複雑・ファジー小説

白線お流れ〜迷想奮闘記〜
日時: 2019/08/18 00:04
名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)  

清純な田舎の女子高生の物語。優秀な開業医を父に持ち、何不自由なく一人っ子の箱入り娘として生まれた。長野県松本市内の優等校に通い、将来に迷っている三年生。…じゃなくて……………………同市内の底辺校に通い、ドラッグストア薬剤師兼レジ係りの父を持ち、精肉工場のパート勤めの母を持つ高校三年生、八倉園美のお話し。7人兄弟の三番目、次女として生まれて毎日醜い兄弟ゲンカを繰り返し、外面は一人っ子の清楚な女子高生を演じて回りを辟易させる。そんな彼女がある日、父が借りてきた「白線流し」というTVドラマDVDをたまたま視てしまってからが大変。回りを巻き込んで主人公、七倉園子になりきろうとドタバタ騒ぎを展開する。しかし意外な結末が待ち受けていた。ハートフル?青春コメディが幕を開ける。

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Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.11 )
日時: 2019/09/08 02:17
名前: 梶原明生 (ID: UvBorD81)  

…磯山が嫌がる。「えーっ、何でお前ら冴えない女子と飯なんか… 」その時意外にも長田が強気に出る。「磯山、あの時僕がいなかったら…」「ああーっ、 そっから先言うな。わかったよ付き合うよ。」「頼もしい…」キラキラした園美の視線を避ける長田。実際長田と磯山は園美達も知らない秘密があった。磯山が留年しかねない時テストの答えをカンニングさせてやった。夏の情報を色々探ったのは磯山。お互い持ちつ持たれつの関係だった。園美の裏工作が始まる。「まっちゃんは磯山君と付き合ってんだよね。だから二人一緒。」「ちょっとちょっと何勝手に人夫婦にしてんのよ。だいたい私がこんなチャラいやつ好きになるわけないでしょ。」「誰がチャラいだアホ。第一俺はショートボブなんて女興味ない。」言いながらどさくさに紛れて園美の隣に座ろうとする。「同じ付き合うなら…」「ちょっと設定違う。」「設定って何だよ。」「いいから向こう行って。」両手で押されて立ち上がる磯山。その時の磯山の目つきはふざけてなかった。「だよな。メンゴメンゴ。」「え…」彼のあんな目は今まで見たことがなかった。結局男子女子と別れて食べるご一行。長田の夏を見る目が違う。夏もまたたじろいでいる様子。終始不満げにリス食いする園美だった。放課後、園美を誘う磯山。「なぁ、もうすぐ、テストだろ。テスト勉強俺とファミレスでやらないかな〜なんてさ。」「はぁ、ファミレス。磯山君はまっちゃんと行くの。」「嫌だよ俺、八倉じゃなきゃ…」「え…」また固まる園美。しかし悪魔の囁きが彼女をまた襲う。「待てよ、叶さん呼んでる。つまり…」先ほどと変わって可愛く喋る。「うん、いいよファミレス。その代わり…」良からぬ企みが始まった。実はお詫びの印パート2と題して西山高校に叶を呼んでいたのだ。「あーっあれは何だ、UFOかっ。」「え、どこどこっ。」と余所見した瞬間磯山の顎にカバンでワンショット。舌出して目が上向いて気絶した。「財布財布…あった。しかも3万円。」偶然にも彼はドラマと同じ金額の札を所持していたのだ。何も知らずに玄関で待つ叶。「あ、叶さん。こっちこっち。」園美に言われるまま来客用スリッパに履き替える。「あ、あの、その何を…」「え、…ああその、星座の机を…見て、もらおうかな〜なんて。星座なんですよ。」「は、はぁ。それはそうとこの前取り違えた本は…」バッグから「宇宙の名前 」を出そうとしたら「ダメーっ。それは図書室に」…続く

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.12 )
日時: 2019/09/16 21:22
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

