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*13*
「私、魔界の崩壊に巻き込まれたの・・・?」
サーヤは暗闇の中で、ただ一人呟く。
前も後ろも、今自分がどこを見ていたのかも解らない。
(・・・ここで人間界への道は・・・・開けないか)
一瞬力を込め試してみるが、何の前触れのようなものも起きないため、諦める。
「レイヤくん・・・お兄ちゃん、皆・・・・無事に帰れたのかな」
自分がこんな状況であろうと、仲間を心配するあたりサーヤらしい。
余裕でいられる理由は、一つ目に、悪魔が現れないということ。
二つ目に、もし悪魔が現れようと、魔王が消えた今、”悪魔”としての地位は紗綾のほうが上だということ。
あまり嬉しくは無いが、この二つがサーヤがパニックになるのを防いでいた。
「・・・。どうにかして、戻る道を見つけられないのかな」
ここでジッとしているのもいやなので、少し歩いてみる。
でも相変わらず、闇ばかり。
不安に駆られる。
それでもサーヤは、人間界に戻ることだけを希望に、闇の中をくじけずに歩き出した。
____
千晶が落ち着いたあと、サーヤの代わりに志穂が送っていく。
宇佐見は一人で走って帰った。
店の中は、まだ空気が重たい。
いつも凛としていて、皆を引っ張るレイヤ、そのレイヤをフォローする魔梨、暗い空気を明るく変えるユウヤがそろって落ち込んでいるせいも有るだろう。
そんなマテリアルたち、ルナたちの傍で、圭吾と伊吹もため息をついていた。
「・・・紗綾ちゃん、一体どうしたんでしょうか・・・」
「魔界にいるのは確実だと思うが・・・・」
この二人も、どうしたものかと考え込んでいた。
でも、やはり考えていては何も始まらないのは当然だ。
それを考えてのことだろうか。
ガタンと、徹平が立ち上がった。
「あー、もう!おれっち考えるのは嫌いなんだ!とっとと動こうぜ!
さあやっち助けるんだろ!?考えてても意味無いって!
おれっちは、中学生組リーダーとして、何回でも魔界にいってやらぁ!」
こんなときばかりは、素直に徹平がうらやましく、強いなと思える。
徹平に反応してか、どちらかというとノリが徹平よりの美羽も立ち上がった。
「・・・あたしも賛成かな。あたしも、サーヤちゃん助けに、魔界が壊れてようがなんだろうが、行くよ!」
美羽がニッと笑う。
この二人が立ち上がったのをきっかけに、千晶を送って戻ってきた志穂もやる気になってくる。
「行きましょう!紗綾さんも、きっと今、ここに帰ろうと頑張っているはずです!」
やはり、マテリアルたちの絆というものはとても固く、強い。
仲間がたった一人でもかけることは、許されない。
その一人のために、マテリアル、ルナたちは決意をかため、ふたたび魔界へと乗り込む。
+++
ちょっと意味不明ですみません!