【〜秋の夜長に〜SS小説大会にご参加いかがですか?】■結果発表!(2016.11.30 管理人更新)集計し精査した結果、壬崎菜音@壬生菜さんの「マッチョ売りな少女」(>>39)が1位となりました!壬崎菜音さん、おめでとうございます〜!今回ご参加くださった皆様、誠にありがとうございます!投票してくださった皆様にも深く御礼申し上げます!次回SS大会にもふるってご参加ください。****************************【日程】■ 第13回(2016年9月3日(土)18:00〜11月26日(土)23:59)※実際には11月27日00:59ごろまで表示されることがあります※小説カキコ全体としては3回目のためまだ仮的な開催です※ルールは随時修正追加予定です※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました。風死様、ありがとうございます!http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8**************************【第13回 SS小説大会 参加ルール】■目的基本的には平日限定の企画です(投稿は休日に行ってもOKです)夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数200文字以上〜1万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です■発表等 ※予定2016年11月27日(日)12:00(予定)■賞品等1位入賞者には500円分のクオカードを郵便にてお送りします(ただし、管理者宛てメールにて希望依頼される場合にのみ発送します。こちらから住所氏名などをお伺いすることはございませんので、不要な場合は入賞賞品発送依頼をしなければOKです。メールのあて先は mori.kanri@gmail.com あてに、■住所■氏名 をご記入の上小説カキコ管理人あてに送信してください)■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせくださいhttp://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001******************************平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。どうぞよろしくお願い申し上げます。******************************<ご参加タイトル 一覧> ※敬称略>>1 『宇宙(よぞら)のなかの、おともだち。』 Garnet>>2 『キミの夢』 霊夢>>3 『大切な場所』 レオン>>4 『最後の英雄』 月白鳥>>5 『星空と秘密の気持ち』 霊歌>>6 『夕焼け月夜を君と』 PLUM >>7 『焦がれし子宮』 めー>>8 『知』 茶色のブロック>>9 『儚い少女』 茶色のブロック>>10 『 white lilydie 』 PLUM>>11 『音を通じて』 奈乃香>>12 『月下美人。』 鏡杏>>13 『小さい頃からスキだったの』 ユリ>>14 『折り鶴』 御影>>15 『妄想を続けた結果、こうなりました。』 のあ>>16 『夏の日の物語。』 レオン>>17 『恋するティラミス』 ゼロ>>18 『貴女の望むもの』 奈乃香 >>19 『貧血少女』 PLUM>>20 『ねぇ』 はてなの子 >>21 『記念日には、貴方の言葉。』 はずみ >>22 『君も私も爆発だよ☆』 茶色のブロック>>23 『Reason for the smile』 ユリ >>24 『彼は未来を見る研究をしていた』 葉桜 來夢>>25 『Love me only』 ユリ>>26 『ワタシとアナタ』 はてなの子>>27 『匿名スキル』 とくだ>>28 『アナタだけ』 レオン>>29 『秋の夜長に君を求めて』 蒼衣>>30 『受け継がれる想い。』 レオン>>31 『素直になってもいいですか』 たんぽぽ >>32 『color』 蒼衣>>33 『二度とない日々へ』 深碧>>34 『破られた不可侵条約』 たんぽぽ>>35 『だーれだ』 ろろ>>36 『堕天使』 鏡>>37 『複雑ラブリメンバー』 とくだ>>38 『してはいけない恋……?』 マシャ>>39 『マッチョ売りな少女』 壬崎菜音@壬生菜>>40 『空想森の中で。』 ニンジン×2>>41 >>46 >>49 『あおいろ』(1)(2)(3) &>>42 『星の降る日』 安ちゃん>>43 『この感情は。』 みりぐらむ>>45 『やさいじゅーす』 とくだ>>47 『はづかし』 沖>>48 『Trick or love!』 PLUM>>50 『月が綺麗な夜』 小色>>51 『一番は』 草見 夢>>52 『名前』 草見 夢>>53 『人が死ぬとき』 草見 夢>>54-55 『天使と悪魔と』(1)(2) 草見 夢>>56 『人生最後の現実逃避』 みかん (2016.11.19 更新)
