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FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
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*17*

「アステリオン、ご苦労様。」

擦り寄ってくるアステリオンを愛おしく撫で、閉門する。
アイリは、儚げに笑った。

「……。」

アリアとアイリは、人形だ、――人形だった。
昔、とある少年に渡された。
少年はとても大切にしてくれた。
いつも大切にしてくれた。
ある日―――少年は誰かに連れ去られた。
人形は動かない、そこにいるだけ。
少年を呼ぼうとしても、声だってない。
瓦礫の下にいるだけ。
そのとき、シャロットという人物が、魂を打ち込んでくれた。
これで少年を探せる。
そう信じていた、なのに。
少年の顔を、思い出せない。
どうしよう、どうしようと考えていたら、一つの結論にたどり着いた。


「少年を取り戻すために…『兆年孤独唄』を使って…。」

それから、仲間を集めた。
精一杯、情報を集めた。
そして一生懸命、過去を探した。
今まで幸せだったから、辛い過去なんて無かった。
だから、だから。
そして、あれから十年。
辛い過去が集う場所を見つけた。
『フェアリーテイル』。
ここなら、大丈夫。
過去がある。
シャロットにお願いして、依頼をまわしてもらった。
一人の青年を犠牲に、『兆年孤独唄』が動く。
一人の犠牲なんて、なんて容易い。
だから、龍がでると嘘をついたが。
駄目だった。
シャロットは―――死んだ。罪悪感で、最後グレイに微笑んだらしい。
でも、もういらない。
シャロットはもういらない。
青年―グレイがいるから。
目的の人物が見つかったから。




「これでっ!復活するのよ!!兆年孤独唄ぁ!!!!」

嬉しい、の一言に尽きる。
やっと、長年の苦労が結ばれるのだ。
願い事はただ一つ。
アリアとアイリを人形に戻して、そして少年の下へ帰して。
これでいい。
グレイなんて知らない。
ただの生贄だ。
その生贄に――























































懐かしさを感じるのは何故だろう。


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