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*47*
16話「鍵の少年」
―レヴィ達―
「ここ、だね。」
目の前にある孤児院は、小さかった。
騒がしい声が聞こえる。
おそらくは、子供達の声だろう。
「…ガジル。」
「何だよ。」
「子供達を絶っっっっっっ対に怖がらせないでよ!?」
ビシッ、とガジルに思いきり指を指す。
それに腹が立ったのか、言い返してきた。
「わーってるよ!向こうが勝手に怯えるんじゃねぇか!」
「その悪人顔が問題だろう。」
「リリーの言うとおり、いいから笑ってて!」
孤児院の扉を開け、中に入る。
一斉に中に居た子供達の視線が、二人(と一匹)に向けられた。
「…なにか、御用で?」
礼儀正しい少年が、声をかけてきた。
それにレヴィが対応しようとするが、それは伸ばされた手に遮断される。
「ガ、ガジル?」
「…下がってろ、コイツから異様な…魔力がする…。」
「私は至ってタダの魔導士です。」
「魔導士!?」
こくりと少年は頷き、用件を聞いてきた。
「貴方達の用は?」
「あ、あのね…少し問題が起こって。」
「単刀直入に言おうぜ、おいガキ。兆年孤独唄の鍵をしらねーか?」
思いきり真正面から問うガジルの頭を、レヴィは思いきり叩いた。
その痛みは案外辛かったらしく、ガジルは頭を抱えてうずくまっている。
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