【〜秋の夜長に〜SS小説大会にご参加いかがですか?】■結果発表!(2016.11.30 管理人更新)集計し精査した結果、壬崎菜音@壬生菜さんの「マッチョ売りな少女」(>>39)が1位となりました!壬崎菜音さん、おめでとうございます〜!今回ご参加くださった皆様、誠にありがとうございます!投票してくださった皆様にも深く御礼申し上げます!次回SS大会にもふるってご参加ください。****************************【日程】■ 第13回(2016年9月3日(土)18:00〜11月26日(土)23:59)※実際には11月27日00:59ごろまで表示されることがあります※小説カキコ全体としては3回目のためまだ仮的な開催です※ルールは随時修正追加予定です※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました。風死様、ありがとうございます!http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8**************************【第13回 SS小説大会 参加ルール】■目的基本的には平日限定の企画です(投稿は休日に行ってもOKです)夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数200文字以上〜1万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です■発表等 ※予定2016年11月27日(日)12:00(予定)■賞品等1位入賞者には500円分のクオカードを郵便にてお送りします(ただし、管理者宛てメールにて希望依頼される場合にのみ発送します。こちらから住所氏名などをお伺いすることはございませんので、不要な場合は入賞賞品発送依頼をしなければOKです。メールのあて先は mori.kanri@gmail.com あてに、■住所■氏名 をご記入の上小説カキコ管理人あてに送信してください)■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせくださいhttp://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001******************************平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。どうぞよろしくお願い申し上げます。******************************<ご参加タイトル 一覧> ※敬称略>>1 『宇宙(よぞら)のなかの、おともだち。』 Garnet>>2 『キミの夢』 霊夢>>3 『大切な場所』 レオン>>4 『最後の英雄』 月白鳥>>5 『星空と秘密の気持ち』 霊歌>>6 『夕焼け月夜を君と』 PLUM >>7 『焦がれし子宮』 めー>>8 『知』 茶色のブロック>>9 『儚い少女』 茶色のブロック>>10 『 white lilydie 』 PLUM>>11 『音を通じて』 奈乃香>>12 『月下美人。』 鏡杏>>13 『小さい頃からスキだったの』 ユリ>>14 『折り鶴』 御影>>15 『妄想を続けた結果、こうなりました。』 のあ>>16 『夏の日の物語。』 レオン>>17 『恋するティラミス』 ゼロ>>18 『貴女の望むもの』 奈乃香 >>19 『貧血少女』 PLUM>>20 『ねぇ』 はてなの子 >>21 『記念日には、貴方の言葉。』 はずみ >>22 『君も私も爆発だよ☆』 茶色のブロック>>23 『Reason for the smile』 ユリ >>24 『彼は未来を見る研究をしていた』 葉桜 來夢>>25 『Love me only』 ユリ>>26 『ワタシとアナタ』 はてなの子>>27 『匿名スキル』 とくだ>>28 『アナタだけ』 レオン>>29 『秋の夜長に君を求めて』 蒼衣>>30 『受け継がれる想い。』 レオン>>31 『素直になってもいいですか』 たんぽぽ >>32 『color』 蒼衣>>33 『二度とない日々へ』 深碧>>34 『破られた不可侵条約』 たんぽぽ>>35 『だーれだ』 ろろ>>36 『堕天使』 鏡>>37 『複雑ラブリメンバー』 とくだ>>38 『してはいけない恋……?』 