…「へっ…」わけわからずキョトンとする叶。「と、とにかくそれはまだ返さなくて結構です。」「そ、そうなんだ。…あの、学校あるし、そろそろ行っていいかな。」「し、しばし。しばしお待ちを。」叶が腕時計を気にしばじめていた。その頃、廊下の奥で目が覚めた慎二。「う、う〜ん、あれ、俺何で廊下に。…あれ、財布が。ない、ない、あれ、小遣いの3万円がない。」傍らに落ちていた財布の中身を見て驚愕。札がキレイになくなっている。「申し訳ないけど、もう行くね。どういうつもりか知らないが、僕の通ってる信士高校は通信科と夜間科両方やってるんだ。通信科じゃないから夜間科で毎日登校しないといけないから。…もう行くよ。」「あ、あ、叶さん待って〜。」強行突破の彼を引き止められず、教室を出る園美。そこへ…「おう、八倉。俺倒れてたみたいだ。さ、財布から3万円抜かれてるんだが、お前知らないか。」慌てて両者を見比べる園美。苦し紛れに「あああ〜っと、あ、あの走ってる人。あの人が盗んだ。」「野郎っ。」つい言ってしまって頭を抱える彼女。「待てっ。」「え、…」振り向くと凄い形相の慎二が走ってくる。「テメー、どこのやつだ。俺の3万円返せっ。」「な、何のことだよ。」「ふざけんな。俺から3万円盗んだろ。」「そんな、僕はここの八倉さんって人に誘われて…」「嘘つくなこの野郎っ。」半ば胸倉を掴む慎二。「あれ、小河さんだ。」たまたま出てきた雅春、夏、まきの三人が通りかかった。「言いがかりだよ。いい加減にしろ君。」「ふざけんな。」ついに慎二が殴ってしまう。「おい、よせ。」雅春が慎二を止めに入る。「おお、まさにドラマみたい。でも叶さん、弱過ぎ。もっと殴り返してよ。」影で見ている園美に気がつく夏。「その…ちゃん。」雅春がスマホを落としたのを見かねて飛び出す。「もう長田。あんたは一眼レフで写真撮るのに〜。」雅春が落としたスマホを拾い取って写真をバシャバシャ撮る園美。「ちょっと何してんのよ園美。止めなよ。」まきが間に入る。彼女の口癖は怒った時、大抵園美を呼び捨てにする。雅春が叫ぶ。「こ、この人は、小河さんだよ。八倉がぶつかった。」「な、何…」やっと治まる慎二。「すみません小河さん。またこんなことに。」「い、一体何なんだよ。一度ならず二度も。からかってんのかよ。」走り出す叶。「あ、待って叶さん。」園美が叫ぶものの無駄だった。「あ、磯山君。さっき廊下で3万円落ちてたよ。ゴメン。」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.13 )
日時: 2019/09/18 00:33
名前: 梶原明生 (ID: SKF4GgT1)  

…「はぁ、八倉、これ本当に廊下にあったのか。俺随分探したぞ。」「え、そ、そう。探し方が足りなかったんじゃない。」「まぁ、何はともあれ3万円戻った。つーか八倉どうすんだよ。お前のせいであの人殴っちまったじゃねーか。」「わ、私の方から謝るから安心して。」かくして翌日朝。電話を叶の家にかけた。登校途中の電信柱で。「はいこちら小河電子工業ですが。」「あ、あのこの前お宅に上がった八倉園美と申します。」「あら、あの時の可愛いお嬢さん。」「え、可愛い…」そこだけで舞い上がってしまった。「あ、いけない。あの、叶さんご、ご在宅でしょうか。」「ああ叶ね。…ごめんなさい。出たがらないみたい。」「そうですか。…なら伝言お願いできますか。」「いいけど何。」「昨日は私が早とちりして磯山君に伝えたのが原因だって。お願いします。そ、それでは失礼します。」「それどういう意味…あら、切れちゃった。」園美は逃げるように走った。教室でいつもの5人組みが出揃って雅春のスマホのフォトフォルダーを見る。「これ俺の殴るシーンばっかし。」慎二がゲッソリする。そして最後の写真には慎二が園美を殴ってるかのような写真。「え〜これ叶さんが殴ってないといけないのに。」まきが聞く。「叶さんて誰。」「だから磯山君が殴った人。小河叶さん。信士高校夜間科三年。」「三年。タメじゃねーか。」慎二が驚愕する。「でもマズいぞ磯山。もしまた苦情でも入ったら…」「馬鹿言え長田。ここまで来て退学なんか。…」5人共重い空気になった。「駅で叶さんと再会。でも電車通学じゃないしな。」「そのちゃん。」園美だけ上の空のためにまきがたしなめた。それから何事もなく放課後。どういうつもりか小河は西山高校の正門に再び現れた。暫く校舎を眺める叶。しかし言うまでもなく園美は物陰からバスケットボールを持ち、呼んである磯山を待った。「よぉ、またお前から誘ってくるなんて、どうしたんだよ。」「しっ」「はぁ…」「はいこのバスケットボール持って、叶さんに投げつける。」「やだよ何言ってんだよ。」「いいから。決め台詞。かっこつけんじゃねーよ。お前じゃないんだろ盗んだのって言う。はい。」無理やり背中を押すのだが…「かっこつけんじゃねーよ。」「はぁ…」慎二が投げつける前に誰かがボールを叶に投げつけた。「まだ未練あるんだろ、全日制に。」「い、五島さん。」身長180で20代後半の男が現れた。「長野に帰ってたんですか。」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.14 )
日時: 2019/09/19 21:17
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)  

