複雑・ファジー小説

白線お流れ〜迷想奮闘記〜
日時: 2019/08/18 00:04
名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)  

清純な田舎の女子高生の物語。優秀な開業医を父に持ち、何不自由なく一人っ子の箱入り娘として生まれた。長野県松本市内の優等校に通い、将来に迷っている三年生。…じゃなくて……………………同市内の底辺校に通い、ドラッグストア薬剤師兼レジ係りの父を持ち、精肉工場のパート勤めの母を持つ高校三年生、八倉園美のお話し。7人兄弟の三番目、次女として生まれて毎日醜い兄弟ゲンカを繰り返し、外面は一人っ子の清楚な女子高生を演じて回りを辟易させる。そんな彼女がある日、父が借りてきた「白線流し」というTVドラマDVDをたまたま視てしまってからが大変。回りを巻き込んで主人公、七倉園子になりきろうとドタバタ騒ぎを展開する。しかし意外な結末が待ち受けていた。ハートフル?青春コメディが幕を開ける。

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Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.56 )
日時: 2019/12/26 00:52
名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)  

…そんな中、相島が真澄のネームプレートを見て呟いた。「この程度のプラスチックプレートならうちの機械でワンサカ作れるのに。…看板、表札、名札、トロフィーからフィギュアに至るまで手掛けてきた。…」真澄がつい気になって尋ねてしまった。「工場長さん、何かお悩みですか。」「いや、その…」話に幸子が割り込む。「いや、隠してもいずれ分かることだから…小河電子が倒産するかも知れないのよ。だからこうしてお昼買いにくるのも、あと幾日か…仕方ないのよね、大手のお得意様も潰れて、小口だけではやっていけないのよね。主人が残してくれた会社なのに。」「社長、私が何とかして見せますから。」「相島さん…」しばし見つめ合う二人。真澄がポロリと呟く。「園美が通ってる西山高校が卒業記念品やトロフィーとかで雇ってくれればいいのに…」「何だって。」相島にいいアイデアが浮かんだ。それから数日後、五子と竜也が病院で対面していた。「久しぶりだね。」「本当久しぶり竜也さん…」微笑んで病室の前で香と園美は様子を見守っていた。「50数年ぶりにあの頃を取り戻したいんだもう一度。遅れすぎてごめん。」「ううん。謹んでお受けします。」「五子ちゃん。」二人は手を取り合って見つめあった。その夜、卒業式を明日に控えた園美は一人部屋で佇んでいた。「私達はただ流されるだけ…高校って何だろう…青春って何だったんだろう…」フーッ、フーウウーッと歌うコーラスに載せて呟いていたのだが。「姉ちゃんうるさい。今何時だと思ってんだよっ。スマホ消せよ。」雰囲気を一気にぶち壊す貞治の一声。BGMをダウンロードしていた。「こいつ、人がせっかくいいところなのに〜。」貞治を擽る園美。「明日卒業式、頑張れよ姉貴。」「う、うん。」不意の励ましにしんみりする園美。やがて寒い朝を迎え、旭が「西山高校卒業式」の看板を黄色く照らし始める。「ふう、間に合った。」相島が徹夜明けで荷物をトラックに詰め込んでいた。「これで卒業式の記念品間に合ったよ。まさか新たなお得意様が出来るなんてな。ツイてるよ小河電子は…」手伝ってくれた社員に励ましの言葉をかけていた。それを傍目に見る武豊の姿。「まさか、五島三尉が…」疑問に思いながら小河電子を後にする。やがて時は卒業式の時間を刻んだ。「立嶋夏っ。」「はいっ。」甲高く答える夏。会場は卒業式を彩る飾りに満ちていた。来賓、父兄含めて沢山の人々が晴れの学業卒業の姿を見守っる。…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.57 )
日時: 2019/12/30 01:15
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)  

…見守るのは父兄来賓教師ばかりにあらず。「ふふっ、まるで白線流し見てるみたいだ。」バンで張り込み中に、仕掛けた盗撮カメラで卒業式の様子を見る五島。そこには父兄席にいる武史、美和子、香と武豊の姿もあった。「五島三尉、対象に動きあり。」「ちょっと待てよ。今いいとこ何だから裕子ちゃん。」「しかし、」「わかった何だ。」「車でどこかへ走り去りました。」「引き続き防犯カメラを解析し、行方を予想してくれ」「了解しました。」そう返したその時、無線連絡が入る。「五島、大変だ。西山高校卒業式来賓として法務大臣が直々来賓として特別出席することになった。」「まさか。しまった。」バンを走らせ急行する五島達。…続く。


Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.58 )
日時: 2020/01/01 00:07
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

令和二年謹賀新年

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.59 )
日時: 2020/01/04 01:18
名前: 梶原明生 (ID: 70vEHkeO)  