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たったったったっ。等間隔にきざまれるリズムはまるでメトロノームのようだ。一人、ただ一人だけの足音が響きわたる。悲しい悲しい記憶と共に。「誰か・・・・・」こんな死に方したくない。まだ生きたい。けど、あのお屋敷へ戻るくらいならここで死んだ方がマシ。「ほら、俺の言うこと聞いてれば」あの人の声が聞こえた気がした。なんで、なんで。なんで私は彼を選んでしまったのだろう。あの人の顔を思い出す。あぁ、なんで。お願い、神様もう一度だけ私に______そこで私の意識はとぎれた。*「君、大丈夫?」なんて気が利く人だろう。「えっとあの、お腹が・・・・・」最後の力を振り絞るようにして声を出す。だが、だんだんお腹は痛くなる一方だ。えっとね、トイレか保健室・・・・目の前の彼がなにかをいっている。だが、もう私の耳には届かない。私が最後に感じたのは、ただ誰かの腕のなかでゆらゆらゆれていることだけだった。この感覚__覚えている。いつか、どこかで。忘れちゃいけない、忘れちゃだめなこと____あぁ、なんだっけ。思い出せない。-目を開けると、白い天井が見える。かすかに薬品の匂いがした。___ああ、なんだ。保健室か。たしか腹痛で_____おきあがろうとしたが、お腹に鈍い痛みがはしる。うわー、参ったな。そしてふと見ると、横には先ほどの”気が利く彼”がいた。「あぁ、やっとおきた」いきなり倒れちゃったからびっくりしたよほんと、なんて彼はぶつぶつつぶやいている。なんか、どこかで見たことがある。誰だっけ、誰かに似てる。「えっと、あのご迷惑かけてすみません」咄嗟に言うが、ううん全然ーと彼は笑った。とても人懐っこい、そんな笑い方。なにか。なにかがひっかかる。なんだっけ。思い出せない。「じゃ、お詫びしてくれる?」にやっと笑う彼。あぁ、なんだっけ。誰だっけ。誰かに。誰かに。その笑顔はどこか怪しげなもので、なにかをたくらんでいる目をしていた。先ほどの彼の笑顔はもうそこにはない。「ええ、私にできる範囲なら」助けてもらってお詫びをしないわけにはいかない。常識をこえない範囲ならば付き合ってやるしかない、と思った。それに、今、いくら彼がなにをしようと、私は彼のことを疑えない、そんな気がした。何かで私は縛られている。何かで。「じゃあさ、僕と付き合ってよ」だから、いきなりこんなこと言われても驚きはしなかった。むしろ、ほらね、やっぱり。そんな気がしてた。そう思ってしまった。そしてそれを私はYESという。それもわかっていた。なんだろう、この感覚。なんだっけ_____「おい、お前なにいってんだよ」あまりに考えこんでいたからか、ただ私が鈍いのか。彼の後ろには幼馴染みの彼がたっていた。彼と彼の顔を見比べ思い出す。あぁそうか。もしかして__もしかして____彼は彼で、彼も彼で、私は私。あのときと何一つ変わっていない。何故気づかなかったのだろう。腹痛がまた始まる。ずきずき。ずきずき。彼と彼が言い争うとこを横目で見ながら、私の意識はとおのいていった。*昔々のお話。私がまだ死ぬ前の。「おい、何度いったらわかるんだ?!」私は彼、優しい笑顔の彼に捕まった。彼とならどこでもいけると信じてた。けど、違った。私はかごのなかの蝶々になってしまった。彼によって鍵をかけられ、そこでもがき続ける。それは狭くて苦痛でしかたない。「なぁ、本当にあんなやつと・・・?」彼、ぶっきらぼうな彼はそう私をとめてくれた。けど、私はもうそのときすでに優しい彼の虜だった。ぶっきらぼうな彼の言葉なんて気にもとめない。あぁ、そうだ。あのとき私は間違ったのか。優しい彼を選択したことに。彼の仮面を知らずして、罠に引っ掛かったあわれな女。そう、私。私の選択。その選択が___あぁ、そうだ。そして私は祈ったんだ。もう一度選ばせて_____と。彼と彼を、えらばせて、と。神様、ありがとう。もう一度だけ私に選択をくれて。私のするべきことがわかったよ。それは_______