マシャ>>39 『マッチョ売りな少女』 壬崎菜音@壬生菜>>40 『空想森の中で。』 ニンジン×2>>41 >>46 >>49 『あおいろ』(1)(2)(3) &>>42 『星の降る日』 安ちゃん>>43 『この感情は。』 みりぐらむ>>45 『やさいじゅーす』 とくだ>>47 『はづかし』 沖>>48 『Trick or love!』 PLUM>>50 『月が綺麗な夜』 小色>>51 『一番は』 草見 夢>>52 『名前』 草見 夢>>53 『人が死ぬとき』 草見 夢>>54-55 『天使と悪魔と』(1)(2) 草見 夢>>56 『人生最後の現実逃避』 みかん (2016.11.19 更新)
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私の学校は自然がきれいな場所にある。私は、毎日昼休みに、屋上から景色を見るのが、日課の一種になっていた。私は、自然を、愛していた。いつどこでどれだけ見ても、飽きない景色。毎日同じ景色だが、・・・・ある日、いつもと違う、景色を見ることができた。私は年頃なのでその日は貧血気味だった。くらくらしながら、跳び箱をし、ふらふらしながら、給食を運び、食べた。私は、いつものように屋上に行った。低いフェンス。その分だけ、景色が広く見える。その時、私の貧血の症状が発動され。私は、いつもと違う姿勢になった。あぁ、こうやって見る、自然もいいな。こんなに景色が流れていくなんて、初めてだよ・・・・初めての景色。そして、サイゴの景色。しばらくすると、私は、頭に激痛を覚えた。それからは・・・・憶えていない。
「お前はなぜ、生きているの?なぜ、生まれてきたの?」僕は、学校の階段の踊り場で、問われる。何で、こんな場所で・・というのは、聞かない。「ねぇ・・・何で?」もう一人、違う人にそう、問われる。そんなの、分かるはずが無い。分かりたくもない。だって、それが分かってしまったら、僕は・・・・「答えられないの?」また、違う人にそう問われる。「・・・うん。」僕は、そう言う。「はぁーー・・、ほんと、アンタって、馬鹿でゴミで、生きる意味の無い、クズ野朗だよねー?」・・・・黙れ。「いっつもいっつも、つまんなそーな顔してさー」黙れ。「友達とか居ないわけ?・・・あ、ごめんね。君ってゴミだから、人間とは友達になれないのかー!あっはははは!」黙れ。黙れ。黙れ。「本当に、何でアンタ生きてるわけ?生きている意味が無いなら・・・さっさと、死んじゃえば?」「黙れ!!!」ードンッー「なっ・・・・アンタ、何して・・!!」「きゃ、きゃぁぁぁぁぁ!だ、誰か!先生!!」・・・・・今、僕は、何を、した?「え?」僕は、気が付けば三人の中の一人を階段から突き落としていた。あまりにも耳に入っていた話が、不快すぎて、自分を制御しきれなかった。僕は、最低だ。何で、生きてるんだろ?・・・あぁ、答えを見つけた。僕が、生きる意味を。僕に生きる意味は・・・・・無い。
飛んで回って走って踏んでビーム出して時には死ぬ。弟もいる。婚約者はお姫様。ゲームで頑張ってきた。そう、僕はMARIO
これは呪われしゼシカとの戦いの時・・・エイト「くっ・・・強い・・・」ククール「まさかドルマゲスとゼシカの魔力が合わさったらこんなに強くなるとは・・・」ヤンガス「無念でがす・・・」エイト「あ、そういえばククールとヤンガス、あの時約束したの覚えてる?」ククール「あ?なんだこんな時に」ヤンガス「覚えてるでがす」これはドルマゲスとの戦いの前エイト「もうすぐでドルマゲスとの戦いだ、皆覚悟はいい?」ヤンガス「バッチリでがす」ゼシカ「もちろん」ククール「ああ」エイト「その前に皆に言いたいことがある、もしも杖を取り返してもまた誰か操られるかもしれない、だからその時は・・・たとえ僕でも手加減無しで殺してほしい」ヤンガス「え!?」ゼシカ「いやいや、そんなことできないわよ!」ククール「そうだ、俺達はドルマゲスを倒すためにここにいるんだ!」エイト「確かにそうかもしれない、でもそれしかないんだ 約束してくれるね?」ヤンガス「わかったでがす」ゼシカ「私もエイトに賛成」ククール「・・・はあ、しょうがないわーったよ」エイト「これで決まりだ」そして前に戻るククール「・・・まさか本当にエイトの言ってたことが起こるなんてな・・・」
