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*60*
「大丈夫かな・・・・」
鳴神のいなくなったウィンドミルで、ルナがポツリと呟いた。
「・・・ルナちゃん、大丈夫だよ、きっと。」
「ああ。ルナちゃんの気持ちは伝わってるはずだよ」
サーヤと翼が、俯き気味になっていたルナを元気付けようとする。
「・・・今思い出すと、すごい偉そうなこと言ってたな、ルナ?」
短いが、タイの毒舌である。
「う・・・」
ルナがさらに落ち込んだ。
「わ・・・た、タイ様・・・」
ゆのりが焦ったようにタイを見る。
「問題ない」
何が問題ないのか。
サーヤたちは一同、そう思った。
このおかげで、暗くなりすぎていた店の雰囲気が幾分か軽くなったきがした。でも、不安はきえさってはくれなかった。
____
「話?」
「・・・・ああ。二人に」
父にだけ用があると思い、部屋を出ようとした真紀子は驚いて、再び椅子に戻る。
「・・・・まず・・・その・・・・あ、謝り・・・たい」
「謝る?」
父が眉を寄せる。
「京一郎君?」
真紀子も心配そうに顔を覗き込んでくる。
「・・・二人のこと・・・否定するようなことしてたこと・・・。
俺、・・・母さんが死んだあとから、父さんにずっと拒絶されてると思ってた。・・・全くされてないわけではないと思うけど。
でも、俺もきっと、拒絶してたんだと思う。全部人のせいにしてた。
それから。・・・今まで他人みたいに接してごめん・・・母さん」
いきなり帰ってきて謝られたことに驚く親たち。
「きょ、京一郎君・・・」
「・・・・・」
真紀子が慌てて、京一郎に話しかける。
「あのね、京一郎君。仕方ないと思うの、私。
いきなり、話しも通されないで新しい母親です、なんていわれても。
だからね、私。この人も、少なからず悪かったと思うわ?」
真紀子は言いながら、イタズラっぽく父を見た。
「な・・・ それは・・・・」
父は言葉に詰まりながらも、はぁ・・・・と溜息をついた。
そして。
「悪かったな・・・・京一郎」
鳴神がずっと求めていた笑顔を見せてくれた。
+++
複雑な環境を書くのは難しいというか・・・・嫌だなぁ・・・・汗