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*63*
標的53 アルバム
パラパラと、アルバムをめくっていく。
あんな事があった。こんな事があって笑い合えた。
そんな些細な事も幸せって思えた。一緒にアルバムを見えて嬉しい。
何時か、沢田達のアルバムを見てみたい。
・・・『何時か』って来るの?もし、失敗したら?もし、生きる事を諦めてしまったら?
・・・・・・怖い、こうしているうちにも段々と命は無くなっていく。
残り、どの位残っているのだろう?
「綾乃?どうした?何かあったのか」
「え?あぁ、ううん、何でも無いよ?そっちこそどうしたの」
ディーノに心配かけてしまった。こんなんじゃいけない。でもやっぱり・・・。
「・・・お前、まだ『歌って』いるのか?」
「うん・・・・・・」
「ツナ達が頼りないのか?俺から見るとファミリー思いの良い奴だが・・・」
「・・・、良い奴だからだよ。重荷になりたくない。心配かけたくない。」
当たり前でしょ? そう、私が言って笑ってみせるとディーノは少し悲しそうな顔をしていた。
「ツナはそんなこと思うような奴じゃない。お前はもう少し人を頼れ」
分かっているんだ・・・でも、なんでだろう、頼ったら裏切られるのが絶えれなくなる気がする。
私はもう、裏切られて傷つく事をしたくない。
弱虫なんだ。
だから『歌う』。嫌な事があっても悲しくなっても涙が出てこない様に
私いは『歌い』続ける
私はえらく滑稽だろうな。
ディーノはわたしにほんの少し笑いかけ
「何時か、心の底から泣ければいいな」
そう言ってくれた。 その言葉だけで嬉しかった。
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