学生時代、私の作った歌を君が歌う。なんて輝かしかったのでしょう?今や、君は売れっ子アイドル。私の手には届かない。悲しいです。悔しいです。かつて私の、私だけの存在だったヒーローは、1万人、10万人のヒーローになってしまいました。私はそんなことを思いながら、客席で君を見ています。口調も仕草も立っている場所も変わったのに、何1つとしてあの頃と変わっていない君を見ています。学生時代から積み重ねていったこの想いは、発散する当てもなく、まだ募っていくばかりです。どうか、どうか。1人の貴方のファンとして、貴方にこの想いが、バレませんように。*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜学生時代、アイツの作った歌をオレが歌う。なんて輝かしかったんだろう?今や、お前は所在さえわからない。お前の手を、取ることすら出来ない。悲しくて、悔しい。かつてお前の、お前のヒーローだった奴は、お前を裏切って、ステージに立ってる。オレはそんなことを想いながら、お前じゃない、他の誰かが作った曲を歌ってる。お前の姿を、ステージから探している。学生時代から積み重ねたこの想いは、誰かの作った恋の歌に乗せて、お前へと送っている。どうか、どうか。貴女に恋した1人の男として、貴女にこの想いが、伝わりますように。*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜〜番組にて〜『お手紙のコーナー!』『『『いぇぇええええい!』』』『『おー』』『まずは……お前からだな!。初恋の人は?どんな子だったのかも教えて!』「えっオレ?えーと……学生の頃の同級生」『マジか〜!王道だなっ!どんな子だったんだ?』「うーん………色気ねぇし、中身良いとも言えねぇやつ」『かなり失礼〜だなお前…』「飾り気ないヤツだったから一緒に居て楽しかったよ」『おっ!素直っ!ファンのみなさ〜ん?コイツは飾り気ない人が好きらしいですぞ〜?』『ちょっとっ?ファンいじらないの!』(スタジオ一同笑う)『ねぇー、ねぇー、結局その恋はどぉーなっちゃったのぉー?』「答えなきゃダメか?………もちろん」『ぉぉおお?』「片想いで終わった」『えぇえええ!?散々女引っ掛けてそうな容姿してんのにぃー?』(スタジオ一同笑う)『じゃ〜、他のみんなはどんな恋愛した〜?』…『プレゼントキャンペーンのお知らせ〜』『下に書いてあるメールアドレスに、番組の感想を書いて送ってねェ』『抽選で100名様に』『俺たちのボイスが送られるぞ!』『それじゃあまた来週も』『『『『お楽しみに!』』』』………番組の後、1通のメールが届いた。『世界で1番愛してる』届かなかった想いは量産された愛で、確かに、けれど、残酷に届いた。
その日の夕方、研究室の扉をガツッ、ガツッとノックする音はかなり控えめだった。指示した時間ぴったりではないが、その音の調子からは、根拠のない自信に満ちた生意気盛りの学生に特有の「 言われた通り来てやったぞ 」 と開き直るような無遠慮さはうかがえない。教授は威厳のある声で 「 入りたまえ 」 と応じながら、この分なら才能の伸ばし方を勘違いしている若者へのアドバイスが徒労に終わる事はないだろうと、教職に就いて以来培ってきた長年の経験から、説得が上手く運びそうな予感をすでに持ち始めている。「 失礼します ‥‥ 」首をすくめ気味にして、一人の学生が入って来た。 大勢の中で聴く講義とは違って教授と一対一で話すのに慣れていないのだろう、緊張で首だけでなく、体も不必要に固く小さく縮こまっているように見える。 この様子では言い過ぎに気をつけなきゃいかんかもしれんな、と教授は意識的に声の響きを抑えて態度を和らげる。注意の度が過ぎて創作意欲そのものを失わせてしまっては元も子もない。 「 君の作品を ‥‥ あー、小説を ‥‥ 読んだよ。 先に言っておくと、悪くない 」学生の顔に血の気が戻るまで待ってから、言葉を続ける。「 だがこの感想はあくまで、風変わりで面白いという域に留まるものだ。 つまり、正統的な現代文学として高い評価を与える事を意味しない。 私としては、課題には別の作品を提出する事をすすめるよ 」教授は学生の肩の上部がさざ波のように震える様を冷静に見守った。 おそらく背中の表面も同様の震えを見せているに違いない。 書き上げた作品を否定されるのは辛いものだ ‥‥ それが、読み手を楽しませたかどうかではなく、学業の成就を左右する大きな判断材料となってしまう場合には特に。黙り込んだ学生から何とかして反応を引き出そうと、教授は聞き手に回ろうとした。