…「斉藤、装備積んだ車で今すぐ来い。」「了解。」無線で下達する。その頃、SPに守られた神河大臣が到着していた。教頭に卒業証書授与をバトンタッチして校長は出迎えた。「いや〜神河先輩に出席頂いて光栄です。」「何を言うのかね。共に大学の法政学科で学んだ者同士じゃないか。後輩の最後のお勤めなんだから顔ぐらい出して当たり前だよ。」「ありがとうございます。つきましては…今年の市長選ですが。」「わかっておる。君が松本市長になれば私も鼻が高いよ。あくまで私はたまたま…後輩が君だっただけだよ。わかるね。」「はい、心得ております。神河先輩が我が校の卒業式来賓になってくださる。それだけで生徒の保護者票に影響しますから。願ったり叶ったりです。」「これ、声がデカいぞ。ハハハハッ。」笑い合う二人。やがて来賓挨拶となり、神河大臣が壇上に立った。「えーっ、卒業生諸君。おめでとうございます…」話しが中盤にさしかかった頃、体育館の中にサバゲーマーのような格好の男達が入り込んできた。そのあまりに悠長なニコニコした歩きぶりにすっかり「卒業式の余興か。」と誰もが思った。教員の一人が尋ねる。「あのー、余興か何かですか。保護者さんの。」「ええ、法務大臣を人質に取るって余興ですよ。」リーダーがASK短銃を教員の太ももに発砲した。「ギャーッ。」「ダダダダダッ」「キャーッ。」配下達のAK47小銃の天井に向けた発砲音が体育館中に響いた。拳銃を抜いて大臣を守ろうとしたSPは舞台袖に待機してたテロリストの仲間に撃たれてしまう。「とととっ、動くな。大臣と生徒が死ぬよ。拳銃を床に置きな。」大臣を人質に取り、他のSPに指示するテロリスト。わずか数秒間で制圧されてしまった。「神河大臣。お初にお目にかかる。特定秘密保護法なんてふざけた法律作りやがったクズ野郎はお前のことだよな、な、な、な〜っ。」壇上に大臣の顔を拳銃で押し付けるリーダー。「こ、こんなバカなことをして一体何のつもりかね。」「バカだと。こいつは笑えるね。お前がこんな法律作ったから弟は死んだ。お前のせいだゲス野郎っ。いいさ。バカならバカらしくここで皆死のうじゃないか。」体育館中央に集められた生徒、教員、父兄達は恐怖におののいた。西山高校に到着した五島達は、既に陸自迷彩服に着替えており、斉藤のワゴンから装備品を取り出し、用意を始める。「五島三尉、416じゃないんですか。」 「バカ、何言ってる。89式じゃなきゃ。」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.60 )
日時: 2020/01/04 10:58
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

…「どうしてです。」「俺達はあくまで第12旅団の松本駐屯地第13普通科連隊の隊員だ。徴章も付けてるのにHK416持ってたら不自然だろ。一発で特殊作戦群てバレるだろうが。」「なるほど…」「早くしろ。防衛出動第77条に則り、クレイジーサーティと名高い山岳レンジャーたる俺達が出張る設定だからな。おっと、設定なんて誰かさんのセリフが移ったらしい。」緊迫感をほぐす軽いジョークで皆の心をほぐす五島。裕子が腕の端末を操作してドローンを飛ばす。「敵さんもわかってますね。ドローンを警戒して窓という窓を塞いでますよ。何一つ中の様子が見えない。」「ならお得意の赤外線カメラに切り替えたら。裕子ちゃん。」「やめてください五島三尉。セクハラで訴えますよ。」「おお怖。」無線でバンにいる裕子と交信する五島。四人の隊員が各自配置に付く。「入り口という入り口は全てトリップワイヤーのセムテックス爆弾が仕掛けられています。テロリストは7人。内、AKが6丁にASKが1丁。リーダーらしき男が起爆装置を手にしています。」「犯人からの要求は。」「ありません。今日が奴の弟の命日であることと、中の会話から心理状態を計算すると、これは間違いなく…」「自爆パーティーってわけか。」「はい。」「させるか。せっかく心洗われる青春物語を作れたってのに、そう易々とぶち壊されてたまるか。問答無用の自爆なら、こちらも問答無用の作戦で行くぞ。」五島は89式の握把を握り締めた。「我が弟と、祖国の元帥様にこの命を捧ぐ。」そうリーダーが叫んだ途端に2ショットで腕と小脳に5.56ミリのNATO弾が貫通する。体育館二階から侵入した五島達によって。四人の配下も射殺する。舞台袖に隠れたもう二人を追って五島と斉藤は空挺団時代のように一気に飛び降りた。小銃を肩付けしながら走って追いかける。内一人が爆弾起爆端末が転がってる床にスライディングして奪おうと飛び出したが、六発の銃弾を喰らって絶命した。後一人…しかし園美を運悪く人質に取られていた。「畜生、テロリストめ…」舌打ちする五島。「こいつぶっ殺すぞ。いいのか。」負い紐によろしく小銃を下げた五島が両手を上げる。斉藤が不思議がる。「どうしたんですか。」「園美ちゃん。君はあの時と同じだね。」フラッシュバックのように拉致されたあの忌々しい記憶が蘇る。「もう君はあの頃の君じゃない。お爺ちゃんの血が流れてる。抗うんだ。抑圧と絶望に…」…続く。

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