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*5*
「それで、依頼というのは?」
「ああ…、あの手紙に書いてあったでしょう?」
男はす、と向き直る。
それと同時に全員は姿勢を正した。
「お願いできますか?あの者達は厄介でして…。」
「大丈夫です。さぁ、行こうか。」
エルザが立ち上がると、ナツが我先にと家を飛び出した。
「いくぞおおおおおおお!」
「あい!」
「ちょ、ナツッ!待ちなさい!」
「それでは、依頼を…。」
「…。」
ナツ、ハッピー、ルーシィ、エルザ、グレイの順に家からでる。
ふいに、グレイは後ろを振り向いた。
「これで…いい……。」
「え…?」
シャロットはグレイの視線に気づくと、微笑みかける。
「どうしましたか?仲間が遠くに居ますよ。」
「あ、ああ。」
少し違和感を覚えたが気にせず、グレイは仲間の下へ走った。
シャロットはただただ、そこで笑っていた。
―寂しそうに。
シャロットはその後、――――――首をつった。
「グレイ、遅いぞ。」
「わ、悪い。」
エルザに注意され、グレイは軽く頭を下げる。
それを、ナツが見下していた。
「はっ、情けねぇな。」
「………黙れ。」
いつもとは違う、静かな喧嘩。
ルーシィは戸惑いを感じていた。
「…行くぞ。」
「おー!」
すぐにナツはグレイから視線をはずす。
「あ」と、グレイの声が聞こえた。
だがグレイは何かを後悔したかのように俯き、歩き出した。
対するナツも、何か罪悪感を抱えている様な表情になっている。
「素直になれないってこんな感じなのかな。」
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