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*58*
「……それが、要約か?」
「ああ、危険な魔法だとは分かったな。」
パタン、と本を閉じ周りを見わたす。
リオンは「問題は、」と言葉を続けた。
「何故、グレイが狙われたか―――だな。」
それは簡単だ、とグレイはいった。
自分が辛い過去を持っているから、そう言うとリオンは緩く首を振る。
「おそらく、今になって鍵を集めているということはもう負の過去は蓄積されている。」
「で、でも過去が辛いほうがいいって……、」
「あいつ等の言う事を信用できるか?」
そう言われればそうだ、と全員は納得する。
そもそも敵の情報を信用する事は、できない。
「グレイを狙ったのは、偶然じゃないと?」
エルザが、リオンに問う。
リオンはゆっくりと、首を縦に振った。
「――グレイ、お前は何かとられたか?」
「とられ、た―――、」
「…そうだ…俺…十字の、ネックレス…。」
あのとき、アリアにとられた。
起動装置だと。
「やはり、な。ソレは…父親に譲ってもらったんだな?」
「…ああ。」
「そうか……、」
そのときグレイにかけられていた鍵が、ひかっていたのは皆気づかなかった。
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