「さァさァ……号外だよ……八丁堀に鬼火が出たぞ……皆の衆、買った買った……」「おい京助! そんなんで売れると思われちゃあ困るンだよ! 声を張れぃ、声を!!」「へ、へいっ!!」 京助は、今日何度目かのため息をついた。「京助!!!」「す、すんませんっ!!」 ここのところ、京助の様子がおかしい。 何もない時にずっとぼんやりしている、呼び掛けても返事が遅い、夜に彼の住んでいる長屋の一室から唸り声が聞こえる……など。枚挙にいとまもない。今日のように怒鳴られるのも最近じゃあ日常茶飯事だ。そして、同じかわら版屋の仲間は、ある一つの結論に至った。 恋煩いではないのか……と。 かわら版屋の皆は揃って記者魂を発揮し、京助を問い詰めた。こういう騒ぎの時やけに躍起になるのは、江戸っ子の「たち」であるからしょうがない。しかし京助は、何度問われても赤くなって首を横に振るだけだった。「京助ぇ……抜け駆けは許さん!」「ぐぇッ……離せよ……小三太……」 京助は、粗雑な紙の前でうーん、と唸る。月明かりが差し込み、古くなった床板の木目を照らした。ゆらゆら揺れる蝋燭の火が、京助のしかめた顔を橙に染めている。 何から書き出そうか。それだけを考えていた。 不思議な事に、かわら版の記事はいくらでも書けるのに、あの人へ送る文は上手く書けない。もどかしくて、京助はまた唸った。嗚呼、じれったい。彼は筆の頭をぐりぐりと顎に押し付ける。悩んだ時の癖だ。「はぁ……」「よぉ、恋文かえ? 京助」「……何だ、小三太か……って、うおあッ!?」 京助は慌てて驚き、何も書いていない紙を急いで隠す。その様子を見て、小三太と呼ばれた猫目の男はけらけらと笑った。京助の横にどすんと腰を下ろし、肩をぽんぽんと叩く。「何だ、やっぱり恋煩いじゃねェの。抜け駆けしてたんだな?」「うるせぇよ! な、何で居るんだテメエは!」「いやぁ、ここの長屋のお袋さんたちは優しいもんで。居場所を訊いたらすんなり答えてくれたぜぇ? すんなりと、な」 悩みの種がもう一つ増えた。小三太はそこそこ色男なのは良いが、女遊びが酷い。仕事も大体適当で、いつも上の者に怒られている。それでもかわら版屋で京助と歳が近いのは、彼ぐらい。だから一応、仲はよい。 しかしこいつは、本当にしつっこい。それを取材の時に発揮してくれれば良いのだが。「まぁ、それは良いとして、だ。恋文の相手の目星は、大体ついてるぜ京助」「え? ちょ、ちょっと待っ」「里狩家の末娘様だろ? ずいぶんとお目が高いじゃあねぇか」 それまで元気に怒鳴っていた京助は、一気にへたり込んだ。絞ったら汁が出そうなくらい赤い顔を手で隠し、うめいている。小三太は、してやったりという顔をして、にやにや笑っている。そして、動かない京助の頭を押さえつけた。「何で本気で好きになったんだよ、あァ? 女なんかそこらにいるだろうが」「……二年前」ゆっくりと、京助は顔を上げた。「あの大きな祭り……火鳥祭があったとき、あの人も来てて……見ちまったんだよ……顔を……」「はーん成る程なぁ、これは号外もんだ」「茶化すンじゃねぇよ!!」「悪ィ悪ィ」 そして、京助は目の前にあった和紙を手に取った。また、沈んだ吐息を吐く。「すげぇ迷った……だけどさ、諦められなくてな……ひと月とちょっと前から、文を書き始めたんだ。で、夜中にこっそり、縁側に届けた」「お、おい京助、流石にバレたらお仕舞いだぞ!?」「わかってらァ。でも、俺にはこれしか出来ねぇ」 京助の引き締まった顔を見て、小三太は唾を飲んだ。後でバラしてやろうとも、そう思っていたが、相手が相手だし、この覚悟。下手したらもう平穏に暮らせはしないだろう。だけど思いを貫く京助に、小三太は内心感嘆していた。珍しく真面目な顔で頷く。「……分かった。話さねぇでいてやる」 そして、いきなり笑顔になった。「もし駄目だったら、俺が慰めてやるからな!」「うわっ! やめろ洒落にならねぇよこの野郎!」 抱きついてきた小三太に一瞬驚いた京助も、笑いながら思った。 (あの人が振り向いてくれなくても、俺は……) 月明かりの部屋に、笑い声が響いた。
るーちゃんが謎の貧血発作で亡くなってから、1か月と少し。―――今年がもう終わろうとしている。私はるーちゃんが亡くなってからも、普通に学校生活を送っていた。「東華ー!一緒におみくじ引かない?」今、私は友達と一緒に初詣に来ていた。「ごめん!ちょっとトイレ行きたいから先にくじ引いてて」嘘を付き、その場を離れる。だってすぐ近くに・・「よう東華。話すの久しぶりじゃね?“ストーカー退治”以来?」―――拓がいたからだ。歯を二ヒッとしている拓を睨みつける。「・・何の用よ」「俺と付き合おう。退治したお礼に」「嫌」「なんでだよ」「るーちゃ・・瑠菜を傷つけたやつとは付き合いたくない」「は!?文句あんのか!」拓がグーを出す。 ■□■□(前回の回想)「東華、“ストーカー退治”ご苦労さま」「るーちゃん、簡単に騙さちゃったね・・これで・・いいの?」落とした傘を持ちあげる。私の目に涙がにじむ。「じゃあ、私が瑠菜ママに連絡しとく」「ああ。・・悲しいよなぁ、親友を亡くして。まぁお前も殺した原因の一人だけどな」「・・あんたは知らないのね。貧血の一因にストレスが混じってること。瑠菜は私達に変な誤解を招いてショックを受けたのよ」「そんな事・・前から知ってたぜ。事前にググっておいたからな!はははははははっははははっははははははっはははははは!!!・・」「これ・・以上・・いったら・・」「「これ以上いったら分かってる?」」私はこの言葉を残し、急いで家に帰った。