完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~
*25*
10話「善良」
「っふざけんじゃねええええええ!!」
グレイは牢屋越しにキクを蹴る。
少し当たったのか、キクはしかめ面になった。
「っく……、いきなりなんだよ。」
「お前っ…知らねぇでデリオラを蘇らそうとしたのか!!?」
「うるさいな!そんなの勝手だろ!!?」
「その勝手で人が死ぬんだぞ!それを分かってやってんのか!」
「犠牲くらいでギャーギャー騒ぐな!」
「なっ……!」
呆れたを通り越して、言葉も出ない。
何も分かっちゃいない。
「犠牲が出ない計画なんて、ないんだ。それくらい理解してやってるさ。」
いきなり、首を絞められる。
グイ、と上に持ち上げられ地面から足が離れた。
ギリギリ、ギリギリ。
息苦しさに、ばたばたと足を動かせるも失敗に終わる。
「っ―――――――――っ!ぁ…――――――!」
「…寝てろ。」
最後に力を入れると、グレイの手足がブランと力が抜けた。
パッと手を放す。
グレイはその場に崩れ落ち、倒れこむ。
首には、強い痣が広がっていた。
「…っふ、うぅ…!」
どうしてか、キクの目から涙が零れ落ちた。
「ぅ…ああ…!」
どんなに拭っても流れる涙。
諦めて、その場で泣き崩れることにした。
PR