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標的26 吹雪
戦いの合図とともに殴りかかった。
負けたくないから、役に立ちたいから、死にたくないから。
しかし、なんなく避けられ、逆に蹴りを入れらた。
「っっ!!」
危なかった。ガードが少しでも遅れてたらあばらの骨折れてたかも…
痛い。嗚呼、そうかこれは夢じゃ無かったよな、冗談でもないんだ。
これは現実だ。
今は、恐怖を忘れなくちゃいけない。相手が何の使い手か見極めるんだ。様子見なんてしてる時間は無い、隙をつくらず攻撃をしなくてはこっちが負ける。
隙をつくらず戦う、それは案外難しかった。集中力が切れない様に気を付けなければいけないからだ。しかしそれのお陰と言っていいのか、何発か貰うけど、やっと、互角になってきている気がする。
四分六分くらいかな、勝敗は。 五分五分にはなりたいな。
すると、今まで黙っていた神威(さん・・・?)が口を開いた。
「・・・・・・貴様は、一般人だろう。何故戦う」
神威(さん・・・?)の言葉に戸惑った。何故それを今聞くんだと
「何故、今それを聞くんですか?余裕ですね」
少々腹立ってしまったぞ?オラ
「貴様と沢田とかいう軟弱者は、唯のクラスメイトだろう。何故この戦いに参加した」
軟弱者って…まぁそうなんですけど。
「沢田にあのクレイz・・・スクワ―ロさんに襲われた時助けて貰ったからです。」
それ以外に理由は無い・・・多分
「そうか、お前がスクワ―ロのいっていた者か。」
というか面倒になってきたな、戦いながら喋るのって。
「聞きたくないけど、何て?」
「変な術を使ってきた変な奴。」
変を二回付けられた。傷付くじゃないか
「貴様、『言ノ葉』の者だろう。もう一度聞く、何故里から出て此処で戦っている」
ドクン 心臓が、大きく音をたてたのが分かった。
ナンデシッテイルノコイツ。カクシテイタハズナノニ。
「図星か」
「黙れ、何でそれを知っている。ばれまいとしていたのに・・・!」
「何故? 敵の情報を集めて戦いに備える、基本だろう?」
だからってそこまでするの・・・・・・!?
怖くなった。容赦のない無慈悲なその存在が。
―吹雪―
そんな言葉が神威には似合っている気がした。