「 空想が悪いと言っているわけではないという点を理解してほしいんだ ‥‥ これは空想小説だね ? 」「 異世界ファンタジーです 」ここは譲れない、といった頑なさを帯びた語気で学生は訂正した。「 主人公はパッとしない平凡な少年なんですけど、この世界で死んで、だけど、異世界に転生するんです。そこは全てが、本当に文字通り全てが、元にいた所とは違っていて、人間の世界は ‥‥ 」「 失われた命が、記憶と自我を保ったまま別の場所で復活するかどうかは、こんな取るに足りん課題のテーマとしては大き過ぎると思わんかね 」教授の見せる苦笑の中に、若い世代へ向けられた一種の優しさを読み取って学生は少しづつ落ち着きを取り戻していく。「 異世界という物語の舞台も、科学的には残念ながら概念上の存在に過ぎない。 そういった奔放な想像力の産物よりも、私の講義で求めている文学は、何と言うかな、もっと ‥‥ 」「 ‥‥‥ 普通の ? 」学生の体から気構えが消えて、素直さのある口調で発せられた一語が教授の発言を引き取った。普通。その言葉を学生に自分から言わせたところで、説得は完了していた。学生は翻意して、課題を書き直すだろう。 普通の小説を。後はもう、教授はうなずくだけで良かった。‥‥ 課題に異世界ファンタジーか! 参ったな! 現代文学もいずれライトノベルと一緒にされて、区別がつかなくなる日が近付いているらしい ‥‥ 学生の去った研究室で、教授は全ての側腕をがさがさと頭上に集めると球形の胴体に縛りつけた主脚の数本を壁と天井に伸ばして体を中空に固定するための支えとし、リラックスするために副頭部のウロコを気ままに発光させて、その不規則なイルミネーションをぼんやりと楽しんだ。廊下の採光窓から何色か明りがもれて来るのは、やや不本意ながらも落第を免れる機会を得てほっとした学生の放つ光だろう。しかし 『 人間 』 とは ‥‥ また奇妙な生物を考え出したもんだなあ ‥‥ いやいや馬鹿げている、と教授は空想しかかる自分を心の中でたしなめた。耳と眼が偶数の生物など、この世界だろうと異世界だろうと有り得ない。
「死にたい人ー、この指、とーまれっ」HRの後、急に先生が倒れたかと思ったら、不思議な少女がなんとも不思議なことを言った。「え〜、なんのことかわからない人、いますよね?では、説明させていただきます。」こほん、と一つ咳払いをして、少女は続けた。「このクラスには…虐めがありますよね?そんな社会の最低辺を見て、死にたくなっちゃった人、いませんか?今ならなんと、大特価!一瞬の苦しみも感じさせずに殺して差し上げましょう!」「勿論、アフターケアもばっちりですよ。」なんて言って、にっこり笑う少女。なにがどうなっているのか、全くわからない。すると、虐めのターゲットが恐る恐る少女に近づいた。「…私、もう耐えられない。楽に死ねるなら、早く殺して。」涙を浮かべながら話す彼女に、僕らは少なからず、罪悪感を感じただろう。彼女を、ここまで苦しめていたのか、と。「うんうん、いい判断だね。もう他にはいない?」しーん…と静まり返る教室。それに不釣り合いな 、楽しげな少女の声が響く。「よし、死にたい人はこの子だけだね。それならいくよ?………………バイバイ、この子を虐めていた人たち。」刹那、教室にはたくさんの赤が舞った。虐められていた彼女は、驚いた顔をしていたが、「天罰よ…。」と言って、楽しそうに笑った。「うんうん…。死にたい時こそ、生きなきゃダメなんだよね。死にたい時こそ、生きることの大変さがわかるの。命は大切にしないとだよ?大切にしない人なんか………。」『死んじゃえばいいんだよ』あぁ、これはきっと天罰だ。虐めを見て見ぬふりして、時には加害者になって。人を死に追いこんでしまったその罪は、死じゃないと償えない。なんでこんな簡単なことに気がつけなかったんだろう。後悔しても、今更遅い。視界が、徐々に、狭まっていき、静かに、でも、確かに、その眼は閉ざされた。
