完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

魔天使マテリアル×妖怪ナビ・ルナ  ?
作者: ルル  (総ページ数: 238ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 妖界ナビ・ルナ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~ 220~ 230~

*32*

ここはどこだろう・・・?
暗くて  寒くて  光のない 
ここは、まだ魔界?
確かにあのとき
黎夜と兄さん・・・皆の声が聞こえた気がするのに。
あれは幻聴だった?  独り取り残された悲しさからの・・・・
_______
「サーヤちゃん・・・・まだ、目が覚めないんですか」
ルナが心配そうに目を伏せて問う。
「ああ・・・傷も殆ど治っているし、医者も何も問題は無いといっているが・・・ただ、4日・・・目を覚ましていない」
魔梨がルナに伝えてから、ふと、サーヤの居る部屋の方角を見やった。
「そうですか・・・心配だね・・・タイくん」
「・・・・ああ・・・・」
心なしか、タイが少し寂しそうな表情をしている。
「・・・・?」
今日は何かあっただろうか。
そんなコトを考えて、タイを見ると。
[今日は何日か、覚えているか]
あの、直接頭の中に響いてくる声だった。
タイとルナが初めて会ったときのような。
[今日・・・・?   あ]
同じように返しながら、ルナは気がつく。
「・・・12月・・・・31日」
大晦日。
周りは皆楽しそうに話しながら歩いていく中、ウィンドミルの中は暗かった。
サーヤが目覚めないのも第一の理由だし、ルナとタイにはつらい思い出の残る日だからだ。
「どうしたんですか?お二人とも・・・」
志穂がルナたちの表情がさらに暗くなったのに気づき、声をかける。
「・・・いや・・・今日はね、ちょっと・・・」
「言うならば特別な日・・・悪い意味でね」
「「特別な日・・・?」」
後ろから訊いて来たレイヤとユウヤ。
「明日は、私とタイくんの誕生日なんだ」
「そうなんですか!」
「そりゃ、おめでたいな」
ウィンドミルに来ているのは、志穂、徹平、魔梨、ルナ、タイ。レイヤとユウヤは元から住んでいるのでいるのは当然だろう。
この仲間たちには、話せるのだろう。
痛々しい表情で、ルナは語りだした。
「本当・・・いろいろあったよね・・・だって、私、いきなり妖怪と人間の血を半分ずつ引いてます、なんて言われても、困っちゃうよ。
魔梨ちゃんたちもそうなんだろうけど・・・。
あのね・・・私の力が目覚めたのは、小学校、4年生のとき。
その後すぐにもっけとスネリにあって・・・まあちょっとカン違いとかあったけどね」

一時間に渡り、その話しは続いた。
大晦日、人々は楽しみで仕方の無い日。
だがそれは、ルナたちにとっては辛い日。
一度は死んだ仲間。  ルナが陰陽師の禁手を使って生き返らせたこと・・・・その前に起こった、タイとの本気の死闘・・・・。
レイヤたちは、自分達の比にならないその厳しさ、残酷さに、目を見開いた・・・・
+++
思い出すだけでこっちが涙目になるよね・・・・ルナたちのことは

31 < 32 > 33