「俺は・・あきらめてないからな」この拓の言葉が遠くで小さく聞こえた気がした。「私さぁ・・拓っくんのこと好きになったかも」その言葉を聞いたのは、中学生だったある日のことだ。最初聞いた時は、親友の恋は応援してあげようと頑張った。でもるーちゃんは知らなかった。「稲沢拓の裏の顔」を。先生から見ると、かなりの優等生に見える。放課後になると、部活に入らず隣町のゲーセンでたむろ。実親に暴力を振るう。夜は家に帰らず、仲間と遊び&喧嘩放題。そして腹黒で凶暴。それを知っているのはごく一部の男女生徒。拓いわく「知っている人、先生にいったら一発振るうぞ」スタンスらしい。そしていよいよ受験生になると。「私、拓っくんと同じ学校受ける!」と自信満々だった。こんなに気合が入ってる姿を見ると、さすがにやめてとは言えない。私は心配で、るーちゃんと同じ高校を受けた。みごと2人で合格できた。一方拓は、推薦合格だった。先生の評価が高かったからかもしれない。高校に入ってからは、るーちゃんは拓と同じクラスになった。私は離れてしまった。「私これから、拓っくんを観察してくるね!」るーちゃんは部活に入らなかった。放課後、拓を知るために。「これじゃあ、ストーカーだよ。。。」私はるーちゃんに聞こえない声でつぶやいた。私も中学の時に入っていたテニス部をあきらめた。るーちゃんのために。学年は進級し、2年になり、るーちゃんと同じクラスになることができた。拓も同じだった。そんなある日、拓から呼び出される。「東華、お前の親友、高校入ってからウザいんだけど。そのおかげで、俺の活動時間めっちゃ減った。どうしてくれんだよ」・・だと思った。「それは親友の私が代わりにお詫びする」「それじゃすまさない」私はそれを聞いた瞬間ゾッとした。絶対拓は・・るーちゃんを・・「この俺の作戦、絶対言う事聞けよ」これはガチだ。聞かないと私の命も危ない。「実行日は・・まだ未定だ」未定なら・・いつ実行するか分からない。その間にるーちゃんの命を守らなきゃ!それから半年後、大きく作戦は進んでしまう。・・・るーちゃんが入院した日から。「実行日は、退院日な」実行日当日。私と拓は学校を欠席した。そしてるーちゃんの気配を感じ取って。わざと傘を落として。拓と唇を合わせた。卑怯者とのファーストキスは、どんな感触か分からなかった。るーちゃんが倒れた瞬間に、「私がるーちゃんを守れるはず」そう信じていた自分がいたことに改めて気づく。涙がこみ上げた。((私って馬鹿だな・・))家に帰ると、部屋のベットにころがり泣き叫ぶ。「るーちゃんどうして気付かなかったの!こんな奴に恋に落ちて!どうしてどうしてるーちゃん!!裏で拓っくんがこんな人とは知らず!るーちゃんるーちゃんるーちゃん・・・」しばらくの間、頭の中には「るーちゃん」しか浮かんでこなかった。 “うささ、 愛してる” ■□■□べちんっ。私は拓の頬にビンタした。「あんたとは一生関わらない!また同じクラスになっても!!大学が一緒でも!!!(大学はいかないか)就職先が一緒になっても!!!!」「・・大学はいかないぜ」ですよねー。「お前の勝ちだ。俺もお前と絶交する。来年から。」「分かってくれたらいい。じゃあね」私はそのまま拓方向を振り向かないで去った。友達がいる方向ではない方向へと。そのままるーちゃんが倒れた場所へと向かう。「るーちゃん。来年もよろしく」とつぶやいた。そして次の瞬間、首元に激しい痛みに襲われる。力ずくで振り返ると・・拓じゃない。そうだ。自分で無意識に傷つけていた。ごーんごーんごーん。除夜の鐘といっしょにつぶやく。―――るーちゃん。また一緒に遊ぼうね。と。 【終焉】
ねぇ、なんで。なんでなの。なんで君はいつも私を名前で呼ばないの?ねぇなんで?いつもいつも、君。きみ、きみ、きみ。「君はさ、」「おきてよ、ねぇ」「君ってさ、」ねぇ、と君の2つの呼び方。ソレ以外に呼ばれたことなんてあっただろうか。私がさ、電車でさ、寝てたことあったよね。君は起こそうとしたね。そのときも君は、「ねぇ、ねぇ」って。君は私の名前を呼ばなかった。だからわざと寝たふり続けてたんだ、ごめんね(笑)騙した訳じゃないよ、君をためしただけ。まぁ、さすがにゴムパッチンされて起きたけど(笑)それからも君はずっとずーっと君って私のことを読んだね。本当に本当に最後まで、君は。だからね、私も悔しくてここでは名前じゃなくて君、って誰かわからないように書いてあげた(笑)今まで私のことを名前で呼ばなかった罰だよ、ざまあみろ(笑)本当はね、何で名前をよばないの、って聞いてやろうかとも思った。けどね、怖かった、答えを聞くのが。えへへ、意外と弱虫なんだよ、私。じゃあ、最後に私が君に伝えたいこと。私はね、少し君のことが好きだったかもしれない。今さら、ってかんじだよね。けど、今だからだよ。楽しい時間をどうもありがとう。あなたのお陰で私は、とてもとっても楽しい毎日を過ごせました。ありがとう_____*それが書いてある紙は僕の涙でぐちゃぐちゃだった。僕こそ。君のお陰で。じゃあ、最後に教えてあげる。僕が君の名前を呼ばなかった理由。それはね、いずれ君がいなくなる気がしてたから。そしたら、本当に君はいなくなるんだもん。卑怯だよ、君は。いずれいなくなる君を僕のなかで呼ぶのが怖かった。僕の中の誰かにしたくなかった。だから、だよ。僕は君を嫌いなんかじゃないよ。そうだね、僕も秘密を一つ教えてあげよう。僕も君が少し好きだった。この感情がすきって気持ちかはわからないけど、君に特別な感情をもっていたよ。どうもありがとう。君のお陰で僕も楽しかったです。お墓の前で手をあわせ、そう祈る。今はいない彼女のために。
