歯車にでもならないと私は生きていけないと。しかし、私の居場所は其処には無い。生きている甲斐が無い。私は、物では無い。私は、害虫では無い。私には、名前があり、笑って生きる権利があるはずだ。私は、死ぬ時に、生きていて良かったと思えるような人生を送ってもいいはずだ。居場所を求めてもいいはずだ。しかし、それは所詮きれいごと。私は所詮、歯車。言われた通りにしかくるくる動けない、歯車。結局、悪いのは私だ。勇気も実力も名前も存在も金も友達も恋人もモラルもセンスも何も無い私が悪い。そんな世界に生まれた私が悪い。そして、今日も私は無機質に回る。クルクルと……。
「あっ……光里……!」プイとそっぽを向いたまま光里は通り過ぎてしまった。私は宮澤 桃花中3だ。光里とは幼稚園からの親友……だ・け・ど今は仲が良くない。なぜかと言うと……。***********ある日突然光里に聞かれたのだ。「桃花……?結城君の事好きなの……?」私は突然聞かれて耳まで顔が真っ赤になってしまった。光里は何かが分かったのか、不機嫌そうに机に戻っていた。その後……。クラスの女子達で恋バナをしていた。……光里は丁度居なかった。「光里って結城の事好きらしいよっ!」「え!?」 「あと!結城は……。ううん。何でもない。」***************何でもない……気になるな。でも、今はそんな事どうでもいい。光里に酷い事をしてしまった。嘘をついた方がいいのかな?いや、そんな事をしたらもっと関係がギクシャクしてしまう。「ねえ。桃花。ちょっと来て。」いきなり結城君に呼ばれた。「好きだ。」へ?思わず変な声を出しそうになり、グッとこらえた。「え!?えーっと……。」「ありがとうござーいま、す。私もっ!!」「ありがとう」そう言って結城君は言ってしまった。ーーーーーーーー数日後久しぶりに光里が一緒に帰ろうと誘ってくれた。「結城君に告白されたのーー?」時が止まったかと思った。「え、っと。」「誤魔化さなくていいんだよ。私、分かってるから。」「だってっ……結城君はっ……桃花がっ……好きだってッ……私……わかってたのっ……それなのにっ…私は」光里は走って行ってしまった。〜次の日〜私が入った途端女子達が駆け寄ってきた。「結城とLOVELOVE大作戦、大成功!!」「へ!?!?」驚くのは当たり前。だってその中に光里がいたから。「もーう。あれ嘘泣きだよ。私演劇部入ってるでしょ!桃花ったら!」「えぇ!?」「二人が仲良くなれるようにした作戦だよ!」「ええっ!みんなぁ……ありがとう……!!」私は嬉しくて嬉しくて泣いてしまった。もう、光里は演劇部の先輩と付き合っているらしい。本当に良かった!光里と仲直り出来て!結城君と付き合える事になって!