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*50*
3限目が終わり、10分休憩の今__
「明日の勉強会、超楽しみだわ!」
私の隣で燥いでる美樹。
あれから、何度か4人で集まり、日程を決めたのだった。
それが、丁度テスト2週間前の日だった。
「美樹、燥ぎ過ぎだよ。てか、勉強会だよ?目的を忘れてはいけません」
「なんか、真奈が真面目だ!」
「少し馬鹿にされた感じがする」
「えー?だって、あたし真奈って勉強しませんー、って感じだと思ってるもの」
「それ、どういう印象ですか」
私達がそんな会話を繰り広げていると、凜が会話に入ってきた。
「あ、そういえば、明日、何の教科を勉強するんだ?」
「そういえば決めてなかったわね!何にする?」
「私は何でもいいよ?」
「それじゃあ、徹にでも決めてもらうか。そんじゃあ、俺が聞いてくるよ」
そう言って、凜は逢坂くんの所へと向かった。
そんな様子を見て、私の脇腹を肘で突く美樹。
「何?」
「いやー、案外あの2人、仲良くやってるじゃん?と思って」
「そういえば、そうだね。初めて会った時は犬猿の仲って感じだったのに」
「部活で成長でもしたのかな?」
「あるかもしれないね!バスケってチームプレーだもん」
「だね」
私たちが微笑み合っていると、凜が戻ってきた。
「なんか、明日は理数をやるらしい」
「わかった。てか、何でそんな嫌そうな顔してるわけ?」
美樹が不思議そうな顔をしながら問う。
すると、凜は珍しく焦ったように「なんでもない」と言うと、慌てて自分の席に着いた。
「変な凜」
「やっぱり真奈もそう思う?」
2人して不思議だなー、なんて顔をしながら話していると、今度は逢坂くんが話に入ってきた。
「それにはね、理由があるんだよ」
「理由?」
「それって何?」
私と美紀が興味津々、と言った感じで逢坂くんに顔を近づけると、彼は意地悪そうに微笑みながら「知りたい?」と問うてきた。
なので、私たちは声を揃えて、「知りたい!」と答えると、勝ち誇ったような顔で話し出した。
「さっき、凜が俺のところに来て、何の教科を明日やりたいか?と聞かれたんだよね。だから、俺の得意教科である理数をやりたい、って言ったわけよ。そしたら、凜、得意教科ってのに喰らいついたんだ。それで、中学時代の点数の競い合いしたんだ。まぁ、それで結局のところ、俺が勝ったってわけ」
「な、なるほど」
美樹が意外、というような顔をしながら頷いた。
私も頷きながら、先程から気になっていたことを聞いてみた。
「ち、ちなみに逢坂くんは…」
「ん?何?綾川さん」
「その…中学時代数学と理科、何点採ってたの?」
「満点しか採ったことないよ?」
「…」「…」
「美樹、今の聞いた?」
「聞いたよ、真奈。こいつ、自分が嫌味を言ったって気付いてないよね?」
「やっぱり、嫌味に聞こえた?私も実はちょっと嫌悪感を抱いてしまったのだけれど…。これって正常な感情?」
「正常正常。これで真奈が逢坂敬ってたらどうしようかと思った!」
そんなことをこそこそ話していると、逢坂くんが不機嫌そうに私たちに話しかけた。
「すっごいダダ漏れなんですが」
「…え?何がですか?」
美樹が平然とした表情で逢坂くんの質問に答えると、逢坂くんは少し溜め息を吐いて話を仕切りなおした。
「さっきの話は置いておこう。そんなに満点が採りたいなら、俺が勉強教えてあげるよ。ていうか、そもそもそのつもりだったけどね」
そう言って、私の方を見て微笑む逢坂くん。
若干ムカつく要素が含まれていたかもしれないが、その笑顔ですべてが許せてしまう。
「うん、ありがと」
私は逢坂くんに微笑み返した。
すると、それと同時にチャイムが校内に鳴り響いた。
4限目が始まる。