「不合格」薄々こうなることは予測していた。何回目だろう。私はテレビで第一線を走るタレントやモデル、女優にあこがれて、中一からオーディションを何回も受けてきた。でも不合格。「また不合格のメールがたまったな……」スマホの画面を閉じた。佐々木 恋。恋とかいてれんと読む。高2。東京在住。いい環境だとみんなはうらやましくいうけど、私はずっとうまくいかなかった。「ねね、恋、カラオケ行かない?」「あ、私カラオケ行ったことない」「ええっ?まじ?じゃいこいこ!」「あーあ。また84点だよ……85までとどかないなー」「カラオケって採点機能あるんだねー」「次、恋の番」マイクを差し出される。「あ あ あ」うわ、めっちゃエコーかかってる。歌うって言っても私お風呂ぐらいだなあ。私は大好きな女性シンガー、SARAさんの曲を歌った。〜♪ああ 過ぎていく毎日に何をやっても失敗する私ああ こんなんじゃもうくじけてしまいそうで怖いよでもそれは自分の魅力に自分がきづいてないだけだから今 何があっても大丈夫どんなことがあっても私立ち上がれるような気がするシンプルな歌詞なのにグッとくるよね。私は不合格のとき、いつもこれを聴いてた。SARAさんのこえが大好きで。点数は……87点「恋、初めてなの?上手だったよ!」私は、歌うのが楽しくて、うれしかった。その日から。私は週2回のペースでカラオケに通った。点数も少しずつ伸びて、92点もとれた。いつもフリータイムだからカラオケの店長にもあった。しかも女の店長さんで、相談にも乗ってくれた。カラオケに通い続けて1年経った高3の夏。ばんご飯を食べていたらお母さんが言った。「私はね、恋のお小遣いがカラオケにほぼいっているのを知ってるのよ」「なんで?」「レシートに会員証。ここまで見ればわかるでしょう?」「で、それがどうしたの」「楽しいことを見つけるのはいいけど、高3よ?進路とか決まったの?」「まだ」「私は心配なのよ」私は味噌汁をごくりと飲み込んでごちそうさま、といった。「私はやりたいことをやる」そう早口で言って、二階に上がった。<ねえ、店長。どうしたらいいのかなあ>私は店長とLINEをし始めた。<どういう仕事につきたいとか、ある?><ううん><なら大学行くのがいちばんいいんじゃないかな><やっぱりそうなのかな……>その日は寝落ちした。ある日、一人でカラオケにいった。そろそろ時間だとおもってカラオケ店から出ようとしたその時、「ねえ、恋ちゃん!」「あ、店長!」「相談されたじゃん?進路のこと。あれ、考えたんだけど、これ、どうかなって思って」店長のスマホをみると、cmが流れた。「アーティストオーディション2017」「未来のスターの卵、集まれ!」「ゲストアーティストはなんとー……」「佐藤かなと!」「SARAです!」あ、SARAさん!「応募締め切りは……」「店長!!」「なに?」「私、出ます!!」「そう来なくっちゃ!」店長は二カッと笑った。それから毎日、一次審査に向けて毎日カラオケに行った。休みの日は友達と一緒に行った。お母さんは勉強がおろそかになる、と言っていたけど、かまわず応募。お父さんからハンコをもらった。一次審査の音源、書類は郵送締切日に出した。それから1週間。メールが届いた。「佐々木 恋 様は二次審査へとご案内します。」「よっしゃー!!」店長と一緒に騒いだ。二次審査は作詞作曲した曲をスタジオで歌う。私はSARAさんへの思いを込めて詩を書いた。「こちらへどうぞ」案内されたのはガチなスタジオ。あー緊張する。音楽のない中、私の声だけが響く。緊張したけど歌い切った。最終審査に進出できるのは5人。「では、発表します。2番、高橋 華」「きゃあっ」その女の子が泣いた。私は16番だからまだチャンスはある。「15番、横山 奈々」「やった!」え?うそ?次呼ばれなかったら終わったじゃん。「えーっと、次は……」緊張マックス。「16番」「うそ?」「佐々木 恋」「やった!!」もう嬉しすぎて頭になんにも入らなかった。家に帰って報告すると、お母さんもお父さんもめっちゃびっくりしてた。「ここまできたら、がんばりなさいよ」お母さんも応援してくれた。最終審査はバンドが編曲してくれて、SARAさんの前で、歌う。観客やテレビ局、もちろん事務所だってやってくる。もし。もしグランプリをとればSARAさんから楽曲提供、CDデビュー歌手活動、事務所所属がけっていする。ぜったい受かってやる!ついに本番。私は生SARAさんに興奮しまくり。緊張しすぎた。ついに本番五分前。「ありがとうございましたー」奈々ちゃんがステージを終えた。「がんばって、恋」お母さんとお父さん、店長、クラスの仲間たちも背中をおしてくれた。よしっ!そこにはたくさんの人と歓声。「よろしくおねがいします!!」そういって、私のステージが始まった。〜♪あなたのことを おいかけてこの手を伸ばした その時に私 すこしだけかわれた気がしたいつかは叶うって言ったって行動しなきゃ意味なくて今、私、あなたを追い越すからあなたのことを おいかけてこの手を伸ばした その時に私 すこしだけかわれた気がしたいつかの出来事も 明日には経験値へと変わるから 今、あなたの声を聴かせて「ありがとう!」そしていよいよ結果発表。「グランプリは……」「佐々木 恋ちゃん!」「……うそ」あとから涙がぼろぼろと出てきた。うれしくて。ただうれしくて。歓声が私を包んでくれた。SARAさんから花束をもらった。がんばろう、絶対活躍してやろう。歌を、力にして。
