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*28*
「知ってるんでしょう?教えて。」
「…………ぐっ!」
思い切り頬を蹴られた。
ズキズキと、痛みが増す。
「っ教えるかよ…。」
「…そう、じゃあ貴方の魔法を…使えないようにしようかしら。」
アイリは綺麗な微笑みを浮かべると、銀色の鍵を取り出す。
「開け、『彫刻具座』の扉、カエルム。」
「星霊!?」
「感情魔法じゃ敵を錯乱する事は出来ても、戦えないでしょ?コレが私の本当の魔法。」
静かにカエルムに触れるアイリは、愛おしそうに星霊を撫でる。
どんな形であっても、星霊は愛しているようだ。
「さぁ、カエルム…行くよ。」
「ま、さか…!」
剣の様な形になったカエルム、先ほどのセリフと合わせれば見当はつく。
―貴方の魔法を…使えないようにしようかしら。
「やっ、やだやだやだ…!」
カタカタと、自然に震える。
部下に思いきり、腕を固定され動く事もできない。
ここまでか、そう思った。
いきなり建物が揺れる。
自然的なものではない、誰かが壊したような。
「っ…!?何事?」
「大変です!アイリ様ぁ!黒髪の仲間が…!」
「いきなりここに…!」
「メア、イムサ。それはどういう、」
その時、大声が建物中に広がった。
「仲間をぉ、返しやがれえええええええええええええ!!!」
全員の鼓膜に響き、どこからか「グレイ様ー!」と言う声も聞こえた。
それはとてもうるさいはずなのに、グレイにとっては酷く安心した。
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