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恋桜 [Cherry Love]  ――完結――
作者: 華憐  (総ページ数: 176ページ)
関連タグ: 恋愛 三角関係 高校生 美少女 天然 
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*100*

歩き始めて30分。
計画通り、私と美樹は”さっきあそこでいい店見つけたから行ってくる”作戦で優那や涼香達と離れることに成功。
その後は優那からラインを利用した、実況中継が行われた。

”今涼香と離れたよー”
”本当!?上手くいってるじゃん!”
”ですねー””てか”
”ん?”
”石島くんと二人きり恥ずかしい///”
”…”
”コメントしてくださいよ(汗)”
”ごめん。一瞬文字が見えなかった”

こんな感じで若干話は逸れているが、実況がされていった。
そして、さらに30分後に私、美樹、涼香、石島くんが涼香の所へ戻ると…なんとなんと衝撃的シーンに直面してしまったのだ。
その衝撃的シーンというのが…キスシーンだった。

そのシーンに出くわすまでの経緯を説明しよう。
まず私が涼香にラインで

”今どこにいるの?”

と尋ねると

”3丁目の路地うろ”

と返ってきた。これ―主に”うろ”の部分―は何かあったということで、慌てて私達が駆け付けると、そういう状態だったという訳だ。

「な、な、な、な…」

涼香は先程から顔を真っ赤にしながらそれしか言わず、篠田くんもどこか不機嫌そうに私達を見ている。

「今のは見なかったことに、しよう」

そう言って美樹が回れ右をして歩き出そうとした瞬間、篠田くんが美樹の肩を強く掴んだ。
しかし美樹は全く動じず「何?」というような感じで振り返った。
すると、篠田くんが不貞腐れながら

「その…勘違いするような真似、やめてくれよな」

と言った。
その場にいた全員が頭上にクエスチョンマークを浮かべる。

「だから!涼香が!嬉しそうに携帯見てたから嫉妬したっつってんの!」

そう言われて初めて全員が理解した。
そしてそれと同時に涼香と篠田くんを見る視線が熱くなる。

「そ、それってもしかして…?告白?」
「告白ですか?」
「こ、告白なの?」
「ついにお前も告白か」

口々にそんなことを言っていると、篠田くんが

「違げーよ。既に告白したし、OKもらったからさっき…」

と言って自爆した。
そんな様子の彼を見て、皆笑っているがどこか安堵の色がうかがえた。
そして、ここからも先程通りの別行動をしようということになり、私と美樹はペアになって一番最初に路地裏を出た。

「いやー、それにしても幸せそうで何よりだー」

美樹が太陽に手を翳しながら言う。

「本当だねー!でも、美樹は知ってたんでしょ?」
「何を?」

と、とぼける美樹。
そうは言っていてもわかる。
彼女がどれだけの情報を持っているのかくらい、一緒に行動していて大体の見当がついた。


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