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FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
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*7*

「ああ、アリア。」
「僕等の目的はお前等の過去を使い、願いを叶える事。ご苦労、アイリ。
 こんにちは、俺はアリアと言う。」
「アリア…?」

それが合図の様に、草陰から隠れていた人が出てくる。
だが、その人数は少ない。

「俺はね、辛い過去が欲しいんだ。」

アリアの片目は前髪で隠されていて、見えない。
前髪をずらし、アリアは目に魔力を集める。

「…誰の過去がいい?」

一人一人を見ていくと、アリアはニヤリと笑った。

「具現化しやすい者を、攫うか。」
「具現化…?うぐぁ!」
「グレイ!!?」

グレイがいきなり、何かに叩きつけられる。
血が滲む額を押さえ、グレイは攻撃した人物をみる。
その女は水の鞭を持っていた。

「水っ……!?」
「アタシ、水を武器にして戦うの。『メア』って名前よ。」

水の鞭はグレイに巻きつき、引っ張る。
ナツがグレイを取り戻そうと走り出すが、何かにマフラーを掴まれた。

「うぉあああ!!?グルジッ…!」
「私は『イムサ』。心地いいから、このマフラーほしい。頂戴?」
「や、らねー…よ…!」

イムサはフゥ、とナツに向かい息を吐く。
その息は、零度以下の凍える息だ。

「!!?」
「絶対零度…『凍息吹』!!」

ナツの足元が凍り、身動きが取れなくなった。

「だーっ!溶けねーぞ、これぇー!」
「この息吹は凍える息吹…。」

何時の間にか、エルザの足元も固められていた。
その間にも、グレイは連れてかれていく。

「みなさん!」
「ウェ、ウェンディ!」

いいところに、という様に皆は安堵する。
ウェンディは息を吸い、咆哮を繰り出そうとした。

「『キク』。」
「ハッ………。」

ウェンディの準備が終わり、魔力が放出される。


「天竜の…」

黒いコートの相手…キクが、目の前に仁王立ちする。

「空竜の…」


「「咆哮!!!」」

大きな風の風がぶつかった。
周りは吹き飛ばされまいと必死に地面に立つ。

「…っきゃああああああ!!」
「ウェンディ!」

ウェンディの風が押し負け、ウェンディは吹き飛ぶ。
それを目が覚めたルーシィが、星の大河で受け止めた。

「ありがと、ございます…!」
「大丈夫…。ごめんね、ナツ…。」
「大丈夫だ、って!お前等、グレイ返せ!!」

グレイは痛めつけられたのか、気絶していた。
傷だらけのグレイを抱えていたアイリは、ナツの声に振り向いた。

「いずれ君達もアリアの過去魔法に捕らわれるし、変わらないよ。」
「過去…魔法…!?」

ルーシィが一気に目を見開く。



過去魔法。
禁じられし魔法。
ゼレフが創りあげた美しき魔法。
習得する者、ゼレフに魅入られるであろう。
その魔法にかかった者、永遠の恐怖に捕らわれ、崩れはてる。
中も、外も。

一部・ゼレフ書より抜粋


その文が頭に流れ込んだ。
危険すぎる魔法。


「グレイを、グレイを放しなさい!」
「やだねっ、コイツでデリオラを蘇らせるんだ。」

グレイの意識は、デリオラという単語を掴む。
自分にとっての恐怖の対象。
自分がたまに起こすパニック症状の原因。



























それを今、こいつ等は蘇らせようとしている。



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