運命を呪う何て言葉、使ったことなかったなぁ。でもね、ひー君。私これからもそんな言葉使うつもりないの。だから、君と出会えて、人生の疑似体験をして、とっても幸せ。とっても幸せな気持ちのまま眠れるの。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*眩しいくらいに星が光っている。僕はそれを見ながら君に笑いかけた。「ひー君はいつも笑ってるよね〜。私、ひー君の笑い方好き!」ありがとう。そう思っても照れて口が回らない。「簡単に……好きって言わないで……照れる」僕が白旗を出すと君は屈託のない笑顔を見せた。僕も君の笑い方が大好きだ。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*雨の日だ。傘をさして何気なく歩いてたら、君が飛び込んできた。「やりぃ!傘ゲット!!」「ちょ、ちょっと!」彼女は雨に濡れた髪の毛を絞りながら僕を見た。「どうしたの?」文句の1つでも行ってやろうと思ったのに。君が可愛すぎるから。「傘持ってこなかったの?ほ、ほらタオル!僕の使った後だけどそんなに汚れてないし。ちゃんと拭いて」君は呆然と僕を見た。そして、少し赤く染まった笑顔を見せた。「ありがとう、ひー君」☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*今日は晴れ。何もない休日だから、ゆっくり過ごすと決めた。少しおしゃれなカフェで、読書をしながら過ごす。……おかしいな。君が働いてると聞いてきたのに君はどこにもいないじゃないか。だんだん自分のしていることがストーカーじみてると思い込んで嫌になった。君に逢えないなんて、こんなひどい1日はない。君がひー君と、僕を呼ぶ幻聴がした。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*久しぶりに制服を出した。今日は新学期初日。始業日だ。君とは学校であったことはないけど、同じ学校って言ってたから多分逢える。大丈夫。お節介で甘え上手で笑顔が素敵な君を迎えに行くんだ。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*君は学校に現れない。探し方が下手なだけかも、と。僕は全クラスの出席簿を見た。僕はあることに気がついた。僕は、僕は、君の名前を知らなかったんだ。あれだけ話していたのに。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*「やっと逢えた」僕は肩を弾ませた。こんなに走ったのはいつぶりか。空はオレンジと青が混ざって鮮やかだ。君は白いワンピースを着ていた。「君が、ワンピースを着るなんて」「……………しかも、白。そう思ってるんでしょ!私だって女の子だし!清楚な格好だってできるの!」確かに活発な君が大人しい服を着るなんて考えてなかった。でも、それ以上に、、、「君に似合ってる」どんな格好の君も好きだ。「最初っからそう言ってればいーの!」君は屈託のない笑顔を見せた。そうそう、君に逢ったら言おうと思ってたことがあるんだ。「ねぇ、ひー君に伝えたいことがあるの」僕は君を「私は実は」大好き「死んでるんだ」☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*空気が凍りつく音が聞こえる。そりゃそうだよ。私、重大なこと言っちゃったから。ひー君、気持ち悪いっていうかな。怖いって、私から逃げ出すのかな。……………私のこと、嫌いになるのかな。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*嘘だ。君が死んでるなんて。そう思った瞬間、僕は走り出していた。もちろん、君のところへ。君を抱きしめて言う。「君にはまだ感触がある。僕は君をハグ出来る。キスもできる。君は……君は……」君は驚いたような顔で僕を見つめて言う。「ひー君、嫌いにならないでくれてありがとう」「僕は、君が、本当に」「ひー君、私は、ひー君が」「「大好きだったよ」」僕は、涙をこぼしながら言う。