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FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
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*15*

七話「人形」



「ナツ〜…早くきて〜…。」

ハッピーがぐったりと倒れている。
腹が減っているのか、グギュルルルと音がなった。

「緊張感ねえのかよ、お前は…。」
「あいぃ…。」

もう答える気力も無いのか、微妙な返事をするハッピー。
それを呆れ顔で見ながら、グレイは考え事をした。

(あのアリアとアイリ…、会ったことねぇはず…何で懐かしく思えるんだ?)

もしかしたら、昔に会っているのかもしれない。
だがそんなの覚えていない、覚えられるはずが無い。
過去なんて、かき消したいから。


チャリン…




「あ…?」

自分の胸を見ると十字の様な、剣の様なネックレス。
それはあの惨劇の際、父から譲られたもの。
少し前、とある男に「それはレプリカか」と聞かれたことがある。
その時、咄嗟に嘘をついた。


『昔に買った安物だ』と。

本当は嘘。
本当は亡くなる寸前の父から貰ったもの。
父との繋がりは、これだけだから。
その時どうして嘘をついたか、分からない。


「…はぁぁ…。」

グレイもハッピー同様、ため息を吐く。
ともかく、今だけは寝ていよう。
フェアリーテイルは無事か…そんなことを考えながら、グレイは意識を閉ざした。



―フェアリーテイル―


「私、やっぱりナツ達と行く!こんなところで待つなんて…!」

ガタン、とレヴィが席を立つ。
それをガジルが「やめろ」、と声をかけた。

「あいつ等を指定したんだ、…何か意味があるんだろ。」

ルドが指定した人物は、

ナツ、ルーシィ、エルザ、ウェンディ、ジュビアだ。

「…でも、」
「あいつ等が信じられねぇのか?」
「!!」

いつもナツ達は信じてくれた。
自分のことを、いつも。
レヴィはふ、と息をつく。
そして、優しく頷いた。


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