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*13*
「忌々しいって…?」
「…あの後、その現場に行ってみたんだよ。」
グレイは思い出すのもおぞましいのか、顔を青ざめさせていた。
「その現場、吐き気がした。それに…」
「それに。」
「人が…死体が落ちてたんだよ。傷跡も、病気でもなんでもないのに…。」
あの時、周りには死体が転がっていた。
グレイやエルザはもう慣れているからか、悲しそうに顔を歪める。
だが、ナツとリサーナは口元を押さえていた。
その死体は、実に不思議なものだった。
変化の無い、苦しげな顔でもない、病気でもない。
『自然死』だったのだ。
死体の数々は、大きな穴の近くに倒れていたらしい。
「それが…『兆年孤独唄』だ。」
「…!」
ハッピーは毛を逆立たせる。
そんな忌々しいものだったとは、思わなかった。
「でも、なんでグレイを…?」
「…多分だけど、」
一つの可能性がある。
「俺が、『静』の造型魔導士だから。」
「え?」
「太古の鍵は昔に壊れたらしい、アレを起動するには鍵がいるんだ。」
「…あ!!!」
「意味が、分かったな?」
グレイは『静』の造型魔法の使い手だ。
もちろん、その魔法は何でも造れる。
「あいつ等は分かってないらしいな…。」
「?」
「俺はその物体を見ないと、それを造型することはできない。」
「それは、外れね。」
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