「今日は、君に伝えたくってここまで来たんだ。あの、一緒に星を見た日みたいに」君は悲しそうに笑う。「さよならの時間だよ。この世界を恨まないでね」☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*私は願いを込めて、メッセージを書いた。でも、ひー君には必要ないみたい。これで、安心して登れる。「さよなら、ひー君」私はの指先が透ける。それはどんどん広がった。3分もあれば、完全にいなくなるだろう。ひー君は涙だらけの顔で、私を見た。あぁもう。ひー君ってば、ちゃんと拭きなよ?さぁ、そろそろ本格的にお別れだ。私は、最後にひー君を傷つける。傷付いたら、あんなの思い出したくないって、私のこと忘れられるでしょ?何を言お……「好きだよ、みう。一度だけ、本名で呼びたかったんだ」君は私を見て言った。聞き間違えじゃない、私の名前。知られてないかと思ってた。泣いていた君は、いつの間にか泣き止んでいた。「君……みうにも、本名で呼んで欲しいんだ。ひー君じゃなくて」私はひー君の目を見て涙が溢れた。それでも、ちゃんと声は届けた「大好き、ひろと」☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*「この手紙の最後に。ひー君にお願い事があるの。私が消えたら、ひー君はまた、誰かに恋をして、幸せな家庭を持ってね。ひー君の、好きになった人、私も見てみたいから。ひー君に子供ができたら、私はきっと、ひー君のところへいける気がするの。今までありがとう、最後までお願い事でごめんね。みうより」君が、僕宛に書いた手紙の続き。君が、幸せな気持ちで本当に眠れたのか、僕は知らない。僕は君に勝手な期待を抱かせたのかもしれない。君の未練を残したのかもしれない。でも、手紙が届いただけで、僕は安心するんだ。これが、君と一緒にいた証拠のような気がして。「ひろと、それなぁに?」「大好きで大切な人からの手紙」「ちょっと〜浮気〜?」「まぁね」僕はふふっと笑って言った。「昔も今も、みうのことが大好きだよ」来年産まれてくる子供に、自由____みうって名付けたのは、まだ僕が、みうを忘れられないからかな。みう、お節介で甘え上手で笑顔が素敵な君が僕達の子供になるのがどれだけ楽しみなことか。「愛してるよ。みう」
川端康成は『少年』という作品に、自分の恋を綴ったらしい。私は読んだことは無いが、聞いた話によれば、同級生への恋だった。同性の。私が綴るのであれば、タイトルは『少女』。私はとある女性に恋をしている。彼女は私と同じくらいに、髪が短い。自分で切る、不器用な手つきで切られた髪が、昔は長く細い黒髪が、床に落ちるのを想像すると、私はなんとも言えぬ感情になる。甘い香りがする美しい髪だ。それを切った時の衝撃は、私の中で何かが切れた衝撃でもあった。しかし、恋は盲目というが、彼女には以前のショートボブが似合うと私は思ってしまう。他の女友達に似合うと言われたからには、私も賛同せざるおえず、言い出せなかっただけだが。彼女が他の女友達と親しげにしているとなぜだか、嫉妬で狂いそうだった。幾度となく襲うこの感情は、恋だと私には分からなかった。深く、深く愛していた。黒い目がつまらない教室で輝いているのを見るのが好きだった。唯一の救いだった。嫌いな奴しかいない教室、彼女だけが救いだ。天国から垂らされた糸のように、私の中の淀みが全て彼女にすがる。だが、糸が切れるのはオチとしてわかっていること。彼女は私のことをなんとも思っていない。周りの人間と同じように見えるのだろう。私はカンダタでは無い。彼女は私の腰に手を回し、抱いて離そうとはしなかった。その行為はなんの意味もなく、抱きつきたいからだと彼女はよく言った。私は彼女には気味が悪いと、よく言ったが、彼女は聞く耳を持たず、私の体から離れない。その時間が私はとても好きだった。心が安らかで、家に帰ってから彼女の腕が恋しくなったことがある。柔らかく、軟らかく、包む、腕がどくのが一番悲しくて、居なくなってしまうのが、嫌だった。愚かな恋だ。彼女に伝えればそれは壊れてしまう片思いであり、友情。恋は叶わない。私が男であればと、何度悔やんだことか。しかし、男であれば、彼女の美しさを感じることはできなかった。どちらを取ればよかったのか。悩んでばかりで、私は、動けない。昔からそうだ。嫌なことを思い出して、神経質で、潔癖症で、おまけに友人は二人しかいない。そんな自分に酔っていて、もうあとにはひけず戻れず、そうだった。彼女にすがりつく一人でしか無い私が、また私を締め付けて、死にそうになる。彼女のことが嫌いになるくらいには好きだ。あの美しいことといえば、泣いている顔さえも、笑っている顔より美しく思える。気味が、気持ちが悪いのは私の方なのかもしれない。彼女には伝えられない。言ってみるのは5年くらいあとなのかもしれない。それでも私は…「私は、気持ちが悪いか?」