───── 1 ─────「 ここはキスだよ! キスするの! この劇で一番大事なシーンなんだから、校長の意見なんて関係なく当然の流れとしてキスになるんだよ! それ以外、考えられない! キス! キ ― ス ― !! 」ヒロイン役を演じる先輩は罠にかかった猛獣が暴れるみたいな勢いでそう喚いて、講堂の床を怒りにまかせて何度も踏み鳴らした。傍らにポツンと立っている相手役の僕にも、全力ストンピングが生み出す殺人的な振動が伝わって来る。キスさせやがれと先輩が足をひと踏みするたび、その動きにつれて頭に仮付けしている金髪の演劇用ウィッグ( 房に分けたカツラ ) だけは優雅に波打った。キャラ崩壊だ。 先輩その役、悲しみに耐えて気高く生きる貴婦人の代名詞なんですけど ‥‥ 。とは言え、上演寸前にまでこぎ着けた劇作りを、堅苦しい横やりで突然に邪魔された先輩が感情を爆発させるのも無理はない。いつもは演劇部の部長として部活全体のバランスに目を配る人だが、事が学校からのクレームごときが原因で決まってしまった劇の演出変更となると、学生とはいえ一人の女優として決して譲れない意地にも似た部分が出てくるのだろう。今がそうだった。間近に迫った今年の文化祭の劇は、先輩を始めとする演劇部員の三年生にとっては高校生活最後の作品発表の機会となる。 悔いの無いよう、全てが納得のいく物に仕上げようとするのは当然だった。特に先輩は今回の上演を学年や部長としての立場だけでなく、今まで部員を引っ張って、弱小集団だった演劇部を盛り上げ育ててきた彼女自身の集大成としても考えているようだ。 熱意が違う。演目は一般にも広く知られる戯曲で、王道恋愛もののジャンルでは定番のひとつだ。愛し合う男女が戦火に引き裂かれ、主人公の男は戦いの中で落命し、残されたヒロインは人生を一人で強く生きていく ─── 何度か映画化もされている筋立てのはっきりした物語だから、観客は展開や伏線に気を配る必要がない。 気構えなく、誰でも一度は何かの形で見た事のある場面の数々を楽しんでもらう ─── そういう趣向だった。主人公役は、一年生にも関わらず僕に任される事になっている。 理由は単純で、男子部員の中で一番背が高いのが僕だったからだ。そして、先輩がもう一人の主役とも言うべきヒロイン役になるのは、普段からの圧倒的な校内の注目度を考えれば当然だった。金髪の美少女という原作設定通りの役作りにも無理を感じさせないほどに整った顔立ちで、しかもスラっと脚の伸びたプロポーションの先輩は舞台映えがするという意味ではこの劇のヒロインとして理想的と言っていい存在だが、たたでさえ男子に引けを取らない背丈に加えてドレスをまとう役柄上、それに合わせて今回はヒールタイプの靴を履くことになる。相手役に求められるのは経験や演技力よりも、まず第一に舞台で並んだ時にヒロインと釣り合うだけの身長というわけだった。「 ふーん。 君が主人公やるんだ 」夏休み前の配役ミーティングで部員それぞれに演じる担当人物が決定した日、先輩は 『 この世にこんな下級生いたのね 』 と言いたげな表情で僕に近寄って来ると、時々爪先立ったり前かがみになったりしながら、僕のすぐそばを尋問前のゲシュタポみたいに無気味に一周してから、何気なさそうにボソっとつぶやいた。「 それじゃ別れのキスシーン、私は君としちゃうってことね 」緊張で少しどもり気味に、よろしくお願いしますと言いかけていた僕はその一言にびっくりして、思わず挨拶の言葉を飲み込んで先輩の唇を凝視してしまった。ああそうだそう言えば、と今さら理解する。 この劇、キスする所があるじゃないか ‥‥ !そこは最も有名なシーンだ。戦場へと赴く主人公と故郷に残されるヒロインが、別れ際に初めての口づけを交わす場面だった。映画化された作品のポスター類などは、ほとんどがその情景をモチーフとしてデザインされている。キス ‥‥ !あせる僕の反応をちょっと楽しそうに見守っていた先輩は、いかにも年上のお姉さんらしい落ち着いた態度でなだめるように微笑んだ。「 本当にキスするわけじゃないよ。 