…「まぁな。元気そうじゃないか、一年前に比べて。」「はい、何とか立ち直れました。」「そうか、何よりだ。ところでこの西山高校正門前で二度も酷い目に合ったんだって。」「ど、どうしてそれを。…」「ん、俺は情報屋だぞ。忘れたか。」押し黙る叶。「そう黙り決め込むなよ。二度目は殴られたのに苦情出さなかった。何故だ。」「そ、それは…」「代わりに答えてやろう。三度目の奇跡が欲しくなったから。そして既に八倉園美という女の子が気になり出したから。違うか。」「そんな、別に僕は…」「まぁいい。答えを急ぐ必要もないしな。あ、それから…その宇宙の名前って本。図書室前に立てかけといた方がいいぞ。彼女喜ぶから。」「え、彼女が。」「ああ。ここに伝手の教師がいるんだ。電話する。」かくして二人は校舎内に消えていった。「な、な、何で私の名前…」「おい、八倉、どうすんだよボール、おいっ。」園美はなりふり構わず走っていった。翌日。放課後再び西山高校を訪れた叶。昨日のようにフラフラと校舎入り口に立ち寄ってしまう。「今だ、宮沢賢治の…じゃなかった。銀河鉄道999を返す時だ。」物陰に隠れていた園美が飛び出して、叶に差し出す。「あ、き、君。その、関係者以外立ち入り禁止なのはわかって…え、この前のコミック。あ、ありがとう。」素直に受け取る。「早く、早く、あのセリフ…」園美は願うかのように心でせがんだ。「な、何、まだ何かあるの。」「もう、叶さんの馬鹿。そういう目慣れてるからとかでしょ。」「はい…と、とにかくもう行くね。」頭を傾げつつ立ち去ろうとしたら「何で捨てないの。」「はぁ…」いきなりコミックを横取りしてゴミ箱に捨てようとした。「ああ、何てこと…」しかし捨てる直前に男がコミックをナイスキャッチ。「いけないなお嬢さん。物を粗末にしちゃ。」「い、五島さん。」「よう叶。お嬢さん、ブルースリーに憧れた少年がブルースリーにはなれないよ。」意味深な言葉を残してコミックを叶に戻し、颯爽と立ち去る五島。「てか、何で私の名前を…」言いかけたが彼は去って行った。…次回「天文台の破滅」に続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.15 )
日時: 2019/09/25 02:21
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

「天文台の破滅」………………………五島というわけわからない介入者に煩いながらも、既にテスト期間に突入。園美もやがてそれどころではなくなった。「あ〜終わった。」教室でテスト最終日を終えた園美は、思いっきり背伸びした。放課後いつも通り三人で帰る。「ちょっと、何で西山祭の看板ないのよ〜。」一人振り向いた園美がふてくされる。「何言ってんのそのちゃん、あんなとこに看板ないでしょ。毎年正門前。」「 だってーっ。そうだ、私達卒業生も、西山祭で出店やろ。」「はぁ、何唐突に。ムリムリ、あたしたち卒業生忙しいんだから。」「あれ、…」まきが何かに気づいた。「この光景にこのセリフ。どこかで聞いたような見たような…」「ギクッ…」園美が夏に細目な視線を向ける。「まさか…白線流しを。」「ラブレターかな。中山みほの…」「そっちかいっ」ズッコケる園美。「そっ、それよりさ。あ、磯山君。」グッドタイミングに慎二が通りかかった。「何だよ。またバスケットボールはごめんだぜ、ふん。」すっかりご機嫌斜めな慎二。「違うってば。ねぇ、テストの答え合わせ磯山君んちでしたいな。」「はぁ…」かくして雅春も呼んで勉強会が開かれた。「うちは旅館なんだからな。静かに頼むぜ。」「え〜、何で。神社じゃないの。設定崩れる。」「だから設定って何なんだよ。」そうしてる間に雅春も到着。「こ〜ら、何言い争いしてんだ。夫婦喧嘩か。」「んもう、だから長田君違うってば。」ふてくされて畳に座り込む園美。「まだコンタクトにしないの長田君。」「え、何で。」「まっちゃんに言われたんでしょ。メガネ外したらイケメンとか…」「え、言われてないけ…ど…そうかな。」まんざらでもない様子。「それはもういいから。あれ、ほらあれ、あれ。」園美に言われてキョトンとする雅春。「ん〜ん〜ん に行こう。でしょ。」「ん〜んん…ああ、うんこ行きたいの。」ドテンと転ける園美。「誰がウンコじゃ〜い。われ、舐めとんのか〜い。」テーブルに足掛ける。「ちょっと、うちの商売道具。てか、下品。」慎二に言われてようやく気付く。「あら、私としたことが。」「天文台に行きたいの。」「えっ…」皆が一斉に夏を見た。「い、いや何となく。」かくして雅春主導でなく、夏主導で天文台ツアーが決定した。たまたま歯科医の父が天文台ツアー企画部課長とクラスメートだったのが幸いした。翌日、ホームルームで小澤が待ちに待ったあれを言い出す。「さて、毎年三年生は…」…続く。

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