「……うんまあね。大体、小さい女の子にしか興奮しないだとか、公言することでは無い。しかも、男同士の恋愛が美しいだとか、私も興味があるが、いうことではない」生真面目な彼女は私のことを変だと言った。「顔がない人が好きって…あなたねえ…」諦めたようにも聞こえる。「障害とか欠損が好きなのか?それは、どうかと思うぞ」「その人の生きた証なんだ。美しいと私は思う」そうだ。この一言が言いたかった。思い出して口に出した。「…気持ちは悪くない。でもダメだ。それでは常識的ではない」引いたような目をしていた。「おかしいよ、やっぱり」「……そう…か…な………」愛してはいるが、君のことはそう思わない。君の中で失っていいパーツなどどこにもない。震える唇が、まばたきをする目が、しなやかにのびた足が、骨の出っ張った体が、細くて繊細な腕が、長い指が、低い声が、悔しい時の涙が、光る爪が、黒い瞳が、日に焼けた肌が、シミのある脛が、上げきれないくらいの美しいパーツが。私は彼女のことが好きだ。しかしこの気持ちは伝えられない。どうか秘めておいてくれ。彼女には伝えられない。どうかと、いうわけで!!半実話。私の友人への思いですな。どうか『見つかりませんように』!ファジーとコメディで下品な作品を書いておりますが、見なくても良いです。黒歴史として残したい作品です。痔ができました。
それは塩につけすぎた林檎みたい。味が消されて、美味しくない。その癖、色褪せりせずに長く残ってる。その林檎にそっと歯を入れた。「美味しくないや」☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆君は林檎に塩をかけたものみたい。ほとんど塩の味しかしないくせに、君の面影がして仕方ない。どれだけ長生きしても、どれだけ綺麗になっても、君を喜ばせることは出来ないらしい。君はそっと、私に刃を入れた「美味しくないや」それが、私が最後に聞いた言葉だった。☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆解釈など割れていいです。むしろ意味を考えなくても良いのです。彼は、味のしなくなった林檎を食べました。それで終わりです。こんな意味のわからないストーリーを読んでくださり、ありがとうございました。
『可哀想な子らよ』美しい双子は忌厄としてこの世に生まれてきました。その目は紅く染まっており、牙は鋼をも貫いてしもう程でした。7年目、彼らは死にました。世界が彼らを消そうとしたからです。全てが彼らを拒みました。唯一『死神』を除いて。死んだ彼らの魂は他の魂と同じ様に冥府で裁かれるはずでした。しかし、裁きようがありませんでした。双子に罪は一切無かったのです。彼らは生まれてから何も口にせず、命ある者は一つも傷つけませんでした。。二つの魂は狩ってきたのが死神、という理由でが死神に返され、死神が管理する事になった。死神には死を司り人の魂を狩るという重要な仕事があるのです。また、何処かに住むこともないので、魂を安置出来る場所が無いのです。そこで死神は悩み抜いた末にその身体に2つの魂を宿しました。身体に何かを宿すというのは想像もつかないほど大変な事です。それでも死神は己の身を削って彼らを受け入れました。極楽にも行けず、地獄にも入れなかった魂はやがて鬼となってしまいます。それだけは死神も避けたかったのです。年月は止めなく流れます。二つも魂を宿した死神の体は遂に限界に達そうとしていました。双子は死神の中で成長し、美しい少年少女になりました。。しかし死神は成長も何も出来ません。それは永遠に不変の存在なのです。そのせいで時々死神の思考が双子の思考が混ざったりします。三つの魂が同じ身体に在るので、仕方ない事なのかもしれません。しかし、死神にとってはそれはとても困ります。死神は破ってはいけない掟を破ってしまったのです。ある日死神はいつものようにある少女の魂を狩ろうとしました。しかし狩ることが出来ませんでした。双子の魂の思いが、殺さないで、という思いが死神にも伝わったのです。今までも何度かそんなことがありましたが、死神はことごとく無視してきました。しかし今回だけは出来なかったのです。死神は少女を逃してしまいました。さぁ大変です。死ぬべきものが死ななければ世界は大変なことになってしまいます。それは死神にもよく分かってたことなのです。そこで死神は双子に自分から出て行く様に言いました。双子は外界に触れ、やがて鬼になるかもしれません。しかし死神にはどうしようもありません。双子よりも世界の方が大事なのです。双子のために世界に混乱を招くようなことは出来ません。兄は死神に言いました。妹だけは助けてほしい、と。兄には魂だけで外界に出ればどうなるか分かっていました。死神は聞き入れました。しかしそれは厳しい試練でした。もし兄が鬼と化したが妹を覚えていて、七日以内に迎えに来れるのなら、ということでした。