私たちは抱き合ってからくるっと回って、私は客席に背中を向けた君の後ろに隠れるの 」‥‥ なんちゃってキス。その通りの演出プランになるはずだった ‥‥ さっきまでは。運の悪い事に、学校に提出した劇の台本にたまたま目を通した校長が、教育的配慮によってその場面に待ったをかけて来たのだ。・ 抱き合うの禁止。・ 無論キス禁止。要するに、もっと高校生にふさわしい演劇らしくしなさいと指導しているつもりらしい。「 実際にはキスしませんって、私は何度も説明したんです。 でも学校側としては、いかにもそういう事してますっていう見せ方をするのがダメなんだそうで 」副部長が練習中だった部員みんなを集めて、自分は出来る限り説得しようと努力してみたのだが的態度でキスシーン中止の報告を始めたのが、ついさっきのこと。それを聞かされ激怒した先輩が、だからと言っておめおめと退却して来る奴があるか風キレ方で講堂の床をドンドン踏みつけ始めたのがその数分後。劇として重要なのは実はキスそのものではなく、その後に続く、主人公とヒロインの短いが印象的な会話の方だった。セリフの一部には二人が初めてのキスについて語りあい心を通わせるというくだりがあるため、キスが無くなるという変更は、そのやり取りまでもが割愛される事を意味する。作品の主題が弱まりかねない困った問題だった。「 妥協するしかないですね 」誰も言い出せなかった結論を、おそらく校長室から講堂までを戻って来るあいだ中ずっと考え抜いてきたであろう副部長が、はっきりと口にする。敗北宣言とも取れるその声に反応して、物凄いスピードで振り返った先輩のウィッグが大きくずれて顔のほとんどを覆い隠し、金髪の隙間から片目だけがぎろりと覗く格好になった。 普通にしていれば表情豊かでぱっちりとした大きな瞳は先輩が持つ魅力のひとつだが、こんな時には殺気の発信源でしかない。微かに 「 うぬぅ ‥‥ 」 という不満そうなうめき声までが絞り出されて、どう見ても絶対反対と判る姿になっている。 鬼だ。 怖い。だが、副部長はひるまず冷静に続けた ‥‥ 良く見ると、先輩にではなく先輩の足首に話しかけてるけど。「 ここは全暗転を使う、という事でどうですか。 主人公と ヒロインは、向き合って互いの顔を近付ける。台本通りに、です。 そこまで進めたら、一気に照明を全部落とすんですよ。 そして真っ暗な中で一拍置いてから、キス後の会話シークエンスに入るんです ――― 二人はキスをしない。 その代わり、観客にキスを想像させる。 そういう流れにしましょう 」「 うぬぅ 」先輩の肩から力が抜けていく様子から察すると、今のは副部長に渋々ながらも同意を表す 「 うぬぅ 」 だったらしい。全暗転。 舞台だけでなく、客席も含む劇会場全体を暗くする演出法だ。舞台はほとんどの場合直前まで皓々と照らされているから、明暗の差が生む効果は日常の生活で消灯したりする時などよりも大きい。平たく言えば、観客は突然光を奪われてしばらく何も見えなくなる。確かにその案は、次善の策としては悪くなかった。一応落ち着きを取り戻した先輩は頭をぐりぐりして雑に髪を直すと、それでもどこか不満そうな腕組みのポーズで、味方を探し求めるみたいにじっと僕の方を見た。「 君はそれでいいのかな 」えっはい、えーと、上演をまず第一に考えるなら ‥‥ と慎重に言い方を選び選び、僕は副部長のキス無し暗闇プランに賛成した。これには僕の事情も少しある。文化祭が近付くにつれて校内に劇の配役が周知されてしまい、どうやらキス場面があるらしいという話題で、クラスメートは事あるごとに妬み半分で僕をからかい始めていたのだ。そんなわけで、平凡な高一男子として自分の立場が重荷になりつつあった僕はハードルが低くなった問題のシーンに正直ほっとしながら、それがいいと思います、と続けていた。先輩はそんな僕からぷいっと顔ごと視線をそらすと、僕の言い終わりを最後まで待つことなく 「 まあそれでいいなら私もそれでいいって言うのがいいわね 」 みたいな事をぶつぶつぼやきながら、半身鏡にかがみ込んで前髪を整え始める。 多少、いや、あからさまにブスっとした表情だが、形としては折れてくれたみたいだ。こうしてなんとかヒロイン様のご機嫌はリハーサルに戻れる程度にまでは回復し、僕たちは練習を再開した。
