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標的43 消去 末梢 初期化 delete 京子side
ツナ君の家で皆で喋っている時、電話がかかった。
「はい。あ、綾乃ちゃん?どうしたの?え、今?大丈夫だよ。分かった花とそっちに行くね」
どうしたんだろう・・・いつもより元気がないような気がする
「綾乃、なんて?」
「花と私に会って話したい事があるって、言ってたよ」
少し上の空気味に花の質問に答えてしまった。
「ふぅん、じゃ、行くか」
「そうだね」
会ったら何か分かるかもしれないし
するとツナ君達が夜遅くだからと言ってついて来てくれる事になった。
本当に優しいな。
待ち合わせの場所にはもう綾乃ちゃんがいて驚いた
「綾乃ちゃん、どうしたの?急に」
私がそう聞くと、ゆっくりと唇を動かした。まるで、言い難い事を言うように
「あの・・・ね、私行かなきゃいけない所があって、並盛を離れなきゃいけないんだよね…」
嗚呼、そうか、私が感じていたこの不安はこの事だったんだ。
何で並盛を離れるの?此処は好きっていっていたのに・・・。
そんな時、花が
「嘘!?それって何時!?」
そう聞いた時、綾乃ちゃんは、短く 「明後日」 と淡々とした口調で話した。早過ぎるよ。
「また・・・会えるよね?」
私がそう聞くと一層苦しそうに顔を歪めた。嫌な予感しかしないよ・・・
「もう、此処には戻れない。もう絶対、生きている限り逢えないと思う」
告げられた言葉は残酷で、悲しかくなった。
苦しくって、私が漏らした言葉は、
「なんで・・・・・・?」
だったと思う。なんで居なくなるの?もう二度と逢えないなんて言わないで、お願いだから。
「事情があって、此処にはもういれない」
その言葉が聞きたいんじゃないよ。
「事情って何よ?それくらい言いなさいよ!!」
「言えない」
花が言っても声は淡々としていて、寂しいものだった。
「何で、言えないの・・・・・・?」
「なんでも、」
私は喋るのがやっとだった。たくさん言うと泣きそうになるから。
でも花は泣くのを堪えてか怒りに身を任せ、
「何よそれ!!もう私たちはどうでもいいって事!?」
と言った。すると一拍も置かない間に
「そんな事言ってんじゃない!!!」
と綾乃ちゃんが叫んでいた。
「居たいに決まってんでしょ!!大好きに決まってんでしょ!!でも、でも…、此処には居られなくなってんだよ・・・」
そう言って今にも泣きそうになっていた。何があったの?
「時間が・・・、時間が無いんだよ!!!!!!」
時間が無いって、どういう事なの?
「だから、今のうちにお別れを言おうと思ったんだ・・・。」
叫んで荒げた呼吸を直すのとほぼ同時に、綾乃ちゃんは本題に切りだした。
そう言う綾乃ちゃんは、無理に笑おうとしていたし片目からは涙が零れていた。
そして、
「なんで呼んだかって言ったらね・・・お願いが・・・あっ…たからなん・・・だ」
途切れ途切れに綾乃ちゃんは喋っている。段々と眼が虚ろになっていく。
とてもとても怖くなった。いなくなっちゃうんじゃないかって。
「ゴメン・・・・・・・・・ね」
そう言うと綾乃ちゃんは倒れていまった。
「「綾乃/ちゃん!!!!」」
大きな声に反応してか、ツナ君達が来てくれた。
今すぐにでもシャマルさんの所に行くらしい。私は只、金縛りにあった様に動けなくなった。
綾乃ちゃんが戻って来るように祈る事しか出来なくて、悲しかった。
強くなりたい、頼ってくれる位に。
そう願ったんだよ。