そして兄の身に妹の魂を宿して、外界につれていくのです。妹の魂は外界まで行けばある少女の身体に入っていきます。それは死神が狩るべきだった少女です。どうして死神はこんな試練を兄に出したのでしょうか。兄を試すためです。鬼と化せれば余程強い意志が無ければ記憶は戻りません。在るのは怨みだけです。もし兄が妹を忘れ、帰らなければ、死神はこの兄をもう一回殺さなければなりません。そして今度は魂を毀すのです。それは死神にとって一番やりたくないことなのです。魂を毀すためには、生贄が必要です。その生贄には狩るべきだった少女を使うつもりでした。妹はというと行く宛を無くし兄と同じ運命を辿ることとなります。ただしその時の生贄は全く罪も無く死期がまだ来ていない人となります。死神にとっては罪の無い魂を傷つけるというのは狩るべき魂を狩らなかったと同じくらい行けないことなのです。でもそうするしか方法はありません。もし兄がまだ妹を覚えていて、迎えに来たのなら、また違う結果になります。妹は兄を繋ぎに外界に戻り、外見上普通の少女として命を全うします。死ねば他の魂のように冥府で裁かれ、通常の輪廻転生の環に入れます。そして兄は死神の式神として生きていきます。兄がもし妹を覚えていたらそれは即ち記憶を戻せる可能性が高いと言うことです。記憶が戻れば、怨念は薄まり、死神は彼を真鬼という上級の鬼となり、死神に仕えることが出来ます。死神は全く期待していませんでした。何故なら鬼と化して記憶が残っている者は、死神の果てなく永い時間の中でも指折るほどしか居ないのです。鬼となった兄は七日目に妹を迎えに来ました。余程苦しんだであろう、全身傷だらけでした。それでも最後の力を振り絞り、妹を外界に送りました。力尽きた兄が最後に見たのは瞳でした。それは死神の目でした。それは永く永く、命を狩ってきたものであり、護ってきた者でありました。外界に出た妹がどのようにして生きたか、死神と兄その後、それはまた別の物語です。
「こんにちは。お久しぶりです。お元気ですか」ええ、おかげさまで「あれからもう3年も経ちましたね…早いものです。どうですか?そちらの居心地は」まあまあですよ。最初は慣れませんでしたが今はどうってことありません。「…それにしても暑いですね。立っているだけで汗が落ちる。」それはいけない。倒れなように十分気を付けてくださいね。「私もこの3年はいろいろとありました。母が…他界して…」そうでしたね…お気の毒でした。「でも、仕事はすごくうまくいっているんです。家に貴女がいないのは淋しいですが、こちらも慣れるというものです。」それはよかった。引きずり過ぎもよくないですから。「遠距離恋愛というのは本当に辛い。」ふふっ…そうですね。「…実は来月から海外に行くことになったんです。ある大きなプロジェクトが計画されていて、それに参加させてもらえる運びになって」それはおめでとうございます。私もうれしいです。「…だから来年は…会えません。」いいんですよ、私の事は忘れて仕事をがんばってください。「でも…でも、帰ってきたら絶対に会いに来ます。」ええ、会いに来てください。「ですから、」あぁ、「母と、いっしょに」そんなに、「絶対ここでー」泣かないで。「待っていて」笑ってください。私はいつまでも待っています。だからー「それじゃあー」「「また、ここで」」了
どーもこんにちは。刹那(せつな)と申します。12月某日、今は午前11時くらいなのかなぁ?私は自分のベットに寝ています。本来、学校がある時間なんですけどね。え?何故こんなところにいるかって?それは…「風邪ひいたんですよぉ〜。」38,7度、頭がいたいです〜。いやぁバカは風邪引かないって、迷信なんですねぇ。現に引いてますよ、私。(はぁ、とっても憂鬱だなぁ。)でも憂鬱ってどうゆう意味なんだろう…。まぁいいや。風邪を引くと、どーも人肌が恋しくなるんだよねぇ。でも、生憎両親は仕事だし、兄弟なんていない。友達も学校だしなぁ。(彼氏とか、いてくれたらな。)しかしまぁ、恋も知らない私にはまだ無理でしょうね。第一、恋ってなんでしょう?あー、なんか悲しくなってきた。風邪は厄介です。意味なく泣きそうになっちゃうんだから…。(誰か…いませんか…?)私は眠りにつきました。「…ん…あぁ、寝ちゃったか。」何か、あったかい夢を見た気がするなぁ。起きたくなかったかも。「って…はっ?」幼馴染の陵(りょう)が私の手を握って、眠っているじゃありませんか。(…一体、どうゆうことだろう?)…でも「あったかい夢は、陵のおかげだね。」そんな確信がありました。学校を休んでまできてくれた陵に、少しキュンときたのは、私だけの秘密。「ありがとう。」握っている陵の手に、そっとキスを溢しました。この気持ちの名前は、これから貴方と探しましょう。この時、陵が起きていたのは、彼だけの秘密。二人の想いが交わるのは、もう少し先。風邪の魔法で、ちょっとだけ素直になれた二人の話。