10年、10年間、この山奥にある小さな小屋で、ひとりぼっちで暮らしてきた。6歳の時に、小屋を出ていった両親が帰ってこなかった日からずっと。それからは生きるのに必死だった。父がそうしていたように川で魚を獲り、母がそうしていたように山で果物を摘んだ。そうやって、一日一日を必死に生きた。時が経つと、"慣れ"というもので、 生活に苦労することはなくなっていった。はるか遠くの町を見つけ、魚をミルクに替えることも出来るようになった。次第に時間を持て余すようになった私は、本を読むようになった。小屋の中には本がたくさんあった。多くは読めなかったが、読めるものも少しあった。私は本から世界の多くを学んだ。言うなれば、本こそが私の世界だった。花、木、動物、山、村、人、ことば、孤独――その中でも、「春」という本が一際好きだった。幼いころ、厳しい冬を耐え抜いて春という季節を迎えた喜びが、その感情を引き立てたのかもしれない。"彼女"がやってきたのは、そんな春の――雨と風の夜であった。空気を切り裂くような音とともに、ドアが突然開いた。全てを巻き上げる風が、部屋の中を駆け巡る。雨粒はその風に加速されて、バタバタと床に叩きつけられていく。私は立ち上がっていた。風の中に佇む、ボロ切れのような少女を見つめて。私は少女の肩に手を載せて、彼女を部屋の中に入れた。彼女の肩は震え、冷え切っていた。彼女の顔には幾つもの切り傷のような痕が付いていて、とても痛々しかった。私は彼女を、3つある椅子のうちの1つに座らせ、テーブルを挟んで向かいの椅子に、私が座った。はじめ、私は彼女と会話を試みようとした。しかし言葉が出てこない。私は怖かったのだ。声を出すことが、口を開くことが、怖かったのである。言葉を話す代わりに、私は彼女に、私が夕食にとったスープの残りを与えた。その時小屋にあったのは、それだけだった。彼女はそれをためらいもなく飲み干した。そして、顔を上げて笑みを浮かべた。土に汚れた顔であったが、その笑顔は私の胸の奥を優しく突いた。目が覚めると朝になっていた。座ったまま、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。「おはよう」と、例の彼女が大きな声をあげた。その時私も「おはよう」と言うつもりだったが、またしても恐怖が先立って言葉にはならなかった。代わりに私は笑顔を作った。それが果たして本当に笑顔であったかどうかは、今の私にも分からない。その日はよく晴れていた。私は彼女を川に連れて行って、私が毎朝するように、彼女の体を丁寧に洗い流した。彼女が身につけていた服のような布は捨てて、代わりに母が着ていた服を着せた。薄い桃色の服は、彼女にとても似合っていた。「ありがとう」服を着た彼女は笑顔で言った。私は、どういたしまして、と心の中で唱えた。彼女の長い髪が、春の陽気の中できらびやかに光っていた。それからは二人の生活が始まった。彼女は必ず私よりも早く起き、必ず目覚めた私におはようを言った。私も何度かおはようと言う努力をした。しかし、そのうち努力をすることすらなくなった。朝起きたら彼女と川に行き、体を流す。帰りがけに果物を拾い、朝食とした。彼女はいつも、果物と一緒に花を摘んで、それを小屋の中に飾った。飾ったと言っても、テーブルの上に載せるだけだが。彼女はよく本が読めた。私が読めなかった本をすらすらと読んで、私に聞かせてくれた。私はただ黙ってそれを聞くだけだったが、それでも彼女は嬉しそうにしていた。「もっと色んなこと教えてあげる」彼女は私に、本当に色々なことを教えてくれた。町のことや国のこと。教会のこと。星のこと。そして、夜のこと。ただ、彼女は決して町には降りなかった。私が町に魚を持っていく間、彼女は小屋で待っているのだった。彼女の顔に付いていた傷が消えてなくなる頃。夜が明けた朝、彼女は初めて私に涙を見せた。その涙の理由を、私は知りたかった。しかし、言葉は喉を通らない。私はただ、彼女の頭をそっとなでた。そうして日々が過ぎ、何度目かの春を迎えた日の朝のこと。私が目を覚ます前に、それは来た。何かが勢いよく弾ける音。目を開けるとドアが床に倒れていた。怒号。足音。頭に固い大きな帽子のようなものを被った男達が4,5人。両手で何かを抱えている。黒い細長い機械のようだ。彼女がいない。男たちに両脇を抱えられていた。私は声をあげた。言葉にならない声を。立ち上がって彼女のもとに駆け寄る。しかし、二人の男に弾き飛ばされた。床に倒されて、身動きが取れない。私は必死に顔を上げた。彼女の背中だけが見える。男たちに引きずられ、徐々にその背は遠ざかっていく。彼女が振り返った。 「ごめんなさい」 それが、彼女の最後の言葉だった。