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標的48 思い出話
廊下長いなぁ・・・、しかも綺麗だし・・・土足で歩いていいのかな?
「此処だ」
といわれたところには大きすぎる扉があった。すげぇ・・・・・・・・・
「ボス、連れて来ました」
う〜ん、やっぱイタリア語聞くの苦労するなぁ、なんとなくしか分からないし。
「おう、入ってくれ」
若い人がボスみたいだな・・・こりゃ驚いた。
「失礼します・・・」
そう言って入ると、其処にいたのは、ディーノだった。
こいつ、マフィアのボスになったんかい。
「久しぶりだな。元気だったか?綾乃」
「あーうん、多分」
「曖昧だな・・・」と苦笑交じりに言われた。だってこいつがマフィアやってんだよ?驚いて何が悪いんだよ。
しかもボスって・・・・・・・・・・・・立派になっちゃって。
「イタリア語喋れるようになったんだな。あの時は喋れなかったから俺が日本語を覚えて喋ってたんだよな」
「あん時はお世話になりました。でもメンドクサイんで日本語で喋っていいですか?」
「まぁ、良いけどよ・・・なんで敬語?」
だって私が知っているディーノはヘタレでドジなディーノ、しっかりしていて余裕があるディーノなんて知らない、知らないんだ。
さて、皆さま、私、遠藤綾乃は小さい頃イタリアに住んでいました。でもイタリア語なんて覚えられるかぁ!!ていう子供だったんで、日本語とラテン語しか喋れなかったんです。
当然友達はおりませんでした。ディーノと初めて会った時、
「懐かしいな、初めて会った時・・・「自分よりゴツイ人にカツアゲされかけてたあんたを私が助けたんだよね」・・・あん時はサンキュー・・・でもやり過ぎだぞ?あれは。」
そう、自分よりも小さい人に助けられたんです、コイツ・・・・・・やり過ぎかなぁアレ・・・?
で、イタリア語で文句言って来たけど私に分かる訳なく、二人とも「何言っているんだろう、コイツ」と固まったんだよなぁ・・・
懐かしい
作者より
此処から思い出話になっていきます。